http://www.chosunonline.com/article/20080401000020 中国の温家宝首相は30日、チベットで独立要求デモが起きた原因
を三国志に出てくる「司馬昭の心」という故事に基づいて説明し、
注目を集めている。
温首相はメコン川流域首脳会議に出席するために訪れたラオスの
ビエンチャンでチベット問題に触れ、「五輪を控えラサをはじめ
とするチベット族居住地域で発生した一連の暴力事件は『司馬昭
の心』という言葉で説明できる」と指摘した。
司馬昭は、三国時代の魏の武将であり、皇帝を殺害して権力を
奪った人物だ。温首相がチベット問題で司馬昭を引き合いに出した
のは、今回の事態が露骨にチベットの分離独立を狙ったものであ
ることを強調する狙いがあるとみられる。中華圏のメディアは、
温首相が述べた司馬昭はチベットの精神的指導者ダライ・ラマを
指すと分析した。
温首相が引用した「司馬昭の心」という故事は、皇帝と臣下と
いう上下関係で下の地位にある人物が上の地位にある人物の権
力を奪おうとする際に使う言葉であり、以前は独立国家だったチ
ベットと中国の関係を表現するのは不適切との指摘もある。しか
し、温首相があえてこの言葉を使ったのは、チベットの歴史を
中国史の一部に組み入れようといういわゆる「西南工程」の
一環とみられる。中国は韓国史である高句麗史を中国史の一部
と見なす「東北工程」と並行して、チベット、新疆ウイグル
両自治区の歴史を中国史に編入する西南工程を推進している。