佐 吉 の 日 記 二 之 巻

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211無名武将@お腹せっぷく
ジャーンジャーン
突如響き渡る金鼓に、「すわ、追いつかれしか」と、
徳川勢、たちまち浮き足立って、
ふと見れば、砂塵の彼方、黒鎧黒甲の雄々しき武者が、
「我こそは!我こそは!」と大音声に呼ばわりつつ迫り来る
「さあ、我が槍を受けられる者はおるか」
これなん馬場美濃守、甲州でも隋一という武人である
「応ッ!面白い、わが蜻蛉切をうけよ」
と、出ていく者あり、これは本多平八郎忠勝なる武者で、
長柄の扱いにかけては余人の追随を許さぬ使い手であった
「なんの、猪口才。おとなしく道をあけよ若造」
美濃守が鼻で笑うのを、平八郎かまわず打ちかかる
「やわか。通すべき」
閃々、刃と刃を舞わせ、二人は五十合ほども争ったが、
いっこう勝負はつかず、ここまで書いて筆者も飽きたのでもうやめます

一言坂に武田徳川両軍戦いし後に小杉左近なる小姓、落書して曰く、
家康に過ぎたるものは二つあり、唐のかしらに本多平八