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無名武将@お腹せっぷく:
<21世紀は女性の世紀>
女性の勢いが止まらない。平均寿命、職業、スポーツ、学力など各方面で女性の躍進が目立ち、
21世紀は女性の世紀と言われる。今なぜ女性が強いのか、連載の第一回では生物学的観点から
解き明かしてみる。
「現代人を猿人やクロマニョン人と比較すると、男女の体格差ははるかに小さくなっています。
女性の躍進は人類誕生した時点で既に始まっていた。それが現代になって顕在化し始めただけ
なのではないかと私は考えています。」と指摘するのは文化人類学者の荒木正雄助教授。女性
参政権の確立や雇用機会の均等化など、女性の躍進といえば社会状況の変化と結びつけられる
ことが多いが、もっと壮大な生物学的根拠があるのだという。
「人間の雄(男性)が子孫を残せるかどうかを決定するのは形質の優劣ではなく、生殖のミニマム
(最低条件)を満たしているかということ。例えば、遺伝疾患がないか、子孫を残す前に病気で
死ななかったか、生存に最低限の職業能力があり、異性に最低限の魅力があるか。形質が優秀な
雄同士が争い、勝ち残ったものしか子孫を残せなかった太古の昔と比べて、言ってみればレベルの
低い争いをしていることになる。」とハーバード大研究員の高倉麻子氏(ジェンダー研究)はいう。
数パーセントの「エリート」だけが子孫を大量に残せる類人猿と、「落ちこぼれ」
さえしなければ多くの男性が子孫を残せてしまう人間では、雄の生殖に占める重要性がまったく
違うのだという。「一般的に、その種の雄同士の競争が存在しないか小さい場合は雄は矮小化
します。精子を供給することしか存在意義が無いから優れた形質をもつ必要もないし長生きする
必要も無いわけです。例えば、ミツバチやアリの雄は雌に比べて圧倒的に数が少なく、体も小さい。
そして受精の役割を果たすとすぐに死んでしまう。人間も、男性が自らの
役割を放棄したことによって、生殖に対する男の役割は形式化してしまった。似た
ような雌雄のバランスに進化をしている途上なのかもしれない。」人類の進化にともなう男女の
体格差の減少、男女の平均寿命差、新生児に占める男児の割合の低下も納得できる。さらに、
職業や学問分野での女性の活躍が目立つのは社会の担い手が女性に移行しているということなの
だろうか。