DEATH NOTE(デスノート) ネタバレスレッドpage.294
Page. 59「零」
SOHO のような、生活感のない部屋。机の上には黒い表紙のノートが置かれている。
部屋の主らしい人物(シルエット)がノートを見つける。
人物A.。oO「こんなノート……置いた覚えがないけど」
とりあえずノートを手に取る人物A。
人物A「うっ! また このノート……」
死神A「あ そのまま手を離すな そうでないと また記憶が飛んでしまうから」
3巻に出ていたインディアン風の死神登場。
人物A「……ノートに触っている間だけは デスノートの所有者だった頃の記憶が戻るという話でしたね
こんなノートの 元所有者だったという事にされてしまっているのは不満ですが」
死神A「元所有者と認定されているから ノートを手放したのと同時に ノートや死神の存在を
綺麗に忘れていられたんじゃないか つまり あんたの希望通り」
人物A「二度と思い出さずに済めば もっとよかったのですが
それで また勧誘ですか?
死神に取り憑かれ 殺人ノートの所有者になり 命懸けでキラを追えと……
何度 お断りすれば あきらめてもらえるんです?
私は自分の命が大切です
キラを追うのなら 私のように面の割れている者ではなく 顔も名前も公開されている者が適切でしょう
『L』のように」
死神A「その『L』は死んじまったけどな」
人物A「!」
死神A「前回見せた分の続きだ 見てみろ」
部屋の中央に、スクリーン代わりと思われる球形の何かが現れ、いくつかの場面が映し出される。
ヘリの中でにやつく月。火口の死。ミサと月。リュークと再開するミサ。
倒れるワタリ。倒れるL。にやつく月。砂になるレム。病院で死亡宣告を聞く夜神父。ノートを拾う月。
死神A「お前 『L』とは一応知り合いだったんだろ? 仇を討ってやろうと思わないか?
俺は一応 死神大王の命を受けて来ているから お前 滅茶苦茶有利だぞ
こうやって過去の場面を見せてやるなんて特別サービス 普通はできないからな
ノートにだって ほら 現在知られているルールが全て書かれている」
人物A「何か 前回見せていただいた時より さらに増えていますね」
死神A「最新情報の追加だ」
人物A「それで……そろそろノートから手を離してよろしいですか?
私は デスノートにキラの名前を書いて 天国にも地獄にも行けないはめになるのは ご免です
しかもキラの名前を知るには 死神の目の取り引きをして寿命を半分にするか
キラに殺される危険を覚悟で わざわざ日本に飛んで彼らを調べるしかないのですよね
……どうして私がそんな事をしなければいけないんです?」
死神A「この前 説明した通りだ
このままじゃキラは暴走したあげく 人類の大部分を殺戮しかねん
流石に放置する訳にゃいかんというので 上が介入してきたんだよ
そして俺は 死神大王の命令を受け キラと渡り合える人間を探して お前に目星をつけたという訳だ
断られた後 他の奴を物色したりもしたんだけどな
能力的に難があったり 心情的にキラに賛成していたり
デスノートを持たせたら最後 キラ以上に暴走しそうだったり
お前以上に使えそうな奴は 結局いなかった…
お前だったら キラよりも頭がいいし 身体を張って人類滅亡は阻止しようと思ってくれそうだし
何より このままキラを放置したら 結構早いうちにキラに殺されそうな人間でもある
かつて起こした事件のせいでな」
人物A「質問の答えになっていません
どうして私に……誰か人間に キラを殺させる必要があるのか訊ねているんです
前回お聞きした時も 納得のできる説明はしていただけませんでした
だから お断りしたんです
人類が滅亡し 人口が零になれば 寿命をいただけなくなる死神たちも いずれ滅亡する
それならば 誰か死神が キラの名前を 自分のデスノートに書くだけでいいのではありませんか?」
死神A「死神は 好意を持った人間の寿命を延ばすために デスノートを使ったら最後
ジェラスやレムのように死んでしまうからな
今やキラを殺す事イコール大抵の人間の寿命を延ばす可能性があるって事になっちまったから
キラを殺す死神は誰でも 死を覚悟してデスノートに名前を書かなきゃいけない
俺のように 人間界ウオッチに精出していた奴は特に危険だ
徹底的に人間界に無頓着で無気力な死神もいるが そういう奴が何かしようと思うはずもない」
人物A「だから人間を使うというのが納得できないんです!
死神って 醜い……!
そもそも デスノートを人間に使わせて遊ぶなんて事を許していたのが間違いじゃないですか
死神界の不始末を人間に片付けさせるとは……」
死神A「そうは言っても お前ら人間の中からキラみたいな奴が登場したわけで 人間界の不始末でもあるだろ?
人間だったら 死なずにキラを殺せる可能性が高いんだから 引き受けてくれよ
ノートを使わないでキラを殺すか止めるかできたら 人類を救った功績ってんで天国に行けるぞ
さっきも言った通り キラを追い詰めやすくするための 普通ならあり得ないくらいの
大サービス特典付きだからな お前になら出来るだろう」
人物A「大サービスしてもらっても ノートを使わないんだったら この手でキラを殺すしかないし
その過程でキラに殺されない保証はないという お話でしたよね?
ノートを使ったら天国にも地獄にも行けないで 死後は魂ごと消滅する事にも変わりはないと」
死神A「それを言われると苦しいが……掟で決まっているから……
俺だって納得いかないが 非常事態だろうが何だろうが動かせない掟があるって言うんだよ
人間界で言えば 物理法則ってやつみたいなもんで
それ以外の 融通がきく部分は 目一杯融通をきかせているんだ
ここはひとつ 人類と死神の滅亡を防ぐために 頼む!」
どこを縦読み?
がんばったね
人物A「しかし……キラが暴走して 人類を滅亡させるとは限らない…」
死神A「この前も そう言ってたよな お前
だが あいつの あの面見ても そう思うか?」
人物Aの脳裏には、さっき見せられた、竜崎を見下ろす月のにやにや顔や、レムノートを奪還した後で
邪魔者は全て消えたと勝ち誇ってる凶悪顔がフラッシュバック。
人物A「そうですね……そして キラを止められるかも知れなかったLは もういない…のですね」
死神A「このノートをLに渡せたらよかったんだが 俺が人間界に降りた時は もう手遅れだったからな…
側にレムはいるわ レムの声を聞ける人間がL以外に何人もいるわ……じゃあ
しかも その中には当のキラもいるときた日には……」
人物A「…………」
死神A「お願いだ ゼロ」
人物Aは、かつて「L」と表示されたパソコン越しに聞いたLの声を思い浮かべる。
人物A.。oO「あの時Lにも言われた……『お願いだ ゼロ』と」
人物A「………本当に私しかいないのですか?
いいえ 他人に嫌な仕事を押し付けようと言うのではありません
ですが もっと能力的に適任の人がいるんじゃないですか?
年齢的にも 未成年という制約なしで動ける人間の方が……」
死神A「いれば よかったんだけどな
そしたら 一度断られた お前の所に来なくても済んだ」
人物A「わかりました お引き受けします」
死神A「! やったーっ!」
人物A「それで 早速 お聞きしたいのですが
今から述べることは 掟の範囲内で可能かどうか」
死神A「……本当に 早速だな」
次号「少女」