>>80 それはある日の昼休み、ロボット部部室でのこと。
「う〜ん、もっと握る力を強くしたほうがいいのかな〜…」
右手にパン、左にパック牛乳、視線は机の上に固定の天馬君。
「天馬君、食べるか考えるかどっちかにしようよ!ねえ天馬君!」
「う〜ん……。」
危ない。
こういう時の天馬くんは周りがまったく見えてなくて、ふとした弾みで突拍子もないことをする。
なんか面倒なことにならないといいけど……。
「握る……握る……あっ!?」
グシャ。あ〜あ、やっちゃった。
膝の上で持ってた牛乳パック握り潰しちゃった。
握る直前にパックが変な方向向いたみたいで、
ストローから噴き出した牛乳は天馬君の股間をじっとりと濡らしてしまっている。
「ああもう、だから言ったのに。牛乳は早く洗わないと臭くなるよ。脱いで脱いで。」
「う、うん。ごめん。」
そそくさと制服のズボンを脱いだものの
「うわ、パンツにも染みちゃってるよ。まいったなあ。」
赤を基調にしたチェック柄のトランクスの、内股の辺りが濡れちゃってる。
「うちの学校、男子の制服は薄っぺらい生地だよね。
デザインも女子に比べて手抜きだし、いかにも急造品だよ。」
「あ〜、そんなことよりさ、午後の授業中どうしようか?」
「とりあえず体操着にしとく?」
「いや、だから、パンツの方。ノーパンしかないかなあ。」
発言のワイルドさのあまり、ズボンを受け取りながら僕の動きが止まってしまう。
「ノーパン……は、ちょっと……。」
僕は口元を引きつらせて反論した。
「でも、どうせみんなわかんないだろうし。ノーパンでいっか。」
「天馬君……そんなにノーパンで授業に出たいの?」
「そういうわけじゃないんだけどさ、まあ仕方ないかなって。」
てへへっ、とか笑ってる場合じゃないと思うんだけど。
「さすがにノーパンはちょっとまずいと思うから、僕の着替えのパンツ貸してあげようか?」
「え、そんなのあるの?」
「うん。体育なんかで汗かいた時に取り替えようと思って。」
「そっか、じゃあ借りよっかな。」
「わかった。ロッカー行って取ってくるよ。ついでに制服も洗ってくる。
天馬君の体操着も持ってくるよ。ロッカーの鍵貸して。」