外環道で地権者らに説明会 国交省など強制収用も視野に
2008年9月26日
地権者らを対象にした事業説明会=市川市で
東京外郭環状道路(外環道)の建設を進める国土交通省首都国道事務所と東日本高速道路関東支社は
二十五日、市川、松戸両市の未買収用地の地権者らを対象に事業説明会を市川市文化会館で開いた。
土地収用法に基づき、事業認定を申請するための準備で、
同省が強制収用に向け具体的な手続きに踏み出したことから、出席した地権者らから不信の声が上がった。
説明会には地権者や沿線住民ら約四百四十人が出席。事業者側が首都圏の渋滞緩和や移動時間の短縮など事業の目的、
環境影響評価の結果などを強調し、事業への理解を求めた。
また、用地の強制収用を可能にする土地収用法の手続きも説明、
「期限までに用地が取得できない場合に備え、事業認定の申請を準備する」と述べた。
これに対し、出席した地権者らからは「絶対に道路を造るから土地を売れという態度は交渉ではない」
「交渉に来た人に『人間はどこでも住める』と言われた。高齢者は動けないのに人権無視じゃないか」
など厳しい意見が噴出した。賛成、反対双方の地権者らが激しくやじを飛ばし合う一幕もあった。
同事務所などは今年一月、県内区間の用地買収が難航し、
予定の二〇一五年度開通が危ぶまれていることから、
強制収用の準備に入ることを表明。土地収用法では、国交相による事業認定後、
県収用委員会に裁決を申請。収用委は補償金額などについて審理し、
裁決に基づいて補償金の支払いや土地の明け渡しが行われる。
同事務所によると十二日現在、県内区間約一一・四キロの用地取得率は面積ベースで92%、
約七ヘクタールが取得できていない。未買収地は二百二十五件で、うち四十六件は交渉に応じていない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20080926/CK2008092602000167.html