151 :
Cal.7743:
16.監査人(公認会計士)の独立性
「監査をしている企業から報酬をもらっている公認会計士に独立性があるはずはない」
「報酬をもらっている企業に対して厳しい指摘ができるはずない」
大変よく聞くことです。
「お金ですべては買えない」
大変下品な言葉で申し訳ありませんが、監査人(公認会計士)の独立性にも通ずるのではない
でしょうか。監査人の独立性で大切なことは、監査人としての「使命感」、「倫理観」、「専門能
力」です。どこから報酬をもらっていようが、これらのない監査人は独立性を保てないでしょう。
ただし、監査人は独立性に疑念を抱かれるような行動や状況を常に排除しなければなりませ
ん。
152 :
Cal.7743:2008/06/10(火) 11:18:34
17.公認会計士試験と税理士試験のどちらが難関か?
「両試験を掛け持ちして受験する者はほとんどいない」、「両試験の受験生の性質(年齢や経
歴など)が異なる」、「両試験の出題範囲が異なる」ことからして、難易度を比較することはでき
ません。
しかし、一つだけいえることは、公認会計士試験のほうが易しいのであるならば、税理士試験
を受験する者は誰もいなくなるということです。なぜならば、公認会計士になれば自動的に税
理士にもなれるからです。
ここ数年、公認会計士試験の受験者数が増えるとともに合格率も上昇しています。これは、国
策として公認会計士数を増やすために試験制度を抜本的に改革したことによります。しかし、
現在のところ税理士試験受験者が公認会計士試験に方向展開するという現象は特に起こって
いない模様です。
153 :
Cal.7743:2008/06/10(火) 11:19:15
18.公認会計士と税理士の学歴(参考)
公認会計士は早慶出身者が3割程度を占めており、東大や京大などの超一流大学出身者も
それなりにいます。
税理士の場合、どういう訳かあまり学歴が公表されることがありませんので詳しいことはわかり
ません。しかし、伝え聞く限りでは東大や京大出身者はほとんどいないようです。
以上からすれば、学歴のみで判断する限り、公認会計士と税理士は医師や弁護士のような超
エリート資格ではないといえるでしょう。
154 :
Cal.7743:2008/06/10(火) 11:20:07
公認会計士制度と税理士制度は別物?
法形式的にはそのように考えることができるかもしれません。つまり、公認会計士法と税理士
法が別々に存在し、それぞれが異なる目的を持っているからです。
しかし、会計と税は密接不可分な関係にあることから、会計業務(決算書の作成や監査など)
と税務(税務申告書の作成や税務相談など)の資格が別個に存在しているのは不効率である
といえます。
公認会計士と税理士を統合する?
多くの諸外国のように会計業務と税務の資格を公認会計士に一本化するのが自然かもしれま
せん。しかし、わが国のおいては60年以上も公認会計士と税理士という資格制度が併存して
きたことから、いまさら両制度を統合することはそう簡単ではありません。
公認会計士へ税理士資格を自動付与することを廃止する?
両資格が別物であると考えるならばこのようにすべきです。しかし、このようなことは「規制緩和
の流れ」に反します。なぜならば、税務を行う能力も意欲もある公認会計士をいたずらに排除
する合理的な理由などないからです。(公認会計士のほか弁護士も税理士となる資格を有しま
す。当然のこととして税法は法律の一部であるからです。)
155 :
Cal.7743:2008/06/10(火) 11:47:38
≪税理士の反論≫
公認会計士に無条件で税理士資格を付与すべきではない!
(税理士試験に合格した者こそ「真の税理士」である。)
公認会計士試験の「租税法」という必須科目は税理士試験と比べて範囲が狭いので、公認会
計士に無条件で税理士資格を付与すべきではない。
つまり、公認会計士にも税理士試験の一部を受験させるべきとの主張です。
古くから税理士業界に根強くある反論です。
しかし、税理士試験といえども、すべての税法についての試験科目に合格する必要はなく、実
務上極めて重要な税目を知らなくても試験に合格することができます。例えば、「所得税(個人
の確定申告書の書き方)」、「相続・贈与税」、「消費税」を知らなくても税理士試験に合格する
ことができます。ですから、残念ながらこれは「決定的な」反論とはなりません。
また、税理士業界はたいへん複雑な「多民族国家」であり、税理士の中には公認会計士や弁
護士だけでなく、税務署OB(税理士試験の受験は不要)や大学院修了者(税理士試験が一部
免除される)という税理士試験に合格していない者が多数います。このことが事態をより複雑
にしており、決定的な解決方法が見出せないまま長い年月が経過しているのが実情です。こ
の先どうなるのでしょうか・・・
156 :
Cal.7743:2008/06/10(火) 11:48:10
結論!
公認会計士と税理士のどちらに依頼すべきか?
結局は、「誰に依頼するか」ということになると思います。要するに、公認会計士であれ税理士
であれ、意欲と能力は個々人によって千差万別であるからです。
それならば、「『公認会計士と税理士の違い』などを説明するのは無意味では?」とのお叱りを
受けるかもしれませんが、「よくある質問」ですので説明しないわけにはいかないのです(笑)。
以上です!
【注】
●法定されている監査(金融商品取引法監査など)は公認会計士または監査法人でなければ行えません。
●全ての公認会計士が税理士登録をしているわけではありません。
●監査法人は税務を行えません。