MMR第3話「キックスメガミックスに込められた恐るべき計画を解明せよ!」
〜MMRとは?〜
世界中の超常現象をその科学力、行動力により解き明かしていくキバヤシを中心とした超エリート集団。
第一章「キムチ」
「うわっ!ミヤシタさん、これなんですか?」
「何ってキムチだよキムチ。お前も食うか?」
「遠慮しときますよ・・・ったく、いくら好きだからってこんなに買ってこなくてもいいじゃないですか。」
「トウガラシは体にいいんだぞ。」
「そういえば、さっきから何を読んでるんです?」
「ん?これか?『キックスメガミックス』って漫画だよ。面白いぜ。今期お勧め度No1だ!」
「・・・またよりによってジャ○プですか・・・。キバヤシさんに叱られますよ」
ガチャ(ドアを開ける音)
「おお、いたのか。・・・ん?何だその本は?」
「あ、あ、キバヤシさん・・・。いや、これはですね・・・」
あわてて本を閉じようとするミヤシタからキバヤシが本を取り上げる。
「ジャ○プか・・・」
いそいそとその場を離れる二人をよそにジャ○プに見入るキバヤシ。
そして、ある漫画のタイトルに目を止めた。
「こ、これは……!」
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第二章「ナムル」
翌日。
バタン!
「みんな、集まってくれ」
「どうしたんですかキバヤシさん。そんな血相変えて」
「昨日、ジャ○プを読んでいて、ずっとひっかかってたことの答えがおぼろげにだが見えてきたんだ。それで確認のためにいくつか調べてみた」
「ひっかかってたことって、一体なんですか?」
「うん、この『キックスメガミックス』って漫画についてだ」
「それがどうしたんだ?普通に面白いただの漫画じゃないか(他誌だけど)」
「まあ、まずはこれを見てくれ」
そう言ってキバヤシは一本のビデオテープを取り出すとデッキにセットし、再生した。
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第三章「ビビンパ」
「なんだ、テコンドーがキックの選手にボコられてる映像じゃないか?」
「みんなおかしいと思ったことはないか」
「あん、なにがだ?」
「別に、特になにかおかしいとは思いませんが」
「そうか、やはりこのことの不自然さに気付かないということは、それだけ計画が浸透してしまっているということか……」
「なんなんだよキバヤシ、いったいなにがおかしいんだ」
「じゃあ、もう一度見てくれ」
そう言ってキバヤシはビデオを巻き戻し、再生した。
「やっぱりおかしい所なんか無いぞ」
「強いて言えば、テコンドーの選手、ちょっと不甲斐なさすぎですよね。一応トップクラスの選手なんでしょ?」
「ああ、ローキックへの対応がまるでなっていないな。簡単に足を払われている。」
「ミヤシタ、そこが問題なんだ」
「なに? どういうことだ」
「テコンドーは足技の究極系とも言われている。それが逆に足技でやられるなんておかしいとは思わないか?」
「そ、それは……。でも、どうしてなんだ?」
「テコンドーは足技中心の格闘技であるにもかかわらず足への攻撃が認められていない。」
「な、なんだって〜〜〜!!」
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第四章「サンチュ」
「おかしいじゃないか。キックボクシングにもムエタイにも空手にもローキックはあるんだぜ。」
「そうですよキバヤシさん、なぜテコンドーだけ特別なんですか?」
「一つは、ローキックは基本的な技ではあるが、非常に効果的であると言う事だ。
実際これだけでも相手を立てなくさせてしまうくらいの効果はある。それを『足技の究極系』であるテコンドーの選手がやったらどうなるか・・・
息を呑む一同。
「では、テコンドーはあえてその危険な技を封印していると・・・」
「それもある。が、他流試合で手の内を見せたくない。恐るべき武器としてのテコンドー・・・その真の姿を見せたくないと言うのが本音だろう」
「で、でもこの漫画とそれとどういう関係があるんですか?確かにテコンドーは悪用されるととんでもないことになるかもしれない。
だけどこの漫画は単なる学園コメディ漫画じゃないですか。陰謀だなんてそんな・・・」
沈黙するキバヤシ。しばらくして重い口を開く。
「・・・今はまだ、はっきりした事は言えない。だが、この件に関しては俺が責任を持って追求する。お前達に迷惑はかけない」
それだけ言い残すと、キバヤシは一人で出かけていった。
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5/10:03/07/12 16:50 ID:N4vvcF98
第五章「クッパ」
「キバヤシさん、帰って来ませんね・・・」
「ああ・・・調査はかなり難航しているようだな・・・。しかし連絡もよこさないで・・・」
「心配ですね・・・やっぱり僕らも協力すべきだったのかも」
ガタン!(勢いよくドアが開く)
二人が振り返ると、そこには満身創痍のキバヤシが立っていた。
「お・・・おい、どうした!?そんなにボロボロになって・・・」
「連絡も出来ずすまない・・・だが、したくても出来ない状況だったんだ。」
「なんだって!?」
「だが、これでかなり確信に迫る事が出来た・・・何故あんなに『キックスメガミックス』と言う漫画に引っかかっていたのか。その疑問が解けたんだ」
「ほ、本当か!?」
心底疲れたように椅子に腰掛け、差し出されたお茶を一気に飲み干すキバヤシ。
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
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「今回の調査で、いろいろ分かった事がある。それを順に話そう」
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第六章「チゲ」
「俺はまず、テコンドーについて詳しく調べてみた。だが、調べれば調べるほど分からない。
発祥にしても、50年ほど前という説から、半万年と言う説まである。テコンドーには謎が多過ぎる・・・。」
「でも、今では世界中に広がって、ついにオリンピックの正式種目にまでなってるじゃないですか。
何も怪しくなんて無いですよ」
「それが問題なんだ。出所もいまいちよくわからない・・・そんな格闘技がオリンピックの正式種目にまでなる・・・これは明らかに陰謀だ」
「か・・・考えすぎじゃないかキバヤシ。それにまだこの漫画とそれがどう関係するのか分からないぞ」
「それは・・・」
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7/10:03/07/12 16:53 ID:N4vvcF98
第七章「プルコギ」
「知ってのとおり、最近ジャ○プでは、人気漫画の『ヒカルの碁』が突如打ち切られると言う事件があった。」
「ああ、そのとおりだ。そして、某掲示板サイトでは某国の圧力があったとのうわさが立ったが・・・お、おい、まさか・・・!」
「そう。だがそれも巧妙な罠だったんだ」
「どういうことだキバヤシ!?」
「テコンドーにはITFとWTFと言う2つの大勢力があり、前者は北朝鮮系、後者は韓国系だ。
そして、オリンピック種目にもなり勢力を拡大しているのは後者の韓国系のWTFの方なんだ。
だが、この漫画で扱われているのは北朝鮮系のITFだ。これが何を意味するのか・・・」
息を飲む一同。
「この漫画の登場によって韓国は圧力をかけたという汚名を着せられ、逆に漫画の魅力によってITFの名声は一気に上がる・・・
そう、この『キックスメガミックス』と言う漫画は、今まで日陰の存在だったITFを表舞台に踊りあがらせるための計画の第一歩だったんだ!」
「な、何だと!?この漫画にそんな深いメッセージが・・・!?」
「で、でもキバヤシさん、それはテコンドーと言う狭い世界でだけの話であって、別に陰謀と言うほどの事では・・・」
「そう、俺もそう思っていた。陰謀など無いに越した事はない。取り越し苦労だったのはかえって喜ばしい事じゃないかと、そう思っていた・・・
だが、調査を終えようとしていた俺は、突然謎の団体に拉致されてしまったんだ!」
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> な なんだってー!! <
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8/10:03/07/12 17:05 ID:N4vvcF98
第八章「チヂミ」
驚愕する皆を前に、さらにキバヤシは続ける。
「彼らは俺に言った『調査を止めろ。さもなくば貴様の家にミサイルが落ちるニダ』とな・・・
「・・・」
「監禁されている間俺はずっと考えていた・・・まだ何か謎が残っているはずだと・・・。
ずっと気になっていた『キックスメガミックス』と言うタイトル・・・ITFのWTF乗っ取り計画・・・
そして今回の拉致・・・。これらの情報がついに一つにつながったんだ!」
「それは!?」
「『キックスメガミックス』このタイトルを4・3・3の文節に分けてみろ」
「キックス・・・メガミ・・・ックス・・・?」
「キックスはキックする、メガミは女神、ックスは尽くす。と置き換えてみるんだ。そして、女神といえば、当然俺たちはあの国のシンボルを連想する」
「ま、まさか・・・!!」
,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _| そうだ、
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \ 『女神に尽くす人々』
.  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ > つまりアメリカ国民を足蹴にし、
. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__蹂躙せよ、征服せよ!と言う
゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' /メッセージだったんだ!!
l `___,.、 ./│ /_
. ヽ. }z‐r--| / ト, /
>、`ー-- ' ./ / |ヽ /_
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | ` l/ ヽ ,ヘ
/ !./l \ ./ │ _ \/ ヽ/
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
. | | .l. / |= ヽ/ .| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」
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. l. | ! | / |"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
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「な、なんだって〜〜〜!!」
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9/10:03/07/12 17:05 ID:N4vvcF98
第九章「ポックン」
「そう考えると他のことにも説明がつく」
「どういうことだ?」
「必要以上に弱く見せようとする試合、ローキックを封印する理由・・・
その全てが世界中のテコンダーが立ち上がる日への伏線になっていたんだ。
すなわち、実力を隠し、勢力を拡大せよというメッセージだったんだ」
「何〜!?」
「そしてこの漫画には他にも様々なメッセージが含まれている。例えば速見というキャラクターだ。この名前がITF四天王の一人速見勇の事を指している事は明白だが、
彼はテコンドー部のキャプテンで、二枚目でカッコイイキャラとして描かれている。つまりテコンドーをやる人はカッコイイというメッセージだ。
さらに、体格も良く喧嘩の強い主人公を三下のキャラやっつけると言うシーンがあるが、テコンドーがいかに強い格闘技であるかを描いている
このようなメッセージを繰り返し繰り返し刷り込むことによって、少しずつテコンドーの魅力に染め上げていく。」
「さ、サブリミナル効果ですか!?」
「その通りだ。しかも、この効果は連載が長く続くほど効果的なのは言うまでも無い。おそらくジャ○プ編集局内にも既に『洗脳者』が潜んでいるはず」
「そして、それらのメッセージは全て、タイトルの意味する所に集約する、と・・・?」
「そうだ。アメリカと言えば対北朝鮮の急先鋒・・・だがそのアメリカにも、いや、全世界中にテコンドーの愛好家はいる。
勿論その中にはWTFのメンバーも含まれているが、彼らもこの漫画を契機にITFに乗り換えるに違いない。
その全てがこの漫画のメッセージにより反米思想を植え付けられ、増殖していく・・・。
そして最後のメッセージは容易に想像がつく・・・、つまり、アメリカとそれに追従する国へのテコンドーによる世界同時テロだ!」
「ま、まさか!!」
第十章「アイゴー!」
「このまま『キックスメガミックス』が何年も連載を続けたらどうなるか。みんな想像してみてくれ」
「ああ、この漫画に洗脳される人間はどんどん増え、潜在的な北朝鮮マンセー!ITFマンセー!人間は増加しつづける
そして、来るべき最終回、この計画の最後の目的に向け『ゴーサイン』が切られる・・・」
「『キックスメガミックス』クライシス……!」
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「俺達にできることは、『キックスメガミックス』が一刻も早く打ち切られる事を祈るだけか……」