無双先生ネギま!! ドキッ!! 男だらけの学園生活
1 :
無名武将@お腹せっぷく:
時は三国の動乱真っ只中・・・もとい、動乱の少し前。
張角、董卓らの悪者が着々と力をつけ始め、
既に世は混乱の兆しを見せていた・・・。
このままでは危ない!!
奇しくも当時の中国には、将来の宦官を養成する或る超エリート校「汚奈良校」があった。
生徒達は素質はあるが、一癖も二癖もある人物ばかり・・・。
もしあなたが教師なら、この問題児クラスを抑えられるか!?
試練の扉は幕を開ける・・・。
2 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:02:25
<生徒紹介>
相坂 元放(あいさか げんほう)
既に他界しており地縛霊として何年も同じクラスにいる。
実は友達が欲しいのだが、よくストーカーに間違えられる。
明石 仲謀(あかし ちゅうぼう)
快活で知り合いも多く、ハスキーボイスが持ち味。
お父さんは大学教授らしく、それを誇りに思っている。
朝倉 伯符(あさくら はくふ)
スクープ大好きの熱血漢で、少々馴れ馴れしいトラブルメーカー。
先見眼はかなりのもの。最近になって急にガタイが良くなった。
綾瀬 伯言(あやせ はくげん)
成績は悪いが頭は非常に良く、読書好き。理詰めで人を圧倒することが出来る。
自分の発育が遅いのを密かに気にしている。
和泉 幼平(いずみ ようへい)
内気な性格が災いしてか、自分の気持ちをストレートに表現できない。
顔の傷を気にしており、それに言及されることを極端に怖がる。
大河内 公績(おおこうち こうせき)
元気のいい3-Aの中でも比較的落ち着いている。たまに皮肉を言ったりもする。
友人関係はそれなりだが、深く関わろうとはしない。孤独を好むようだ。
3 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:02:58
柿崎 元譲(かきざき げんじょう)
流行の最先端を走るオシャレセンスは抜群で、最近のお気に入りはロングヘアーと眼帯。
恋人がいるらしいが、単なる片想いとの指摘もある。
神楽坂 子龍(かぐらざか しりゅう)
生活力があり、あらゆる局面でその強力なリーダシップを発揮する。
子供嫌いを宣言しているが、その性格はいたって保護者的である。
春日 士元(かすが しげん)
魔法が使えるが、本人は必死で一般生徒のふりをしている。
顔下半分を隠したシスターのコスプレが気に入っているようだ。
絡繰 子義(からくり しぎ)
超の力を借りて葉加瀬が作り出したマシンミュータント。
人工知能が高く人間と大差ないが、いかんせん目立たない。
釘宮 文遠(くぎみや ぶんえん)
柿崎、椎名をまとめる兄貴的存在。悩み事にも快く乗ってくれる。
あだ名で呼ばれるのを嫌がり、とくにヤマダと呼ばれるとキレる。
古 飛(くー ふぇい)
中国武術とか言いながら、がむしゃらに暴れ回る困った奴。
龍宮を尊敬しており、彼の力を超えることを最終目標にしている。
4 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:03:45
近衛 本初(このえ ほんしょ)
名家出身のボンボン。愛らしい笑顔と帽子の突起物がチャームポイント。
興奮すると声が裏返る。凄まじい潜在能力を有するが未だ開花せず。
早乙女 公瑾(さおとめ こうきん)
月一回同人活動を行っている腐男子。朝倉と気が合う。
他人の会話に割り込むなど、おせっかいで教えたがりな性格である。
桜咲 奉先(さくらざき ほうせん)
ぶっきらぼうで完全な一匹狼。武芸の腕は龍宮と並んで屈指の実力。
近衛を放っておけないらしく、護衛役を引き受けている。
佐々木 興覇(ささき こうは)
イタズラ好きだが、目標に向かって真っ直ぐ突き進む姿勢は天晴れの一言。
情熱的な性格であり、暴走すると見境なく何処かに走り去ってしまう。
椎名 妙才(しいな みょうさい)
子供っぽい一面があり、やたらと人なつっこく愛嬌もある。
こと勝負事に関してはうるさく、ギャンブルと弓道では負けた事がない。
龍宮 雲長(たつみや うんちょう)
龍宮神社の一人息子。3-A随一の長身と褐色の肌が特徴。
実家に自分の彫像を飾って軍神と名付けて悦に浸っている。
5 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:04:18
超 孔明 (チャオ コンミン)
ずば抜けた頭脳を持つ天才発明家。テストの成績はいつも一位。
素性は不明、良からぬ事を企む可能性があると教師からマークされている。
長瀬 儁乂(ながせ しゅんがい)
普段から奇天烈な行動が目立つが、要所要所では落ち着いた対応を見せる。
運動神経はかなりのもので、アクロバティックな動きを得意とする。
那波 公明(なば こうめい)
保父のボランティアをしており、基本的にどんな事に対しても
達観した態度が出来る芯の強さを持つ。クラス一の巨根との噂がある。
鳴滝 子孝(なるたき しこう)
令明とは双子の兄。背が極端に低く、顔は極端にムサイ。
忍者ごっこが好きで、連続で衝撃破を打つのが得意。
鳴滝 令明(なるたき れいめい)
子孝とは双子の弟。兄に比べて若干冷静である。
忍者ごっこが好きで、二刀流がカッコイイと思っている。
葉加瀬 子明(はかせ しめい)
勉強好きの苦学生。研究室に入り浸っているので、不精ヒゲが汚らしい。
結んだ髪を紐解くと印象がガラッと変わる。
6 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:04:52
長谷川 仲達(はせがわ ちゅうだつ)
世間を斜めから見ているヒネクレ者だが、意外と面倒見はいい。
家に帰ると高笑いとともに自分の世界に入り浸る。自分のことを「ちゅう」と呼ぶ。
CaoCao AK.McDowell(ツァオツァオ AK マクダウェル)
自分の背が低いのは呪いのせいだの、自分は実は魔族でいつか覇道を成して
やるだのくだらない事ばかり言うので、いつも一人ぼっちである。
宮崎 子桓(みやざき しかん)
パット見純情そうな少年だが、あらゆる局面で人を上手い具合に手玉に取る。
それが天然なのか、計算づくの行動なのか知る術はない。人の心を読めるらしい。
村上 孟起(むらかみ もうき)
自分でも影が薄いと思っているようで、派手な服を着たり
「正義」「大徳」と頻繁に喚いて個性をアピールしているが、全て空回り。
雪広 玄徳(ゆきひろ げんとく)
一応クラス委員長だが、アクの強い人間揃いの3-Aに埋もれてる感は否めない。
無類の年下好きであり、自分より20歳以上離れた恋人しか認めないらしい。
四葉 仲康(よつば ちゅうこう)
稀代の大食漢で、肉まんに囲まれて平和に暮らすのが夢。
太った見た目から食べ専かと思いきや、自分で作るのも上手だったりする。
Weiyan Rainyday(ウェイヤン レイニーディ)
口数が異常に少なく、ぱっと見野蛮で無骨な外見をしている。曲芸が得意。
自分を認めてくれる誰かを求めて日々さすらっている。
7 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:05:38
<先生・その他紹介>
公覆・K・コーガイ(こうふ・K・こーがい)
元3-Aの担当で、兼広域指導員。不良たちを鞭で叩いて説教するのが仕事。
普段の服装からついたあだ名が「死の半ズボン(デススパッツ)」
源 貂蝉(みなもと ちょうせん)
汚奈良校の指導教員。コーガイと並んで問題児のあしらい方が上手く、
生徒を影から支える優しさも併せ持つ。おっぱいがとても大きい。
ガンドルゲツエイ
数多の就職先を蹴って汚奈良校に赴任したエリート教師。機械操作を得意とする。
何かにつけて理屈っぽいが、いざという時に役に立たない。
明石 文台(あかし ぶんだい)
明石仲謀の父。本職は大学教授だが、臨時講師としてこのクラスを教える。
気まずいことがあるとすぐに笑ってごまかす。
甄姫・D・グッドマン(シンキ D グッドマン)
3-Aの生徒より2つ年上の風紀委員長。独特の超音波を操る。
学生なのによくオバサン扱いされるらしい。服がすぐ脱げてしまう。
8 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:06:09
佐倉 尚香(さくら しょうこう)
甄姫の下僕で、同じく風紀委員。3-Aの生徒の1つ後輩。
見た目に反して武芸に秀でており、並の武将では相手にならない。
犬上 関平(いぬがみ かんぺい)
最近学校付近に引っ越してきた子供。足がとても短い。
まだ幼く生意気な言動が目立つが、将来的な大物感を漂わせる。
セイサーイ・カモミール
金稼ぎのために上京してきた少女。神楽坂の部屋に居候している。
ブリーフやマフラーを枕にして寝るムッツリスケベ。
典韋さん
汚奈良大学工学部によって造られたロボット。絡繰子義と違い自律思考型ではない。
手に持った斧と、金剛石をも砕く頭を備えた戦闘マシーン。
伯約・サンダース(ハクヤク・サンダース)
3-Aの眼前に時たま姿を現す謎の青年。この動乱の終焉を見越したかのような発言をする。
普段目にしているのは虚像で、本体は別の時代にいるらしい。
9 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:10:50
無双スレって事はよく分かった。
10 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/05/31(水) 23:12:45
ラブひなスレって事はよく分かった。
良スレ
, -──- 、
/:::::::::::::: ::\
/::::::::::: ::∨ト、 こいつはすげえッー!
:::::::::: :: レ'ノ
:::::::::::::: ::: レ'⌒ヽ 良スレのにおいが
ヽ-───i===i─-}ァ' ノ プンプンするぜッ─────ッ!!
、` ー-===-゚---゚==‐' /
、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; )
_、;;)¨´,ニ=゚='" ,.ヘ=゚:く {ッリ'
i1(リ r;:ドヽ K
ヾ=、 に二ニヽ `|; )
_,ノ| i. {⌒゙'^ヽ.{ i;; ヽ
_,ノ!i ヽ、 ヾ二ニソ ,';;; ;;冫=:、
_;(|.!. \ ‐っ /!;;; ;;/ 、''"\__
'ト、\. ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_
:ヽ `ニア ,. -┴‐‐' ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ
:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ . l __l| ,ニト、くヽ
l::::::::::\ー:ト __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー-
;ニ=ー:::::::ヾト、._  ̄ ノ|::ヽ ニ._‐-ゞ=' .ノ ::|:::::::::::
:\:::::::::::::::ヽ  ̄ ̄ !:|:::::  ̄ ̄ ::::|::::::::
| | ソ〜〜
主人公は誰にするんだ? 性転換してるから幼女になるのか?
曹操と馬超の説明ワロスwwwwwwwwwwwww
17 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/01(木) 00:52:21
a
色々極まってんな
19 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/01(木) 06:21:40
馬鹿とかな
複数のジャンルのヲタってのは、なんか、こう、あれだなあ
職人に期待
何ひとつ捻りのない典韋さんでワロタw
>>15 なるほど、幼女の教師を武将たち全員で可愛がるのか・・・
24 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/01(木) 16:35:43
うぇwwwwwwww
(;´Д`)ハァハァ
26 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/01(木) 20:50:48
27 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/01(木) 22:51:50
ネギま!声優スレがあると聞いて兵3000を連れ加勢に参った。
スレタイで吹いた
29 :
またまぼう ◆QSgZhG0MYs :2006/06/01(木) 23:44:22
超良スレあげ
30
誰かお話書いてよ
伯約サンダースってなんだよ
アルビレオ伯約の方がかっこいい
>>1 激しくワロタww人選が絶妙だねw
で、設定だけ?
「この方が、今年度の3-Aの担任となってくださる、公台・スプリングフィールド先生だ」
「よろしくお願いします」
桜の舞う季節。ここ洛陽学園の職員室では新任の教師の挨拶が行われていた。
今回赴任してきた教師は、まだ年端も行かない10歳の少女。黒い長髪をポニーテールに仕立て上げ、大きな黒い眼で辺りを見回している。
背が小さいので何処からか持ってきた温州みかんの箱の上で挨拶をしている。その背には、何故か本物の弓矢を背負っていた。
一通り挨拶が終わると、彼女は箱の上から降りた。他の教職員からざわめきがもれる。
「あの3-Aの担任か……」
「何であんな小さな子が……」
「公台タソ……ハァハァ……」
しかしそんな周りの視線は全く気にせずに、一通りの教材と出席簿を鞄の中に入れると、そろそろ授業が始まる教室へと歩いていった。
「やあ、公台先生」
廊下を歩いていた公台は、後ろから声をかけられたので振り向いた。そこに立っていたのは顔に笑みを浮かべた中年の教師だった。
「あ、こんにちは。えーと……」
「文台だ。明石文台。よろしく」
そういうと、文台は公台の横に並んで歩き出した。
「3-Aの担任になったんだって?」
「はい」
並んで歩くと、本物の親子のように見える。まあ、親子ほど歳が離れているから当然ではあるが。
「そうか。あそこには俺の子供が居るからな……会ったらよろしく言っといてくれ」
「へぇ、お子さんがいらっしゃるんですか?」
「ああ。しかし……3-Aか」
そこでふと、公台は先程から疑問に思っていた事を口にしてみた。
「あの……。3-Aってどんなクラスなんですか?」
この学園に着てから、3-Aと言う名前を口にするたびに周囲の表情が変わっていた。どうも良くない噂が流れているようなのだが、一体どんなクラスなのか実際の話は全く聞いていなかった。
そこで、人の良さそうな文台に聞いてみたわけだ。
しかし、文台もその質問を聞くと黙り込んでしまった。少し間があって、
「はっはっは……まあ、言ってみれば分かるさ」
と、誤魔化すように笑った。どうも相当問題のあるクラスらしい。
「おっと……ここが3-Aだ」
そうこうしているうちに、3-Aの教室前まで着いたらしい。
「あ、どうもありがとうございました」
「いや。新しい担任の仕事、頑張ってくれよ」
それだけ言うと、文台は鼻歌を歌いながら去っていった。
その背中を見送った後、公台は目の前のドアを見上げた。ドアと言うより壁のようにも見える。一応、黒板けしの挟まっている様子は無い。
何度か深呼吸をした後、決心をした公台は勢いよく扉を開けて、叫んだ。
「おはようございまーすっ!」
「てぃっ、てぃっ、てぃやぁーっ!」
「どうした仲謀!腰が入ってないぞ!」
「あ、あの……教室で剣を振り回すのは止めたほうがいいと思うんですが……」
「……耳が痛い……」
「おいおい、この程度で泣き事言ってたら、将来コンサートに行けないぞ?」
「やはりこの眼帯は蒸れるな……こっちにするか」
「ああ、誰だこんな所にチョコの包みを捨てたのは……全く」
「……男でシスターのコスプレってまずいかねぇ」
「教室内の騒音測定……80db」
「はぁー……クラス替えしたら暇になったなぁ。文謙も曼成も居ないし」
「これが、中国武術・仁王立ちーっ!」
「タダ立ッテルダケデアローッ!!」
「伯符ー?『ドキッ?コスプレだらけの水着大会・二喬も居るよ』が手に入ったんだが……」
「本初。そこの腐男をぶっ飛ばすからちょっと下がってくれ」
「あ!新しい担任が来るんだよな!俺ドアに黒板消しはさんどくわ!」
「っしゃあ!リーチ三色ドラ……裏ドラも乗ってマンガンだ!」
「ぬぬっ……おのれぇっ!こうなれば武芸で勝負っ!」
「……落ち着け、鳴きの伏竜。試合はまだ始まったばかり……」
「美しくないですねぇ。鳴いても揃わねば意味がありませんよ?」
「子龍、手伝うか?」
「往くぞ令明!どすこーい!」
「兄者、それ忍者じゃ無い!」
「はぁ……。今月の食費どうする……俺」
「ハッハッハッハ!だから貴様は計画性が無いと言われるのだ!」
「ええぃ、一番後ろの席では……椅子の上に立たないと黒板が見えんでは無いかっ!」
「それじゃあ席交換する?俺の前奉先だけど」
「玄徳殿っ!貴方の大徳に一目惚れしたっ!これから一生付いていくぞ!」
「男にストーカーされる義理は無いっ!」
「みんなぁ〜、ご飯出来たぞぉ〜」
「いらん」
その騒々しいにも程がある光景に、公台は凍りついていた。3-Aが敬遠される理由が分かった気がする。
その場に突っ立っていると、不意に肩を叩かれた。振り返ると、腰まで届く白い長髪に同じ色の角ばった髭を生やした男がそこに立っていた。明らかに生徒の年齢じゃないような気がする。
「……新任の公台・スプリングフィールド先生か?」
「え、ええ……」
あっけに取られる公台。それもそのはず、彼の上半身は壁から突き出ており下半身は壁の中に埋もれていた。
「我が名は相坂 元放。幽霊である。お陰でもう何年も留年中だ。よろしく」
「は、はあ……」
それだけ言うと、元放は壁をすり抜けて何処かに行ってしまった。再び凍りつく公台。
こうして、3-Aの波乱に満ちた一年が始まったのであった……。
とりあえず書いてみた。
ネギま!読んだ事ないが、その辺は勘弁してくれ。
39 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/03(土) 17:22:17
GJ
40 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/03(土) 17:26:11
また糞スレたておって
41 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/03(土) 23:44:27
>>38 むしろ読んだことないのに書いてみようとしたお前の闘志に乾杯
42 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/04(日) 00:00:03
面白くなりそうなためage
「えーと、それじゃあ出席も終わりましたんで、自己紹介をさせてもらいます」
その後。騒がしかった教室の中を何とか静かにさせた公台は、黒板に自分の名前を書いていった。背が小さいので、黒板に書かれた字も必然的に高さが低くなる。
「おい、先生!全く見えんぞ!」
案の定、一番後ろの孟徳―――CaoCao AK.McDowellのあだ名である―――から苦情があがった。一体何の因果なのか、彼の前の席には伯符、妙才、雲長、仲康と、縦横斜めにがたいのいい連中が揃っているため背の小さい彼には黒板が全くと言っていいほど見えなかった。
「とりあえず席を立ってもいいんで何とかして見て下さーい」
そう言った所で丁度書き終わった。振り向いて公台が言う。
「これから一年、貴方達の担任になる公台・スプリングフィールドです。一年だけですけど、皆さんよろしくお願いしますっ」
言葉と共にウィンクした。普通の女がこれをやればかなりの数の男を討ち取れるのだが、公台は10歳。流石に無理があったようだ。
それでも何人かは討ち取られていた。
特に酷いのは雪広玄徳だった。その前からやけに期待のまなざしを公台に送っていたのだが、今のウィンクで歓喜の表情を浮かべていた。クラス委員長らしいが、彼も立派な危険人物である。
「えーと……それじゃあ、何か質問のある人?」
なるべく玄徳の方を見ないようにしつつ、文台はいった。新任教師のテンプレートだ。本当なら生徒にも自己紹介をさせるべきなのだろうが、この濃い連中だと長くなりそうなので止めておいた。
「先生!どうして先生は先生になったのですか?」
ロミオに向かって『ああロミオ、あなたはどうしてロミオなの?』と言っているのに似た質問をしたのは、ハスキーボイスの明石仲謀だ。虎の毛皮のマントを背負っているのが印象的である。
その質問の答えは意外なものだった。
「秘密」
「はい?」
あっけに取られた仲謀が聞き返す。
「大人の事情よ」
「いや、あんた子供だろう」
即座に突っ込んだのは超孔明だった。相当頭がいいらしいが、どれほどのものかは不明である。
「さて、それじゃあ他に質問は?」
手を挙げたのは、教室の一番隅っこの席に座っている佐々木興覇。いかにも不良っぽい格好と態度をとっているが、授業中に煙草をすうほど悪には染まっていないようだ。彼の質問はこんなものだった。
「はいはいはーい。先生よぉ、何で弓なんて持ってるの?」
「ああ、それはね……」
言うより早く、背中の弓を取りつつ教卓の上に飛び乗った。その時には既に矢を番えており、周りが何が起こっているか分からないまま、あるいは反応する前にその矢を放った。
放たれた矢は器用に生徒の間をすり抜け、一人の生徒の机に突き刺さった。上に置かれていたノートに無残な穴が開く。いや、よく見るとノートではない。何かのイラストが描かれた本だった。
「……護身用よ」
護身にしては余りにも正確すぎる。とにかくその矢は、早乙女公瑾が大切にしている『虞美人陵辱本』をど真ん中から貫いていた。
生徒全員の自己紹介を書こうとしたけど、あまりに人数が多すぎて諦めた。
>>41 うん。スレタイに惚れちまった。馬鹿だ俺。
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
47 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/04(日) 14:13:28
>>6のウェイヤンって三国志となんか関係あんのか?
49 :
◆yI4PhQLufg :2006/06/04(日) 23:16:11
〜三時間目 明石 仲謀・綾瀬 伯言〜
「ただいまー」
時は夕暮れ、ここは明石家。煮物の匂いが漂っている玄関に、明石仲謀がやってきた。今日は始業式だったため、部活は休みだった。
「あら、お帰りなさい。お父さんから何か聞いてる?」
「ん。後30分ぐらいで帰れるって言ってたよ」
そう言って荷物を自分の部屋に置きに行った。彼の父の名は文台。そう、洛陽学園中等部の臨時講師の明石文台だった。彼は本来は大学の講師なのだが、前任の教師が産休でいなくなってしまった為、学園長の頼みで中等部を教えることになったのだった。
本人にとってはむしろ新鮮なことだったようで、自分の息子を教えられると張り切っていた。そして、仲謀もそんな父を誇りに思っていた。
虎の毛皮のマントも外して、寝巻き代わりのジャージに着替える。中1の頃から来ているのだが、大分小さくなってきたようだ。今度新しい物を買って貰おう。
その後本棚の漫画を暫く読んでいると下のほうから母の声が聞こえた。どうやら夕飯が出来たらしい。下に降りると、食事が並んでいた。今日の夕飯はやはり煮物らしい。仲謀は早速箸を手にとった。
「それじゃ、いただきまー……」
「おーぅ、今帰ったぞー!」
突然響く声。どうやら親が帰ってきたらしい。しかしやけに騒がしい。それに、足音の数が一人分余計なような気がする。バタバタと部屋に入ってくる音がしたので、仲謀は振り返った。
「おかえりー……あれ?」
そして仲謀はおかしなことに気づいた。確かにさっきの声は父親のものである。しかし今ここに居るのは別人だ。父親よりもかなり若い。と言うか、どこかで見たような。
「……伯言?」
ようやく口にした言葉は、仲謀本人にも信じられなかったが、今ここに居るのは確かに綾瀬伯言だった。
しかし何故ここにいるのだろうか。
「ああ、久々に会ったら夕食代で困ってたみたいなんでな。うちに連れてきた。母さん、こいつの分の飯もあるか?」
「ええ、十分ありますよ。……でも、だったら一言ぐらい連絡してくれればいいのに」
「はっはっは。家のすぐ目の前で会ったんでな。連絡する暇も無かった」
その言葉でようやく説明が付いた。伯言の両親は幼い頃に事故で亡くなっていて、余り懐に余裕のない親戚の家へと預けられていた。子供の頃はまだ可愛がられていたが、育ち盛りの中学生ともなると流石に煙たがられ始めているようだった。
だからなのかもしれないが、小さい頃から仲の良かった仲謀の家にご飯を食べに来る事が多かった。
「あ、国太御母さんお久しぶりです。それと……仲謀も」
「おいおい、私はついさっき会ったばっかりだろうが」
そんな冗談を交わしつつ、久しぶりに4人で明るい食卓を囲うことができた。あっという間に夕飯は無くなって、他愛の無い雑談を交わしていた。
その時、ふと仲謀はある事を思いついた。
「そうだ、ちょっと待ってろ」
そういって、2階の自分の部屋に行った。そして、押入れの中から段ボール箱を引っ張り出して、それを下に持っていく。
「ほら。この中から気に入ったものを選んでいけ。私には着れないが、お前なら多分大丈夫だろう」
「え……?いいんですか?」
「遠慮するな、ほら持っていけ!」
「はい……ありがとうございますっ!」
同い年だというのに、仲謀と伯言の身長は頭半個分ほど違っていた。並んでみると、何となく兄弟にも見える。
「そうだ、お前ら同じクラスだったんだな……。新しい先生はどうだ?」
ふと、文台が二人に問いかけた。今日は随分と早く帰ってきたので、あれ以来公台とは話していなかった。だから、担任のクラスであるこの二人に聞くしかない。
「ええ、いい先生でしたよ」
「ああ。伯言にはお似合いだな」
「え……ええっ?!な、や、止めてくださいよそんな冗談は!」
「はっはっは!二人とも随分気に入ったようだな!」
そんな冗談を言いながら、明石家の夜は更けていった。
昨日よりも長くなってた。
とりあえずこの調子で書いていけたらいいかなーって思ってる。
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!
ネギまを全く知らん人が書くと新鮮味があるなw
55
age
57 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/06(火) 11:22:02
おーーぱい
おおー
〜4時間目 柿崎 元譲 釘宮 文遠 椎名 妙才〜
不良と言うものはどこにでもいる。そうは見えなくても、周りと比べれば優等生と落ちこぼれがいるように、誰かと区別すれば不良など簡単に出来上がる。
釘宮文遠もそのうちの一人だった。
「よう、文謙、曼成。元気か?」
時間は昼休み。新しいクラスに程ほどに馴染んだ彼は久しぶりに旧友の元を訪れた。2年の頃は、この3人組でよく色々と悪さをしたものだ。
「ああ、ただこいつがなー……拾い食いしたら腹壊しやがって」
「こらまて、ありもしない事実を捏造するな」
相変わらず、この二人の調子は変わっていないようだった。その二人の間に入る時間が少なくなって、なんとなく寂しく思う。
その後は、久しぶりに3人で他愛の無い世間話をした。周りには不良が溜まっているとしか見えなかったが、実際は何処にでもある普通の友人関係である。
そして、昼休みも終わりに差し掛かった頃、文謙が言った。
「で、お前のほうはどうなんだ?」
「ああ、俺のほうか?俺は……」
その時、とある教室のドアが弾け飛んだ。不運にもそこを歩いていた人間が直撃を受けて、無残にも壁との間に挟まれる。その教室が自分の居る3-Aだと知ったとき、文遠は頭が痛くなった。が、恐らく自分が行かなければ収まりそうにも無いので仕方なく立ち上がった。
「わりぃ……行くわ」
「ああ、頑張れよ」
「……気をつけてな」
それだけ言うと、教室のほうへと走っていった。
麻雀と言うゲームは、実に複雑なものである。その分イカサマの技術も発達し、あるレベルより上の雀士はどんな人間でもその手を覚えている。これさえ覚えていれば、出せば死ぬと言われる天和も出し放題である。
ただ、本人にその気が無くともツキさえあれば出せないことも無い。
「惇兄ぃっ!だからイカサマは止めてくれって言っただろ!」
「うるさいっ!俺は麻雀なんて殆どやらないから、イカサマなんて出来るわけが無いだろう!」
この3-Aの卓上でも、そんな出来事が起こっていた。怒鳴り散らしている片方のビヤ樽体系の男は椎名妙才。もう片方の長髪を後ろで束ね、更に眼帯をした男は柿崎元譲だ。普段は兄弟のように仲のいい二人が、どうしてこんなに喧嘩をしているのか。
事の始まりは簡単だ。珍しく妙才の麻雀に参加した元譲が、のっけから3連続国士無双と言うのをやってのけたのだ。当然、他の3人は大損である。そして、4回目の国士無双が発動したとき、遂に妙才が切れた。
ちなみに、勢いで妙才が蹴り飛ばしたテーブルは、ドアを弾き飛ばして教室の外に転がっている。一応麻雀は禁止なので廊下に転がしておくものでは無いのだが、当然妙才はそんな事は眼中にない。
今はただ、イカサマを止めさせる事だけが目的だった。
「惇兄ぃ、確かに勝ちたいって言う気持ちは分かる。だけどなぁ、賭け事は純粋に運を確かめ合う場所なんだ!イカサマなんて技を持ってこられたら興ざめしちまうだろう!」
「だ・か・ら!俺はやっていないと言っているだろう!」
ちなみに、先程から言われている惇兄とは、元譲のあだ名のことである。妙才は人にあだ名をつけるのが大好きで、このクラスのほぼ全員のあだ名を頭の中に思い浮かべているらしい。
だが今は、それこそ何かあったら殴りかかりそうな勢いで、元譲に食ってかかっていた。元譲の方も負けず嫌いなので、このままでは喧嘩になりそうな雰囲気だ。
そうなったら俺も参加しようか、と誰もが思っていたその時、壊れた教室のドアを潜り抜けて誰かが入ってきた。その人物は、一通り教室の中を見回すと、真っ直ぐに元譲と妙才の方へと歩いていく。
そして、二人の頭に同時にげんこつを喰らわせた。
「「いってぇっ!」」
殆ど同時に頭を抱え込む二人。元譲の方が、若干耐えているか。いや、それは体系の差かもしれない。
「……あのなぁお前ら、麻雀ごときで喧嘩するなよ……」
二人の間に割って入った人物、それは文遠だった。クラスに入って、文遠の眼に最初に入ったのはこのすぐに仲良くなった二人だった。それ以来、何かと行動を共にしては二人のツッコミ役として位置している。こんな時の収集をつけるのも、文遠の仕事だった。
とりあえず元譲のほうは冷静になったようで、落ち着いて髪形が崩れていないか確かめ始めた。しかし妙才のほうは逆にさっきのセリフで火がついたようだ。
「ごときってなんだごときって!麻雀なめんな!」
博打と弓に人生をかけた男、椎名妙才。後の彼がこう呼ばれるのかどうか分からないが、とにかく今の彼はそう呼ばれてもおかしくないほどの熱中振りだった。
しかし、文遠は冷静に、かつ誰も気づいていない事実を言い出した。
「でも暫く出来ないと思うぞ?」
「何でだ?!牌なら新しく買って……」
「新しく買って、どうする気?」
別の人間の声が聞こえた。もうすっかり馴染み深い、公台・スプリングフィールド先生の声だった。しかし、姿が見えない。妙才が奇妙に思いつつ視線を動かすと、廊下に吹っ飛んでいったドアが目に入った。
―――そういえば、さっき誰かがあれに挟まれたような。
「買ってもいいけど、その度に私は燃やすからね?」
そのドアの後ろから、ボロボロになった公台が弓を引きずりながら出てきた。しかも何故か校内なのに火矢をつがえていた。その目は既に怒り爆発モードに移行している。
誰が見ても、止まりそうになかった。ので、妙才は最後の希望をかけて、文遠へと向き直った。
いかなる人間も、フレンドリーに話しかければ仲良く慣れなくても、その一時だけは救いの手を差し伸べてくれるはずだ。そう思って、妙才はとても爽やかな笑顔で言った。
「なあ……」
「ん?」
「助けて、ヤマダさん!」
その後、妙才が逆側の窓から回し蹴りによって吹っ飛んでいったのは言うまでもない。
少しキレが悪いような。
次は雲長と飛あたりになる予定。
>>58-62 キタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )ノД`)=゚ω゚)━━!!
密かに楽しみにしてる俺ガイル
65 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/07(水) 00:34:07
コレいいなおい。
66 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/07(水) 11:23:00
66
67 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/07(水) 16:57:06
お兄ちゃん、なんだか僕、ドキがムネムネsするよ
これってウホ?(・3・)
三戦は限界だと思った
,.‐''´ ̄`ヽ、
/ \
,.‐'´ ̄ ̄`ヽ' ヽ
/ `‐、
! iヘヘ ヽ
レ イ | ヽ
/ /ノ ト i 私は本当は三十路だけど
,' _,. ‐'´ ヽ、.___ l
. i / /´ ̄` ´ ̄`\`i ! このスレでは女子高生ってことになってるの
| ,/ ‐++++、 ,:++++‐ ヽ !
| ,r‐、 l. "ヽ、._゚ノ , 、ヽ.゚__,ノ゙ .| r‐ 、 .! だって、その方がみんなが楽しいと思うから
| ! r、| !. / ヽ .| |,ヘ | |
. │| ト |.| / ヽ | ! ン ! | 私はネタにされてもいいの
. │ヽ.__|.| ト、.__`ー^ー^ー'__,.ノl !.!__,ノ .|
. |. |.ヽ`lココココココココココ,フ/ ! ! みんながそれで盛り上がってくれれば嬉しいから
. | !. ヽヽlココココココココフ'ノ .! |
. |. ! ` ‐-----------‐ ' / | よし、今日もキモイ♪
. | | `' ‐ 、. ==== , ‐' ´ l | !
L__|__l l !` ‐ 、.__,. ‐' ´| |__L.. -┴''´ 鮑三娘…っと
 ̄ ̄`| | ̄
___, o‐7 ヽo、.____
,. ‐''| | 8 8 | |ー-
〜5時間目 龍宮雲長 古飛〜
「……いいたいことは色々あるんだけど……」
時間は丁度帰りのHRだ。各クラスの生徒達は掃除を終えて、担任が来るのを待っているはずの時間である。
確かに、この3-Aの連中も教室で大人しく待っている。麻雀で遊んでいたり、なにやら怪しげな機械を作っていたり、手裏剣を投げあったりしているのは考え物だがまあそれは良しとしよう。
問題は、教室そのものだった。
「何でこんなにぶっ壊れてるのよーっ!!」
公台は力の限り叫んだ。
窓ガラスは全て割れているのは当たり前。壁にも幾つか穴があいているし、机は教室の両脇に放り捨てられている。木製の教卓に至っては完全粉砕されていた。
さながら、この教室の中でソ連軍とドイツ軍が激戦を繰り広げたような状態だった。
「いや、それについては拙者が説明しよう……」
そう言って立ったのは龍宮雲長だった。彼はこの近くの神社の唯一の跡取りで、中3なのに185cm以上の長身と健康そうな褐色の肌、そしてとっても長い髭が特徴的だった。
しかし、今は大分疲れていようだった。
「……説明できるの?」
この惨状は口で言いあらわせられるものなのだろうか。いつも黒板に字を書くときに使っている台を瓦礫の山の中から引っ張り出しながら、公台は思った。
しかし、雲長は気にせずに話し始めた。
「あれは、つい先程、掃除の時間の時でござった……」
「軍神は〜、今日も走るよ〜、世のた〜め人のた〜め、麦城から駆けていく〜♪」
作詞作曲・龍宮雲長のマイベストソング『麦城を駆ける』を歌いながら、雲長は掃除をしていた。歌を歌いながら掃除が出来るほど、今日の雲長は機嫌が良かった。
「……お主、何でも出来ると思ったら音痴だな」
足元に居る小さい孟徳が何かを言っても気にしない。ゴミもろとも壁際に掃いてから、雲長は辺りを見回した。
誰もが真面目に掃除をやっていた。一部の連中はともかく、この3-Aは外の評判よりはまともな連中が揃っていた。
ゴミを掃き終わって箒の仕事も終わったので、一瞬雲長は暇になった。何気なく槍術の要領で箒を振り回す。
その暇そうな雲長に、目をつけた人間が居た。
「雲長サン!」
名前を呼ばれて雲長が振り返ると、そこには箒を手にした古飛がいた。大きな眼と、逆立った虎髭がアンバランスながらもいい印象を与えていた。そこに子供っぽい性格が加わると、何だか憎めない。
しかし、何故箒を持っているのだろうか。彼は今日は雑巾当番のはずだが。そう思っていると、古飛が箒を『矛の形に』構えなおした。
「―――?!」
「暇だから、手合わせしてくれっ!」
_/ミ \_
/ ! ミ \_
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/ // / \ |_L \ \
/ /// \ | l_ \ )
/ ( /.| \\\ \|
| | /l/ ,-== =\ヾ| \ |
/ ! ! ( V ,--o、 l-o-L\\\ いつまでも見苦しい奴らだな。ちったあsageろや。
| ! ! !(__! \ \ |
\ l\| , | \ }
\l | l..o,.o) | \\
\ ^l ,-v-、_ / / |
| \ <-l^l^lヽ/ /|___/|
 ̄\ ヽ ̄/ / | )/\
/ |\_  ̄ _/ | ̄^|\ \
/ ̄ /|  ̄ ̄ ̄ / \\ \___
/ ( _| | l l l \| )
/ ̄ \ ) | | | | \ /\
/ \_____// | | | | \\ / .\
/ / | | | | \ \ / \
言うが早いが、古飛が箒を持って突進してくる。中国武術を体得していると言うだけあって、動きのほうは素早い。あっという間に雲長は距離を詰められてしまう。
しかし雲長は箒が横薙ぎに振るわれた瞬間、地面を足で蹴って後ろに跳んでいた。胸元すれすれを箒の柄の先が通り過ぎていく。
初撃を避けられた古飛だが、攻撃の手を緩めない。箒を振るった勢いのままに体を一回転、更に足を踏み込んで今度は突きを放った。
だが、今度は雲長の準備も出来ている。箒を縦に構えると、突き出された箒の横を押してその軌道を力で右へと修正する。箒の先はまたもすれすれを通り、今度は壁を直撃した。衝撃で箒が折れると共に、壁にもひびが入る。
武器を失った古飛に、雲長は最上段から振り下ろした箒を古飛の頭に叩き込もうとする。
「中国武術!」
その時、古飛が叫んだ。同時に腕を交差させて、頭の上で箒を防ごうとする。木が肌を打つ鋭い音が響く。その箒が止まった一瞬を、古飛は見逃さなかった。
「剛鞭砕きいいいぃぃ!!」
交差させた腕を元に戻す勢いだけで、古飛は交差地点に挟んでおいた箒をいとも容易く叩き折った。どういう筋肉をしているのだろうか。
しかし、雲長はその先を行っていた。
箒を折った瞬間、古飛の胴はがら空きになっていた。雲長は腰を沈め、そこに正拳を叩き込む。古飛は机をなぎ倒しながら吹き飛ばされ、そして―――
あ
わ
び
か
わ
い
い
お
あ
わ
び
^^
踏み止まった。
「……さっすが雲長サンだ、つえぇ」
目の前の古飛にはまだ余裕が見えた。無論、雲長本人も本気を出しているわけではない。どうやら、今までは手の探りあいだったみたいだ。久しぶりに本気で戦えそうな相手が出てきて、雲長は掃除中だと言う事も忘れていた。
「本気で行くぜッ!!」
「来い!この軍神・龍宮雲長が相手をしよう!」
「……で、熱くなって気がついたら教室がこんなになってたと」
「申し訳ございませぬ」
崩壊寸前の教室を生徒達に片付けさせながら、公台は雲長の話を聞いていた。並んでみれば公台の身長は雲長の腰に届くかどうかといったところなので、そんな大男が小娘に向かって謝っている様子は、何だか妙なものだった。
ちなみに、騒動の主犯の古飛は雲長にコテンパンにやられたらしく、今は保健室で眠っているそうだ。
「謝られても困るけど……それよりも、これ修理費どうするのよ」
「それなら心配はございませぬ」
お金の心配をし始めた公台に、少し晴れた顔になった雲長がいった。神社の一人息子だから、ひょっとしたらお金も結構あるのではないか。そんな公台の期待はすぐに打ち破られた。
雲長は何処からとも無く木像を取り出すと、言った。
「この軍神木像、今はまださしたる価値はありませぬが10年経てば拙者が昔作ったという事でプレミアがつきまする。
更に木像であるので、大事に手入れしておけば月日と共に木に深い味わいが出るのでござる。彫刻品としても一流でござる。
こんな等身大軍神・雲長に今回は箪笥の上にも置けるプチ雲長と、どんな場所にも置けるミニ雲長をセットでつけて、なんとタダ!
どうです、先生殿。お徳でしょう?」
「帰れ」
【鮑三娘のガイドライン】
--- 鮑三娘とは? ---
花関索伝説に登場する女性。
鮑員外の三番目の娘でエロ可愛く武芸に優れていたので、
多くの良家の貴公子から求婚されていた。
しかし「自分より弱い者とは結婚しない」と言い放ち、
腕に自信のある者でも鮑三娘に勝つことは出来なかった。
それに挑戦し始めて勝利したのが関羽の三男の関索である。
鮑三娘は関索に心を奪われ結婚し、共に蜀の成都に向った。
二人は常に戦場で馬を並べ戦い続けるのだが、
後に関索は南蛮討伐戦に参加し、戦死してしまう。
そして鮑三娘は一人、葭萌関を守り続けたそうだ。
関索がいつか生きて帰ってくる事を信じて…
まさか、sage忘れるとはな……orz
次回は朝倉伯符と早乙女公瑾。
801属性の方はお帰り下さい。
81 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/09(金) 02:03:49
いいんじゃないか?もともと腐男子って設定のようだし少しくらいは。
どれが801?
83 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/09(金) 20:51:16
ハァハァ・・・
84 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/10(土) 00:09:06
ageとく?
【鮑三娘のガイドライン】
--- 鮑三娘とは? ---
花関索伝説に登場する女性。
鮑員外の三番目の娘でエロ可愛く武芸に優れていたので、
多くの良家の貴公子から求婚されていた。
しかし「自分より弱い者とは結婚しない」と言い放ち、
腕に自信のある者でも鮑三娘に勝つことは出来なかった。
それに挑戦し始めて勝利したのが関羽の三男の関索である。
鮑三娘は関索に心を奪われ結婚し、共に蜀の成都に向った。
二人は常に戦場で馬を並べ戦い続けるのだが、
後に関索は南蛮討伐戦に参加し、戦死してしまう。
そして鮑三娘は一人、葭萌関を守り続けたそうだ。
関索がいつか生きて帰ってくる事を信じて…
86 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/11(日) 00:39:27
(´・ω●)ふ〜ん。
〜6時間目 朝倉 伯符 早乙女 公瑾〜
洛陽学園は、中華全土から貴賎を問わず幅広い人材を集めるエリート校である。小・中・高の一貫校であるが、途中からの入学も才能があれば認められる。寮は無いものの、学校の近くには生徒とその家族のみが格安で借りられるアパートがあり、筵売りでも入学できる学園だった。
そして今、その中の中等部一学年の教室前に、怪しい二人組がいた。
「……どうだ、公瑾」
「駄目だな、ここでもない」
片方は、髪を頭の頂点で一つに纏め上げた足の短い男。もう片方は長髪をそのままおろした背の高い男だった。
二人は先程から自分達には関係の無い一学年の教室を一つずつ見て回っては、誰かを探しているのだった。
「なあ、本当に確かなのか?」
「私の情報を疑うのか、伯符?この前のカンペも答えが完全に合っていただろう?」
そういいながら、早乙女公瑾は次の教室に向かって歩き始めた。その後ろを朝倉伯符が付いていく。
「でもよ……幾らあいつらだからってそうそうこの学園には……」
伯符が愚痴り始めたとき、前を行く公瑾の足が止まった。何事かと思い公瑾の横から前を覗くが、誰かが教室に入って言ったらしい事しか確認できなかった。
「……どうした、公瑾?」
伯符の問いには答えず、公瑾は黙って教室の中を指差した。その先を伯符の目線が追って行くと、そこには二人の少女がいた。
その二人の人物を凝視して、思わず声をあげそうになった伯符の口を、公瑾は慌てて塞いだ。
「馬鹿者。不審者扱いされる気か」
「でもよぉ……あの二喬が目の前にいるんだぜぇ?びっくりしてもしょうがないっての」
教室の中に居る二人の少女こそ、この二人が探していた二喬に他ならなかった。二喬とは双子の姉妹で、やや背の高い大人しいほうが大喬、背が低くやかましいほど元気なのが小喬だ。
何故この二人を探していたのかと言うと、公瑾の持っている一つのビデオが原因だった。
「しかし……『ドキッ?コスプレだらけの水泳大会・二喬も居るよ』の主演がこんな所にいるとはな」
『ドキッ?コスプレだらけの水泳大会・二喬も居るよ』。
知る人ぞ知る、幼女から熟女まで幅広い年齢層が様々なコスプレをして水泳大会をするという、はっきり言って子供には見せたくないビデオであった。
発売から僅か一ヶ月で発禁処分となったがその出来は完璧なもので、噂では洛陽の王宮の宝物庫の片隅にそのビデオの一つがあるらしい。
そのビデオの主演が、彼女ら大喬と小喬の二人組『二喬』だった。ビデオの発売は2年前。監督はロリコンだったのだろうか。
そんな内容のため、余り周りに聞こえるような大声では話したくない内容だった。
「ば、馬鹿ッ。そんな大声で喋ったら……」
「あら、何かまずいことでも?」
気を抜いていると、このように部外者に聞かれる可能性があるからだ。
声をかけられて恐る恐る振り返った二人の前に立っていたのは、人前で着るのは憚られる露出の高い服を堂々と着こなし、腰に鉄笛を提げた洛陽学園高等部2年生にして風紀委員委員長、甄姫・D・グッドマンと、その下僕の中等部2年、佐倉尚香だった。
どちらも先程の会話をしっかりと聞いていたようで、顔には様々な表情を押さえ込んだ笑みが浮かんでいた。
「低俗なビデオに振り回されて、挙句その出演者をストーキングするとは……下郎ですわね」
そう言いながら、甄姫が腰の鉄笛を抜く。ちなみにこの学校の風紀委員はかなりの権力を持っており、多少他の生徒に暴力を振るったとしても理由さえ正しければ黙認されている。
ただ、生徒のほうも平然とやり返すため油断は出来ないが。
「さぁて、どうするよ公瑾?向こうはやる気、こっちは武器無しだ」
この甄姫は校内でもかなり有名なのだが、その戦い方は謎に包まれている。一説には笛の中に仕込み針が含まれているらしいが、真相を確かめたものは誰も居ない。
その為、伯符達にとっては戦いづらいことこの上なかった。
「……相手が妙な動きをしたら、すぐに逃げるぞ。この手の相手は立ちが悪い」
そう言いつつも二喬からは目を離さない公瑾。真面目に考えているのだろうか。
暫くにらみ合いが続いた後、甄姫が僅かに笛を持ち上げた。その瞬間、全く同じタイミングに伯符と公瑾は駆け出していた。飛び道具による追撃は、無い。
逃げ切った。そう思った瞬間、突然二人の背中を衝撃が襲い、三半規管と脳を直接揺さぶられて意識を吹き飛ばされた。
その後、縄で縛られた二人が蹴り転がされながら職員室まで運ばれたらしいが、真相は定かではない。
ロクに眠れなくて疲れてるときに書くもんじゃあ無いな……。反省。
801諸々については、
「孫策と周瑜をセットで出すからって801ネタで絡ませるわけじゃねーぞ!期待するなよなっ!」
って意味で書いたつもりだけど、誤解を招いたらスマンカッタ。
92 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/14(水) 02:11:46
乙
93 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/14(水) 03:20:42
面白いと思ってんのか?
94 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/14(水) 19:09:04
二喬がぁぁぁぁぁ。
95 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/16(金) 22:53:49
このスレ読んでるとドキがムネムネするお(^ω^)
〜7時間目 相坂 元放 雪広 玄徳〜
ストーカーと言うものがある。
いわゆる、相手に無断でつけまわしたり、執拗に迫ったりする迷惑犯のことだ。時にはそれが犯罪へと繋がることもある。
ただ、今ここにいるストーカー二人は、世間の例から大分外れていた。
仕事も終わってようやく帰宅の路に着いた公台は、自分の家の近くまで来たとき、ふと学校を出たときからずっと足音を聞いていた。
不審に思い足を止めてみると、その足音も聞こえなくなった。再び公台が歩き出すと、やはり向こうも聞こえてくる。
尾行られている。咄嗟にそう思った。そして、自分はつけられるような事をしたか考えてみる。最近の出来事を思い出してみたが、別にそんなに悪いことはしていなかった。
と、なるとますます何が何だか分からなかった。だが、立ち止まっていてもしょうがないので足音に耳を澄ませてまた歩き出した。
さっきと違って警戒をしているので、夜道に相手の足音が良く響く。と、その足音に混じって声が聞こえてきた。じっと聞き耳を立てると、何とか聞き取ることが出来た。
「公台タン……ハァハァ……」
尾行を始めてから1時間。雪広玄徳は電柱の影に隠れながら愛する教師の後姿を見つめていた。傍から見ればどう見ても変質者なのだが、幸いなのか不幸なのか、夕暮れの住宅街には誰も居ない。
このまま行けばそろそろ彼女の家に着く頃だった。だが、玄徳は尾行を止める気は無い。むしろそのまま家の住所もチェックしようと思っていた。
全く、天はいつ味方をしてくれるのか分からないものだ。男だらけの3-Aのクラスになった時は人生終わったかと思ったが、そこにやってきたのはあの天使の様な教師だった。
容姿、言動、性格のどれをとっても自分の好みだった。そして、自分には丁度いい歳の差ときた。まさに天佑、これまでめげずに筵を売り続けてきた甲斐があったものだ。
前を歩く公台が角を曲がったので、玄徳もその後ろに続く。角から顔を出して様子を伺った。
目の前に、人の顔があった。
驚いて声をあげそうになったが、何とか堪えて後ろに跳び退るだけで済ませる。公台はまだ見えている。そして、改めて目の前の人物を見た時、玄徳は小さな声で驚いた。
「……元放?」
そこにいたのは、クラスの一角にいる自縛霊の相坂元放だった。いるんだかいないのか良く分からない存在が、どうしてこんな所に居るのか驚く。
「あんな幼女をストーキングか……。お主も中々変人じゃのう」
「喧しい。私のフィアンセに文句をつけるな」
いきなり口答えをしてきた元放に、玄徳は邪険に接する。元放の透けた体の向こうに、ゆっくり歩いている公台が見える。
「ところで……元放、自縛霊なのにどうしてこんな所に来れたのだ?」
「ああ……。あの者に付いていきたいと思ったら、あの場所から離れられた。ありがたいものだ」
それってひょっとして取り憑いてるんじゃないか、と玄徳は思ったがそこである事実に気づいた。
「……え。それじゃあ、そなたもストーカーか?」
「お主と一緒にするな。小生は……ただ、あの者と友達になりたいだけじゃ」
顔を赤らめて少し顔を背ける元放。死んでから何年もまともに人と話していないので、相手が変態ストーカーでも少し恥ずかしく、そして嬉しかった。
「友達か。それじゃあ、公台殿に手を出す気は無い、と?」
「当たり前じゃ。小生にそんな趣味は無い」
「そうか!ならば我等は義兄弟だな!」
「ハァ!?」
突然意味不明な事を言い出した玄徳に、訳が分からずぽかんと口を開ける元放。そんな彼には構わずに、玄徳は叫ぶ。
「目的が同じなら義兄弟ではないか!ああ、ちなみにそなたは68番目の義兄弟だ。このクラスでは……5人目だな」
幾らなんでも義兄弟の絆を軽く扱いすぎなのではないか。呆れながら元放はそう思った。だがまあ、これもこの男なりの友情表現なのかも知れない。
「よし!それでは早速誓いの杯を……」
そう言いながら玄徳が懐から祝杯を取り出したとき、彼の眉間に矢が突き刺さった。そのまま仰向けに倒れる玄徳。一瞬死んだと思ったが、どういう理屈なのか、気絶しただけで済んでいるようだった。
振り返ると、先程の玄徳の叫びがしっかりと聞こえていたらしい公台が弓矢をこちらに向けていた。どうやら先程の矢は元放を通り抜けて玄徳に突き刺さったらしい。
公台は玄徳が倒れたのを見ると弓矢を片付けて振り返った。どうやら、彼女には自分が見えていないらしい。普通そうなのだ。普通の人間に、自分の姿が見えるはずが無い。
だが、今回はそれでストーカー扱いされずに済んだというのは皮肉なものだった。
「……幽霊が友を作るのは、やはり無理なのかのう」
そう呟いた時だった。去っていく公台が、後ろ向きのまま言った。
「安心しなさい。二人とも明日みっちり説教するから」
見えてるし。
最近、ムカがムネムネする。
103 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/17(土) 00:51:20
^^;
104 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/17(土) 23:15:40
元放カワイソス(´・ω●)
106 :
104:2006/06/18(日) 01:39:18
(´・ω●) スレ違いだったよ。孟徳
107 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/22(木) 02:20:04
保守
108 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/06/23(金) 20:30:24
(´・ω●) 保守すべきだよね?孟徳?
〜8時間目 CaoCao AK.McDowell 絡繰 子義 葉加瀬 子明(前編)〜
「くらぇぃ、手裏剣八方投げっ!」
「甘いわぁっ!変わり身の術!」
今日も校庭の一角で、鳴滝兄弟は忍者ごっこをやっていた。いつものように子孝は手裏剣をやたらめったら投げ、令明はそれを避けまくるので近寄った人間はあっという間に蜂の巣にされる。だから、忍者ごっこ中の二人に近づく人間は滅多にいなかった。
しかし、今日はいつもと少し違った。そこから少し離れた、手裏剣の届かない場所から一人の男が羨ましそうに忍者ごっこを見つめていた。
その男の名は、CaoCao AK.McDowell。あだ名は孟徳。
「楽しそうだのぅ……」
彼はいつでも一人ぼっちだった。中等部に入ってから呪いで背が全く伸びないことを馬鹿にされたり、自分の夢を笑われたりしていたのに怒っているうちに周りから人が居なくなってしまった。
これではいけない、と思いクラス替えのあった3年で友達を作ろうと思ったのだが、やはり上手く行かなかった。
ちなみに、当然その偉そうな態度がいけないという事に本人は気づいていない。
とにかく友達が欲しかった孟徳は、いつも仲の良さそうな鳴滝兄弟にどうしたら仲良く慣れるのかコツを教えてもらうことにした。
だが、普段から忍者ごっこをやっているため、思うように近づけない。そこで孟徳は話しかける瞬間を朝から見張っていたのだった。しかし、相手は伊達に忍者ゴッコをやっている訳ではなく隙が全く見当たらなかった。
どうしようかと孟徳が考えていると、いつのまにか二人の動きが止まっていた。手裏剣などが飛び交う気配も無い。これはチャンスだと思い、孟徳は急いで二人のほうに駆け寄った。
その時、突然強風が吹いた。風に煽られて砂煙が舞い上がり、孟徳の顔に吹き付ける。砂が目に入ってしまった孟徳は思わず顔を腕で覆った。
「……全く、何じゃ突然……」
ぶつぶつ言いながら顔を覆っていた腕を戻すと、先程までいた二人の姿が消えていた。驚いて辺りを見回そうとすると、突然後ろから脇を抱えられた。背の小さい孟徳はそれだけで地面に足が着かなくなる。
「朝から我等の事をつけていたのは、お主だな……?」
声を聞いて、自分を抱えているのは令明だというのが分かった。いつの間に後ろに回りこんだのだろうか。そして、同じくいつの間に子孝は孟徳の目の前にいるのだろうか。
「この鳴滝兄弟の後をつけるとは、何たる不届き者……!許すまじ!」
確かに後はつけていたが、別に怪しいことを考えていたわけではない。孟徳はそう反論しようとしたが、子孝に集まるチャクラの流れの勢いに押されて何も言えなかった。
「令明、しっかり抑えていろ!RA・千丸を使うっ!」
「承知した……」
子孝が気合を溜めると共に、その掌に凝縮されたチャクラの塊が生成されていく。あんな物をまともにぶつけられたら孟徳の体などあっという間に吹き飛んでしまうだろう。
でも、後ろの令明ならなんか受け止めそうな気がする。
とにかく、身の危険を切実に感じた孟徳は、半泣き状態になりながら叫んでいた。
「だ、誰かわしを助けろぉ〜っ!」
「もう遅いわぁ!RA・千丸ッ!!」
叫びも虚しく、子孝の手の『らせんがん』もとい『RA・千丸』が孟徳に向かって投げられた。メジャーリーグ球のそのボールは、寸分の狂い無く孟徳の顔へと飛んでいく。
何だか人生を諦めてしまった孟徳は、そのまま静かに目を閉じた。一瞬、音が聞こえなくなる。
そして、その後響いたのは豪快な金属音だった。
目を開けると、先程放たれた『RA・千丸』は遥か遠くを目指してなお加速していた。状況が分からず視線を戻すと、そこには新たな人物が加わっていた。
「お怪我はありませぬか?」
そこに居たのは同じクラスに生徒としているマシンミュータント、絡繰子義だった。手に持ったバットが大きく曲がっているのは、先程の『RA・千丸』を打ち返したせいだからだろうか。
「お前達!何の抵抗も無い人物にそんなに簡単に自分の奥義を使って恥ずかしくないのか!
それも二対一でだ!男として情けないとは思わんのか!」
「う、くっ……」
大分痛いところを付かれて、子孝は押し黙ってしまう。そこに、更に子義が追い討ちを放った。
「大体、公共の場であるグラウンドで忍者ごっこをやったら迷惑だろう!反省しろ!」
追い討ちと言うよりかは当然のことなのだが、とにかく子孝には聞いたようだ。
「……戻るぞっ、令明!」
「承知……」
ギャラリーも集まってきて恥ずかしくなった子孝は、令明に孟徳を投げ捨てさせるとさっさと帰ってしまった。令明もその後に黙ってついていく。二人ともがに股なので、後姿が寂しいのに面白かった。
「……大丈夫ですか?」
「へ?あ、ああ……」
起こった状況が未だに理解できていない孟徳は、子義に声をかけられてようやく我に帰った。見ると、既に子義はバットを片付けていた。
「とりあえず、これからは余り疑われるような行動はしないほうがいいですよ?
今日は運よく私が居ましたが、こうも都合よくいられるかどうか分かりませんから」
「わ、分かった……。気をつける」
「それでは、私は子明殿の所に戻りますので」
そういうと、さっさと子義はどこかへと立ち去っていた。やはり、彼の後姿もがに股だった。
ギャラリーが笑いを堪える中、ただ孟徳だけはその姿を真剣に見つめていた。
乙!
115 :
104:2006/06/24(土) 02:29:48
◆yI4PhQLufg 殿乙
(´・ω●) ついでに108も僕だよ・・・・・
>>110-113 __ ミ川川川彡
,,.-─-、<´ "'' - ミ 彡
,,.‐'"´ ̄フ´ ,イ i!ヽ ヽ ヽ ,三 ギ そ 三
___ , './ /l| 从 i ヽ 三 ャ れ 三
,-=;;;;;;;;;;;;;ミ./ / / !,ハ.ト ト、 l! li三 グ は 三
,,.-‐==ニ'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/,イ / U l! ヽ、レ、 l i!三 で 三
,.'´/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;l ト>、 」_/''弋ヽ.l 三 書 ひ 三
,'//;;';;/ト;;ト、;;ヽ;;ヽ;;;;;;;l./|! i. ,' i!|! |三. い ょ 三
l;;!;j;;;/ レ ヽ! \ヾ、i;;;;;;l!;;;|! 厂! ,イ! l!三 て っ 三
|;レ∨二_ _,. -‐-|!;;;;;;;;;i ヒ´ `ー‐' l l! 三 る と 三
|;;;;;;i ¬ -‐ |;;;;;;;;;;;;;;ヽ丶ニ= U | / .三 の し 三
|!;;;;;i!'マヽ ´庁了i!;;;;;;;;,'ミ;;;;;;ヽ、___,,,.j! / .三 か て 三
|!;;;;;;;l!ヘ;' 丶' l!;;;;;;;;'' j!;;;;| ,,,...-7l ,' ´/ 三 !? 三
l!;;;;;;;ヽ 、__,. U l;;;;;;;/´_/ ̄フ /ハ! l!/ 彡 ミ
|l;;ヽ;;;;;ヽ、 __,,,..-‐!;;;;;;/ >/ ,' ,ヘ / 彡川川川ミ
!l;;;;;;ヾ;;l;;;;`ソ/ヽ_/ / ./ /川 ヾ7
|l;;;;;;;;;/ ̄ ./ソ| 〉
117 :
104:2006/06/24(土) 13:27:46
(´・ω●) クロ校?
あぼーん
あぼーん
>>113 後編気になりまくりんぐ
孟徳に友達が出来るといいが・・・w
楽しみに待ってます(・∀・)
あぼーん
あぼーん
123 :
104:2006/06/27(火) 18:02:27
撃墜したい・・・・
あぼーん
125 :
104:2006/06/27(火) 19:35:05
堕ちろぉぉぉ
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
続きまだー?
あぼーん
〜9時間目 CaoCao AK.McDowell 絡繰 子義 葉加瀬 子明(後編)〜
「それじゃあ、後は頑張ってね」
「応!この電飾を持って、村上孟起、鮮烈デビューいたす!」
只今は個人面談の時間である。放課後の何時間かを使って、生徒一人一人と話をして悩み相談に乗ったり、他愛も無い世間話に時間を費やしたりしている。
たった今も、自分が地味なことに頭を悩ませていた孟起に電飾を渡して、明日からそれで着飾らせるように言ったところだ。多分明日の教室は一部分だけクリスマス状態になっているだろう。
正義とかかれた孟起の後姿を見送った後、公台は次の生徒を呼んだ。
「それじゃあ、次の人どうぞー」
「……失礼する、ぞ」
入ってきたのは、CaoCao AK.McDowell―――生徒達の間では孟徳と呼ばれている青年だった。と言っても、背丈が標準と比べるとかなり低いので少年に見えなくも無いが。
「……で、何か話はあるの?」
孟徳は公台の目の前の席に座っているが、何も言わない。時々恥ずかしそうにこちらを見るが、すぐに顔を伏せてしまう。
そんな優柔不断っぷりに、公台は少しイラついた。度重なる悩み相談は、意外と人の神経をすり減らすものらしい。
「……あのさぁ、言いたい事があるんだったらさっさと言っちゃえば?」
その言葉に、孟徳の肩が僅かに上がる。公台は腕を組んで座ったまま動かない。相手が話す気にならなければこちらは何もする事が出来ない。
そのまま、また沈黙が過ぎるように見えた。
「……のぅ、先生」
突然、孟徳が口を開いた。本当に突然だったので、公台も少し驚いたが、行動には出さなかった。
「友達になりたい人間が居るのだが……どうすればよいかのぅ」
それだけ言うと、孟徳はまた顔を伏せて黙り込んでしまった。
可笑しな話に聞こえるかも知れないが、彼にとっては深刻な問題である。
その偉そうな態度と言動はもとより、宦官の孫と言う奇妙な生い立ちと背が極端に低いと言う身体的特徴はいじめの対象になるには十分だった。
特に中等部2年の時は最悪で、クラスの半分以上の人間からのけものにされていたらしい。詳しい事は分からないが、なにやら宗教めいた事も絡んでいたとか。
とにかく、孟徳は人間不信に陥っても仕方ない状況でも何とかして友達を作ろうとしている。しかし、永らく友達など居なかったから、その作り方を忘れてしまっていた。
「……そうね」
暫く考えていた公台が、ゆっくりと口を開いた。
「それじゃあ、プレゼントを贈ってみて、その後話しかけてみれば?そうすればきっと大丈夫よ」
いきなりプレゼントを贈るのもどうかと思ったが、何のきっかけも無しに話しかけるよりかは若干マシだろう。
それを聞いた孟徳の顔が上がった。その顔は、先程よりかは大分明るくなっていた。
「なるほど……!よし、それで行こう」
「ん。いい解決策になったみたいね」
何かを思いついた様子で孟徳は立ち上がった。そのまま出入り口まで歩いていく。どうやら、思い立ったらすぐに行動するタイプのようだ。
その行動がやけに子供っぽくて、自然に微笑がこぼれた。自分も今は子供なのだが。
すると、それに気づいた孟徳が、また顔を赤らめた。
「……べ、別にこれで決まった訳では無いぞ!あくまでも参考だからな、うん」
そういうと、さっさと教室を出て行ってしまった。素直でない性格だが、それはそれでまあ可愛げがあった。
とりあえず、後は本人次第である。書類を一通り整理すると、公台は次の生徒を呼び個人面談を再会した。
「只今戻りました、将軍」
「おう、買ってきたか。それじゃあそこの机の上に置いておいてくれ」
言われたとおり、子義は机の上にほかほかの肉まんを置く。これが今晩の夕食になるようだ。
正直、もっと野菜を採って欲しいのだが、勉強で忙しい彼にはそんな余裕は無いのだろう。
彼は人一倍勉強していて、それに見合った実力もついているのだが、それでも本人はまだ納得していないようだった。
そんな彼に造られた子義は、彼が体を壊さないように身の回りの世話をするのが仕事だった。
「子義ぃー、メンテは大丈夫か?」
「はい。関節に少し異常が見られますがそれ以外は特に問題はありません」
子明が参考書のページを捲りながら言うのに対し、子義はありのままの返答をする。
いつも勉強ばかりしているので自分のことしか考えていないように見えるが、それは違う。周りの事もしっかりと見ており、それについても色々と頭を悩ませていた。
気苦労ばかりで、若年性ハゲが出来なければいいが。最近、子義はそんな事を考えるようにもなっていた。
子明が勉強を続けていると、部屋のドアベルが鳴った。ここは洛陽高校近くの安アパートである。インターホンなどついていないので、子義が直接ドアを開けて応対することになっていた。
いつも通りドアを開けると、そこには思いがけない人物が立っていた。
「……遅いぞ」
そこには、何かの包みを手に持った人間―――名前は、CaoCao AK.McDowell、通称孟徳だったか―――が立っていた。
こんな夜中に家まで来てくれるような中でも無いのだが、一体何があったのだろうか。
「何かあったんですか?」
子義が聞いてみるが、孟徳は何も答えない。どうしようかと扱いに困っていると、孟徳が手に持っていた包みを子義に差し出した。
「……今日のお礼だ」
「は、はあ……」
子義が受け取ると、孟徳はそのままそっぽを向いてしまった。心なしか、顔が少し赤いような気もする。
とりあえず包みを丁寧に開けてみると、そこにはやや大きめの缶が入っていた。ラベルには『当帰』と書かれていた。
『当帰』と言えば、機械のメンテナンス用の油である。それも一般的な油に比べると3倍もの値が張る高級品だった。
お礼と言うにはいささか高価すぎるし場違いなものでもあるが、これも彼なりの感情表現なのだろうか。
「お、それひょっとして『当帰』か?凄いな、どうしてこんなのが?」
後ろから声がしたので振り返ると、対応が長いのを疑問に思ったのか子明がそこに立っていた。肩越しから自分の持っているものを覗き込んで確認したらしい。
片足をメカオタクの道に突っ込んでいるだけあって、こういうものには敏感だった。
「な、なぁ子義!」
不意に、孟徳が声をあげた。そういえば先程から何か言いたそうだ。黙って話を促してやる。
「その……わ、わしの友達になってくれぬか?」
出てきた言葉は、意外なものだった。確かに彼の不思議な言動は余り友達を作れそうにない。しかし、マシンミュータントである自分を友達にしたいという人間にであったのは初めてだった。
「……どうします、将軍?」
自分だけでは判断が出来ず、後ろの子明に意見を求める。子明は暫く考えていた様子だったが、やがて言った。
「よし。子義、これから孟徳の友達になってやれ」
「かしこまりました」
実は子明も孟徳に友人が居ないのを少し気にしていた。それで自分に直接迷惑がかかるわけではないのだが、やはり困っている人を見ると放っておけない体質なのだろうか。
ちなみに、あっさりと許可を貰った孟徳は大変驚いていて、顔を真っ赤にしながら
「あ、ありがとう……」
と呟くのが精一杯だった。
その次の日から、教室の一角で肩車をされて背が高くなった気分に浸っている孟徳と、それを支える子義の姿が見えるようになったらしい。
孟徳はツンデレ。これはガチ。
>>104のd兄
>>108もd兄だったか。スマンカッタ。
あと、ジェット戦闘機を落とすのは誘導ミサイルでもないとまず無理。
放っておけばその内何処かに行ってくれるさ。
>>120 >>130 続きキタヨー(・∀・)
>>116 、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
/⌒` 三ミヽー-ヘ,_
__,{ ;;,, ミミ i ´Z,
ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
_) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
>';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了
_く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ
) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:} ギャグで考えるんだ
{ .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ
ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´ 「シリアス書いても見向きもされん」と
,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) |
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ 考えるんだ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
′ / ! ヽ
孟徳テラカワユスwwwww
>◆yI4PhQLufg
更新乙! いつも楽しみにしてるお
今回もワロスw
143 :
104:2006/07/01(土) 12:44:40
(´・ω●) ◆yI4PhQLufg 殿乙。
(´;ω●) 僕も孟徳の友達になりたいよぉ・・・・
144 :
120:2006/07/01(土) 15:25:07
>>139 続き(・∀・)アリガトー
孟徳に友達が…! ヨカッタヨカッタ
本家よりよっぼど面白いよ!
146 :
104:2006/07/05(水) 15:06:20
(´・ω●) 上げとよ。
〜10時間目 近衛 本初 桜咲 奉先〜
「おい兄ちゃん」
学校帰りに街中を歩いていた本初は、ふと誰かに声をかけられた。辺りを見回してみると、不良っぽい格好をした男が4人ほど目に入った。
またカツアゲか。直感で本初はそう思った。
「何だ。名族である私に何か用か?」
その4人の男達に向かって本初は言う。
彼は全身を黄色で統一した上で、頭には避雷針のようなものがついた兜を被っている。そこまで派手では無いが、使われている生地が高級なのでいかにも金を持っているように見えた。
実際彼は大分金を持っているが、それでも不良に対して財布の中身を渡そうとは思わない。どんな人間にでも堂々とした態度を取れるのが、彼の長所だった。
「ああ。俺達ちょっとお金が欲しくてさ……」
そう言いながら、4人の男が周りを囲みながら近づいてくる。後ろには壁、逃げられない状況だ。
「すこーし、貸してくれねーかな?」
そう言いながら、喋っている男が本初を睨み付けた。
テンプレにでもなっているようなカツアゲの仕方である。もっとマシな方法は思いつかなかったのか、と本初は思った。
辺りを見回すが、助けてくれるような人間はおろか人自体が全く居なかった。知らない間に人通りの少ない所に来ていたようだった。
となれば、この状況を打破する方法は一つしかない。本初は一度溜息をついてから大きく息を吸い込んで、叫んだ。
「 バ カ モ ノ ガ ァ ー ッ ! 」
その完全に裏返った声は誰も居ない通りに高々と響いた。突然のソプラノボイスに不良の一人が耳を抑える。
裏声を戻して、更に本初が続ける。
「貴様らごとき賊にこの近衛本初が金を渡すと思うたか、この愚か者め!
今なら見逃してやるから、早々に立ち去れぃ!」
そこまで言い切って、本初はリーダー格の男の顔を勢い良く指差した。その動きには、恐怖は微塵も感じられない。
暫く呆気に取られていた不良だったが、やがて怒りが湧き上がってきたようでリーダー格の男が血管を額に浮かべながら言った。
「てんめぇ……この俺様がチーム黒山のヘッド、張燕だと分かってて言ってんのか!」
「知るかそんな物!何だそのダサい名前は!」
その言葉で、遂に不良達が爆発した。
「てめぇら!やっちま………」
「貴様ら、何をしている」
突然、野太い声が響いた。不良達が振り返ると、そこには右手に買い物袋を持った大男が一人立っていた。自然と不良達はその男を見上げる格好になる。
「んだよてめぇ、すっこんでろ!」
不良のうちの一人が、その男に殴りかかった。しかし、男は苦も無くその手を掴むと、そのまま腕を引っ張って無造作に男を引き寄せた。
不良の体が男にぶつかる瞬間に、男の膝が不良の腹にめり込んだ。一撃で昏倒した不良は呻き声と共にその場にに崩れ落ちた。
「おお、奉先、来たか!」
本初が嬉しそうに叫んだ。しかしそれには応えず奉先は買い物袋を下に置いた。その隙をついて、二人の不良が襲いかかってくる。
片方の不良が奉先の顔に拳を突き出した。それを奉先が軽く首を動かして避けると、今度はもう片方の不良が回し蹴りを放つ。
すぐに左腕を上げて、その攻撃をガードする。そして、腕にぶつかった相手の足を右手で捕らえ、左手も使って捻りあげる。更に残ったもう一本の足を払って、地面に仰向けに転倒させた。
地面に転がった不良の腹を、容赦なく踏みつける。体重の乗った一撃は戦闘不能に追い込むには十分だった。
今度はもう一人の不良を相手にする。再び放たれた拳の下をくぐって、がら空きの顎に掌底を叩き込んだ。衝撃が不良の頭に脳震盪を起こし、吹き飛ばして気絶させる。
残りは、張燕一人だった。
「な……何なんだよてめぇは!」
先程までの威勢は何処に行ったのか、声を震わせながら張燕が言った。しかし、その手には何処から取り出したのかナイフが握られている。
「俺の名は桜咲奉先。……貴様は俺を計るに値するか?」
刃物を目の前にしても、奉先は動じない。むしろその眼に鋭さが増した。虎狼の眼光。そう例えるのが相応しい。
一方本初は、張燕がビビッている隙にこっそりとポリバケツの後ろに隠れた。
暫く睨み合いが続く。と言っても、張燕の方は蛇に睨まれた蛙と言った所であったが。
「う、うわあああぁ―――っ!!」
先に仕掛けたのは張燕だった。意味不明な叫びをあげながら、奉先にナイフを振り回して突進していく。ナイフは恐らく本物だろう。
しかし奉先は一歩も動くことも、恐れることも無く―――。
ただ、突っ込んでくる相手に向かって思い切り蹴りを放った。
奉先の蹴りはナイフの合間を貫き通して張燕の顔にめり込んだ。直撃を受けた張燕は後ろに吹っ飛んで無様に壁に叩きつけられた。当然、意識は無い。
その一瞬後、思い出したようにナイフが地面に転がって金属音を立てた。
「フン………雑魚が」
それだけ呟いて、奉先はそこに立ち尽くしていた。
退屈だった。自分の実力も見極められず、ただくすぶり続ける毎日。たまに戦えたとしても、精々本初の他のボディーガードか、こいつらのような不良にしか出会えない。
誰か、俺の全力を受け止められる人間は居ないのか。
「イヤー、天晴れであったぞ、奉先よ!」
裏返った声が聞こえた。その方向を向くと、ポリバケツの後ろから戦いの行方を見守っていた本初が上機嫌で出てきたところだった。
「この程度、どうという事は無い」
それだけ言って、奉先は買い物袋をまた手に取った。中身の卵が割れていないのを確認して、本初と共に歩き出す。
「しかし、よく私の居場所が分かったな。超能力か?」
「貴様のひっくり返った声が聞こえただけだ」
そんな世間話をしながら、名族とボディーガードは家へと帰っていく。買い物袋の中身を見ると、今夜はすき焼きのようだった。
明日テスト(;゚∀゚)
>>104のd兄
頑張れ。料理のレパートリーを増やせばいつか気に入ってくれるさ。
>>120さん
>>142 >>144 感想ありがとう。テスト終わったらがんばる。
>>141 孟徳「何やってんのよあんた達!弓なんか使わないで生け捕りにしなさい!
……べ、別に阿斗の心配をしてるんじゃないんだからね!
趙雲が欲しいからこう言ってるんだからね!」
154 :
104:2006/07/06(木) 18:54:26
(´・ω●) ◆yI4PhQLufg 殿乙
(´;ω●) 僕最近のテストで初めて合計300点越えたよ
ageんな厨房
アイオワテネシーカリフォルニアノースカロライナテキサスミズーリ
新作キテルー
158 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/09(日) 11:28:22
良スレ保守
ageんな厨房
エセックスホーネットワスプレキシントンサラトガ
161 :
104:2006/07/09(日) 23:11:41
(´・ω●) 上げたいんだよ。
すいませんがこのような不愉快なスレッドを上げるのはやめてくれませんか?
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
175 :
104:2006/07/13(木) 21:54:42
(´;ω●) ◆yI4PhQLufg さん。ものすごく荒れてるよ。
あぼーん
/ ̄__,7
_____ / /
` ̄ ̄/ ̄ ̄\ / /
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_,. イ´ ̄7ン>- / \ _/7_ -‐ ''´,二_二 '' ー‐=r{
_,.. -,r ' ",.二二´ ̄-‐'' ´ \__` 二/ ``>=-、ー'
―''".. _ l、  ̄ _ 了= ー ― __r――――――  ̄ ̄ |!=-{ 〕
 ̄  ̄ ヽ、_ __ヽ ̄ ̄7_,__ ,,.. ゝ-‐'^`ー‐、
'ー'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` '' -、、 ヽ -‐'' ヽ、_ `` ‐、、 /
``''_-_、、___\_  ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
yahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
あぼーん
〜11時間目 黄巾の乱 オープニング〜
あ
あぼーん
「ぬあああああぁぁぁぁぁっ!!」
只今、8時11分。国立洛陽学園へと続く道を一人爆走する青年が一人いた。口に加えたパンとすっかり乱れた服装は、まさに遅刻寸前といった風貌である。
佐々木興覇。毎日のように遅刻寸前で門を潜り抜ける彼は、その割には遅刻をしたことが無い。
どんなに家を出るのが遅くても、自慢の100mを11秒で走り抜ける俊足で校門が閉まる8時15分までに学校に着いてしまうのである。
一分が経過した。走り続ける興覇の前に、見慣れない人物が出現した。後姿しか見えないが、その人物は足を一歩も動かさずにその場から移動していた。
不審に思った興覇は、パンを飲み込んで少しスピードを上げてその人物の横に並んでみた。
「……フハハハハ!!」
その人物は、ローラースケートに乗って両腕を組み、奇妙な高笑いをあげて道路を疾走していた長谷川仲達だった。
クラスでは見せない意外な一面を見た興覇は、思わずそこでずっこけた。しかしすぐに起き上がると、仲達の横にまた並んで走り始める。
「な、何やってんだてめぇは!」
「見ての通りだ。学校に向かっているのだよ」
傍から見るとかなりのスピードを出しながらも、二人とも通行人はしっかりと避けていた。
「それもそうだが……なんだおめぇ、寝坊したのか?」
「馬鹿めがっ!貴様のような凡愚と『ちゅう』を一緒にするなっ!」
言いながら仲達が鞄で興覇を叩こうとしたが、興覇はスピードを落とさず体を屈めてそれを避けた。
こいつの『ちゅう』という一人称はどうにかならないのだろうか。そう思う興覇だった。
更に一分が経過する。目の前の曲がり角を曲がれば、もうそこは校門である。門が閉まるまで、二分の余裕がある。確実に間に合うはずだった。
「―――止まれ、興覇ッ!」
「へ?」
曲がる直前、突然仲達が叫んだ。突然の一言に反応できなかった興覇は、そのまま曲がり角を曲がってしまった。
その直後、興覇の視界一杯に男の背中が広がった。すんでの所で仲達が引っ張ってくれなければ、興覇はその男と衝突していただろう。
「たぁー……あぶねぇあぶねぇ。ありがとうよ、仲達」
しかし、仲達は返事をしない。不審に思って前を見ると、その理由が一目でわかった。
校門のある道路一杯に人が広がってゆっくりと歩いていた。老若男女は問わないが、全体的に貧しそうな人間達が無秩序に行進している姿は異様さを感じた。
そして、その異様さに更に拍車を掛けているのは、その人達全員の頭に巻かれた黄色い布と、口々に斉唱している歌だった。
「ちょーほーちょーほーちょほーちょほーちょーほー、あ〜さ〜は〜ら〜ちょーほー……」
黄色い布を頭に巻き、目から生気を失った人間達が斉唱するその低い歌はさながら鎮魂曲、いや、むしろ葬送曲と言った方がしっくりくる響きだった。
その異様な集団達は、歌を歌いながら次の曲がり角を曲がって何処かへと消えていった。
最後の一人が見えなくなって、ようやく興覇は溜息をついた。何だったのだろうか、あの異様な集団は。そう思った直後、学校の始業のベルが鳴った。
「うおぉ、やべぇ!急ぐぞ仲達!」
「……な?!あ、ば、馬鹿めがーっ!!」
思わず仲達の服を掴んで走っていく興覇。足元がローラーなので踏ん張ることの出来ない仲達は、情けない声をあげながら興覇に猛スピードで引っ張られていった。
暫くして、この光景が更に巨大化して自分達の目に写る事を、彼らはまだ知らない。
黄巾の乱キタ━(゚∀゚)━!
テスト明け。んでもって黄巾編開始。
>>104のd兄
ここの板はそこまでスピードは速くないから頻繁にageなくても何とかなるさ。
でも保守ありがとう。
そして300点突破おめでとう。俺は……orz
188 :
104:2006/07/14(金) 13:07:02
ひょーりみ ◆7rAzqBFcf.殺すぞ。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
ゆりな愛してる
201 :
104:2006/07/20(木) 21:07:40
だれだよ。
/ ̄__,7
_____ / /
` ̄ ̄/ ̄ ̄\ / /
/ `\ / /_
_,. イ´ ̄7ン>- / \ _/7_ -‐ ''´,二_二 '' ー‐=r{
_,.. -,r ' ",.二二´ ̄-‐'' ´ \__` 二/ ``>=-、ー'
―''".. _ l、  ̄ _ 了= ー ― __r――――――  ̄ ̄ |!=-{ 〕
 ̄  ̄ ヽ、_ __ヽ ̄ ̄7_,__ ,,.. ゝ-‐'^`ー‐、
'ー'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` '' -、、 ヽ -‐'' ヽ、_ `` ‐、、 /
``''_-_、、___\_  ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
yahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
〜12時間目 グレートティーチャー馬場元義〜
「はい、それでは今日の授業は終わりです。次の授業に遅れないようにして下さいね」
数学教師である源貂蝉がそう言うと、眠っていた生徒達がバラバラと起き始めた。
無論起きている生徒もいるのだが、やはり数学の授業は催眠効果があるのだろう。他の授業に比べると2倍も寝ている人の人数が多くなっていた。
起きた生徒の動きがスローモーションなのを見て、これで次の授業に間に合うのかと貂蝉は心配してみたりした。
「ええと、次の授業は体育でしたっけ?」
次の授業は体育だった気がする。その不確かな記憶をそのまま口にした途端、生徒達の目つきが変わった。
「しまったあああぁぁぁ!!」
そう叫びながら、伯符が全力で飛び出していった。他の生徒達もその後に続いていく。全員が向かうのは更衣室だ。
「私とした事が……ジャージを忘れるとは」
その後、子桓が忘れたジャージを取りに戻ってきた。人間見かけによらないもので、焦って小指を机の足にぶつけて貂蝉の笑いを誘っていた。
その子桓も立ち去ると、あっという間に教室は貂蝉一人だけになってしまった。相変わらず体育の効果は大きいようだ。遅れればコーガイの長いお説教を聴く羽目になる。
「……あら?」
しかし、そこまで考えて貂蝉は一つ思い出したことがあった。この後生徒に連絡するはずの事だったのだが、すっかり忘れていた。
まあ、行けば分かることだろう。そう思って、貂蝉は荷物を纏め始めた。
場所は変わって体育館。これから3-Aの体育の授業が始まるのだが、未だに誰も来ていない。体育の授業など、大抵そんなものである。
と、入り口から誰かが駆け込んできた。その人物は側転、バク転、空中半回転ひねりを華麗に決めながら体育館の中央に着地した。
そして、両手を広げてポーズをとり、高らかに宣言する。
「この長瀬 儁乂、華麗に一番乗りを果たしました!」
その言葉と殆ど同時に、次々と生徒が駆け込んできた。全員一様に同じ緑のジャージ着ていると見せかけて、所々に青のジャージがあったり赤のジャージがあったりする。
これは学校から支給されるものなのだが、この色はある特定の時期だけ大きな役割を果たしていた。
もっとも、近衛家特製黄色いジャージはその範疇からは外れているが。
最後に仲康が地面を揺らしながら歩いて来て、3-Aのメンバーは全員集合した。しかし、何も起こらない。
「……コーガイ先生がいないぞ」
普段と違う点を見つけたのは子龍だった。確かに、普段は授業開始前からいるコーガイが、今日は授業のチャイムが鳴っても来なかった。何かあったのだろうか。
次第に3-Aのクラスメートがざわついてくる。そのざわつきが最高潮に達そうとした時、それを切り裂いて声が飛んだ。
?
「おいーっす、お前ら!」
コーガイのものではない、もっと若々しい声だった。それに反応して、3-Aのメンバーが一斉に振り向いた。
体育館の入り口に、男が一人立っていた。白いランニングシャツに短パンを履いた、見るからに健康そうな若い男だった。手にはバスケットボールを持っている。
髪は肩甲骨の辺りまで伸びるほど長く、それを首の後ろで黄色い布で括っている。体についた筋肉は健康そうで、しかも飾りではない輝きを放っていた。
「……お主、何者だ?」
見たことの無い人間に警戒しつつ、雲長が聞いた。
「おう!俺の名前は馬場元義!
腰痛で休んでるコーガイ先生に代わってお前らに体育を教えることに臨時教師だ!
ぃよろしくぅっ!」
手をビシッと挙げて元義が自己紹介をした。他の生徒たちは呆気にとられている。
「腰痛って、何でだ?」
「いや、俺もしらねー」
古飛が気になって聞いてみるが、元義も知らないようだった。歳の所為だ、そう古飛は考えるようにした。
「よし!じゃあお前ら授業を始めるぞ!準備運動、しっかりやれよー!」
元義の爽やかな声が体育館に木霊する。洛陽高校に、若い風が吹き始めた。
どうにもageると荒らす人がいるから、ageは止めておこうね……。
ただ、sageても荒らすようなら私も相応の処置はとるけど。
>>104 と言うわけで、荒らしは放置しようか、d兄。
>>◆yI4PhQLufg
乙!
最初馬超かと思ったら黄巾の馬元義かww
211 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/21(金) 11:59:07
キモイ、何このアニヲタ^^;
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';:!.';::::ト;:::; ,、‐'''''''' 、` ゙" ‐''"~゙゙' 、 ','::;.'ヽ:::| ば〜か
', !:,::! ゙':'、'゙ ` ,':" !::| ば〜か
;:', ':,〈.! ' iノ .,'::::! ば〜か
;::::':、. ! ,゙ ̄ ̄ ̄ ! l ,..:'::::::',
,':::::::::`‐',. i i .,!":::::::::::::',
,:':::::::::::::::::`:..、 ',. ,' ,..:':::::::::::::::::::::'.,
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,:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;! ` ‐- ‐'" i;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':,
. ,.:':::::::::::::; ,':::::::::::::::::;/!' '; ゙ 、::::::::::::::::::'、、::::::::::::':.、
,.:'::::::::;: ,"'::::::::::::;、 '" | ! `' .、:::::::::::':.,゙ 、:::::`:.、
,..::' -‐'" ,.:':::::::::;、 '" ! ̄` ''"".; ` 、:::::::`.、 ``゙' ‐-
,.:'"::::::ri" !-――- 、.,' `!i;:::::゙:.、
213 :
104:2006/07/21(金) 18:10:17
「ゆりな」って誰?
でたーーーアニヲタ104
215 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/21(金) 18:37:21
佐倉広夢氏ね
佐倉広夢氏ね
217 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/21(金) 19:24:36
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
218 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/21(金) 19:28:51
604 名前: 奇矯屋onぷらっと ◆O.K.H.I.T. [sage] 投稿日: 2006/07/16(日) 02:29:51
「訊きたい」の間違いだな。
目の前にいきり勃ったモノがあったら、ノーマルな君たちはどんな反応をするかが。
605 名前: \_________ _________/ [sage] 投稿日: 2006/07/16(日) 02:31:25
|/
\\ / .::::::::::::::::::::::::::::::::: く
\ / .::::::::::::::::::::::::;;:;;::,ッ、:::::: ) く 嫉 す
\ l ,ッィrj,rf'"'"'" lミ::::::: く れ 妬 ま
Y ,!ミ::::::: ヽ な す な
`ヽ、 | くミ:::::::: ノ い る い
|、__ ャー--_ニゞ `i::::,rく か の が
``''ー- ゝ、'l  ゙̄´彑,ヾ }::;! ,ヘ.) ! を ホ
゙ソ """"´` 〉 L_ や モ
/ i , /| め を r
≡=- 〈´ ,,.._ i 't-'゙ | ,へ て ,r┘
,、yx=''" `ー{゙ _, -、 ; l レ' ヽr、⌒ヽ'
゙、`--─゙ /! `、
_,,、- ゙、 ー'' / ; `、
-''"_,,、-''" ゙、 /;;' ,' / 、\
-''" / `ー─''ぐ;;;;' ,' ノ ヽ `ヽ、
// / ヾ_、=ニ゙、、,,_
/// // ,、-'´
// // / /
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
220 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/22(土) 16:05:57
┌v ''''i''''v┐
(. ){. | } .)
. ( .)゙'ヽ_,ノー'
. `ー' ,、.┴┴ 、
ノ >-─|<`ヽ、
く へ, V、_,/
(⌒ヽ\ノ,〉 >'、\/⌒j
{ ヽ、 テ彡⌒ ⌒} ノ |
| } 丶 . .,,___ノ、ノ/{ i
|. { } |
⊆ニゝ ● ヽニ⊇
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
222 :
104:2006/07/24(月) 17:17:59
◆yI4PhQLufg殿乙!
そうですね。荒らしは無視します。
〜13時間目 罠〜
「おう、子義、子明」
「こんにちは孟徳殿。今日はもう帰りですか?」
放課後の校舎内で、孟徳は子義と子明にばったりと出くわした。
「ああ……。今日は漢詩部が途中で切り上げになったのでな」
「あの漢詩部が切り上げか……珍しいな」
曹操は漢詩部に所属していた。文字通り、漢詩を作成したり批評したりする人間の集まりである。
部長の孔融は真面目なことで有名で、小中高合わせて12人ほどの漢詩部をうまい事切り盛りしつつも部員は決して自由にさせなかった。
ただ、学校の休みは部活の休みでもあるので窮屈すぎるという事はなかった。
「……部員がワシと陳淋しかいなかったからな。部長が投げ出すのも仕方あるまい」
孔融は部活をサボることを嫌う。それは部員にも徹底させていて、部活のある日は用事がなければ行かねばならないという雰囲気を作り上げていた。
しかし、今日は殆どかサボっている。何かあったのだろうか。
「そうか……工学部はいつも通りなんだがな」
子明は工学部に所属していた。何故か今年は奇人変人の割合が多く、日夜研究室からは怪しい声が聞こえるという噂が絶えない。
孟徳が興味本位で子明に噂の真相を聞いてみた所、子明はとても難しい顔をして黙り込んでいた。
そうこうしているうちに三人は下駄箱についた。いつものように三人が同時に下駄箱を開ける。
「ん?」
孟徳が妙な声をあげた。気づいた二人が孟徳を見る。
「……靴が、無い」
二人が下駄箱の中を見ると、確かに孟徳の靴が無かった。孟徳は今上履きを履いているので、既に靴を履いているという事も無い。
となると、何処に行ったのだろうか。三人がそれぞれ周囲を探してみるが、それらしきものは何処にもない。
ふと、孟徳が外への出口に目を向けると、そこに誰かが立っていた。まだ背が小さい。小等部の子供だろうか。
そして、その小学生が手に孟徳の靴を持っていた。
「……ばーかばーか!孟徳のチビ変態ーッ!」
小学生は孟徳の視線に気づくと、すぐさまそう叫んだ。驚いた二人もその小学生に気づく。
言いたい事を言い終わった小学生は、すぐに靴を持ったまま外へと走り去っていった。
「追いましょう!」
ロボットらしく決断の早い子義がすぐに追おうとしたが、孟徳はそれを手で制した。不思議に思った子義が、視線を孟徳に向ける。
孟徳は、走り去る小学生の背中を睨みつけながら、こういった。
「待て、慌てるな。……これは孔明の罠だ」
そういって視線を足元に戻した。その視線の先を追って、ようやく言葉の意味を理解した。
足元に、大量の画鋲が上を向いて落ちていた。
3-Aの教室には今は誰もいない。いや、偶然にもそこに孔明がいた。帰りのHRはずっと前に終わったはずなのに、孔明は今教科書とノートを鞄に詰めていた。
今まで何をしていたのか。それは誰にも分からない。そもそも校内でもその頭脳を見極めることの出来る人間はいないという孔明を理解することが出来る人間はいるのだろうか。
「見つけたぞ、孔明ーッ!」
突然掛け声が聞こえた。振り向くと、曹操が空を飛んでいた。
一瞬の静寂。次の瞬間、曹操の飛び蹴りが孔明の顔に着弾していた。直撃を受けて孔明が机と共に後ろに倒れた。
「ハハハ、見たか孔明!これが孟徳ロケットの威力だ!」
「孟徳殿、孔明殿!互いに大丈夫ですか?!」
その後を追って子義と子明もやってきた。孟徳は机の上に立って高笑いしている。
孟徳ロケット。子義のロボットならではのパワーとコントロールを活かし、対象に向けて孟徳を投げつけるというコンビネーション技である。
当たれば威力は大きいが、外れれば孟徳の怪我は免れない。そんなばくち打ちの技でもあった。
「……何なんですか突然」
しかし、その技を顔面に受けても孔明は平然としていた。鼻血一つ出ていない所を見ると、本当に何者なんだろうかと疑ってしまう子明だった。
「しらばっくれても無駄だ!孔明、全ては貴様の策略だったことは分かっている!
さあ、わしの靴の隠し場所を教えろ!」
「いや、知りませんが……」
「何を言うか!貴様がさっき画鋲を持って歩いているのを見たのだぞ!」
「あれは、クラスの仕事でしたからね……」
孟徳が問い詰めるが、孔明は白を切るばかりで話が進まない。そのうち、聞いている孟徳本人も間違っているのでは無いのかと言う疑問に駆られた。
暫く話を続けた後、ようやく孟徳は孔明が犯人でない事を理解した。理解はしたが、納得はしていない。
「ならお主……ここで何をしておったのだ?」
「いや何も」
孔明が目を逸らした。どうやら、よっぽど人に言えないことをしていたらしい。
相変わらず孔明が何をしているのかは分からないが、少なくともシンプルに他人の為になるような事ではないのは確かだった。
その頃、少年は走ることをやめていた。目の前には、高等部らしい男が3人居る。
「……言ってきたぞ!」
少年はその3人を見上げながら言った。その声を聞いて青年達は少年の走ってきた方向を見た。だが、当然の如く誰かが来るはずもない。
「ああ?誰もいねーじゃねーか……」
一人が煙草を咥えながら言った。
「……言ってきたから、鞄、返せ!」
その足元で少年が喚き続ける。それが癪に障ったのだろう。青年のうち一人が少年の腹を思い切り蹴飛ばした。身体の軽い少年は吹き飛ばされて後ろの壁に叩きつけられる。
「っせーな!失敗したくせにえばるんじゃねぇ!……行くぞ、おめーら!」
未だにのた打ち回っている少年を後に残して、青年達は去っていった。
229 :
鬼神:2006/07/28(金) 20:49:51
乙!!
104はコレから鬼神と名乗ります。
213は別人です。
230 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/28(金) 20:52:38
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
231 :
鬼神 ◆wVoxvyek5Q :2006/07/28(金) 20:54:20
トリップ付けてみました。
頼むからさげてくださいお願いします
乙! 孟徳虐めてるの誰だよ!
続き楽しみにしてるお(・∀・)
____
mm ,. -‐'''"¨ ̄  ゙̄ヽ、
ノノ川 / \
/ ヘ / ,..'´ ',
( / / ',
) ノ / ,.=彡彡 ',、
/ / / 、ミ川ミミ、、 _ ミ、 ¨'丶、
/ / i. ,. -‐、 /●\ ヽ ヽ、
/ / i. /,. ● ', ニ-'"¨゙丶ニ=-<、_ ゙丶、
i ¨゙ー┘-' '´-‐¨゙ヽゝ ノ ! ゙ ー- ._ i
゙ヽ_ ~ '´ E う'"ヽ i i i
\__ (⌒ ,っ ノ / ',. ',
| 人_c、_ _,.ノ \_ ', ', i
', /),、\_ `´ ,. '"ヘ ヽ ', ', i
', i i _゙丶、ニ=ニ-‐''"ノ i ', i i
', ヽ ゙丶、( ノ ),./ ノ i ___ノ ノ
ヽ ヽ==" i / /
ヽ _,.-‐''''ー- / .//, -‐'"
ヽ ',  ̄ ̄
【ひょーりみ ◆7rAzqBFcf.】
可児派の当主。三戦板愚痴新党終身党首。 多くの猛将コテが春華に敗れ、
脱落していく中、15歳で互角に戦った化け物。 その実力と麗しい容姿が
学徒を心酔させ、19代新党党首に任命されるも、金に討伐される。
ネギまスレを荒らすのが趣味。
新作キテタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
もーとく話オモシロス
そんでもって惇兄の出番はないのかな
236 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/28(金) 22:37:59
感想
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> ``‐.`ヽ、 .|、 |
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
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,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
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237 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/28(金) 22:39:07
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
238 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/29(土) 00:15:10
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_,. イ´ ̄7ン>- / \ _/7_ -‐ ''´,二_二 '' ー‐=r{
_,.. -,r ' ",.二二´ ̄-‐'' ´ \__` 二/ ``>=-、ー'
―''".. _ l、  ̄ _ 了= ー ― __r――――――  ̄ ̄ |!=-{ 〕
 ̄  ̄ ヽ、_ __ヽ ̄ ̄7_,__ ,,.. ゝ-‐'^`ー‐、
'ー'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` '' -、、 ヽ -‐'' ヽ、_ `` ‐、、 /
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
yahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
240 :
鬼神:2006/07/29(土) 17:38:45
241 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/29(土) 18:01:58
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242 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/07/29(土) 21:34:27
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
〜14時間目 フードファイターズ 前編〜
「困ったものだのぅ……」
洛陽学園より徒歩5分、駅前の商店街の一角に料理屋『十面埋伏』はあった。気さくな主人と安い品揃えで、地元の人間にはそこそこの人気を得ている。
しかし、ここ最近この店には客が全く来なくなってしまった。いや、来たくてもこれないのだ。
人が全く来なくなった店の中を見て、店主の朝日仲徳はこれからどうしようかと頭を悩ませていた。
そんな時に、扉の外に人の気配を久しぶりに感じた。一応店の掃除はしっかりとやっているので、客が来ても慌てる必要は無かった。
「『十面埋伏』か……来るのは初めてだな」
「知らなかったのか?結構安いんだぜ、ここ」
「本当に大丈夫だか?安いと不味いって、よくある事だぁよ」
「肉……」
入ってきたのは、高校生ぐらいの青年が4人。筋肉質と、長髪と、太ったのと、仮面。仲徳は一目見てそう区別した。
「大丈夫だって。味は俺が保障するぜ」
「そっかー。伯符がそういうなら、大丈夫だなぁ」
「私としては、祝ってくれるだけでも十分なのだがな」
「肉……食ワセロ……」
見たところ、全く協調性が無い。特に仮面の男は肉を食べることしか頭に無いようだった。
4人がカウンター席に座った。それを待って、仲徳は水の入ったグラスをそれぞれに差し出した。
「……さっきから肉肉うるせーな。何でこいつがついてきたんだよ」
「なんだぁ、文長が来ちゃいけねぇのか?」
「そう喧嘩をするな、二人とも。折角私の為に誕生日パーティーを開いてくれたんだから、今日は明るく行こうではないか」
「焼肉定食……」
「ほい、焼肉定食一つじゃな」
早速空気の読めない仮面の男が注文を始めた。仲徳は紙を取り出して、注文をそこに書いていく。
「あ、てめぇ!親父ぃ、俺豚肉饅頭!」
「おいらはぁ、チャーシューメン大盛りで!」
「私は牛丼、ネギダクで頼む」
それに続いて、他の3人も注文し始めた。仲徳は慌てずにそれを紙に書き取ると、一度材料を取りにカウンターの奥に引っ込んだ。
「いっただっきまーす!」
そう言って、豪快にラーメンをすすり始めたのは四葉仲康だった。巨体に見合った食欲で、ラーメンが見る間に減っていく。
「肉……」
肉ばっかり呟いていたウェイヤンも焼肉定食がくるとすぐに食べ始めた。
「こらこら、仲康も文長ももっと行儀良く食べろ」
見かねた公瑾がたしなめに入る。と、文長が一旦箸を止めて呟いた。
「……三角食べ……」
そして何事も無かったかのように食事を再開した。よく見ると、確かに文長は三角食べである。ただ、それが余りにも早かったため行儀悪く食べているように見えていたようだった。
ちなみに、仲康には三角食べも何もあったものではない。
結局食事作法についての会話はそこで打ち切りになり、各人喋りながら食事を進めていった。
そして、食事が中盤にさしかかり仲康が二杯目のラーメンを注文しようとしたときだった。
「朝日はいるかぁーっ!」
怒鳴り声と共に、店のドアが壊れんばかりの勢いで開け放たれた。そこから、ガラの悪い男達がぞろぞろと入ってくる。
驚いた伯符が饅頭を加えたまま振り向くが、男達は見向きもせずにカウンターににじり寄った。
「てめぇ、あんだけ暴れてやったのにまだ懲りねぇのか、ああん?!」
男達の中でも一際ゴツい髭面がカウンターに足を掛けて仲徳をにらみつけた。仲徳は大きな身体を縮めるようにして震えていた。
「な、なんでわしの店で暴れるんじゃ……。いや、それだけではないっ!
ここいらの料理屋全てにお前らは押し入っているではないか!一体何が目的なんじゃ!」
何か物凄い不穏な空気が流れているのは四人にも良く分かったが、事態が飲み込めないのでまだ黙って見ていることしか出来なかった。
男が仲徳の言葉を聞いてニヤリと笑った。
「そりゃあな……それが教祖様の教えだからよっ!」
言うと同時に、カウンターに足を掛けていた男がその足で伯符達の料理を払った。
皿がひっくり返り、中身がテーブルの上に無残にもぶちまけられる。
「食べ物と言う崇高な物を商売にするのは禁忌であるって教祖様が……」
「肉ーッ!!」
男が胸を張って喋りだそうとすると、突然文長がその男に飛び掛った。どうやら、先程の男が料理を払ったのに怒ったようだ。
男を床に押し倒した文長が、叫びながらその顔を殴りつける。食べ物の恨みは恐ろしい。
「な、何をする貴様っ!」
周りに居た男の二人が慌てて文長を抑えようとしたとき、その体が何かに掴まれて宙に浮いた。男達は何が起こったか分からず、足をバタバタさせている。
二人の男を持ち上げてなお平然としている怪力の持ち主は、他でもない仲康であった。彼もまた、食べ物を粗末にすると怒るタイプである。
「食い物を粗末にしちゃ……」
仲康の腕に力がこもる。これから何が起こるのか予想できた二人の顔が青ざめた。
「いけねぇだーよーっ!!」
仲康が体を一回転させ、男達を掴んだ手を放した。大きな音を立てて、店の壁に無様に顔から突っ込む二人。
暫くその方向を見て男達は唖然としていたが、文長が一段落着いて殴るのを止めた頃にようやく我に帰った。
「な、何しやがるてめぇら!」
「このやろう、よくも同志を!」
「やっちまえ!」
口々に叫びながら、男達が棒切れを手に取る。と、そのうちの一人が横からの蹴りで吹っ飛ばされた。
「しゃあっ!何だかしらねえが、喧嘩なら受けて立つぜぇ!」
伯符が軽いステップを踏みながら、拳を構える。どうやら全員戦闘態勢に入ったようだった。
曹ヒ(何故か変換できない)改め宮崎子桓の性格設定が無双とは正反対……。
変えちゃっていいのかなぁ?
>>1さん、いたら返事下さいな。
>>104のd兄改め鬼神兄
偽者に負けずに見てくれてありがとう。
>>233 誰とはいえないが、小物なのは確かですw
>>235 d兄の出番もちゃんとあるよ!(`・ω●)
>>243 こちらこそ、感想ありがとうございます。
251 :
鬼神:2006/08/03(木) 23:39:18
>>◆yI4PhQLufg 殿乙
偽物に負けないように頑張るよ。
>>214 人を勝手にアニオタ呼ばわりしてんじゃねー
乙!
仲康カワイイヨ仲康
253 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/08/05(土) 16:36:24
_-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| /.n l /⌒ヽ .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| | l l | ,' /7 ,' |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| , '' ` ー ' '-' / |i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| / 、_, `ヽ |i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| l , .-. 、`´ l. |i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| ヽ ヽ ̄フ / |i
.i| 丶、 ̄____,/ |i
i| _,i -イ、 |i
.i| (⌒` ⌒ヽ .|i
.i| (ぃ9 ⌒) .|i
.i| ヽ ー-' .|i
.i| 〉 | .|i
.i| / | .|i
.i| { ? } .|i
【司馬炎 ◆87pzND66jM 】
自治の三巨頭である学徒、ムコ、春華に続いて現れた最後にして最大カリスマコテ。
司馬炎が初登場した、78目の自治スレは伝説のスレとされ、現在では7月29日
は司馬炎の偉業を称える「三戦板感謝祭」となっている。
彼のレスには常に知性と神秘性が感じられ、その調和の取れた文から、その正体は
一流の作家なのではないかという噂が絶えない。
その名は他板にまで轟き、恐れ敬われている。
254 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/08/05(土) 16:37:47
255 :
鬼神:2006/08/05(土) 23:32:53
>>254 何様だよ。お前。人の事勝手に馬鹿にして。人間として最低だな。
256 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/08/06(日) 16:22:50
金宰陽に一票
257 :
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)/ ̄ ̄ ̄ ̄:2006/08/13(日) 11:18:31
三'::::::............... .....::::::`y,.
ナ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
| ̄| V::::::::::::::::_{{ ({∫∬ノノjヾ:::::{
| ̄| | ̄| ナ::::::::::::::i`__,,,,,,,ァ_ _,,,,,_ t;;:ヌ
| | | | イヘ::::::(ヾ~!,ャt、 !'''i ィtン )=f }f
| | | | i {t)テ" ヘ' '___,イ ヽ_/ 介'
| | | | _,rヘ_,j|!' /ー--''! |'
|,.ィ―'''' ̄ /| | /二ク !
/;;:::'';;::''::;;:/ { ! 、 ヾニン ノ\
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〜15時間目 フードファイターズ 後編〜
「……ハーッピバースデーィトゥーユー……」
夜の学校。部活は既に終わっていて、どの校舎にも人影は無い。
その学校の教室の一つから、歌声が聞こえてきた。
「……ハーッピバースデーィートゥーユー……」
耳を澄まさなければ聞こえないぐらいの、小さな不気味な声。
もしこの歌を聞いたものがいれば誰もが卒倒しただろう。
「……ハーッピバースデーィディーア、孔明ー……」
その歌を歌っているのは孔明自信だった。
真っ暗な教室の中で、バースディケーキの蝋燭の炎だけが燃えている。
「……ハーッピバースディートゥーユー……」
そこまで歌うと、孔明は蝋燭を吹き消した。教室の中が一瞬で本当に真っ暗になる。
暫く教室の中には物が動く気配が無かったが、やがて孔明が独りでぽつりと呟いた。
「……ハーッピバースディートゥー『ミー』だったな。失敗した……」
「うおぉっ!」
手に棒切れを持った男が雄叫びを上げて突進してくる。伯符はそれを軽いステップで横に回りこんで避けると、すれ違いざまに脛に蹴りを叩き込んだ。
一瞬よろめいた男だが、すぐにこちらに向き直って棒切れを頭上から振り下ろした。伯符は今度は後ろに下がった。棒は虚しく地面を叩く。
伯符はその棒を思い切り踏みつけた。元々人を殴るようには出来ていない棒だったため、容易く踏みつけた部分が折れた。
「ハァッ!」
そして、驚く男の顔を棒を踏みつけた足で豪快に蹴り上げた。唾を撒き散らしながら男が地面に仰向けに倒れた。
どうやら気絶したようだ。
「てめぇっ!」
後ろから接近した男が側頭部をめがけて棒を横薙ぎに振るう。伯符はそれを後ろを振り向きながら屈んで交わし、同時に回転の力で足払いをかける。
「ちょりゃあーっ!」
転倒した男の体に、仲康が飛びついた。巨漢、悪く言ってしまえばデブの仲康がのしかかるだけで、男の全身には重大な被害が及んだ。
伯符はその仲康の体をトランポリンにし、高く飛び上がった。天井スレスレまで飛び上がった伯符が見ているのは、眼下の男。
唖然としている男の顔に、空中回し蹴りが叩き込まれた。強烈な一撃だ。喰らった男の手から棒が地面に落ちた。
「このやろう!」
一方文長のほうは相手に指一本触れていなかった。薙ぎ払われる棒を身を引いてかわし、振り下ろされた一撃は手で弾いて軌道を逸らし、必要最小限の動きで全ての動きをかわしていく。
大きく突き出された棒を、文長は難なく後ろに跳んでやり過ごした。そして、テーブルの上に音も無く着地する。
「調子に乗るなっ!」
じれったく思った男が、テーブルを力任せに突き飛ばす。だがその瞬間に文長はテーブルから飛び上がっていた。
突き飛ばされたテーブルは、伯符との間合いを取っていた男にぶつかった。隙を見せてしまった男は伯符の鉄建で夢の世界に殴り飛ばされた。
一方、飛び上がった文長は空中で一回転すると男のすぐ横に着地した。そして、男の首筋を手刀で軽く叩いた。それだけで男は気を失って倒れる。
「……あれ、終わりか?」
周りに立っている男がいないことに気づいた伯符が驚いた声をあげた。本人はまだまだやる気だったらしいが、男達の方が持たなかったようだ。
あるものは前歯を折られ、またあるものは全身の骨にひびが入って気絶している。
「伯符……というかお前ら、少しやりすぎだ」
公瑾が呆れたように言った。手には純愛SM物の同人詩、『井戸ダイバー』を持っていた。この乱闘騒ぎの中さっきまで読んでいたらしい。
カウンター席では怯えを通り越してもはや開いた口が塞がらない仲徳がこっちを見ていた。
「……代金……払ウ……」
そういうと文長は自分の食べた分だけの代金をカウンターに置いた。
「ああ、そうだった。ごちそうさまだー。おいしかったぞぉ、じいちゃん」
それに続いて仲康も代金を置いていく。公瑾は既に払ったらしく、さっさと出て行った。
「あ、おい待ってくれよー。……ほい、ご馳走さん」
代金を置いて、伯符も慌ててその後を追っていった。小銭がカウンターにぶつかる音がした。
「いや……」
そして、仲徳がポツリと呟いた。
「修理代」
荒れ果てた自分の店内を見渡しながら。
折角の夏休みなのになんでこんなに忙しいのー?!
……まあ、どっちが本物かはおのずと分かるはずでしょう。
>>252 仲康カワイイは予想外だったわ…。
263 :
鬼神:2006/08/15(火) 22:04:21
乙!!
孔明カワイソス(´・ω・)
ミーって・・・・
全身の骨にヒビってやりすぎだろ伯符。
265 :
鬼神:2006/08/17(木) 14:36:48
期待age
267 :
267:2006/09/10(日) 17:37:27
もう見限ったsage
268 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/11(月) 00:06:45
〜16時間目 不穏な時〜
「……さて」
そう呟いて、元義は椅子に乗ったまま天井を見上げた。
「8人とも病院送り、その内一人は前歯が折れて、もう一人は3ヶ所を骨折……か」
視線を戻すと、居心地悪そうに立っている4人の姿が目に入った。昨晩乱闘騒ぎを起こした伯符、公瑾、文長、そして仲康の4人だった。
「……仲康、骨折ってお前がやっただろ」
「なぁーに言ってんだぁ、おめぇも前歯を叩き折ってたじゃねぇかぁ」
「……肉」
「いつまで引っ張ってるんだお前は」
先日の乱闘騒ぎで4人は朝一番に職員室に呼び出されていた。校外暴力とはいえここは中華一の洛陽高校。何の処罰も与えずに見過ごす訳にはいかなかった。
そこで、臨時の生徒指導である馬場元義が処罰を決めているところだった。
職員室に残っている周りの数人の教師も事の成り行きを見守っている。特に担任の文台は切実だった。
「馬場先生……今回は多めに見てやってほしいんだけど……」
今日は何回この言葉を繰り返しただろうか。幾ら問題児と言えども、理由も無しにあれだけの騒ぎを起こす事は無いはずである。
彼らは昨夜、駅前の飲食店『十面埋伏』で後から入ってきた男8人と乱闘騒ぎを起こしていた。男達の被害は散々なもので、一名骨折までしている者もいた。
何故そんな事が起こったのかは分からない。事情を聞こうにも店主の朝日仲徳が行方不明になっている為何も分からなかった。
生徒達は襲い掛かってきたから応戦したというが、被害に遭った男達は向こうから殴りかかってきたと言っている。どちらかが嘘をついているのは確かだ。
そして、世間の人情と言うものは大抵弱者を庇い、強者を疎むものだった。
「駄目だ。なにがあったかは知らないが、こいつらは幾らなんでも騒ぎすぎだ。
しっかり処罰しないと後で何を言われるか分からないぞ」
椅子に座って自分を見上げている文台の要求を、元義はキッパリと撥ね付けた。建たされている4人は緊張しっぱなしである。
そして、痛いぐらいの沈黙の中で元義は静かに書類をめくっていた。
「……よし」
そして、書類を読み終わった元義はその口を開いた。
「朝倉伯符、早乙女公瑾、四葉仲康、ウェイヤン・レイニーディ。
お前ら四人とも―――」
「ぎゃああああああっ!!」
処分の内容は、外からの悲鳴で掻き消された。
咄嗟に窓に駆け寄った教師が、窓ガラスを突き破って飛んできた何かに吹き飛ばされた。飛んできたそれは机の上の書類を薙ぎ倒して、丁度元義と4人の間に落ちて止まった。
「……え、昨日の親父?!」
伯符が驚きの表情と共に呟いた通り、飛んできて今は白目を向いて痙攣しているその人物は、現在行方不明になっているあの朝日仲徳だった。
かなり無茶苦茶な入室方法だったが、一応生きているようだ。あちこちに真新しい傷跡があるが、今窓を突き破った時についたものではなさそうだった。
そして、再び誰かが窓を突き破ってきた。今度は仲徳のように転がることなく、丁度職員室の中央にある机の上に着地した。
黒く太い眉、髪一本残していない頭、そして独特の雰囲気を醸し出す服装はその場に居る人間全員が知っている姿だった。
「ワシが洛陽学園教頭、天蕩巌であるっ!」
殆ど姿を見せない校長に代わり、洛陽学園の頂点に立つ男、天蕩巌であった。校長とは古い友人のようで、よく山登りに行ったという。
喧しいほどの大声は、騒然としていた職員室内はしんと静まり返った。
「おじ……天蕩先生、一体何があったんですか?」
最初に声をかけたのは、仲徳が飛んできた時に机の下にもぐりこんで震えていた公台だった。
「うむ。生徒が乱闘騒ぎを起こしたというので、少し探ってみた」
巌は厳しい顔の表情を変えないまま言った。この学校は教師が優秀なので、意外と教頭という役割は暇だった。だから、こんな勝手な行動も出来るわけだ。
しかし、何故それで仲徳が飛んでくるのか。それはまだ誰にも理解できていなかった。
「それよりも皆、緊急会議を開くぞ!急いで準備せい!」
再び大声で叫ぶと、巌はそこから飛び上がって、自分の教頭の椅子に着地した。筋骨逞しい巌の体を受け止める事を考えると、結構頑丈な椅子だった。
「……教頭先生、こいつらの処遇はどうします?」
やや不満の色を滲ませながら元義が言う。
「その事も含めて話をしよう。そうだ、お主らもこの会議に参加せい」
どうやら、このまま行けば伯符達の乱闘騒ぎは不問になるようだった。しかし、それよりも大きな事件が迫っているようでもあった。
元義の小さな舌打ちが、それを現しているとはまだ分からなかった。
お待たせしました。
夏休みから引っ張っていた仕事がようやく終わって復帰です。
そして、黄巾編本格始動です。
>>◆yI4PhQLufg
久し振り!
またタノシミにしてるよ(・∀・)
274 :
鬼神:2006/09/16(土) 13:31:23
>>◆yI4PhQLufg氏
新作だぁ。乙!
(ー‘; ) ←佐倉
⊂ ヽ
ィ^
>>1(;ヽ _)_) )) カポカポ
(__人__,つ ∪J
276 :
鬼神:2006/09/18(月) 23:22:10
人
(__)
(__)
(,,・∀・) ))
/つ( ̄`ヽO_ノ⌒ヽ さてと、そろそろ寝るか
ノ ) \ ))
(__丿\ヽ :: ノ:::: )
丿 ,:' ))
(( (___,,.;:-−''"´``'‐'
人
(__)
(__) < 寝る前にウンコー!!
( ・∀・ )
/ _ノ⌒⌒⌒`〜、_
( ̄⊂人 //⌒ ノ ヽ)
⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
277 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/19(火) 00:19:09
,.─-- x
/:::::::::::::/,,ヽ ,●
● i:::::::::::::::i ii`!l/
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/⌒ヽ⌒ヽ(( |:::::::::::::| し/
/ ヽ ヽ::::::::;;t_ノ
/ ヽ |::::|、 デンデン
/ ヽ ,|::::(|
l⌒l / Y ヽ (つ:(/
| つ / 八 ヽ/ ,`''
| | ( __//. ヽ ,, , ) /
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| |' / ィ赱、 i i r赱ミ |
ヽ_/| `"" ,l l `"" |
| , ィ''。_。ヽ、 |
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\ `ヽ i___,,」
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ノ _>
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278 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/09/23(土) 08:54:23
〜藤甲先生 ゴツま!〜
超巨大な総合学園都市『於夫羅学園』の女子中等部にやってきた新任先生は、なんと身の丈十二尺のお子ちゃま!! しかも藤甲兵だったのです!!
お子ちゃま先生・ゴツ先生と31人+αの美少女クラスメイト+αたちが繰り広げるドッキドキなハイスピードラブコメに山頂バトルも炸裂しながら、
お祭り好きな於夫羅学園の人たちを巻き込んで、てんやわんやの大騒ぎ中! 加速を続けるゴツま!ワールド、この魔法はまだまだ解けない!!
「ええと…あ…あの…ボク…ボク…今日からこの学校でとう…歴史を教えることになりました
『ゴツ・スプリングフィールド』です。3学期の間だけですけどよろしくお願いします。」
洛陽高校の中で最も危険度が高いと言われているクラスがある。それが、中等部の3−Aだ。
このクラスは大抵誰かが騒いでいる。それは授業中でも同じで、教師達はそんな生徒の押さえ付けに苦労していた。
しかし、今はその騒がしさは何処かへ走り去ってしまい、代わりにクラスは重々しい沈黙に包まれていた。
昨夜の乱闘騒ぎで伯符を初めとする4人が職員室に連行されていた。そして、もう3時間目になるのにまだ帰ってこない。
このクラスは自習である。他のクラスも、いや、学園中で自習になっているらしく事態はただ事ではない気配を見せた。
「ええい、もう我慢できん!この村上孟起が教師どもに正義を見せ付けてくれよう!」
「落ち着きなさい。貴方のような影の薄い人が行っても無視されるだけです」
儁乂がそう言うと、孟起はすぐに黙り込んだ。この中で唯一まだ騒げる気概が残っているのは彼ぐらいだった。
そして、その孟起と対照的にどん底に落ち込んでいる人間もいた。
「……孟徳、元気を出せ。靴ぐらいすぐに見つかるだろう」
「……そういう問題ではない」
孟徳が得体の知れない嫌がらせを受けていた。数日前の画鋲事件の時から頻繁に物がなくなったり、何処からか小石をぶつけられたりしていた。
子義と子明が側についているので大事には至らないが、見に覚えの無い暴力を受ける事は孟徳の心に大きな傷を負わせていた。
それも、昔受けたことのある物ならなおさらであった。
孟徳は今日も朝から机に突っ伏してうなだれていた。
「……孟徳」
「何だ……」
不意に、孟徳の頭上から声が掛かった。顔を上げる気のない孟徳は突っ伏したまま返事をする。
頭の上に何かが落ちてくる感触を受けて、ようやく孟徳は動いた。頭の上に乗った物を手で掴み、顔を上げてそれが何なのかを確認した。
眼帯だった。
驚いて更に顔を上げると、そこにはいつもしている眼帯を外した元譲が立っていた。伊達眼帯を外してみると、元譲の顔は意外と普通だった。
その元譲が口を開いた。
「お前に足りないのは、ファッションセンスだ」
孟徳は耳を疑った。ファッションセンス。この状況で一体何を言い出すのだろうか。
返す言葉が見つからず混乱していると、元譲はスーツケースを一つ取り出した。中を開けると、彼が普段使っている化粧道具や、小物などが入っていた。
「まずこの眉毛!中途半端に揃えるな、きっちりと2本の線にしろ!
そして目元!隈ができているぞ、このファンデーションで隠せ!
続いて頭髪!オールバックにした所はいいが、お前の背の高さでは似合わない。後ろで括ってやれば良くなるぞ。
そう、身長だ、身長が問題なんだ!……ええい、これは俺でもどうしようもない。
とりあえず、その眼帯はつけておけ。それだけでかっこよさが2倍になる。
後はそうだな、もう少し若さを強調させる服装にして……よし!」
10分ほどで、元譲による孟徳の改造計画は完了した。
そこには、身長こそ低いもののまあ女子には人気が出るんじゃあ無いかと思われるそこそこの隻眼の美青年が立っていた。
元はいいのに服装などをずぼらにしていた以前と比べると、見掛けは大分好感が良くなった。
元譲が孟徳の肩をがっちりと掴んで、話し始めた。
「いいか、孟徳。人の第一印象は見た目で決まる。
世の中には心があればいいとか、見た目だけじゃダメだとか言っている奴らはいる。それは確かにそうだ。
だが、見かけで誰も近寄ってこなかったら心も理解されんだろう?
だから、少なくとも見た目だけは恥ずかしく無いものにしておけ。いいな?」
「更にこの『軍神ペンダント』をつければ女の子にもモテモテ、金運も大幅アップ!今ならサービス価格でたったの……」
「お前は黙っていろ!」
何か怪しげなものを売りつけようとした雲長は、横槍を入れられるのが嫌いな元譲に殴り飛ばされた。流石の軍神も奇襲には対応出来ないらしい。
「あ、ああ……」
孟徳はすっかり気圧されて、元譲の話をそのまま受け入れるしかなかった。だが、そこでふと一つの疑問が浮かんだ。
「元譲、お主はどうするのだ?眼帯ぐらいは返したほうがいいと思うのだが」
確かに、眼帯がなくなると元譲はいたって普通である。そんな状態をクラスのファッションリーダーが我慢できるとは思えない。
「安心しろ。対抗策は用意してある」
そういうと、元譲は懐から『対抗策』を取り出した。それは黄色い手ぬぐいだった。
元譲がそれを頭全体を覆うように巻きつける。すると、物凄いがらの悪そうな盗賊の親分がそこに出現した。
「元譲殿。一般的な服飾感から考えて、それは元譲殿には不適切だと思われます」
子義が冷静に事実だけを報告する。単純に言えば、ダサいということだった。
「そうか。そうだよな……でも、街中じゃ今これが流行って―――」
突然、机が倒れる音がした。目の前からだった。大人しく机に座っていたはずの孟徳が、その机を倒したようだった。
だが、様子がおかしい。顔面蒼白で、手は拳を作って震えている。そして、何かに怯えているような表情であった。
子明が声をかけようとする前に、孟徳はそのまま教室を飛び出して何処かへ出て行ってしまった。一人だけの足音が、次第に遠のいていく。
元譲も、子明も、教室にいた他の人間達も、その普段からは想像できないような孟徳の態度に釘付けになってしんとしていた。
「……どうしたんだ、あいつ」
そう言いながら、元譲が頭の布を外した。
暫くして、再びドアが開いた。先程孟徳が出ていったドアではない。いつも公台が入ってくる前のドアだった。
そしていつも通り公台が入ってきた、と思ったら続いて伯符、その後ろに公瑾、仲康、文長と、朝から居なかった4人が入ってきた。
「……どうだったんだ?」
子龍が恐る恐るといった表情で聞いた。ひょっとしたら、今日で最後のお別れになるかも知れなかった。
最初に口を開いたのは伯符だった。本来なら、これは公台が言うべきセリフだったのだろう。
実際にそれを決定したのは彼女とその同僚達であったし、直接そうなるとも決まったわけではない。だが、彼女の口から喋りたくは無かったし、その理由もあった。
だから、ここで伯符がこう言ったのは適切だった。そして彼らに衝撃を与える事は、誰に言わせても同じだった。
「これから、戦争だ」
〜17時間目 戦場へ〜
怒涛の急展開。
説明は次回まで待って下さいお願いします(´・ω・)
>>273 >>274 レスありがとうございます。
見限ったsageをされた時は本気で止めようかとも考えてましたが、まだしぶとく生き残るようです。
>>278 釣りかもしれないと思いながら言おう。
もしこの話の続きが書けたら、そのネタを拝借してもよろしいですか?
おおおおすごい急展開!
出て行った孟徳が気になる。そして両目あるのに眼帯ww
続き楽しみにしてるよー
;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, や 公 帰 そ
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. っ 園. り ん
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, て の 道 な
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_| 来 ト に わ
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ た イ あ け
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| の. レ る で
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ だ に
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|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
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|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
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''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
魏延の肛門から信じられないほど大量の大便がひり出された。その量も臭いも凄まじく、
魏延自身も今まで経験したことの無いほどのものだった。そしてそれをすべて愛する
男の顔を便器にして排泄しているという事実が魏延の官能を暴走させていた。
「ふごごっ!!おごおおっ!うぶうううっ!むううっ、むはああっ!おぎょっぉぉっ!げはっ!
おむむむぅ・・・げほおおっ!ごほっ、げほっ!おごぐおっ、おむぅぅ・・・・っ!!」
その大量の大便は当然誇り高い五虎将の口内に収まる筈も無くほとんどが顔面を汚した後
すっかりぬるくなった湯船の中に落ちていく。先ほど黄忠の大便と魏延の大便とが
混ざり合った湯は奇妙な生暖かさを2匹の肌に感じさせていた。
黄忠「おおおぁぁぁーーーーーっ!!文長!!ワシのウンコッ、ウンコッ、汚いウンコ見てくれぇぇっ!!
すごいぞおおっ!ウンコでこんなにいい気もちになったの初めてじゃぁっ!もっと、もっとしたい、
ウンコしたいぞぉ!!おぬしのウンコ食べて、ワシ、ウンコ大好きになっちゃったぞおぉっ!
もう弓はいらないっ!これから、これから毎日ワシに文長のウンコ食べさせてくれええっ!ワシ、
文長のウンコたくさん食べて、もっと、もっとたくさんウンコするからあっ、おぬしの前でたくさん、
たくさんウンコしたいぞぉっ、好きじゃっ!文長…愛してるぞぉっ!!もう、もう、
絶対文長のことはなさないからなっ!!あああーーーーーっ!イク、イクぞッ、
文長ぉっ!ワシ、ウンコしながらイッてしまうぞぉっ!!ワシ、ワシ、あひいいぃぃーーーーーーーっ!!」
ビチビチビチビチビブビイイイィーーーッッ!!ブババッ!ブジャアッ!ブピピッ!
ぬりぬりぬりむりむりりりっ!!ぼちゃぼとぼとっ!ブビブビッ!
ずるずるずるるるるうぅぅーーーーっっ!!ブッボオオオッ!!
文長「ああっ、もうダメッ!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!!!
ムリムリイッッ!!ブチュブチュッッ、ミチミチミチィィッッ!!!
おおっ!ウンコッ!!ウッ、ウンッ、ウンコッッ!!!ウンコ見てぇっ ああっ、もう
ダメッ!!はうあああーーーーっっっ!!!
ブリイッ!ブボッ!ブリブリブリィィィィッッッッ!!!!
いやぁぁっ!わし、こんなにいっぱいウンチ出してるゥゥッ!
ぶびびびびびびびぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!ボトボトボトォォッッ!!!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!!!
ムリムリイッッ!!ブチュブチュッッ、ミチミチミチィィッッ!!!
おおっ!ウンコッ!!ウッ、ウンッ、ウンコッッ!!!ウンコ見てぇっ ああっ、もう
ダメッ!!はうあああーーーーっっっ!!!
ブリイッ!ブボッ!ブリブリブリィィィィッッッッ!!!!
いやぁぁっ!わし、こんなにいっぱいウンチ出してるゥゥッ!
ぶびびびびびびびぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!ボトボトボトォォッッ!!!
ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!!
ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!
ブババババババアアアアアアッッッッ!!!!
んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ! 」
290 :
鬼神:2006/10/04(水) 18:04:22
乙です。
これからが戦争ってどういう意味なんだ。
これからが気になる。
ローションヌリヌリしてニュルニュルになってマンマン見てチンチンおっきになってから
アーシェにチンチンをコキコキされてドピュドピュしたらカイカイになって泌尿器行って
恥ずかしくてムズムズしてたが薬ヌリヌリしてもらったら治ったのでワクワクドキドキしてまた
292 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/10/17(火) 20:58:19
「「「「「とうッ!!」」」」」
「「「「「曹魏戦隊、バカレンジャー!」」」」」
張遼「今日も元気だ!バカレーッド!!」
張郃「油断大敵!バカブラック!!」
徐晃「蛙飛び込むバカブルー!!」
于禁「食前食後に!バカイエロー!!」
楽進「みんな仲良し!バカピ」
続く!?
294 :
◆yI4PhQLufg :2006/10/25(水) 00:18:18
〜19時間目 blue sky was dead〜
洛陽から東へ行った所に、広宗と言う土地があった。城があり、畑があり、人がある。ただそれだけの普通の土地だった。
その土地へ向かって、幾多もの人間が歩いていた。甲冑を身に纏い、武器を手に持ち、隊列を崩すことなく歩いている。
その集団の中心には『漢』と書かれた旗が翻っていた。洛陽より出発した、3万人の官軍だった。
「よう、義真」
官軍の丁度中央を馬に乗って進んでいる槍を持った黒いモヒカンの男が、隣にいる馬と一緒に全身を甲冑に固めた素顔の見えない将軍に声をかけた。
「……これで25回目だ。だがあえて言おう。何の様だ、公偉?」
不機嫌そうな声で、後漢左中郎将・足利義真は隣に並ぶ後漢右中郎将・源公偉に言った。
「ただ呼んだだけ」
およそ25回繰り返されたこのやり取りを、公偉はまだ楽しんでいるようだった。そして義真は怒鳴りたい気持ちを抑えつつ、黙々と馬を進めていた。
暫く軍と共に進んでいると、先鋒がざわめき出した。かねてより斥候が報告していた敵が地平線の上に見えてきたらしい。
二人の将軍が指示を出すと、軍勢は一層緊張の度合いを高めた。資材が動かされ、布陣が始まる。
遠くに見える敵影は、およそ5万ほどだった。どれも頭に黄色い布を巻きつけている。最近巷を騒がす黄巾党と言う宗教の信者だった。
漢が滅び、民により新たな国が作られる。そんな根も葉もない噂を流した宗教が広まったのは最近の事だった。初めは誰もがただの詐欺師の新興宗教かと思っていたが、奇跡によって盲目の病を治したところから民衆の見方が変わった。
黄巾党の教祖、麻原張角は主に東部で活動し、病を治し、教えを広め、信者に黄色い布を渡す事によってその勢力を拡大していった。そして、信者が増えるごとに漢が滅びるという予言は、漢を滅ぼすという目標に変わっていった。
そしてある日、信者達は武器を手に取り街を襲い始めた。今まで宗教という事で国もうかつに手を出せなかったが、こうなれば立派な賊徒である。
ただちに地方の太守が軍勢を派遣した。しかし、相手は農民の集まりなのにどの軍勢も討伐する事は出来なかった。それどころが、軍が丸々信者になってしまい相手の力を更に増強させる事もあった。
見かねた皇帝が勅令を発し、官軍5万が討伐に向かった。地方の軍勢とは違う。この国最強の力の一辺である。
「布陣が完了いたしました!」
士官の一人が言った。義真は何も言わずに頷いた。相手もこちらの出方を伺って、陣を組んだまま動かない。敵は方陣を組んでいる。こちらは歩兵を先頭に楔の形に兵を並べていた。
両者の放つ軍の覇気が戦場を覆う。待機したままの兵士達の手を汗が伝っていった。
一瞬、賊徒側の左翼が飛び出そうとした。だが命令違反だったらしく、指揮官の指示ですぐに戻ろうとした。
「「行け」」
公偉の声と義真の声が重なった。それを聞いて、5万の兵が地響きを上げて敵陣へと殺到していった。敵も方陣を組んだまま前進する。ただ、先程の動きで左翼に僅かに乱れがあった。
楔の先頭が、敵の箱の一辺に刺さった。途端に、楔の後方にいた騎兵達が味方の両脇を回って背後に回ろうとする。気づいた敵の指揮官が、両翼に対処させようとする。
「そこだ、押せ!」
公偉が叫んだ。義真は既に先頭を歩いている。楔から鶴翼に変化した官軍の中央は、両脇に敵の注意がそれた瞬間に一気に押した。その先頭には、総大将の義真がいる。
鉄騎馬に乗った甲冑姿の義真は的になりやすい。二人の黄巾兵が飛び掛っていく。義真は動じずに、自らの背丈ほどある斧を高く掲げた。
振り下ろすと、黄巾兵の一人がひしゃげた。だが、反対側から来た黄巾兵が義真に剣を振り下ろした。
金属音。兵の持った剣が折れていた。甲冑には傷一つついていない。あんぐりと口を開けている兵士を、鉄騎馬が蹴り飛ばした。そして、何事も無かったかのようにまたゆっくりと前方に歩き出した。
その頃、左翼に回った騎兵は動きの乱れた部隊を突破し後方から攻撃を仕掛けた。少し遅れて右翼の兵も続いてくる。挟撃を受け、賊徒は壊走状態になった。
指揮官の頭に矢が刺さるのを公偉は後方から欠伸をしながら見ていた。
薄暗い。完全に暗くならないのは、入り口から差し込む光と、中央に置かれた祭壇の炎のお陰だ。
その炎の前に座って、一人の老人が瞑想していた。髪も髭もぼさぼさになっているが、まだ白くはなっていない。老人の前には杖が一本置かれていた。
その老人と祭壇の後ろには五百人ほどの信者が控えていた。頭には例外なく黄色い布を巻いている。
不意に、入り口の方が騒がしくなった。上半身裸で筋肉質の男が駆け込んできた。
「大兄ぃ!官軍が出てきたぞ!」
髭面の顔に黄色い布を巻いたその姿を見て、彼が張角の弟であり人公将軍とも呼ばれている麻原張梁と分かる者はまだ少ない。
弟の切羽詰った声を聞き、黄巾党教祖にして天公将軍、麻原張角は瞑想を止めゆっくりと立ち上がった。
「そうか……」
神々しさと胡散臭さを兼ね備えた声で、張角が言った。
そして、叫んだ。
「答えよ張梁!流派、太平道は!」
先程までの老いは何処かへ吹き飛び、妙な立ちポーズを決めている。
「當に立つべし!」
それに条件反射して、張梁が答えた。
「「とうっ!」」
二人が同時に高く飛び上がり、空中で突き出した右の拳を互いのそれに当てた。
「歳在甲子!」
「天下大吉!」
落下しながら拳を繰り出しあう。その拳は全て鏡の自分に殴りつけるかのように相手の拳と重なっていた。
そして、二人の足が地面にぶつかると同時に、重ねた拳はそのままに空いている手を頭の後方に持っていき決めポーズを取った。
「見よ!蒼天は、已に死んでいるぅぅぅっ!!」
同時に背後の祭壇の炎が爆発的に燃え上がったのは、信者の一人の粋な計らいだろう。
「張梁よ!」
「応!」
ポーズを取ったまま、二人が話し始める。回りの信者は見ているだけで疲れているようだった。
「同志達を信じよ!我らが黄天の子らが、悪しき蒼天の獣を打ち破ると!」
「応!」
「だから我らは耐えねばならぬ、我らに課せられた使命を全うするために!」
ようやく、張角がポーズを解いた。祭壇へと歩いていき、そこに置かれた杖を手に取った。
「天よ……我が祈りを聞き届けたまえェーッ!」
ひっくり返った声と共に、張角は杖を高く掲げた。
「……あにぃっ?!」
欠伸をし終わった公偉は、信じられないものを見た。頭に矢が刺さった指揮官の首を取ろうとした兵士が、逆に死体に首を取られたのである。
死体は頭に矢を刺したまま、馬を駆けさせ始めた。その先には義真がいる。更に体に矢が刺さるが、意に介した様子は全くなかった。
「ちくしょうめっ!」
毒づいて、公偉は馬を駆けさせた。しかし死体の方が辿り着くのが速い。義真が相変わらずゆっくりした動きで死体を迎撃する。横薙ぎに払った斧は、刺さった矢ごと首を飛ばした。
だが、それでも相手は止まらない。首無し死体の振り下ろした矢は鉄騎兵の鎧を打った。そんなものでやられる鉄騎兵では無いが、不気味だ。
「どおぉぉりゃあああぁぁぁぁっ!!」
追いついた公偉が、手に持った槍を死体の胸に突き刺した。刺さったままの槍を高く掲げる。死体はそれでもなおバタバタともがいていたが、やがて諦めたようにぐったりと動かなくなった。
「何だこいつは……」
「将軍!倒した賊共がっ……!」
感慨に耽る暇も無く、兵士の叫びが耳に入った。殺したはずの黄巾兵が、次々と起き上がってきている。常識では考えられない光景に、兵士達は怯え、浮き足立っていた。
「くそったれ……下がれ!一旦下がるぞ!」
刺さった死体を引き抜いて、公偉は馬を駆けさせながら撤退の合図を出した。兵士達が我先にと後方に向かって駆け出していく。殿は重装備のため駆ける事の出来ない義真だろう。
追撃を警戒しつつ、官軍は何百年ぶりかの敗走を味わっていた。
書くの遅くてとってもごめんなさいorz
>>286 伊達眼帯は浪漫です(ぇ
>>290 こういう意味です。
そしてこれが話とどう繋がるのかと聞かれればやっぱり次回を待って下さいとしか言いようg(ry
そして今気づいた事。
>>294は18時間目でした。申し訳ございません。
新作乙!
次回がますます楽しみだよ
;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, や 公 帰 そ
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. っ 園. り ん
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, て の 道 な
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_| 来 ト に わ
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ た イ あ け
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| の. レ る で
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ だ に
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ __.|_|_
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
|エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
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''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
304 :
鬼神:2006/10/30(月) 22:37:19
新作乙です。
なんか松●被告がでてますが気にしないで次回作楽しみに待ってます。
305 :
無名武将@お腹せっぷく:2006/10/31(火) 17:26:05
無双ネタは専用板でやれよ珍滓
〜20時間目 車椅子〜
洛陽高校は、厳密には洛陽の中にあるわけではない。洛陽を囲う城壁の一辺を遠くに見る事が出来るほどの場所に砦のような外観で存在している。
いや、砦のようなという比喩はおかしい。何故なら、そこは本当に砦だから。
神楽坂子龍はその洛陽高校から洛陽本城へ向かって歩いていた。道は一本真っ直ぐに本城に向かって通じている。
この道は学校恒例行事のマラソンのコースにもなっていた。道は高校に向かって緩やかな上り坂になっており、心臓破りの坂として生徒達には知られている。
下校時間なのに、生徒達の姿は余り見かけられない。当然だろう。東のほうで黄巾賊の反乱が始まり、緒戦で官軍が敗れたため洛陽は緊張状態になっている。
その為、生徒達は単独での下校を禁止されている。子龍も例外では無く、その後ろには彼の担任である公台・スプリングフィールドがいた。
子龍が溜息をつく。
「……ちょっと、さっきから何度溜息ついてるの?」
丁度高校と本城の中間地点で、十数回に及ぶ子龍の溜息を見かねて公台が声をかけてきた。
「関係ない……」
子龍は取り合わない。が、公台のほうには思い当たる節が一つあった。
「ひょっとして、校則第14条28項の事?
あれは入学する時にもちゃんと紙に書いて渡したんだから、今更悩んだって仕方ないでしょ」
洛陽高校校則・第14条28項
緊急時における生徒達の行動について
万が一洛陽が外部から襲撃されるような事があった場合、本校は洛陽本城を支援する砦として機能する。
そのような事態が想定された場合、少等部の生徒は登校を禁止させ、自宅待機とする。
中等部、高等部、大学部の生徒は武装した上で二人以上の集団で登校し、有事の際には本校に陣を構える官軍を手伝うものとする。
「あんな細かい字を読める人間がこの世にいるのか?」
目と目の間を押さえながら子龍がぼやく。生徒手帳にびっしりと書かれた校則の中に、また、入学する時に渡された膨大な書類の中に、その文章はこっそり紛れ込んでいた。
内容を簡単に説明すると、中等部より上の人間は戦争の時に軍の雑用係や兵士として学校に立て篭もらないといけないらしい。
子龍もその校則に従って、自前の槍を持って毎日学校と家の間を往復している。武器を持って片道一時間の道を往復するのは中々に堪えた。
「……そりゃあ、ねぇ。校則を作った人に聞きなさいよ」
ちなみに、この洛陽高校はもうすぐ創立400周年を迎える。400年前の人間は何を考えてこんな校則を作ったのだろうか。それは誰にも分からない。
話は長続きせず、子龍と公台はそれぞれの武器を持って黙々と歩いていた。
「……ん?」
ふと、公台が足を止めた。つられて子龍も立ち止まる。
辺りにはこれと言って気になるものは無いし、人といったら車椅子に乗った中年の男しかいなかった。
しかし、その中に何とも言えない嫌な空気が混じっているのに二人は気づいていた。辺りの空気が、張り詰めた糸のようになっている。
二人は何も言わずにお互いの武器を構えた。それに呼応するかのように、空気の質も変質する。お互いの姿が見えない睨み合いが続く。
中年が二人の間を通り過ぎたとき、張り続けていた糸が切られた。
左右の建物の影から黒い服を纏った男達が飛び出してきた。子龍の側に一人と、公台の側に二人。
「くっ!」
左側から突っ込んできた男の剣を子龍は槍の柄で受け止めた。押し負けられそうになるが、そこは耐えて力のせめぎ合いになる。
一方公台は、目にも留まらぬ速さで弓に矢をつがえると、それを右側から来た男の足に向けて放った。男の足の甲が矢で撃ち抜かれ、走っていた男は地面に転がった。
しかし、左側には男がもう一人いた。その男の持った剣が、公台の頭上に迫る。思わず、公台は眼を瞑った。
だが、男の剣は公台など意に介さずその頭上を通り過ぎた。剣の狙う相手は、二人の間を通った中年だった。
「えっ?!」
余りにも意外すぎる目標に、二人も驚いて動きを止めてしまう。男の剣は遮られるものも無く、中年の頭めがけて突き出される。
中年の頭を刃が貫こうとしたとき、突然中年の目つきが変わった。そして、中年の姿がその場から掻き消えたように見えた。
その素早い動きに反応できたのは子龍だけだった。車椅子ごと、中年は空に浮いていた。いや、地上から高く跳び上がっていた。
次の瞬間、中年は勢いよく自分に向けて剣を突き出してきた男の頭に着地した、と言うよりかは落下した。軽い老人の体と重い車椅子の下敷きになって、男は地面に叩き倒された。
不意に、子龍の腕に掛かる力が無くなった。先程から押し続けていた勢いで子龍の体が少し前に傾く。顔を上げると、もう三人目の男の姿はこちらに背を向けて遠ざかるものになっていた。
「あれ?」
後ろで公台の声がして振り向くと、子龍もその声と同様に驚いた。さっきまで男の頭の上に乗っていた中年が、まるで最初からいなかったかのように消えてしまっていた。
それが夢ではない事は、二人の足元で気絶している男が証明している。
何が何だか分からないまま、公台と子龍は呆然と立ち尽くしていた。
夕暮れの校舎と言うのは意外と不気味なものである。勿論、真夜中の校舎も怖いのだが、夕暮れと言うのはそんな霊のたぐいの怖さではなく、人間の怖さがある。
「ほぉー、また仰山と持ってきたじゃないの」
その校舎裏に、高等部の男が4人ほどいた。どれも人相の悪い連中で、中央にいる一人を囲んでいる。
その中でも特に不細工な男の手には、銅銭の入った袋が握られていた。
「それじゃあ、こいつはありがたくもらっていくぜぇ?」
「待て!」
立ち去ろうとする男達に、中央の少年は声をかけた。
「本当に祖父には手を出さないんだろうなっ!」
「……ぁ?」
銅銭を持った男が振り向くと、いきなり少年の腹を蹴り上げた。小さくて軽い少年の体は一瞬宙に浮いてそれから地面に倒れた。
「なんなんだその口の利き方は、えっ?!誰に物言ってんのか分かってんのかコラァ!
そういう時は『お願いです程遠志様、私のおじいちゃんを殺さないで下さい』って這いつくばるのが筋ってもんだろうが!
大体てめぇは普段から反吐が出るほど生意気なんだよ、宦官の孫の癖にっ!
血の繋がってないジジイの為に親から金を盗んでくるなんて頭がおかしいにも程があるんじゃねぇのか?!」
そんな事を喚きながら、程遠志は少年を蹴り続ける。
「お、おいちょっとやりすぎなんじゃないのか……?」
「うっるせぇ!俺のやり方に口を出すんじゃねぇ!」
周りの三人の男達も気の毒そうな顔をしながら止めようとするが、一度火のついた程遠志には聞こえていない。
思う存分蹴った後、ようやく程遠志は蹴るのを止めた。
「クソッ……気分が悪い、帰るぞっ!」
そうして、今度こそ男達は帰ろうとする。と、程遠志が振り返って念を押した。
「ああ……勿論、俺達がここにいるってことは誰にも喋るんじゃねぇぞ?」
地面に倒れている少年に唾をかけると、程遠志はようやく見えなくなった。
「………くそっ………」
痛む体を動かせず、孟徳は地面に倒れたまま。
泣いていた。
「あにぃ、今帰ったぞ」
薄暗い祭壇の中に、声が響いた。
「おお〜、張宝よ、一体今まで何処に行っておったのじゃ?」
「何、ちょっと散歩にな……」
弟を直々に出迎えた天公将軍・張角は杖を持ったまま張宝の側に駆け寄った。
「おお、小兄!出かけたっきり戻ってこないから官軍に襲われたかと思って心配してたぞ!」
祭壇に向かって左側の入り口から、地公将軍・張梁が入ってきた。
「ああ、襲われたが追い払ってやった。……それよりも、あにぃ」
「何じゃ?」
「探し物を見つけたぞ。……もう、待つ必要はない」
「そうか。……お主がどうしても待ってくれと言ったから待っていたが、もう大丈夫か。
よかったの、探し物が見つかって」
やや裏声掛かった声で張角が語る。そして、祭壇へと登っていった。
「張宝、張梁、今こそ我らが計画を実行に移そうぞ!悪しき蒼天を打ち破り、太平の世を築くために!」
「おおーっ!」
高らかに宣言した後、張角は杖を高く掲げた。
それに呼応して、筋肉質の男と車椅子の男も拳を振り上げた。
書く事自体はすぐに終わったんです…。
でも、ニュースでいじめ自殺が話題になり始めて……orz
>>302 >>304 ありがとうございます。
今回はちょっと辛めの話ですが。
313 :
鬼神:2006/11/23(木) 10:32:21
乙!
張宝強いですね。
姦雄カワイソス
孟徳カワイソス。・゚・(ノД`)・゚・。
315 :
鬼神:2006/11/24(金) 03:51:06
乙!
張宝強いですね。
姦雄カワイソス
〜21時間目 黄徒、襲来〜
雀の声がする。寝返りを打つと、太陽の光が瞼を透かして目に入ってきた。反対側に寝返りを打ち、更に布団を被って光を遮る。
「先生」
誰かが呼んでいるが、今はとにかく眠いので放っておく事にした。夢の続きを見たい。
「……先生!」
随分しつこい相手だ。ふと、その呼び方に疑問を覚えた。自分の事を先生と呼ぶのは生徒だけだ。しかし、ここは自分の家の中だ。
凄まじく嫌な予感がして、布団を被ったまま公台はもう一度寝返りを打った。
「……やっと起きましたか」
見慣れた庭の景色がある。その手前で、子龍が正座をしてすぐ目の前に座っていた。
公台は目を何度かしぱしぱさせる。数秒の間の後、ようやく目の前の事態が夢でないと言う事を理解できた。
「な、な、な、何でアンタが家にいるのよっ!」
「……待ち合わせの場所に何時まで経っても来ないからです。ちなみに、もう遅刻確定の時間ですよ」
「それ以前に何で人の家に勝手に上がってきてるの?!無神経にも程が……」
「先生のおじいさんが上がっても言いとおっしゃいました!だから起こしに来たんです!」
自分が寝坊している事を棚に上げて子龍をしかろうとするが、どれもこれもあっさり理由つきで論破されていく。
やがて、反論のネタがなくなると公台は大きく溜息をついて、何も言わなくなった。
「あの、先生……」
「何?」
「その……本当に先生ですか?」
「まあ、一応ね。……てか、何で分かったの?」
「それもおじいさんが教えてくれたんです」
どうも祖父は秘密というものを知らないらしい。何でもかんでもすぐに人に喋るその祖父の行いに、公台は頭を抱えた。
「……とりあえず、一旦出て行って」
「何でですか?」
「着替えるからに決まってるでしょう!早く出て行きなさい!」
子龍が言われた通りに出て行くと、公台は部屋の襖を閉めて呟いた。
「……秘密、ばれちゃったな……」
「子義。今日の授業は何だったかな?」
「本日の授業は数学・天文・兵法・儒教・体育・仙術です。
ただし、仙術は于吉先生が雨乞いの儀式をしているので自習です」
「また雨乞いか。もう洪水が起きるほど振ってるのにな」
子義と子明が校門から校舎に向かって歩いている。その後ろから孟徳も着いてきている。この三人は結構真面目な性格で、授業の始まる30分前にはこうして学校に到着していた。
校庭では運動部の生徒達が朝練を行っている。野球部のダブルエースの鳴滝兄弟がピッチング練習をしているのが遠くから見えた。
ふと、子明が後ろを振り返った。
「孟徳、どうした?朝からずっと腹押さえてるじゃないか」
「え?ああ、まあ……。腹具合が悪くてな」
「……大丈夫か?ひょっとして、朝にヨーグルトでも食べたのか?」
「別に、そういうわけじゃ……。まあ、気にするな」
言いながら、孟徳はサッカー部の方を見ていた。校内での評判は悪く、悪たれ4人組が今日もフィールドの隅で座ってサボっている。その部活には2-Aのクラスメイトはいなかった。
目を子明と子義の方に戻す。二人とは少し差が出来ていた。痛む腹を押さえながら、孟徳は小走りになりながら二人の後ろをついていった。
「奉先殿、おはようございます」
「ふん、文遠か」
校舎裏にある馬小屋で愛馬の手入れをしようとしていた文遠は、そこで奉先に出会った。後姿だけでは分かりづらいが、手入れしている馬を見れば奉先だと言う事はすぐに分かる。
声をかけられた奉先はいつも通り振り向きもせずぶっきらぼうに返事をした。それが彼なりの返事の仕方である事は、長い付き合いである文遠にはよく分かっていた。
奉先の隣に並んで、文遠も自分の馬の手入れを始めた。
「赤兎の調子はどうですか?」
「お前なら見れば分かるだろう。……無理に話の種を作ろうとするな」
ぶっきらぼうな口調に反して、赤兎へのブラッシングは優しいものである。そういう所に性格が出るものだと、文遠は知っていた。
暫くの間、朝の静かなブラッシングが続く。
「おい、文遠」
奉先が自分の馬の手入れを終えて教室に行くかと思いきや、文遠に声をかけてきた。
滅多にない向こうからの話に、何故か文遠の気持ちが引き締まった。
「……何ですか?」
「お前、武器はそれなのか?」
そう言って、奉先は壁に立てかけてある鉤鎌刀を目で指し示した。
「ええ。色々振ってみましたが、やはりこれが一番合っているようです」
「……ふん。どうせ雲長から押し売りされた物だろう」
文遠は言い返さない。つまり、図星である。
それを悟られる前に、文遠は素早く話題を差し替えた。
「奉先殿の武器は、やはりあの方天戟ですかな?」
「……方天『画』戟だ。間違えるな」
奉先の方天画戟は有名だった。今までこんな非常事態など一回も起こっていないのに時々彼はそれを学校に持ってきていた。
あれを持って馬に乗る姿は中々様になっている。馬術部の部員たちも真似して箒などを使って騎馬戦の真似事をしたものだった。
「はいやーっ!とりゃーっ!」
その中でも特に強かったのが外で槍を振り回している孟起だった。雄叫びを上げながら馬に乗って校庭を駆けている。
昔ははまだ今と違って地味で大人しかったような気がする。一体いつからあんな妙なキャラになってしまったのだろうか。
それを思い出そうとしたが、馬の手入れが終わってしまったので文遠は考えるのを止めた。
門の上の城壁で二人の青年が佇んでいた。その下の門を生徒達が次々とくぐり抜けていく。まだ遅刻期限までは余裕があるので生徒の姿はまばらだ。
青年のうちの背の高いほうは、やたら露出度の高い服を着て更に顔に微妙な化粧をしている。両手につけた鉤爪にも細かい装飾がなされていて、舞踊の衣装を思い出させる。
もう片方は小さい背を前かがみになって更に縮めており、着ている服もその辺りの獣から剥ぎ取ったのではないかと思ってしまうような粗雑な毛皮の服だった。顔には奇妙な模様が描かれた仮面を被っている。
そんな二人が朝日を浴びながら妙なポーズを取って校門の上にいる様子ははたから見なくても一種異様、いや、むしろ全力で異様な構図だった。
やがて、何処からとも無く吹奏楽部の演奏が聞こえ始めた。その音楽に合わせて二人が動き出した。あるときは激しく、またある時はゆっくりと独特のダンスを組み立てていく。
そしていよいよクライマックスとなった時、不意に演奏が止まった。同時に二人の踊りも止まる。
「……おや?」
踊っていた青年、儁乂と文長はほぼ同時にその異変に気づいた。朝の清々しい空気に何か妙なものが混じっている。
「……グルル……」
文長が地平線を睨みつけながら唸り声を上げた。まだ気配の元は見えない。城壁の下に広がる草原にいるのは馬を全力で駆けさせている一人の男だけだ。
気配は徐々に近づいてくる。それは感知しようと努力しなくても、むしろ感じたくなくても肌に纏わりついてくるものだった。
例えるならば、神秘と狂気を一緒くたに混ぜ合わせたようなものだった。
ふと、儁乂はこちらに向かっていた馬に乗っている人物に注目してみた。大きい耳で、すぐにそれが誰だか分かる。クラス委員長の玄徳だった。
顔まで見える距離に辿り着くと、玄徳は大声で叫んだ。
「こ、黄巾賊だぁ―――ッ!!」
その叫びが城内に届くのと、地平線上に黄色い布を頭に巻いた賊徒の群れが出現したのはほぼ同時だった。
2週間で書きあがるとかちょっと進歩しました自分(`・ω・´)
……ええ、ごめんなさい十分遅かったです(´・ω・`)
>>313 >>314 ごめんね。孟徳いじめてごめんね…。
322 :
鬼神:2006/12/02(土) 12:24:34
乙
孟起と同じ様なことをリアルにやっている俺っていったい・・・・
◆yI4PhQLufg氏も更新間隔が長くなってきたね・・・
324 :
名無し@取扱い地域・時代、自治で議論中:
汚奈良 汚奈良