【私は】スクールランブル ♯36【好きです…】

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669禁断の愛(我聞×奈良)
ある夏の暑い日、僕、奈良健太郎は、某解体現場へ出掛けていた。
そこでは、僕と同い年の工具楽我聞君が一生懸命に部下達と解体の仕事に励んでいる
姿を見ることが出来た。貧弱な体の持ち主の僕なんかよりも逞しい体つきをしている工具
楽君は、僕にとっても憧れの人だった。
「やあ。奈良君。来てくれたのかい。もうちょっとで終わるところだからそこで待ってくれ」
「うん・・・」
いつ、見ても本当にカッコいいなぁ・・・工具楽君は。やがて、
「突貫!!」
工具楽君の空を切り裂くかのような大声が聞こえ、家がバラバラになった。この瞬間が、
僕にとっては楽しいショットだった。そして、工具楽君は秘書の國生さんや部下の中之井
さんや森永さんと必要な打ち合わせを済ませて、作業着から私服に着替えた。
「奈良君、待たせたな。さあ、これからどうする?」
工具楽君が僕の肩をぽんと叩きながら言って来た。
「そうだね。ビールでも飲みながらどこかで休む?僕、工具楽君の分も買って来たから」
僕はそう言って、コンビニで買ったビールが入ったビニール袋を見せる。
「おー、奈良君、まだ高校生なのにビールを飲むんだ。まあ、オレも飲みたいからいいか」
工具楽君が嬉しそうに顔を綻ばせながら言った。
こうして、僕と工具楽君は、連れ立って解体の現場から離れた。