三戦文民党 2

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390アンジェ ζ ◆YI1yrpC6Lo
【楚(荊、荊楚)】
黄河流域と長江流域の各部族が結びついて形成された民族
→かつては中原王朝と諸侯に「南蛮」と見なされていた主な代表的勢力
→荘王代に覇者に。中原とは異なる文化、慣習を持つ強国として、諸侯の列に加わる
→北の秦国に対抗できるほどの国家となる

【想像と情感】
楚国人の精神文化は中原よりも原始的要素、自然的雰囲気、神秘的興趣、ロマン的色彩を多く持つ
→非凡な想像力で知識の不足を補い、精神生活は想像と情感に満ちる
→多神崇拝

例:
・失蝋法(蝋で作った型を蝋抜きの管をつけて粘土で包み、
粘土を熱して蝋が流れ出た空洞に溶けた金属を流し込むという鋳造法)による青銅器
・優れた絹織技術
・特異な技術を要する漆木製品
・文学作品

神事に使われた器物のデザインも想像力に満ちる
→各種の縁起の良い鳥獣の特徴を組み合わせれば、よりいっそう神通力をもつと考えられたため、
多くの合体動物の姿をした器物が出現した。いわばキマイラ!
→代表的な例は鹿の角を持つ鶴を象った器物
391アンジェ ζ ◆YI1yrpC6Lo :2009/06/18(木) 01:34:30
【シャーマニズム】
元来、中国の多くの民族による原始宗教はどれもシャーマニズム
→西周以後、シャーマニズムは中原では次第に衰退(殷の神権政治の終焉、王の権威によって統治する時代への移行)
→楚では保持(国君による祭祀、一般の楚人の日常生活も巫風に根ざす)

例:
生活用品、芸術品、音楽、舞踊など

楚ではシャーマニズムに根ざした風習は、同時に政治的意義を持っていた。
シャーマンは最高の権威を持ち、楚王はシャーマンの長としての性質を兼ね備え、
王位継承者の選定にも常に占いに基づいて決定を下した。

→シャーマンが神おろしや神との意思疎通のために舞う巫舞が、楚で技術向上、多様化
→優れた歌謡、舞踊の発展
→屈原『九歌』も巫舞を基調にして歌われたもの

九歌:
多数の神話伝説を吸収し、物語性を持ち、幻想に満ち溢れ、濃厚なロマン主義的色彩を帯びる
→歌に舞踊を伴う

楚辞も宗教性を帯び、秦による滅亡によってシャーマン達の歌がもう歌えなくなるという
悲劇性を含む作品が多く収められる