ドロシーのディメンジョンARM「バックドア」で、魔女の国にやってきたギンタ達。
しかし――
「な、何よこれ……」
ドロシーの眼前に広がったのは焦土と化した故郷の姿だった。
ことごとく破壊され、焼け跡の中からうめき声や鳴き声が漏れる。
瓦礫が動き、中から現れた人がよろよろとドロシーに近づき、半ばで倒れる。
ドロシーが駆け寄り、倒れた男を支え、
「大丈夫!?いったい何が……」
と尋ねる。男はあえぎながら震える指で空を指し、
「チェ、チェスの…」
と言いかけたところに、一振りの剣が宙を切り裂き飛んできて、
男の喉を貫通し地面に突き刺さった。
ドロシー達が剣の飛んできた方向を振り向くと、そこには……
「やあ、遅かったねえ、みんな。残念ながら、パーティーは終わっちゃったよ?」
「ファントム……!」
(煽り 宿敵……対峙!!上半コマファントム、下半コマギンタ。にらみ合う構図で。)
「おまえが……!」
「あんたがやったの!?」
ギンタが言いかけたのを、ドロシーが先に言い切った。
ファントムは不敵な笑みを浮かべたまま、
「うーん、僕だけじゃないけど…」
としばらく考えて、
「ま、おおむね僕かなあ。」
と舌を出して笑う。
「貴様あ!」
ドロシーが風を刃に変え、怒りとともにファントムに向けて打ち出す。
しかしファントムが指をはじくと、刃はあっけなく霧散した。
「へえ、風使いか。なかなかおもしろいね。」
ファントムは涼しい顔でドロシーを見下ろす。
「くっ!」
歯ぎしりをするドロシーに、声をかけかねたギンタが、
ファントムをきっと見据えて叫ぶ。
「きったねえぞ!ウォーゲームの最中に、こんな!」
「だって、これ戦争だよ。」
「しかし君たちも馬鹿だよねえ、ゲームだなんてほいほい騙されてさ。
主力部隊を一所に集めて、都市の防衛さえしやしない。
僕らは悪党だよ?嘘をつかないとでも思ったの?」
「備えがこんなにないんじゃあ。」「報いを受けても当然だよね?」
瓦礫の山にファントムの呼び寄せた稲妻が落ち、
かろうじて生き残っていたもの達の断末魔があたりを包む。
声を上げて高らかに笑うファントム
何もできないもどかしさに苦悶しながら憎らしげににらみつけるギンタ。
(煽り 卑劣なる……罠!)
巻末コメント
最近身近で起きたサプライズは?
師匠が遊びに来ました。(安西)