大坂夏の陣 〜戦後処理@〜
豊臣家の滅亡により、大坂夏の陣は終結。激しい残党狩りが行われ、秀頼の子・国松は捕え
られて処刑された。
天下一の茶人にして数寄者・古田重然に国松を匿おうとした等の嫌疑がかかり、重然が息子
達と掘り違えて果てる等の事件はあったが…。ともあれ、ここに「元和偃武」が成ったので
ある。
秀忠「戦功第一は松平忠明(家康の外孫)ですな」
家康「うむ」
秀忠「忠明は活躍しましたからな。…しかし、大御所(家康)様」
家康「何かな?」
秀忠「日向守(水野勝成)の名が挙がっておりませんが」
家康「う〜む。勝成はな…」
勝成「敵は総崩れだ!城内に突入するぞ!」
兵達「おーっ!!」
勝成「これで戦国の世は終わる!敵の尻を掘りまくる最後の機会だ!よいな!!」
兵達「うおーっ!!」
勝成以下、皆、股槍をギンギンに勃てて猛然と突進を開始した。
大坂兵一「あ、あれ…。『鬼日向』じゃねぇか?」
大坂兵二「ど…どうする?」
大坂兵達には、奈良の戦いでの苦い記憶がある。まともに戦っても勝てる相手ではない。
大坂兵三「何弱気なことを言ってやがる!相手が鬼だろうが何だろうが、こっちが掘るしか
生きる道はねぇんだぞ!」
大坂兵四「そうだそうだ!それに、あれほどの猛者を掘れりゃ、仕官の道だって開けるかも
知れんではないか!!」
大坂兵一「そ…それもそうだな!行くぞみんな!!」
大坂兵二「一人じゃだめでも一斉にかかりゃ何とかなるわな!!」
大坂兵三「うぉりゃ〜っ!!」
大坂兵四「やぁ〜っ!!」
同時に四人の兵が勝成に襲い掛かった!!
大坂夏の陣 〜戦後処理A〜
大坂兵達「いかに鬼日向と言えども四人同時では敵うまい!」
勝成「ふふ…甘いな」
そう言うや、勝成自慢の漆黒の股槍が姿を現した。しかし、槍はそれ一本だけではなかった!
大坂兵達「な…何じゃあれは!?」
勝成「これぞ明智殿(明智光秀)伝来の朱槍!うぬら雑兵ごとき、股槍でなくとも逝かせてくれるわ!」
大坂兵達「そ…そんなもんで逝ってたまるか!やーっ!!」
勝成「喰らえっ!ふんっ!ふんっ!!」
(股槍)めりめりめりっ!!
(朱槍)ぐさっ!!
大坂兵一「アッー!!挿ってくるーっ!!」
大坂兵二「ぎゃあああっ!しっ尻があっ!? 」
勝成「ふんっ!ふんふんっ!!」
大坂兵一「アッ、アッー!!」
大坂兵二「せ、せめて股槍で掘られ・た…ぁんっ」
ドピュッ!ドピュッ!!瞬く間に二人の兵は精を放って息絶えた。勝成は、二本の槍を使って二人同時に逝かせたのである。
勝成「我が性技、思い知ったかっ!!」
大坂兵三「なっ…」
大坂兵四「ひるむなっ!やーっ!!」
勝成「おうっ!何人でもかかって来いっ!!」
大坂兵三「あんっ!!」
大坂兵四「逝くっ!!」
ドピュッ!ドピュッ!!
勝成「何じゃ何じゃ!この程度か!!」
大坂兵五「お…鬼じゃ!ほんまに鬼日向じゃ!!」
大坂夏の陣 〜戦後処理B〜
乱(交)戦であった。勝成の甲冑も槍も、敵兵の返り精で真っ白に染まったという。
―勝成は、父・忠重に勘当された後、十年以上にわたって西国各地を流浪していた(一時期、黒田
長政に仕えていた時期があるというのは先述のとおり)。虚無僧になったこともあるという。彼の
凄まじい性技は、あるいはこの時期に培われたのかも知れない―
勝成「水野藤十郎勝成、大坂城内一番乗りじゃーっ!!」
一番に股旗竿を立てたのは、水野隊であった。普通なら、戦功第一でもおかしくないところである。
家康「まったく。一軍の将自ら先頭に立って敵の尻を掘りまくるとは。まことに羨ましい…もとい
怪しからぬことである。勝成には確かに戦功はあるが、このような振る舞いをしていては評
価はできぬ」
秀忠「(秀頼の尻を掘れなかったことに相当ご立腹のようだな)しかしながら…勝成の戦功はまこと
に大きゅうございまする。それを全く無視するのもいかがなものかと」
家康「むぅ…。そなたの言う事にも一理ある。よし、こうしよう。勝成には、大和郡山六万石を与え
ることとする」
秀忠「大和郡山ですか?」
家康「石高倍増だぞ?おかしいか?」
秀忠「いや…その…」
大和郡山は、かつて大和大納言・豊臣秀長によって治められ、大いに栄えたところではあった。
しかし、先の戦いにより荒廃しており、大功を挙げた者を封じる所としては疑問符がつく。
勝成「う〜ん…(大坂兵の股鉄砲のために)イカ臭いなぁ」
秀忠は、ここは勝成を封じるには相応しくないと思ったのであろう。その四年後のことである。