冨樫先生、2ちゃんは、ほどほどにして下さい。

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247名無しさん@お腹いっぱい。
「突撃インタヴュー!原作者に聞け」

原作を終えて第一の感想を。
・あースッキリした。

連載中一番苦しかった所は?
・二回あった。一回目は暗黒武術大会で幽助と酎が闘った時、
カラー進行のスケジュールで本当に体調を崩してた。
二回目は仙水と幽助が闘ってたあたり。原稿に向かうと、
ハキ気がする位漫画を書きたくなくなった時期。
この時位に初めてもう”幽遊”はやめようと編集に頼み込んだ。

一番気に入っていたキャラクターは?
・樹とムクロ。樹は精神面がゆがんでる所、
ムクロは昔イジめられていたところをもっと詳しく描いていきたかったんだけどな。
まあ想い入れかな?ちなみにムクロのモデルは”ナウシカ”のトルメキア軍の女将軍(笑)。

逆に嫌いなキャラクターは?
・雪村蛍子。漫画のキャラクターとしてありがちだから。
話づくりって点で編集サイドから要望とかあった?
・別になかった。逆に俺から実験的に持ちこんだネタ
(例えば幽遊のキャラクターがそれぞれ役者で本名は別にあって皆で集まって幽遊の話をしているとか)は
全部没になったって事は覚えてる。

お気に入りの話は?
・樹がウラ男の中で雄弁をふるう所。
最後の樹の捨てゼリフには当時の原作者の血の叫びが入ってた(笑)。
248名無しさん@お腹いっぱい。:03/06/24 00:39 ID:DchqHwEq
俺が見たトコロ戸愚呂(弟)あたりから悪役がめちゃくちゃカッコよくなって来たと思うんだけど。
その辺から主人公サイドのキャラクターは、ほとんどカタチが決まっちゃってて描いてて面白くなくなって来てたから、
悪役の方に入れる想い入れのほうが強くなって来ちゃったんだよね
最後に皆気になってると思うんだけど今後の予定は?
誰にも見せられない様な漫画を一人で描いて、嬉びたい。ウケケ。
じゃあ当分商業ベースの漫画は……
考えてねッス。
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富樫義博語る
 連載を終えて〜ふり返れば敗北宣言〜
 *結論を早く知りたい方は次ページの最後の行だけどうぞ。
 ようやく終了する事が出来たという、開放的な快感が正直言って一番大きいです。
作品に対して全く執着がなくなった、というわけではないのですが、
ストレスが意欲をはるかに上回ってしまいました。という感じです。
とにかく終了までの半年間は恐ろしく長く感じました。実は93年の12月くらいに終わることは決定していました。
というより私が編集部に頼み込んだのですが……。理由を挙げれば大小あわせて50コくらいあるのですが、
だいたい大きな理由は3つです。
@身体の都合上 Aマンガに対する考え方 B仕事意外の欲求
Bは論外です。要するに遊びたい・休みたい・思いっきり寝たいという類のものですので。
しかし50コの理由の大半はこれに当てはまります。連載当初から武術大会が始まるくらいまでは、
週に休みが睡眠のための半日。それ意外はほとんど仮眠でストレス発散は寝る時間をけずってするという日が続いたのですが、
結構楽しんでやっていました。しかしRPGで言うところのHPは確実に減っていたようで、
読み切り31P・巻頭カラーがたて続けに来たあたりで徹夜をすると心臓に痛みが走り出すようになり、
徐々にその間隔が縮まってくるようになりやがりました。その頃ちょっと真剣に制作のペースについて考えるようになりました。
249名無しさん@お腹いっぱい。:03/06/24 00:40 ID:DchqHwEq
「規則正しい生活はムリにしても寝たい時にきっちり寝て描いたら、どの位のペースで仕事が出来るだろうか」と。
実行しました。原稿がみるみる遅れ出しました。この頃から仕事としてのマンガへのとりくみ方が変わってきました。
「仕事で過労死はやだ。ポックリいくなら遊んでいるときか趣味で原稿描いてるときがいい。
カラー原稿こわい。読み切りこわい」
 寝る時間のほかにストレス発散の時間もとるようになっていました。
さらに原稿が遅れ出し、仙水と幽助が闘っている頃第一のピークを迎えたのです。しかし、
ちょうどその頃、今までとは違うストレスがかなりたまっているkとに気付きました。体調を整え、
今までのストレスを発散したために生じる新たなストレスです。「原稿が満足に出きない」 Aの問題発生です。
 私は画力で人をひきつけたいという絵が好きな人なら誰でも少しはもっていそうな野心を極力おさえてもらっていました。
新人時代、萩原一至さんの原稿を当時担当のT氏から見せてもらったからです。正直言って絵では絶対かなわないと思いました。
しかし「できれば全部一人で描きたい」という理想はすてられませんでした。
幽遊白書の連載中、何回か一人で原稿を上げたことがあります。全てストレスがピークに達している時です。
理解してもらえるかわかりませんが、原稿が満足にできないことによって生じるストレスを解消する方法が
「一人で原稿を仕上げること」なんです。その結果その週の原稿は惨々たるものでした。背景も人物もほとんど一人で描きました。
後半の2話はあるハガキの批判の通り、落ちる寸前の半日で19枚仕上げたものです。
プロ失格かもしれませんがそれでも自己満足していました。
すでにその時「人がどう思おうがどんなに荒れた原稿になろうが一人で描きたいもんは描きたいんだ」
という気持ちを押さえる理由が失くなっていたのです。残念ですが幽遊白書のキャラクターで出来ることは、
商業誌ベースではやりつくしてしまいました。あとは出来上がったキャラクターを壊していくか、
読者があきるまで同じことを繰り返すしか残っていませんでした。
250名無しさん@お腹いっぱい。:03/06/24 00:40 ID:DchqHwEq
この本でやったようにキャラを壊す試みはジャンプでは当然没になりました。
同じことをくり返すに耐え得る体力ももうありません。そこで常々思っていたことを実行しました。
「もしジャンプで長期連載が出来たら自分の意思で作品を終らせよう」アンケートの結果が悪ければ10週で打ちきりというシステムは
承知でジャンプにお世話になりました。逆にそれがはげみとなり、「読者の反響」を意識することで色々勉強ができました。
しかし、それを全く考えないで自己満足だけのためにマンガ描きたくなってしまいました。
その結果できる作品がジャンプ読者のメガネにかなうとはどうしても考えられませんので挑戦を放棄します。
今までの文章を要約します。
 わがままでやめました。すいません。

太田出版「消えたマンガ家」より