DEATH NOTE -デスノート- page.27

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53タナトス

 「アダムはすでに私と共にある。ユイに逢うにはこれしかない。アダムとリリス・禁じられたの融合だけだ。」
 ゲンドウはレイと共に、遂に目的を果たそうとしていた。
 突然、レイの左腕の肘から下の部分がポトリと抜け落ちた。
 「時間がない。ATフィールドがお前の体を保てなくなっている。さあ、ATフィールド・心の壁を解き放て。欠けた心の補完。不要な肉体を捨て、全ての魂を一つに。そして、ユイのもとへ行こう」
 そう言って、ゲンドウはレイの胸に手を伸ばす。レイの胸を掴んだかと思うと、その手はまるで液体に包み込まれるようにレイの体内へと消えていった。
 目をつぶるレイ。ゲンドウの手は胸から、下腹部へと移動する。
 「っう!」
 レイは思わず声を漏らした。




 シンジは復活した初号機のエントリープラグの中で、禍々しい光景を目にしていた。それは、弐号機(と思われる)肉片がエヴァシリーズの口にくわえられて、空高く運ばれていく様だった。弐号機のアスカの屈辱的な姿を目にした瞬間
 「ぅわぁー!」
 シンジは怒りとも嘆きともつかない叫び声を上げていた。

 レイには、その絶叫が聞こえた、気がした。
 (・・・碇君?)

 シンジの絶叫と共に、初号機の背中の拘束具は吹き飛び、天と地に向かって新たな2枚の羽根が現れた。
 そして、その叫びに応えるように、第15使徒との戦闘で使用され、月面に刺さっていたオリジナルのロンギヌスの槍が自ら月面を離れた。槍は数秒のうちに地球に到達する。
 「いかん!ロンギヌスの槍か!」
 冬月は予測していなかった事態に愕然とする。
 槍は初号機の喉元に、自身を突き立てるようにして停止した