【サンジを】ここが変だよ、CLAMPのツバサ3【パクんな】
(「ツバサ」の発想はどこから)
まず考えたのが、「マガジンらしいもの」よりも、良い意味で、「浮いてる」作品を是非
やってみたいと。そういう風に考えていったときに、リアルなスポーツものや学生ものより、
現実設定ではないファンタジー的な要素がある作品にしてみたいなと4人とも意見が一致し
ました。それからもうひとつ、「CLAMPがこれまでに描いてきた作品を全て繋げる」と
いうことを、今回やってみようと思いました。ですから、「ツバサ」には小狼とさくらを始
め、CLAMPがこれまでに描いてきた色々な作品のキャラが登場しています。
これまでにも「X」などで部分的にやってきたんですが、今回は集大成的に「CLAMP
作品全てを繋げる」ようなことが出来たらと思っています。
ただ、そのために「CLAMP作品全ての繋がりを知っている人」を描く必要があったん
です。それが「×××HOLIC」の壱原侑子ですね。
これも以前からの構想なんですが、「ひとつの物語をふたつの視点で描く」ということが
出来ないだろうかとずっと考えていて。そうなると最初の部分に関してだけは、どうしても
タイムラグなく、すぐに読者の方が読めるように、週刊誌、それも毎週の発売日があまり間
のあかないもの二誌が良いなと思ってはいたんですが、なかなか機会と場がなくて。今回
『マガジン』と『ヤングマガジン』両誌にご理解頂いて、やっと実現できました。
まず「×××HOLIC」の連載を先にスタートして、少しずつCLAMP作品のキャラ
クターを登場させる前フリをしておいてから、「ツバサ」に繋げていく。そして、『ヤング
マガジン』の5月19日発売号の「×××HOLIC」で、侑子さんのところにさくらと小
狼がやってくるようにして、同じ週に発売される『少年マガジン』の5月21日発売号から
「ツバサ」が連載スタートして、同じくさくらと小狼が侑子さんのところにやってくる、と
いう構成です。どちらも、小狼の「さくらを助けてください」という同じセリフで終わるよ
うにしたんです。これを同じ週にするために、日数を計算して連載開始時期を決めてもらっ
たりしましたのでたいへんでした(笑)。
(「×××HOLIC」にも、CLAMPキャラクターが続々と登場してくるんですよね?
との質問に)
そうです。ただ、それが本筋というわけではないんですけどね。
「ツバサ」に出てくるCLAMPキャラクターは、特に物語の中で明記されていない場合
は、基本的に元の作品とは別設定で登場して来ます。パラレルな存在なんです。色々な世界
があって、それぞれにさくらちゃんが存在している、という考え方です。だから、全てを見
通せる侑子さんから見ると、「カードキャプターさくら」のさくらちゃんもいるし、「ツバ
サ」のさくらちゃんもいるし、という状態なんです。存在としては全く別個で、ただしキャ
ラクターの本質、侑子さん曰く、「魂は同じ」ということです。ですから、「ツバサ」には
今、「ちょびっツ」のちい、「聖伝」の阿修羅王も出て来ていますが、全く別設定です。
CLAMP作品にくわしい方ほど、読んでいてかえって混乱してしまうかもしれませんね。
亡くなったりしたキャラクターが、「ツバサ」では、別世界で幸せに暮らしているわけです
から(笑)。
基本的に、そのキャラクターの元の作品を知らなくても読めるようにするつもりです。だ
から元の作品を知っている方は、特殊なお楽しみという感じで、元の作品は元の作品として、
別設定で登場したキャラクターを楽しんでもらえたらと思います。
(タイトルについて)
まず漢字のタイトルは嫌だったんですよ。それと、いかにもファンタジーっぽいタイトル
も避けたいなあと。単語で、なおかつ簡単で、世界観を表せるものということで、かなり悩
みました。「ツバサ」というのは、主人公たちが色々な場所に移動していくお話なんです。
そして「ツバサ」というアイテムがこれから重要な役割を果たしていきますので、そういう
意味を込めています。
(サブタイトルは)
一時、こっちをタイトルにしようかとも思ったんですが(笑)。
意味は「RESERVoir」は「貯める」、「CHRoNiCLE」は「年代記」です。
これもお話に関わるある意味が込められています。
(主人公が小狼なことについて)
小狼が主人公ですね。今回、さくらちゃんはヒロインという扱いですので。
うちは、確かにキャラクターはたくさんいるんですが、きちんと恋愛が成就していて、幸
せに一緒に暮らしている人達がとても少ないんですよ(笑)。「20面相にお願い」もある
意味うまくいっている二人なんですが、玲君は少年まんがの主人公にはちょっと難しくて。
とにかくハッピーエンドで終わったカップルが少なくて、ほとんどのカップルは、うまくいっ
てないか、片方が死んじゃったか、片方が死んじゃったか、片方が死んじゃったか…なんで
す(笑)。
そうすると「好きな子を守りたい。そのために強くなりたい」という物語にぴったり当て
はまるのが小狼だったという感じですね。
(小狼は「ツバサ」では何歳?)
14〜15歳くらいを意識して作画しています。