望む人がいるなら微力ながら。続きどぞん↓
暗闇の時間はとろりと流れる。
お互いのことしか感じなくなる。
天馬君は何か言いかけたけど、照れたような顔になって床に目を逸らした。
いつも無駄によく喋るのに、こんな時に黙るなんて。
星沢がいてくれてよかったとか、そんな言葉でこの闇を裂いてくれたならもっと簡単に楽になったのに。
何も言ってくれないから、僕はたまらなくなって君の引力のままに体を近づけた。
横向きにお互い向き合った姿勢になって、右手でそっと彼の左手に触れてみた。
彼はいつも僕を驚かせる。
あっという間に、触れた左手で抱き寄せられた。
ここ数日頭をぐるぐる回っていた天馬君の顔が、今目の前にある。
お互いの息の温度が分かる近さはもっとそれを縮めたくなる。
つい、天馬君の両足の間に自分の足を割って入れた。
彼の心の壁を突き抜けた気がしてはぁ、と荒い息が出たとき、僕は勃起してることに気付いた。
止まらない。
天馬君も同じ疼きが張り詰めているのかと、僕の手は彼のズボンに伸びる。
指に触れた布は硬いものを包んでいた。
天馬君は目を閉じてごくりと唾を飲んだ。感じてるのかな。
「ほしざわ。」
小さく呟くと艶っぽく瞳を開いて、彼も僕の肩を抱いた手を僕の股間へと伸ばす。
僕ももうブリーフパンツの中でこちこちになっていたけど、でもそこの処理なんかどうでもよくて、
僕はもっと彼に触れたかった。
彼のズボンのジッパーを下ろす。
ごそごそと無遠慮に手を差し入れて、彼の下着がトランクスであること、前開きがあること、
その下の硬い熱棒が僕のより大きいことを知る。
布の上から芯を撫で上げたら天馬君はまたごくりと唾を飲んで、少し腰を引いた。
もう逃したくない。
僕は少し無理矢理に前開きから彼を引っ張り出して掌で包むように掴み、扱いた。
「きもちいい?」
ここまでしといておそるおそるもないけど、声だけは遠慮して聞いてみた。
天馬君も小声で答えてくれた。
「うん、いいよ。きもちいい。……ん、星沢だったら、嫌じゃないや。」
「え?」
呆気に取られていたらふっと顔が近づいて、僕は眼をつぶってしまった。
唇が触れ合って、ちりちりと痺れた。
トンネルに入った時みたいに音が遠くに飛んでいく気がした。
静かな世界で僕と天馬君は唇の感触を貪っている。
動きが止まってしまっていた手をまた動かす。
彼の勃起の先端から悦びが溢れて僕の手を湿らせる。
息がが激しくなってきたと思ったら、唇を離して彼は言った。
「ん……ぁ、出ちゃうよ、ほしざわ……。」
「ぼくが飲むから。いいよ。思い切り出して。」
思わず言った僕はもう次の瞬間彼の芯棒にむしゃぶりついていた。
「はぁ…………んっ!」
いつも元気で、時々考え事に夢中になっちゃって、ちょっと強引なとこもある、
そんな僕の好きな彼が、身をこわばらせて僕の口の中に熱い液をどくんどくんと出していく。
僕は先端の柔らかい肉に舌を絡めて彼を舐め取り、飲み込んだ。
「んっ……んっ……。」
喉を鳴らして快感のリズムに震えている天馬君。
いつも一生懸命で素敵で輝いている彼が今はとても可愛い。
もっと気持ちよくしてあげたいと思って脈動が収まっても肉棒をくわえていた。
「ん……ふぅ……ん、もういいって。」
快感の波が収まると、彼は腰を引いてあっさりと僕の口から引き抜いた。
そして僕に合わせて体の位置を変えると僕を仰向けに倒し、僕のベルトを外しにかかる。
「ぼ、僕はいいよっ。」
「星沢も。ねっ。」
いつものイタズラな笑顔を思わせる声と共にズボンがパンツごと下げられて、
ずっと押さえつけられていた僕が飛び出す。
それを無邪気な容赦の無さで扱いたり、ペロペロ舐めたりする天馬君。
いつも部品をいじってるあの手が今は僕を触れている。
元気に笑うあの口が僕を咥えている。
「星沢、気持ちいい?」
うん、もちろんたまらなく気持ちいいよ!
でもはっきりした声で聞かれたせいか、恥ずかしくて頬がかぁっと熱くなった。
思わず不機嫌そうに横を向いて「そうでもないよ。」と言ってしまう。
でもそんなことで引く彼じゃないことはもう知ってた筈だ。
「じゃあもっと気持ちよくなってよ。」
え、と思う間もなく手や口の動きが早くなった。
「あ……あ……やめてよ天馬君……だめだよ……。」
「だいじょぶだよ。さっき自分だってやったくせに〜。」
そうだけど〜。
「あ……天馬くん!天馬くん!……ぁ……。」
彼に追い詰められて、僕もびゅくんびゅくんと彼の口の中に出してしまった。
僕の精液をこくりと飲み込み、やがて僕の体から波が去ったのを見て取ると、
彼は僕の上に乗ってにっ、と笑った。
困った事に、笑顔の口元に僕が出した白い液がちょっとついていた。
また勃ちそうになる下半身。慌ててパンツを引き上げた。
服を直してる僕に、これからもいっしょにいてもらえないかな、という天馬君。
いいよ、もちろん。
それだけ言って、今度こそ寝た。
また今更ながらに恥ずかしさが込み上げてきて、背を向けて寝た。
<了>