第3回全板人気トーナメント 相撲板 三 戦 支 部

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61無名武将@お腹せっぷく
542 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 00:18:49
タイトル:未定


 聖三戦学院の朝は、それぞれの性癖と経済状況を乗せて、静かにたおやかに始まる。

運転手:「お嬢様、いってらっしゃいませ」
八戸のぶなが:「……」
 八戸は、深々と腰を曲げる中年の運転手に一瞥を投げると、目の前の校門を見上げた。
 八戸のぶなが。17歳。日本が世界に誇る八戸コンツェルンの一人娘である。
高校生という年齢には不釣合いな巻き髪は、専任の美容師によるものである。
首にはハリーウィンストンのネックレス。いったい、何カラットあるのだろう。
大粒だが、決して嫌味ではない。成金とは違う、代々、「金を消費することを生業」としてきた
者だけが身に漂わせることのできる余裕と笑み。

 サンローランのパンストとエナメルのハイヒールは校則違反だが、八戸の美脚を引き立てていた。
下級生:「八戸のお姉さまおはようございます」
八戸:「ごきげんよう」
 八戸は下級生に鷹揚な態度で形だけの朝の挨拶を済まし、蔦の繁った古めかしい校門を
潜った。蔦は、西洋では幸運の印として家屋に這わせるという。
だが、人とは異なる性癖を持つ八戸には蔦は幸運の象徴ではなく、柔肌に食い込む
荒縄を連想させるのだった。
62無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:49:18
544 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 00:19:17
 最後に女の子と寝たのはいつだっただろう。もう、一年も八戸はセックスを休んでいた。
資産家令嬢として我侭放題に育てられ、増長した八戸の性癖を止められるものは、
もはや日本にいるとは思えなかった。
八戸:「私が悪いのじゃないわ。私について来れない女の子が悪いのよ」
 八戸は校門付近に群れる女生徒たちを視界に止めながら嘯いた。

――プライドの高い、お嬢様――
 人は八戸を誤解していた。プライドは確かに低くはない。八戸にとって、この世は
己に従う者と己ともう一つの人種しかなかった。
 「己を従わせる者」。そう、八戸はSであり、Mであった。下手な女生徒は八戸の
複雑な性癖の琴線を探り出すことができず、八戸の怒りに触れ殺害されるのだった。

小銀玉:「なんだ。八戸か。綺麗な薔薇の花を持っているな。お前が育てたのか?」
八戸:「ええ。そうよ」
小銀玉 :「漏れ、植物の専門家になるために千葉大の園芸に行きたいんだ」
八戸:「そう…頑張ってね」
小銀玉:「八戸は進路はどうするんだ?」
八戸:「私? 決まっているわ。どうせ、進学してもあの男と結婚させられるのよ」
 八戸がふと見せた悲しげな表情に小銀玉は、ばつの悪そうな顔をした。
 あの男。八戸より一つ年下の婚約者。生まれたときから決められていた。
名前は
小銀玉:「…すまん」
八戸:「いいのよ。どうせ、私が好き勝手できるのも、この二年間だけね。あとは、ひょーりみの
妻として生きるだけなのだから」

63無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:49:42
546 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 00:19:49
 自分が『八戸お嬢様』として振舞えるのも、残り二年の高校生活のみ。
この二年間は、何が何でもこの世の快楽の全てを味わなければ。
八戸は、己の遊技場たる聖三戦学院の歩道に鋭いピンヒールを食い込ませた。

 聖三戦学院。創立は戦前までに遡る伝統ある女子校で制服のブレザーの布は、昔、
大正天皇より下賜されたものであった。
64無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:50:11
767 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 12:09:16
某スレ試作品:エロ強化バージョン?
※エロ苦手な方は読まないことを推奨します。
スレ違いなのでごみ箱に置いておきます。

 創立以来変わらぬ制服のデザインは、デザイナーズブランドの制服の人気や制服の
モデルチェンジで少しでも入学者を多くしようという他校の涙ぐましい努力をものともせず、
常に制服人気ランキングの5位以内に入ると言う不動の地位を保っていた。

 シンプルな紺色のブレザーに同じ生地のプリーツスカート。プリーツスカートには
裾の部分に白線が入り、一年生は一本、二年生は二本、三年生は三本となる。

 朝の電車内。通勤通学の時間帯。人の呼気と吐息で曇るガラス。穢れる空気。薄くなる酸素。ここにも、聖三戦学院の女生徒がいた。
スカートの裾には一本の線。高めに結ったツインテールの長い髪は、枝毛の一本も見つけることは難しいだろう。

氷雪:「……」
 氷雪。16歳。聖三戦学院の一年生だ。大きな瞳が愛らしく、小生意気そうに見える小さな唇は
僅かに歪んでいた。氷雪は臀部に違和感を感じていた。さっき、駆け込み乗車をした時から。
人の手の感触がするのだ。始めは恐る恐る、羽毛が触れる程度に氷雪に触っていた手も、
大人しい氷雪に味を占めたのか大胆になってきていた。どう考えても痴漢だ。
 だが、身動きが取れない。

 氷雪は左すぐ横にいるOLの腕時計を除き見た。時計の時刻は、この電車を逃したら遅刻すると
氷雪に告げていた。左手にはバック、右手には乗車直前までに読んでいた本、耳にはMP3。
 講談社ブルーバックスの生物系のカバーを着た本の中身は、団鬼六だった。「ターゲット熟語編」と
タイトル編集してあるMP3の中身は古今東西の歴史書のエログロシーンを自ら厳選して
音読したものだった。氷雪の細腕でも何とかすれば身動きは取れるかもしれない。しかし、
身動きを取った瞬間に団鬼六とMP3の中身が露見したら……氷雪は己の危機に場違いな
興奮を感じていた。
65無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:50:32
768 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 12:09:45
 氷雪は八戸に負けず劣らない変態だった。いや、八戸をもある意味凌駕していると言っても過言では
なかった。氷雪は自分の母親を何よりも愛していた。元、タカラジェンヌで娘役トップの母親は
誰よりも可愛らしく、誰よりも美しい肌をしていた。美しい物を求めるのは人間の心理。
なのに、どうして血が繋がっているというだけで普通の行為が禁忌となるのかしら。

 遂げられぬ性欲は歪んだ方向へ突き進み、氷雪は現在の変態になった。
氷雪:「あ…ふっ…」
 痴漢の手に思わず、氷雪は声を漏らした。周囲の人間に聞かれはしなっただろうかと氷雪は、変態的
性欲を躍らせていた。手は、スカートの中へ進入し、氷雪の作りたてのプリンのような滑らかな太股を
刺激した。中にはおぞましい性欲を押し殺しているのに、可憐な外見をしているだけで氷雪は常に
異性からいやらしい欲望の対象として見られてしまっていた。
 手は、下着の上まで弄っていた。大人ぶって購入したシルクの下着。薄い絹は相手の手の感触を
ダイレクトに伝えてきた。


 「こんな凡人に近い行為で感じてしまうなんて」氷雪は己の節操の無さに新たな喜びを見出そうとしていた。
彼女は八戸のように「私は基本Mなんだけど、Sなのかも、ああ、どっちなのかしら」などと悩むことはなく、
変態である自分を受け入れていた。気持ちよければ、綺麗なら何でもいい。氷雪は綺麗な宝石を収集する
女の子のようにあらゆる快楽を求め続けていた。手は、とうとう下着の中まで入って、氷雪の敏感な部分の
形を確かめるように動いていた。手はゴツゴツとしていた。「男、か」と氷雪は相手を分析した。

 刹那、男の手が止まった。止まった理由は氷雪にもわかっていた。氷雪はただでさえ少ない生えたての
柔毛を自分で剃っていたのだから。
 さすがの痴漢も驚いたようだった。「所詮、そのような凡愚には私の相手は務まらなくてよ」と氷雪は
心の中で男に別れを告げた。駅まではあと3分。やはり、自分の変態的性癖を満足させてくれる人間は
この世にはいないのかもしれない。
66無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:50:57
769 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 12:10:38
氷雪:「え……」
 氷雪は己の予見が外れたことに狼狽した。痴漢は氷雪の小さな胸の隆起を鷲掴みにし、
臀部に固い物を当ててきたのだ。膨らみかけた胸が痛みを訴えた。男の腰の動きは止まらない。
氷雪:(いやぁ…そんなに動いたら、私の『カバーだけ講談社ブルーバックスの団鬼六』と
エログロMP3が車内の人にばれちゃう。車内には学校のお友達が沢山乗っているのにぃ。
私の長年積み上げた良すぎる外面が剥がれちゃうじゃないのぉ……)
 氷雪は、男に激しい怒りを覚えた。殺意さえ感じた。未熟な技術の代償に私のイメージを壊してゆくなんて、と。
「私の作られたイメージを壊すのは、私を越える変態しかいない、わ」氷雪は常日頃心に固く決めていた。
 

 電車がホームに滑り込む。どうやら無事に逃れることができそうだと思った。足に感じる冷たい感触。
ホームで確認しようとすると目の前に一人の少女がいた。
氷雪:「宇喜多様」
 やや吊り目の少女の切れ長の目は、氷雪に同情を示していた。
宇喜多:「ひどいことをする人もいるものね。大丈夫?」
 宇喜多は、氷雪に言葉をかけると無言でバックからティッシュを取り出し、氷雪のスカートについた
汚物を拭ってやっていた。
 宇喜多。16歳。氷雪と同じ一年生だ。UMAから歴史まで多彩な趣味を持つ。普段は寡黙で
上級生の小魔玉とくらいしか話しているのを氷雪は見たことが無かった。寡黙な部分が良いと
学内の女生徒に人気の同級生だった。
宇喜多:「氷雪様、何をぼうっとしているの?」
 長身の宇喜多は氷雪を見下ろして聞いた。氷雪はショックを受けたのだろうかと心優しい宇喜多は
内心、心配した。
67無名武将@お腹せっぷく:2008/04/18(金) 13:51:40
770 :氷雪 ◆jKdJ051mHQ :2008/04/18(金) 12:11:08
 見つめ合った二人。こんな時、自分に与えられた役は、どんな役なのか、どう演じれば良いのか
氷雪は知っていた。大きな瞳を涙で潤わせながら、涙を1.2滴落とすと、ツインテールを揺らし、
顔を覆って泣いた。
小魔玉:「どうなさったの? 氷雪様に宇喜多様、気分でも悪いの?( ^∀^)ゲラゲラ」
宇喜多:「小魔玉様…それが、いえ、何でもありませんわ」
 宇喜多はこれ以上同級生が穢されるのを恐れ、小魔玉に報告するのを思いとどまった。
 その頃、三人を遠くから眺める一人の女生徒?がいた。
偽クマッタ。17歳。男ながらに女子高に入学した異端児である。
偽クマッタ:「ちくしょう。小魔玉と宇喜多…俺が痴漢した氷雪を自分で慰めて氷雪に好かれるという
自作自演を計画していたのに…計画が崩れたではないか」
 偽クマッタは小魔玉と宇喜多に怒りを覚えつつ、車内で存分に味わった氷雪の体を思い出していた。
偽クマッタ:「やべ…今日は、帰ってコテニーするか」
 先ほどの氷雪を襲った痴漢は偽クマッタであった。