武装錬金part25

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「ハァッ・・・ ハァッ・・・」
カズキは息を荒げなら、目の前に横たわる鷲尾の残骸をにらみつけた。
鷲尾が再び起き上がるのではないかと警戒したが、その心配は無用のようだ。

いずれ、彼もまた土に還るのだろう。

命を賭した最後の賭けに勝ったのは、カズキの方だった。
カズキは鷲尾がもう動かないことを確認すると、近くに横たわる斗貴子のもとへ駆けつける。
「斗貴子さん、大丈夫・・・じゃないよな・・・・・・」
彼女はおびただしい出血により、セーラー服の胸部に真紅い花を咲かせていた。
呼吸も荒く、顔が青ざめている。もはや一刻も無駄にできない。
「カ・・・ズ・キ・・・・・・」
「しゃべらないで! そのままジッとしてて!!」
カズキは学ランを脱ぎ、下に着ていたTシャツを包帯代わりに彼女の胴体に巻きつけた。
効果があるかなんてわからない。
医学的な知識も正しい措置かどうかもわからない。
ただ、彼はこの状況で冷静でいるのに精一杯だった。
最後に学ランを、そっとかけてやる。
カズキはとりあえず携帯をかけてみたが電波が届かないらしい。
近くに人が住んでいる気配もない。
さらに、時はすでに夕刻となっており、空が徐々に闇に染まりつつある。
斗貴子さんの傷は深く、下手に動かすことができない。
途方にくれたカズキがこれからのことを考えようとしていると、斗貴子さんの腕がくい、とカズキのズボンをつまんだ。
「・・・斗貴子さん?」
弱弱しかった。
その力は、まるで真綿をつつむように。
彼女は口を、開いた。が、声が出せない。
カズキは必死に斗貴子さんが言おうとしていることを聞こう、耳を近づけた。

「・・・お い て い け・・・」

カズキはこたえる
「そんな・・・斗貴子さんを置いては行けない!!」

・・・すみません
もう悲しくて書けません