まあ、明日の朝あたりに咲かせてもいいんじゃないかな。
今咲かせると、2あたりが難しそうだし。
つっても、もう準備に入ってるかな。
どうでもいいが今起きたw
世界ふしぎハケーン見ようと思ってたんだがな…鬱だ
実況板のログでも見て、見た気分にでもなろうと思います。
録画しておけばよかったかなぁ…鬱だなあ。
地震地域の香具師らは大丈夫だろうか。
955 :
951:03/07/27 01:33 ID:mdwhoT92
>>952-954 了解。できれば明け方ごろ咲かせようと思う。
うぅ、緊張するなぁ。準備だけはしておこう。これで合ってるよな。
スレタイ: 『その腕の黄金はなあに?』ロビン様萌え*34輪咲き
1
>>924 2
>>3 2ゲットロビンサマ
3
>>4 ロビニスト心得
4
>>925 リンク+愛称
5
>>6 華麗なる技リスト
6
>>7 ゴールド・ロジャー
地震地域の香具師らに女神のご加護があらんことを…
いや、そんなw
結局はおまいの好きにしるって感じなんだけど
なんか「明け方まで起きてろ(もしくは早起きしる)」って言ってしまったみたいで
なんか悪いなぁ。
おまいの都合のいいようにスレ咲かせはおながいします。
957 :
951:03/07/27 01:47 ID:mdwhoT92
>>956 いや、やらなあかん仕事があるのでどうせしばらく起きてるのさ。
こちらこそ気を遣わせてしまってすみません。(パガヤ風)
仕事にきりがついたら咲かせるので時間帯はテケトーだと思う。
2ゲットがんがるぞ!
おつかれちゃーん
959 :
951:03/07/27 04:15 ID:mdwhoT92
>このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
>またの機会にどうぞ。。。
_| ̄|○ 役立たずスマソ。次の人スレ咲かせおながいします。
おや。咲かせに行ってくるか…
>959 お疲れー
961 :
960:03/07/27 05:02 ID:dnryNhAr
962 :
951:03/07/27 05:24 ID:mdwhoT92
>>961 ありがd&お疲れさんの
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚ /ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚. ム ラ ム ラ (゚∈゚*) ム ラ ム ラ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚ ドキドキ (*゚д゚*) ドキドキ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚. モ ン モ ン (*´⊥`*) モ ン モ ン ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
>>961 こっちでも
∧_∧
オツカレチャ━━━━━━(´∀` )━━━━━━ソ!!!!!
/ ヽ
/ 人 \\ 彡
⊂´_/ ) ヽ__`⊃
/ 人 (
(_ノ (_)
これでもテンプレは短い方なんだぞ?w
前は30くらいあったよな……
AA貼ってたからなんだけど。
>>961 新スレ咲かせ乙。
綺麗に咲いて何よりでつ。
以前はAAのコピペとかが延々あったから、それに比べると短くはなってんだけどねw
965 :
964:03/07/27 07:11 ID:eef947Hh
>>963ケコーン
_| ̄|○ リロードしてなかった・・・
やべ・・・ジャンプ買ってねぇや・・・ロビン様はいらっしゃるのか?
新スレ乙!!
kiyu
ここはロビン様萌えな漏れにとってはまるで聖地のようだ!!
スマソなんか急に叫びたくなったw
>968 解ります、そのお気持ち。叫んでってください。
そんなアナタに
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚ /ヽァ/ヽァ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚. ム ラ ム ラ (゚∈゚*) ム ラ ム ラ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚ ドキドキ (*゚д゚*) ドキドキ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
・:*:・':.。 ☆.:*:・' ・*・゚ ゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚. モ ン モ ン (*´⊥`*) モ ン モ ン ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚ ゚・*・ '・:*:.☆。 .:'・:*:・.::....::.・:*:・
次スレにも叫びに来てねん。
次スレは>961からドゾー
970 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:03/07/29 09:28 ID:fZ7Dcwb6
UGLY HUMANOID
その男は、深い闇の底に在た。
暗闇の中、慣れた手つきでいつもの作業を繰り返している。
右手に逆手に握ったナイフの切っ先を、一枚の写真へと叩きつける、ただそれだけの作業。
それを行っている時、男の唇の端が醜く歪み、昏い悦びに彼を浸らせているのだが、彼自身はそうとは気付いていなかった。
ナイフが突き立てられた写真には、十数人の人間が写っていた。
彼らが居るのは船の上だろうか?
どの面々を見回しても、一癖も二癖もありそうな人間ばかりである。
少なくとも、真っ当な道を歩んでいる者達では無さそうだ。
その中に、彼と同じ顔をしている人物もいた。
今唇の端を歪めながらナイフを叩き付けているその男は、写真の人物より幾分老けて見える。
そして、彼に良く似たもう一人の男も写っていた。
むしろ今の彼と似ているのはこちらの男かもしれない。
だが彼は、その男は自分ではないし自分はその男ではないことを知っていた。
いずれにしろ、彼の目にはたった一人の人物しか見えてはいないのだ。
写真に写るその人物は、彼と彼に似た男の間に挟まれて立っていた。
身体のラインから女性であることは見て取れるが、肝心の顔の部分はナイフを何百回何千回も叩き付けられた代償として全く失われている。
僅かに肩にかかっている髪の毛が、美しい黒曜石の色だということしかわからなかった。
「島だーっ!島が見えたぞーっ!ヒャーッホウ!」
天井から降って湧いたような喚声に、瞼が思わず持ち上げられると、自分が少し転寝をしていたことに気付いた。
手には歴史書を持ったまま、ソファに身体を預けていたらしい。
「…?」
ソファの背の部分に少し冷たい感触があったことが、彼女が少し汗をかいている事を気付かせた。
部屋は別段暑くも無く、汗をかく理由など見当たらない。
ふと、何か夢を見ていたことに気付く。
どんな夢だったかは思い出せないが、自分に汗をかかせたなら碌な夢でもないのだろう。
ロビンは薄く笑うと本の背から栞用の紐を引き、挟んで閉じてから立ち上がった。
船室から甲板に出ると、他のクルー達もそれぞれ顔を見せ始めていた。
見上げると、ルフィが見張り台に立って喚きながら落ちそうなほどの勢いで飛び回っている。
新しい島へ乗り込むのを待ちきれない様子で、もはや見張りどころか何の役にも立っていないだろう。
「ふぃー…。ようやく次の島か。食料もどっかのクソ船長のお陰で底を尽いてた所だし、助かったぜ。」
サンジが疲れたように呆れたように呟いた。
さしもの超一流コックも、食材が無くては腕の振るいようが無いのだろう。
「そうよねえ。…今度こそお宝に在り付けると良いんだけど。」
サンジと同じように、疲れた声をナミも上げずにはいられなかった。
海賊というものは、普通の人間のように賃金を得て暮らすものではない。
略奪を信条とする海賊なら金には困らないだろうが、残念ながらというより稀に見る例外の海賊団である麦わら海賊団では、常に蓄財の必要に迫られているのも事実だった。
「島かー!?島が見えたのかー!!?」
「ちょっと待てチョッパー、この俺様の新兵器をだなー…。」
船室から飛び出して来たチョッパーと、何やら紐の付いた棒のようなものを持って出てきたウソップ。
二人同時に走っていると、ウソップの持っていた新兵器とやらの紐の部分に二人の両足が絡まって縺れて同時に転んでしまった。
「「あふっ!」」
「何やってんだ、お前ら。」
甲板で気持ちよさそうに昼寝していたゾロも、ようやく目を開けたかと思うと、紐が縺れて起き上がれない二人に呆れ声を出すより他が無かった。
そんないつもどおりのクルーを見回しながら、ロビンは知らず知らずのうちに笑顔を作っていた。
「地下遺跡?」
「ええ、そうよ。酒場で聞いたんだけどね、この島にはどっかに巨大な地下遺跡の入り口があって、そこにはまだ未知の秘宝がわんさと眠っているんですって!」
ナミの声が上擦っている事から、余程関心があるのだろうことは明らかだった。
ルフィは上陸と同時に街中に消えてしまい、ゾロはやれやれと船長の後を追っていった。
サンジは僅かな資金で食料調達、ウソップも何やら調達したいものがあるらしく、チョッパーも医療品を見にウソップとサンジについていった。
そしてナミも蓄財情報を得るために消えたのだが、一人船番をしていたロビンの元に息急き切って帰って来たかと思うと、輝いた瞳で前述の情報を告げたのだった。
「へえ…。面白そうね。」
「でしょでしょでしょー!?やっぱり、遺跡といえばロビンよね!協力、よろしくー!」
遺跡には並々ならぬ探究心を持つロビンであれば、興味深げに目を細めるのも当然の事といえた。
のんびりと船番をする事も彼女の嗜好ではあったが、今回ばかりは秤に懸けるものの大きさが違ったようだ。
船から降りて街に向かおうと歩みを進めた途端、ロビンは何ともいえない嫌な悪寒に襲われた。
「どしたの、ロビン?」
「…いいえ、何でも。」
何だろう。
ロビンは口にこそ出さなかったが、強烈な悪意の塊のようなものをこの島から感じ取っていた。
この感覚。
彼女を今にも呑み込もうかというような意思の奔流。
だがその中に、ある種の懐かしさが何故か感じられる。
そのものの正体も見えず、とはいえ立ち止まっているわけにもいかないので、彼女はゆっくりと歩みを進めて行った。
入り口はロビンの尽力もあり、意外にあっさりと見つかった。
とはいえ、ロビンがいなければ決して分からなかったかもしれない。
古代文字を読める人間ならば、さして労力を必要としないものらしい。
闇の奥深く、何処までも続くような長い階段。
その入り口が、彼らを待ち受けて大きな口を開けて待っていた。
「ほほほ、本当に入るのかよ!?止めておこうぜ、俺は実は『暗い所に長く居ると死んでしまう病』なんだよ…。」
「バカ言ってるわ。情報通りだとかなり広い遺跡なのよ?人手は幾ら在ったって足りないんだから。」
「お、お、俺も行かなきゃダメなのかー?」
「覚悟を決めとけよ、チョッパー。こうなったら一蓮托生だ。」
「ナミさんとロビンちゃんは、この俺が命に代えても守らせて頂きます!」
「ぼーうけーん、ぼーうけーん!地下遺跡地下遺跡ー!」
各々のクルーがそれぞれに不安と期待に胸膨らませる中、ロビンは上陸した時から感じている悪意が、より一層の強さを増してこの入り口から噴出しているように思えた。
「どーした、ロビン?顔色が悪いぞ。」
ルフィが覗き込んできた。
心配してくれているのか、それとも単に疑問に思っただけなのか。
「何でもないわ…行きましょう。」
「?」
珍しく先陣を切ったロビンに、一同が驚きの表情を浮かべる。
だがそんな些事は今の彼女にはどうでも良かった。
遺跡への興味を凌駕する程、この悪意の正体を見極めたいという思いが強まっていたのだ。
遺跡の中は、息も付かせぬほどの罠だらけだった。
(『止めておいた方が良い。今まで生きて帰ってきた奴なんぞ、一人もいやしねえんだ。』)
酒場のマスターの言葉通り、遺跡には先駆者の無残な最期を示す骸が所狭しと打ち捨てられている。
罠に次ぐ罠、迷路のような通路に、いつしかロビンは皆と離れ離れになっていた。
というより、彼女以外は皆罠の手に落ち、それを助けようとしてまた誰かがパーティーを離れ、そしていつしか彼女一人になったというのが事実だが。
皆の安否を憂いながらも、彼女は自分へ向けられている悪意の根源へと真っ直ぐに進んでいった。
遺跡の壁には松明の後も全く見当たら無いことから、昔は何か別の光源がこの遺跡にはあったということなのだろうか。
最も、そうでもなければ地下に遺跡が築かれることなどある筈が無い。
生きた人間の生気を感じることの出来ない遺跡で、侵入者を阻む罠だけが今でも機能している。
それはまるで、見捨てられた土地に何か護らなければならないものがあることをロビンに感じさせた。
そして、罠の数が多くなっていくにつれ、悪意の強さも増していく。
ロビンには分かっていた。
悪意の根源に、遺跡が見捨てられても尚、護らなければならない『何か』があるのだということを。
「…神でも悪魔でも良い。この時を与えてくれた者に感謝する。待ち焦がれた瞬間に、己の命尽きる前に巡り会わせてくれた幸運に、感謝する。」
突然の人の声に、ロビンは驚いて松明の明かりを先に向けて翳した。
一人の男が、こちらを向いて立っている。
ロビンは息を呑んだ。
それは、男の顔に見覚えがあったからというだけではない。
男の後ろにひっそりと佇む巨大な立方体の石碑が目に入ったからでもあった。
「ポーネグリフ…。」
「そう、お前の探し続けている歴史の碑文だ…。
ここで待っていれば、いつか必ずお前に会える…そう信じて、ここで待ち続けていた。
長かったぞ…。永遠とも思える闇の中で、俺はただただお前に会うことだけを望みに生きてきた。
先人に見捨てられた土地の中に、お前に見捨てられた俺は生き続けた。滑稽だと思わないか?」
男は、自分の記憶にある男とはまるで違っていた。
体躯はゆうに2メートルを超え、まだあどけなさの残っていた顔には少し皺も浮かんでいる。
何より、あの目。
「暗闇での生活の代償は、俺から光を奪った。だがそれがどうした。
俺にはお前の姿形、居場所、全て手に取るようにわかるぞ。
お前がこの島に上陸したことも、この遺跡に足を踏み入れたことも、全て分かっていた。
そして、ようやく果たせるぞ、我が願いを…。」
死んだと思っていた男が生きていた。
それだけならまだ珍しい話でもないが、ここまで一念だけで生きてきた人間などこの世には存在しないだろう。
「贖え!お前自身の血をもって、我が兄への手向けとさせて貰う!」
飛び掛ってきた男の一撃をひらりと躱すと、男の身体から数本の手が伸びた。
「悪いけど…あなたに殺されるわけにはいかないわ。」
そのまま男を締め上げ、絶させればそれで終わり。
の、筈だった。
「…!?」
力を込めようとした瞬間、ロビンの全身を急激な脱力感が襲った。
伸びた腕が消え、自由になった男はこちらを見てニヤリと嘲笑う。
「な…何を?」
口を利くのもやっとの状態だった。
全身が痺れたように動かない。
立ち尽くすロビンの前に、下卑た笑みを浮かべた男が近寄ってきた。
「お前の能力の弱点などお見通し…。作り出した腕へのダメージは、そのままお前へと伝わる。そう…例えば毒を与えたとしても、だ。」
「毒?」
何時の間に?
そんな隙など微塵も無かったはず。
「何の備えも無く、お前を待ち続けたと思っていたのか?全身を毒とする力…それが、俺の手に入れた能力だ。…お前への復讐を果たす為、お前に用済みと見捨てられ、それでも俺を助けて散って逝った兄や仲間の無念を晴らす為、手に入れた能力だ!」
毒人間。
復讐鬼と化した彼の成れの果てが、それだった。
「さあ…。復讐の宴を始めよう。」
指一本動かすことの出来ないロビンに、男の持つ大振りのナイフが向けられる。
ロビンは覚悟を決めた。
こんな末路、半ば予想していたのだ。
自分の夢を果たすため、須らく沢山の人間を不幸にしてきた。
いつその報いが降りかかってもおかしくは無かったのだ。
ただ…今の仲間と居た間は、そんな事を忘れてしまうような日々が続いていて。
忘れることの出来ない罪を、遠くに押し込めてしまっていたのだ。
そして、ナイフが振り下ろされようとした瞬間。
突然、ナイフは派手な音を立てて砕けた。
男が振り向くと、少し離れた場所にルフィが立っていた。
ルフィの伸びた腕が、離れたあの位置からナイフを砕いたのだ。
「お前、俺の仲間に何してんだっ!」
そうルフィが吼えると、男は唇の端を歪めた。
「仲間…。この女が仲間、だと?面白いことを言う。」
巨躯の男は、ゆっくりとルフィに近づいていった。
「お前はこの女がどんな女か分かっていないようだな。この女に仲間なんぞ居ない。
必要も無いのだ。この女は、自分の目的の為だけに全てを犠牲にする女…。
利用し、利用される、ただそれだけがこの女と他人を繋ぐ全てだ。
…お前も、所詮この女にとっては何かしらの道具に過ぎない、違うか?」
男の問い掛けに、ルフィは何も答えなかった。
「何にしろ、邪魔をするなら容赦はしない…死ね。」
男は背の大剣を引き抜き、ルフィに向かって斬り付けた。
「うわっちぃ!」
ルフィは飛び上がって躱すと、そのまま壁を蹴ってロビンの元へと飛んだ。
「おい、大丈夫かロビン?お前らしくねえぞ、こんなのは…あれ、何やってんだお前?何で固まってんだ?」
動けないロビンに、ルフィがあっけらかんと問い掛ける。
「無駄だ。その女は、俺の能力で全身麻痺させている。もはや声を出すことも出来まい。」
「何だと…?」
男の言葉に、ルフィが目を剥いた。
最も、『よくわからんが何やら大変そう』程度の認識であろうが…。
何はともあれ、兎にも角にも殴りかかろうとしたルフィに、ロビンは必死で声を振り絞る。
「ダ…メ。」
「?」
勢いを止められたルフィは、ロビンの方へ振り返る。
「何だ、何がダメなんだ?」
呼吸だけはかろうじて可能だが、言葉にするのは相当の力を要した。
上手く舌が回らず、もどかしい。
「毒…人、間。…触、った、ら…。」
全くの言葉足らずだが、ルフィにはそれで十分だったようだ。
いや、それもまたルフィ特有の野生の勘というものだろうか。
ルフィは着ていたベストを脱ぎ、右腕に巻きつけた。
「ほう…。少しは考えるな。だがそんなもので完全に防げるほど、俺の能力は甘くは無いぞ!」
飛び掛ってきた男の斬撃をまた躱し、ルフィは男の頬を横殴りにしようとした。
だがそれも男の予想範囲内だったのか、それとも盲目の感覚の鋭さか。
男は紙一重でルフィの一撃を避け、ルフィに向かって大口を開ける。
咄嗟に危険を感じたルフィは頭を掴んで引っ張り、後ろに伸ばして男の吐く息から逃れた。
「よく理解したな。俺は全身毒人間、吐く息さえも猛毒となる。」
皮膚呼吸もあるので完全に避けることが出来たとも言い難い。
思ったよりずっと厄介な能力のようだ、とロビンは慄然とした。
「くそっ!」
ルフィが呪詛の言葉を吐いて一旦男と距離をとった。
そして遠距離から、腕を伸ばして一撃を繰り出す。
今度は男を捉えた。
「がっ…!」
腹部に強烈な一撃を受け、男がつんのめる。
「ゲフ…。く、くくく…やるな。だが、忘れていないか、俺の目的を?」
「?」
男の余裕、いや勝ち誇ったような笑いの理由がルフィは分からなかった。
だが、次の瞬間『それ』に気付いて戦慄する。
「やめろぉ!」
ルフィは咄嗟に腕を伸ばしたが、二度目も成功するとは限らない。
その一撃が届くよりも早く、男の大剣がロビンの胸を貫いていた。
「ロビンっ!」
彼女は、呻き声も上げる事が出来ないまま、貫かれた反動で後方へ倒される。
痺れた状態とはいえ身体が反射行動を起こしたのか、その場にへたり込むように崩れた。
ルフィがすぐさまロビンの元へ駆け寄ろうとしたが、その隙を男は見逃さなかった。
「がはっ!」
引き抜いた大剣の柄でそのままルフィを殴り飛ばす。
ルフィは軽く数十メートルは弾き飛ばされてしまった。
「ロビン?今はそんな名前を名乗ってるのか?それともそれが本名か…フン…。まあ名前などどうでも良い。これで我が望みは果たせた。そしてこれで、全ての終わりだ。」
男は石碑のある祭壇に手を掛けた。
手を掛けた部分が下へ沈み、それと同時に地面が揺れ始める。
男は疲れた様子でそのまま腰をついた。
(何…?)
朦朧とした意識の中で、世界の終わりを感じさせる振動をロビンは感じていた。
「先人達の残した偉大な装置だ。歴史を守る為だか何だか知らんが、とにかくこれでこの地下遺跡は永久に閉ざされる。最初からこうしておけば、手間もかからんだろうに…先人の考えることは分からんものよ。」
つまり、彼はこの遺跡を地の底で土砂に埋もれさせるつもりらしい。
「…な…!?」
時間が経った所為だろうか、毒は効力を弱めてきたようだ。
先ほどよりも身体の自由を感じる。
だが今度は血を流しすぎている為、脱力感そのものは全く消えることは無かった。
「死ぬ…つもり…?」
逃げ出そうとする様子も無い男に、ロビンは問わずにはいられなかった。
男はそう問われて、初めて悲しそうな顔を浮かべた。
何とも言えない、悲しそうな表情。
「そうさ…。もう、全ては終わった。俺の生きる意味も、何もかも。…これで、ようやく眠れる…。」
満足気に呟く。
だが次の瞬間、目を見開いて男は立ち上がった。
ルフィだ。
ルフィが男を睨みながら仁王立ちしていた。
「お前か…。何をそんなに昂っている?この女がどんな女か、お前にも分かっている筈だ。お前は利用されているだけなのだ、わからんのか?」
大剣を振りかざし、ゆっくりとルフィに近づいていく。
ルフィは無言のまま、男に向かって駆けた。
振り下ろされた斬撃をルフィはなんと素手、しかも片手で受け止めた。
「な…。」
驚く男の顔面に、ルフィの鉄拳が飛ぶ。
ベストを巻きつけられているので普段どおりの威力ではない筈なのだが、一撃で倍もあろうかという巨躯を吹き飛ばした。
「ロビンは…。」
からくも起き上がった男へ、ルフィが飛び掛る。
もう一度顔面、そしてそのまま地面へと叩き付けた。
「ロビンは、俺の仲間だ!」
気付くと、船室のベッドの上だった。
額に置かれている濡れタオルの冷たさが、気持ち良い。
起き上がろうとしたが、胸に激痛が走ってとても起き上がれそうも無かった。
顔だけ動かして部屋を見渡す。
と、驚いた。
クルーが全員、所狭しと部屋の中で眠っているのだ。
何か暴れたような様子もあり、自分が眠っていた間、一体何が起こったのかさっぱり見当も付かない。
とはいえ、きちんと手当てされているのをみると、治療行為そのものはしっかり行われたようだが。
「…気がついたのか。」
声を出されて初めて、あの男も部屋に居ることを知った。
そうだ。
ルフィはあの男も一緒に助け出したのだった。
狭い船室に巨躯の男が小さく蹲っている姿は、少し滑稽ですらある。
「…どうしたの?あなた、私を殺したいんじゃなかったの?」
当然の疑問に、男は頭を掻いた。
「やめだ。何だか馬鹿馬鹿しくなった。」
「え…?」
全く意味が分からなかった。
復讐の一念でもってのみ、彼は今まで生きてこれたのではなかったのか?
それが、何があったか知らないが、こうも簡単に止めることが出来るものなのだろうか?
「こいつら…おかしな連中だな。俺を助けたことにも驚かされたが、全然海賊らしくない。お前を助けようと必死になって…。髑髏旗を掲げてはいるが、実際のところこんな奴らは海賊とは呼べない。」
そうかもしれない。
略奪、暴力、恐怖…通常海賊の象徴たるそれらとは、かけ離れた所に在る集団だとも言えた。
「兄貴は…俺の兄貴は、確かに悪党だった。救いの無い悪党だった。」
昔話を語るように、男はゆっくりと話し始めた。
懺悔?それとも呪詛?
ロビンは何も言うことなく、ただ黙って彼の言葉に耳を傾けた。
「だが、悪党でも悪党なりの信念があった。俺を助けたのも、その信念に基づいた行動だったのは間違い無い。兄貴は地獄に堕ちただろうが、それでも俺には大切で、尊敬出来る兄貴だった。…それをお前は裏切って死に追いやった。許すことは出来ない。」
その通りだった。
許される事など在り得ないのであるから、許して欲しいなどと言える筈も無い。
後悔などは元より無いが、罪は罪として確かに彼女の心の中に内在していた。
「しかし…。お前は変わったのか?」
声の調子が変わった。
憎しみに彩られた旋律が、一転してあどけなさを含んだ調へと。
「こんな連中に囲まれて…変わったのか?こいつらは、二心無くお前と向き合っているようにしか見えない。それは、お前という人間を心底信頼しているからだろう…。こんな連中から信頼されるような人間だったのか、お前は?」
「わからないわ。」
ロビンは正直にそう答えた。
「自分が変わったなんて思ったことはない…。でも、誰かがそう感じるなら、変わったのかもしれないわね。」
それ以上、彼女自身では推し量ることは出来ない。
自身の変化など、普段気にもしていなければ、しても意味が無いことなのだ。
「…そうか。」
男が立ち上がった。
納得したような、得心いかないような、複雑な表情だった。
「行くの?」
「ああ…。お前にそれを訊きたかっただけなんでな。」
男は狭い部屋に敷き詰めるような寝方をしているルフィ達を器用に避け、船室を出た。
戸口に出た所で振り返り、薄く笑う。
「もう会う事も無いだろうが、もし次に会った時は、またお前達の敵に回るかもしれん。それだけは覚えておくんだな。」
「ええ…。肝に銘じておくわ。」
男は、また笑って月明かりの中に消えた。
平和そうに眠りこけているクルー達の顔を見ていると、ロビンはまた自分でも気付かぬうちに笑顔を作っていた。
願わくば彼らと袂を分かつ日が、遠い未来であればいい。
そんなことを思いながら、ロビンはゆっくりと目を閉じた。
〜Fine〜
えーここまで長いとSSとは呼べない気もしないでもありません
後は誰か埋め立てよろしこー
ダラダラと長い文だよ相変わらず捻りも無いし。
鬱だし脳。
きれいにスレ移行、お疲れ様。おめでとう。
呼ばれもしないのに出張ってきてごめんなさい。
あと15レスもあるのに、独り語りをさせて貰おうと思ったのよ。
そうね、この前の前くらいかしら・・・あのときの埋め立ての続きだと
思ってくれていいわ。あのときは確か・・・
・・・ブラウザの調子が悪くてなかなか思うようにいかなかったんだわ。
内容は、えぇと・・・とりとめのない話だったわよね。
あなたたちの世界の歴史の話・・・
今日もそんな感じになると思うけど・・・興味のある人だけ
読んでくれればそれでいいわ。
前の時の最後は・・・ああそうね、ロシアの怪僧ラスプーチンの話で終わったのよね。
あの後で少し調べたら、もう少し詳しいことがわかったわ。
彼は、料理に混ぜ込まれた青酸カリが全く効かず、もはやこれまでと思った
暗殺者・・・といってもれっきとした公爵なんだけど・・・に腹に銃弾を4発打ち込まれ、
それでも立って階段を上ったそうよ。それで数人がかりでとどめを刺され、川へ
捨てられた・・・と言う話・・・
そうね・・・せっかくだから、毒薬つながりでボルジア家の話でもしようかしら。
ボルジア家といえば毒薬・・・カンタレラが有名ね・・・それはあまりにも有名で
信憑性も薄いけれど折りも折り、まだイタリアという国は無く、諸侯が
つまらない勢力争いに明け暮れていた、ルネッサンスの時代。
ボルジア家の人間として有名なのは、何と言っても、マキャベリの君主論に
引用までされたチェーザレ・ボルジアだけど、まず問題なのは、その生まれ。
アレッサンドロ6世の息子だったんだけど、当時、法王は庶子を儲けることが
できなかった。当然よね。法皇ですもの。よって、チェーザレは私生児ということになり、
私生児は法皇になる資格がなかった。ローマ教会のなかでどんなに頑張っても
枢機卿までにしかなれなかったのね。そこで、彼は法衣を捨てた。
チェーザレ・ボルジアとして諸侯たちの駆け引きの中に入っていくのよ。
彼には、ルクレツィアという美しい妹がいたんだけど・・・彼女は大変に美しかったというわ・・・
まず、チェーザレはルクレツィアを・・・誰だったかしら・・・どこかの貴族に
嫁がせたのよ。裏切られない「人質」としてへ。
でもそれは、離婚を見越しての「白い結婚」だった。ローマ教会では
離婚を認めていないけれど、白い結婚・・・肉体関係をもたないという誓約を結ぶの・・・
なら、離婚はできたの。そして相手に難癖をつけてルクレツィアを手元に戻し、
相手を潰す、という方法ね。まあ彼らには近親相姦の疑惑もあったから・・・
何が本当で何が嘘かは本当に闇の中ね。ただ確かなことは、チェーザレは
戦いの中、病に倒れ、形相が変わるほどの苦しみの中で死んだということ・・・
ひさしぶりのSSキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
おつかれさまでつ
゚・*:.。.★.。.. .☆:*.゚ ドキドキ (*゚д゚*) ドキドキ ゚.*:☆. ..。.★.。.:*・゚
しながら読ませて頂きますた
ああ、毒薬の話だったわね。カンタレラは無味無臭という特徴があったから、
使用するにはとても便利なものだったということ。そして、これに信憑性は
ないんだけど、その毒薬の扱いを間違えて、チェーザレもアレッサンドロ6世も
死んだ、と言う話。だけど、どう思う?わたしなら、その危険性を知る限り、
そんな扱いを間違えるなんて初歩の初歩なミスは犯さない。
何かの流行病だという説もあるけれど、私はそちらを支持するわ。
面白いのは、チェーザレ・ボルジアがレオナルド・ダ・ヴィンチと
知り合いで、意外と気に入っていたということかしら。
レオナルド・ダ・ヴィンチは「モナ=リザ」を描いただけではないわ。
築城・土木・造兵に通じ、解剖学や生物学をおさめ、飛行機の模型を
作るほどの創造力を持っていた。万能の人、ね。
歴史って、こういうものよね。おもしろおかしく、尾ひれを付けて
後世に語り継がれるのよ。誰かが血みどろで生死をかけて戦っていても、
それに全く関わることのない人々の興にのるように、話がゆがめられるのよ。
多勢に無勢、ってね、言うでしょう?民衆を扇動するのはとても簡単なことなの。
そして真実は闇の中へ。そうね、そう言う人々の例を引いてみましょうか。
魔女。魔女狩りという行為が横行した時代があったのは知っているわよね?
もちろん、呪術を行う団体や個人もいたんでしょうけど、魔女狩りの時代は、
ほとんどが只の弱い者いじめ。例えば、町はずれでひっそりと暮らしている
おばあさんなんかが目障りだと、魔女に仕立て上げてつるし上げたのよ。
また、キリスト教会や聖書に拠らない生き方をした人も同様だったわ。
集団ヒステリーみたいなものだったんでしょうね。
魔女狩りの時代は、不思議とカトリックの体制が危機に瀕した時代と
重なるのよ。ただ信仰するだけではなく、相互不信になっていた。
教皇であるアレクサンダー4世は魔女裁判許可願に対し、
世俗の裁判に委ねよ、と答えたと言うわ。それはまだましだった。
しかし、教皇がヨハネス22世になると、裁判ではなく、審問を許し、
魔女狩りの強化令をだしているわ。
彼は、絶えず人を恐れ、疑っていた。彼の生命を狙ったものは魔女として
処刑したし、他の司教でも私怨があれば火刑にしてしまったそうよ。
補足だけど、教会や聖書に拠らない生き方をした人はみな「ウィッチ」
だったけれど、聖職者や為政者のほとんどが男だったから、「ウィッチ」
は女だと、見なされたんですって。
あなた達の暦による1485年に「魔女の槌」という書物が二人の異端審問官
によって発表されたらしいわ。それによると、
魔女の定義は「悪魔と結ぶことで自分の欲望を充たす者」・・・
これ以上は無いと言うくらい理不尽でおおざっぱな定義よね。
ほうきの柄に乗って空を飛んだり、魔女マークを体のどこかに付けているという
迷信が広がったのもこのころかららしいわ。
魔女と疑われると、予備拷問を課せられ、拷問室で裸にされ、
恐怖の拷問道具を見せられる。次に縛られ、鞭打たれ、
手足の親指を器具で締め付けられ、肉や骨で砕かれる。
さらに梯子に寝かされ四肢を四方にロープと万力で引っ張られた。
第二段階に入ると、両手を背中で縛って天井から滑車で釣り落とされ、
三回もすれば四肢の間接はすべて脱臼し、失神するか死んでしまうかしたらしいわ。
イギリスの魔女狩り王ジェームス1世は容疑者の左手と左足、右手と右足を
つなぎ、川に投げ込み、水中に沈めば無罪、浮けば有罪で絞首刑にしたらしいわ。
恐ろしい思想よね。そういう諸侯たちや、民衆の疑惑のはけ口になったのが、
魔女、と言うわけ。恐ろしいのは、魔女狩りが1600年を挟む前後300〜400年
に及んだと言うこと。えぇ、思っていたよりつい最近ではなくて?
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。