DEATH NOTE(デスノート) ネタバレスレッド 12
849 :
タナトス:
これらをバラバラに、
無関係なものとして扱うのではな
く、統一的視野のもとに分析することがこの
論文の目的です。分析のための基本理論はユ
ング心理学によります。部分的には、ユング
以外の理論家によるほうが素直な部分もある
ますが、それは第2論文以降にまわし、この
論文はあくまでもユング自身およびユング派
の理論のみに従ってみます。
ユング心理学を採用する理由は、それを使え
ばエヴァンゲリオンがきれいにまとまるから
です。ユング心理学そのものを認めない立場
の人には、この論文は拒否されるでしょう。
この論文は、エヴァンゲリオンを、どこまで
リアルに論じられるかという、私なりの挑戦
でもあります。リリスの卵も、人類補完計画も
、ユング心理学をもとに現実の可能性として真剣
に考察します。
この論文では、ユング書籍の関連部分をいちいち引用
することで、できるだけわかりやすくしようと思いま
す。本来なら最後に注でまとめるべき内容も、本文で
引用します。また、当然ながら引用には出典を明記して
いるので、興味ある方は読まれるといいでしょう。た
だし、引用は膨大になる(論文数にして数十)と思わ
れるので、読みづらい部分が出てくるかもしれないで
す。わかりづらい部分は指摘してもらえれば書き直す
ので、遠慮しないで言ってください。
なお、ユングの書籍になじんでいる方のために、一言でこの論文を説明してしまうと、ユングが聖書と人
類の精神史を統一的に分析した「ヨブへの答え」、ユング派のノイマンが神話を題材に個人の心と人類の精神史を統一的に分析した「
意識の起源史」、以上2冊と同様に、シンジ達の精神と人類補完計画へと至る人類の精神史を統一的に分析しようとするものです。
<第1章>人類における意識の発生と個人における意識の発生
1.人類と個人における意識発達史概説
以下においては、人類補完計画の意義を理解するため
に、まずは人類の意識の発達史を、次に、シンジ達の
心を理解するために、個人の意識の発達史を概観し
ます。
[人類の意識の発達]
人類はいつ、動物からヒトになったのか。
この問題を精神分析の観点から考えると、それまでの半本能的に動く状態から脱却し、自我がある程度確立された時点から、ということになるだろう。原初においては、自我
は無意識と未分化であり、混然としていた。その状態から、意識が強化され、無意識を抑圧し、意志をもった、自己責任の上に行動する個人として変化していくのが、人類における意識の発達史である。
原初に近い状態では、意識は弱く、無意識のしめる割