1 :
徐行運転でGO!GO!:
徐晃さんは貧困の中、バイトで生計を立てて幼い弟妹を養う学生さん。
ちょっぴり怪しいナイスガイの友人、張遼さんや、
複雑な想いを寄せている孟達さんや関羽さん、呂布さんに囲まれて、
今日も今日とて艱難辛苦、阿鼻叫喚の学生生活。
やっとの思いで叶えられた、待ちに待っていた修学旅行も、
思わぬ暴徒の乱入で、急転直下のドタバタ劇。
でも、徐晃さんはこんなことに負けてはいられません。
皆んなの笑顔を守る為、頑張れ徐晃さん! ファイトっ!
前スレ
徐晃さんの生活
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1070725515/
―男性キャラ―
太郎・・・徐晃さんの弟。まだまだ幼く、甘えん坊。
曹操・・・徐晃さんのバイト先の店長。恋の話には目が無い。徐晃さんの弟妹の引き取り先を紹介したりとシブい人。
許チョ・・・徐晃さんの知り合い。餅突大会で登場する。おっとりした口調だが、かなりパワーがある。
餅突大会で徐晃さんと戦い勝利し、決勝へ昇るった。
典韋・・・餅突大会の決勝で許チョと対決した。甲乙つかないので、結局同時優勝という結果になった。
郭嘉・・・餅突大会で登場。徐晃さんの中学時代のクラスメートと同時に学校一の秀才。
徐晃さんを目下に呼ばわる。「餅突の重大な欠陥」を知っているが公開されることは無かった。一説は
>>275を参照のこと。
徐晃さんと同じバイト先のようだが、只今風邪を引いている。
董卓・・・徐晃さんの街の自治会長。餅突大会の主催者。
呉蘭・・・餅突大会で曹彰と戦いを交えた。一瞬で曹彰に大敗を喫した。
曹彰・・・餅突大会で呉蘭と戦った。徐晃さんと友人関係にある。呉蘭の右手を粉砕した。
華佗・・・餅突大会で登場。一応医者だが、とにかくぁゃιぃ。
諸葛瑾・・・徐晃さんたちの学校で飼われているロバ。可愛かったという説も。
孫堅・・・徐晃さんのクラスの副担任。スパルタではあるが甄姫先生とは少し違うよう。
各々の生徒に合った制裁を食らわすというユーモアさも持っている。
張勲&雷薄・・・袁術ばあさんが経営する八百屋の店員。忠実である。
陸積・・・「公紀」として登場。八百屋の蜜柑を2個万引きし、警察に連れて行かれるところを徐晃さんに助けてもらった。
子供。
何晏・・・スランプで詩ができないため薬に手を出す。徐晃さんが「運び屋」としてバイトした時の受取人。
徐晃さんのおかげでドラッグから手を引く。
荀ケ・・・かなりチビ。身体のどこかが悪いらしい。曹操店長となにか恩か前科か、関係がある。
なぜか曹操の事を丞相と呼び、慕っている。
―女性キャラ―
花子・・・徐晃さんの妹。太郎と同じく、まだまだ子供。
関羽・・・徐晃さんの元バイト仲間(帰省のため辞めたらしい)。徐晃さんに密かな好意を抱いている。
貂蝉・・・董卓の次女。餅突大会ではアナウンサーを務めた。おしとやかな性格。
呂布・・・董卓の長女。今年の餅突大会委員長。
貂蝉と正反対の性格で、明るく元気いっぱいでヤンチャ。たまに裏切ったりする。
徐晃さんに少しだけ好意を持っている。ラッキーナンバーは13。
張遼が徐晃さんに餅をあげたのは彼女の願いによるもの。料理の腕は一級品。
ゴールデンウィーク最終日に、徐晃さんに料理を作ってあげた。
祝融・・・「スーパー南蛮」の店員。ガラガラで徐晃さんにティッシュを渡す。
孟達・・・徐晃さんのクラスメイト。ハニーブラウンの髪はとても綺麗。
かなり毒舌で、徐晃さんの心をグサグサ刺しまくる。
しかし、徐晃さんと張遼の仲に亀裂が走った際、徐晃さんにアドバイスをするなど友人としての面もある。
甄姫・・・徐晃さんのクラスの超スパルタ系担任教師。
その魅力的な体から強烈な蹴りを食らわしたり、携帯している笛で殴ったりする。
袁術・・・徐晃さんのよく通う八百屋の店主。通称「袁術ばあさん」。
夏侯淵・・・クラス副委員長。夏侯惇の従妹。成績・器量・容姿においてパーフェクト!当然、男子からかなりモテる。
張コウのアタックに困りつつまんざらでもない様子。
―徐晃さんといつもの連れ―
徐晃・・・この物語の主人公。真面目だがちょっぴり不器用。くじ運も悪い。
かなりモテているが本人は気付いていない。
五年前に良心をなくし、現在、幼い弟と妹のためにコンビニのバイトをし生計を立てているが
決して裕福ではない。過去に14回バイトを首になっており運び屋もこなすなど、仕事経験は豊富。
餅突大会で華佗先生に両手を電動義手に変えてもらったことは黙殺されている。
なお、修学旅行の夜、恋バナをすることを張遼と密約している。
富士山を見逃してしまったことをひどく後悔している。
張遼・・・徐晃さんの親友。
かなり(・∀・)イイ!!人・・・なのだが煙草(マルボロ)を吸ったり、徐晃さんに危ないバイトを勧めたり・・・。
餅突大会では負けた徐晃さんにこっそり餅を与えた。
「スーパー南蛮」のガラガラで「水取り象さん」当て、徐晃さんにあげようとするが断られる。
それ以後、その人の良さゆえ「対等でいたい」との一方的な願いで徐晃さんと仲が決裂したかのように見えた。
徐晃さんの申し出でお互い腹を割り、自分の気持を伝え合い、最終的には一騎討ちをしたあと仲直りをする。
司馬懿・・・徐晃さんのクラスメート。口癖は「馬鹿めがっ!!」。
成績は学年TOPクラスだが常に異様な雰囲気を漂わせているので友達は少ない。
学ランに兜が熱いのか、常に羽扇を盛ってる。
今回の修学旅行では徐晃さんに対する、何か秘策があるようだ・・・。
夏侯惇・・・クラス委員長。従妹思いで、いつも夏侯淵のことを心配している。
夏侯淵に手を出せばそこに見えるは朱に染まった海。ものもらいで、左目に常に眼帯をつけている
張コウ・・・何事にも美学を求めるナルシスト。口癖は「美しい!!」。夏侯淵に恋心を抱いていて積極的にアタックしている。
>>1乙
俺の書いたヘタレ紹介を載せて頂けるとは・・・。
新スレ立て乙華麗
作者のみなさん期待してます。
がんばってください。
スレ立て&まとめ乙です
およそ古都の風情には似つかわしくない、『蒼天己死 黄天当立』の文字が墨で書き殴られた旗が掲げ
られたホテルの小ホール。
張角が吐くモンテクリストNo.2の紫煙が、すえた酒精の匂いと共に天井まで立ち込めていました。
「さすがによい呑みっぷりですね。さ、さ、張角殿、もう一杯如何ですか」
「いやいや、軍師殿、朝から斯くも酔い潰れていては、部下に示しがつきませぬ。お、とととと」
しきりに奨める諸葛亮さんの背後には、つき合わされた形で杯をちびちびと舐めている趙雲さんと、
幾つもの空になった新しいボジョレーの瓶が転がっています。
これで、三人の傍らにコンパニオンの婦女がはべっていれば、ここぞとばかりに羽目を外すオヤジの
忘年会の様相と大して違いはないでしょう。
もしくは、それをせぬことが彼らのテロリストとしての矜持なのかも知れません。
「何を申されますやら。大上は下之有るを知るのみ、と、かの老子も綴っています。張角殿が泰然と、
悠然と構えていらっしゃればこそ、配下の者たちは心の拠りどころを得るのでございます。さ、さ」
遊説家の如く強引に解釈をねじ曲げて自説を展開する諸葛亮さんの頬も、心なしか紅潮しています。
慣れぬ酒精に酩酊したか、策が存外に巧く進行して黄巾党を内部から侵蝕していることに昂揚したか。
「うむ。軍師殿の言は誠に要を得ておりますな。今回の計画が成功した暁には、そなたを正式に我が
幕僚に迎え入れようぞ」
「はははは、お気の早い。さ、さ、もう一献」
諸葛亮さんが張角のグラスにワインを注いでいると、間諜用の黒衣に全身を包んだ男が、ホールの扉
を開けて足早に近づいてきました。
「何用じゃ! 走るな! 埃が舞うわ!」
「ま、ま、頭ごなしに怒鳴りつけなさいますな。どうしました、周倉殿」
張角に形式ばった一礼を示すと、周倉さんはひたいの汗を拭うこともなく、腰をかがめて諸葛亮さん
に耳打ちを始めました。
呉実高の生徒が潜伏していたと思われるブロックで、かなりの構成員が連絡を絶ち始めていること。
辛うじて得られた情報を頼りに推測するところでは、どうやら、そこに江南高校、即ち魏高と蜀高の
生徒が数名づつ合流して、強靭な抵抗の戦線を張りつつあること。
「そうですか。ご苦労様でした」
快活な声と笑顔で周倉さんをねぎらう諸葛亮さんに、張角が尋ねました。
「如何しましたか、軍師殿」
「いやいや、何れの世にもはねっかえりはいるというもの。張角様の術から如何にしてか逃れた生徒
どもが見境なく暴れ出しているということ。ここは一つ、某が陣頭指揮を執って治めて参りましょう」
「おぉ、軍師殿御自ら参られると申されるか」
「腕力には限りがございますが、知力にはありませぬ。某が腕自慢の猪どもを翻弄して見せましょう。
趙雲さん、参りますよ。周倉殿は引き続いて監視を怠りなきよう」
周倉さんはきびすを返すと、足早に扉に向かいます。
関羽さんのメールアドレスとスリーサイズに誕生日まで教えられた周倉さんは、既に、諸葛亮さんの
忠実な走狗と化していました。
その時です。
周倉さんが取っ手を掴むよりも早く、扉が向こうから大きく開きました。
そこから現れたのは、乾き切らぬ血糊をぎらつかせた鉄製の丈を携えた、思わずたじろいで後ずさる
周倉さんの頭が腰ほどにも届かぬ大男。
そしてその背後には、銀縁の眼鏡を直しながら四五個のつぶてを容易くお手玉にして遊んでいる、対照
的なまでに小さい少女。
「おぉ、兀突骨に瓊英ではないか」
「イ、イクサノクウキガ、…ス、スルンダ」
「突然部屋から出てきたと思ったら、何を戯言を。あれらは、私が南蛮高と梁山泊学園から引き抜い
てきたつわものでしてな。その力量は、我が黄巾党でも一二を争うほど。只、扱い辛いのが珠に瑕で」
諸葛亮さんに説明する張角でしたが、最後だけはささやくような小声であったのが、例え首魁に対し
てでもはばかることを知らぬ気性であることを裏づけていました。
しかし、その裏を返せば、傍若無人な振る舞いに目をつぶってでも手中に入れておく必要があるだけ
の勇の持ち主だということです。
そっと視線を横に逸らすと、圧倒的な恐怖に、否、絶望的な畏怖に全身を凍りつかせる趙雲さんの姿
がありました。
蜀高随一の胆力を誇る武人が、刃を交わす以前に威風だけで気圧されてしまうとは。
「張さん、ごめんねー。兀ちゃんたら、チンチロリンで負けて機嫌悪いのよ。さ、続き続き。勝負の途
中で逃げ出すなんて、あんた、それでも男?」
「オマエニハ、…ケ、ケモノノニオイガ、シ、シナイ」
「うわっ、な、何をする!」
兀突骨は、見下ろしていた周倉さんの頭をやにわに掴むと、片腕で持ち上げました。
「…く、苦しい。止めてくれ!」
「オ、オマエノハ、…カ、カチクノニオイダ!」
ぬいぐるみでも扱うかの如く、周倉さんの首を支点にして幾度か振り回した後は、軽々と天井から吊
り下がったシャンデリアに投げつけました。
ガラスの砕け散る音にやや遅れて床に落ちた周倉さんは、頚椎を痛めたのか、脳震盪を起こしたのか、
目に余る外傷を負いながらぴくりとも動きません。
「もういい、もういい、兀突骨!」
たまらずに張梁と張宝が、早めのランチタイムとばかりに七面鳥のローストを一羽丸ごとで差し出すと、
兀突骨はその片足を引っ掴むや否やかぶりつきました。
呆気にとられる諸葛亮さんの耳に、強健な顎で骨ごと砕く咀嚼音だけが響いてきます。
この尋常ならぬ膂力を見せつけられれば、趙雲さんならずとも、最早立ち尽くす他に術はありません。
「兀突骨、丁度いい。それを喰い終わったら、腹ごなしに敵を見つけて片づけてこい! 場所は御前に
は判るんだろう」
「…リョ、リョウカイシタ」
「それよりさー、このメイド服、ぶかぶかなんだけど、これより小さいサイズはないの? 張さん」
「ある訳がないだろう! 相手に女学生がいたら、その制服でも奪ってくるんだな」
「けちー」
暴風が駆け抜けていったように、二人がホールを立ち去った後も身じろぎ一つできぬ諸葛亮さんの肩
を張角が叩きました。
「いやいや、御見苦しいところを。恐縮です、軍師殿。あの二人のレヴェルになると、我が妖術も容
易には通用せぬので」
「はははは。しかし、あれならば、如何な猛者とはいえども赤児の手をひねるようなもの。真に心強い
限りですな。相対するはねっかえりどもが憐れでなりませんよ」
空威張りなのでしょうか、張角のひたいには薄らと冷や汗が滲んでいます。
しかし、それは諸葛亮さんも同じことでした。
探った黄巾党の内情を手土産に、戦い続けている徐晃さんたちと合流する腹案も台無しになってしま
ったのです。
それに、あの化け物といたずらに血気に逸って戦えば、少なからぬ犠牲者が生まれてしまうことでし
ょう。
ハンカチーフで顔を拭いながら、人知れず溜め息を吐かずにはいられぬ諸葛亮さんでした。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん! 敵はとんでもない切り札を出してきたぞ! ファイト!
タイムアップまであと15時間30分!
このままだと、タイムアップよりも遥かに早く決着がついてしまいそうだったので、
ゴツトツコツとケイエイという強敵を出現させてみました。
機種依存文字を使ってるので、うまく出力されない方は済みません。
アンド、勝手に水滸伝中から人物を掘り起こしてきて済みません。
男ばかりの敵というのもむさ苦しい気がしましたので、
適当に、美少女だけど男以上に強い、というキャラを探していった結果です。
尚、ケイエイがメガネっ娘でメイド服という設定なのは、
筆者が『僕、専用』が好きだから、という訳ではありません。
知らない方は決して検索しないで下さい。それでは。
保守
しゅうほう
うきん
うきんの事、ちょっと前まで「かんきん」って読んでた。
午後零時。
三国のもののふが手を組んで一筋の雷霆と化すところ、焼き払われぬ者はなく、今やホテル別館は完全
に彼らに制圧されました。
「ふんっ。世に悪名を垂れ流すとはいえど、実態はこの通り、烏合の衆だったか」
「いたずらに功を焦るばかりの凡俗相手じゃ、高処の見物、と洒落込むにも趣がなかったやね。とと、
あぁあぁ、酒が切れちまいやがった」
「しかし、この我らの動きはとうに中枢に知れ渡っていましょうに、一人の増援すら派遣しないとは、
訝しいものを感じますよ」
後方でその手腕を発揮する機会を寸分も与えられず、少々憮然としている司馬懿さんとホウ統さんの
間に、陸遜さんが割って入りました。
「嵐の前の静けさ、だな。けっ!」
異口同音に呟いた張遼さんと甘寧さんが、悔しそうに顔を背け合います。
確かに、彼らが臨む本館との渡り廊下の向こうには、それと思しき人影も靴音もうかがえません。
しかし、最前まで先頭に立って白刃を振るって、精神と肉体の緊張を極限まで高めている二人には、
あちらから漂ってくる空気にすらも情報を読み取り得る第六感が働いているのでしょう。
「逸を避け、緩を衝く、よね。敵だってまんざら馬鹿じゃないわよ」
いささか崩れた髪を手櫛で整えながら、孟達さんが注意を促します。
戦が独りよがりの机上の論理で運ぶことなぞは古今の歴史上、一切ありません。
そして、敵を呑んでかかることと舐めてかかることの違いを知らぬ訳もない彼らは、改めて、次なる
戦いに備えて呼吸を整えていきます。
その時です。
『ググググ〜』
徐晃さんを除いた全員の視線が、前から後ろから徐晃さんのみぞおちに突き刺さります。
「あわわ、面目ござらん。拙者のお腹ときたら、こんな時に…」
「武士は喰わねど高楊枝、だぞ、徐晃」
「腹が減っては戦が出来ぬ、ともいいますね、夏侯惇さん」
夏侯惇の御小言を、張コウさんが素早くさえぎります。
よくよく顧みれば、昨晩の夕食から数えてまるまる十七時間、彼らは何も満足に口にしてはいない計
算になります。
カロリーの欠乏を気力で補うにも限界があるのは、太平洋戦争時における旧日本陸軍の局地戦の顛末
を引くまでもなく明らかです。
ここで、一旦皆の緊張をほぐす為にも、急がば回れでしっかりと栄養補給に時間を割くべきではない
か、とは冷静沈着な陸遜さんの意見です。
「同感ですな。こちらの内情を知れば、敵は陣を固めて持久戦の構えを採る可能性も捨てきれぬ」
「へっ、一人前に軍師のように語りやがって」
「あぁ、なんでこうなるかな…」
視線を挑発的にぶつけて火花を散らし合う張遼さんと甘寧さんの肩に手を置きながら、陸遜さんは
眉間に深い溝を刻んでいました。
呉高での日頃の苦労も知れようというものです。
「そ、それでは、さっそく調理室に直行でござる。どこでござったかな」
許チョさんがもたらしたホテル内部の情報が今ほど役に立ったことはなかったといえるかも知れません。
「これが、聖護院大根でござるか。丸くて、まるでかぶらでござるな。これが九条ねぎ、賀茂なす、珍しいものばかりでござるな」
勝手に冷蔵庫を開くのは気が退けるなぞといってはみたものの、いざ、初めて見る京野菜の数々を
手に取れば、無邪気にはしゃぐばかりの徐晃さんです。
それだけではありません。
日本料理人を志す者ならば決して避けては通れぬ街のそこは、魚ならばはも、明石の鯛、金沢のかじか、
そして、肉ならば松坂牛、飛騨牛、土佐の赤牛等々、山海の珍味が目白押しでした。
必然的に弟妹に御飯の支度をしているに過ぎぬ徐晃さんでも、興味を惹かれて然るべきところです。
「ちょっと徐晃くん、つまみ喰いしてるような暇があったら手伝ってよね」
「何と、拙者、そんなはしたない真似はしないでござるよ。…手伝うとは何でござるか」
「最近の男って、包丁も握ったことがないなんて。随分甘やかされて育ってるのね」
孟達さんと夏侯淵さんの指揮の下、調理室でチリ産エニグマメルローと天狗舞吟こうぶりを見つけた
二名を除いた男たちは、小宴会場を黙々と整頓にかかっています。
一騎当千のつわものといえど、家事に関しては一歩も二歩も女に譲るところがあるのでしょう。
「太郎と花子にも、こんな豪勢な御馳走を食べさせてやりたいでござるな」
思えば、弟妹を預けている荀イクさんも独り身でした。
本当をいえば、幼い子供の世話には、まだまだ女性の手が必要なのかも知れません。
「母親代わりになってくれる女性、でござるか」
「徐晃くん、何見てるの! 手が止まってるわよ」
「あわわ」
「お待たせしたでござる。関東風すき焼きと蟹鍋を用意したでござるよ」
「おぉっ、松茸の香りが堪らんなぁ」
「あ、眼鏡曇っちゃったー」
「暖冬とはいえ、やっぱりこの季節は鍋物に限りますよね」
「それじゃ、改めて乾杯!」
「ちょっと待ってくれ。飲んでいるのは若干二名に過ぎぬのだが」
「いただきまぁす。惇従兄、卵割って」
「承知だ。しかし、お前、卵も割れないようじゃ、嫁の貰い手がいないぞ」
「ふんっ。勝手にくっついてくる瘤にこそ難があろう」
「はははは。馬超殿、あまりがっつかずに、よく噛んで」
「松坂牛、この口中でふんわりととろけていく肉質、旨み。まさに精肉界の泰山というべきなり!」
「蟹鍋も食べてね。徐晃さん会心の作よ」
「男が作ったと聞かなけりゃ、もっと美味いだろうになぁ」
「ひ、酷いでござるよ、甘寧殿」
「カキハ、ニ、ニスギルト、…チヂンヂャウンダヨ」
「おっとっと、いけねぇ。この半生の触感を楽しめるのが鍋料理の醍醐味だな」
「煮え立てを頬張って酒で流し込む。邯鄲の夢の境地さね」
「ホウ統さん、働きもせずに野菜も食べなかったら高脂血症になりますよ。成人病予備軍ですよ」
「……次の先鋒は、決まりだな」
「ねーねー、ゴッちゃん、焼き豆腐すくってー」
「…リョ、リョウカイシタ」
「ところで、そこの見慣れぬ御二方はどちら様でござったかな」
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん! 敵はちょっと天然ボケが入っているぞ! ファイト!
タイムアップまであと14時間30分!
職人さんが来てくれるまで連投保守
今回は趣向を変えて全編パロで行ってみようかと。
−同時刻 京 国道1号線−
「「ごめんやす」
「ごめんやす」
和やかな朝の挨拶が、白い息とともに冬の寒空にこだまする。
石畳のお通りを歩む舞妓さん達が、今日も天女のような蟲惑的な微笑みをたたえて、東門をくぐりぬけていく。
穢れを知らない心身を包むのは、あでやかな着物。
着物の裾は乱さないよう、襟からうなじが覗かないよう、歩幅を揃え、しずしずと歩くのが大和撫子のたしなみ。
もちろん、おひねり欲しさに裾を捲り上げて観光客を追い掛け回すような、はしたない女性などいようはずもない。
日本国首都 京都。
〜平安の昔より栄えたこの古都は――(ドゴォッ!!)……っ!?……ぐふうっ……な……何をする、張飛。」
運転手をしていた大男の拳によって、膨らみかけの妄想を意識ごと刈り取られた助手席の男が抗議の声を上げます。
「玄徳の兄者、関羽の姉者からくすねた本なんぞ音読してねぇで、京都の道案内をちゃんとやってくれ!!」
「邪魔をするな張飛よ。
私は、この仮想日本が舞台の人気小説“天神さまがみてる”を読むことで、京の地理を学んでいるのだ。」
「仮想の京都じゃ意味がねぇじゃねぇか…………………………ったく、カーナビのスイッチでも入れるか。」
小説を読んでいた男の名は、劉備玄徳。蜀高の校長にして、実はマフィアのドン、裏社会の重鎮です。
男を殴りつけた車の運転手の名は、張飛。劉備の義兄弟にして、前科百犯・万年留年の蜀高生徒の少年です。
彼ら2人の乗った車は、百台を数える黒塗りのベンツを従え、今も京の大路を高速で走行している最中です。
その目的地である所の、徐晃さん達が黄巾党と名乗るテロリスト達と戦っている京の老舗旅館に向けて。
彼らの目的は、魏高や呉高、自校の生徒をテロリストから解放するという慈善行為などではありません。
テロリストが占拠する宿から徐晃さんを助けに向かった義理の妹、関羽さんを救出する事、それのみなのです。
−警察の設けた検問所 葭萌関−
テロリストによる旅館占領事件の発生以来、警察は野次馬の流入を恐れ、京の各地に検問所を置きました。
ここの検問所では、署長である福々しい顔をした制服の巨漢が、デスクを前に電話で部下と話をしています。
「何ですって。この緊急時に、何故か劉家の皇族が直々のご弔問ですって。それで、ご尊名は?」
「その通りです、劉墇益州署署長。ええと、中山靖王の後裔、劉備玄徳様、との事のです。」
「初めて聞くお名前ですが、相手は皇族。通すだけ通しておしまいなさい。事実確認は後で行います。」
あろう事か蜀ファミリーを、そのままスルーさせてしまわんとする益州署の警察官達。
皇族の名よりも、黒塗りのベンツから覗く自動小銃に怯えてしまったというのは彼らだけの秘密です。
しかし、やはり疑問を持ったのか、王累という一人の刑事が、署長に疑問を呈します。
「劉墇殿、このような武装集団に検問を通過させてはなりません。後で責任問題になりますぞ!?」
「毒を以って毒を制す。このわたくしの天才的なひらめきに誤りなどは無いはずです。」
「劉墇殿、警察が悪事に手を染めるなどなりません。是が非と仰せならば、この王累の屍を…」
「では、お黙りなさい。」(ターン)
王累 刑事 殉 職 !!
「全く、少しはわたくしの立場も考えて下さい。皆々様も頼みますよ。」
「アンタは責任とらねぇだろ。……ああ、またこのパターンか」(劉墇配下の心の声)
「ガハハハ。玄徳の兄者が本物の皇族の訳が無かろうが。バカ野郎どもめ。」
「いや張飛よ。私は本物の皇族なのだが。……まぁ良い。目的地についたぞ。」
このようにして、皇族と同姓である事を良い事に?劉張と蜀ファミリーの面々は警察の検問を難なく突破。
テロリストの占拠事件により厳戒態勢にある関をくぐり抜け、ついに目的地である宿へと辿り着いたのでした。
途中、彼らの知らない所で、尊い人命が失われましたが、そのような事とは関係なくお話は進みます。
前のレスとの兼ね合いで内容を改変せざるを得なくなりました。
ので、また後で書きます。
30 :
本日last:04/12/14 20:07:35
―警官隊が陣をはる駐車場へ至る道 宿の前―
宿を前にして、劉張の兄弟は、探し続けた関羽さんに追いついていました。
関羽さんは、急いで宿の前までやって来たは良い物の、警官隊に当然のように止められ、
実力行使で突破せんと彼らに乱暴を働き、取り囲まれ、押さえ込まれてしまった様でした。
そんな関羽さんを見て張飛さんが、劉備さんに一言。
「しかし、関羽の姉者もよぉ、ハーレーで突っ込めば警官隊なんざ簡単に抜けただろうに。」
「張飛。お前も乱暴な言動は慎め。衆目の中で人を轢けば、すぐに逮捕されるではないか。」
「そりゃごもっとも。やっぱり人は轢いちゃいけな――」
「一度やると決めたならば人目を避け、罪をかぶせる相手をも用意してから行うものだ。」
「……兄者、それは何か違うと思うぞ。」
いらつく張飛の暴言さんに、あくまで冷静に的確?に突っ込みを入れる劉備さん。
深夜だというのに、宿の前には、
マスコミと警官隊そしてどこからかやってきた野次馬の群れ、群れ、群れ。
“内閣の要請で派遣された特殊部隊”という触れ込みで警官に道を明けさせる一行ですが、
「南斗、北斗の、天気予報〜〜〜♪
僕の名前は南斗〜♪ ワシの名前は北斗〜♪」
カーTVからの天気予報が空しく車内に響き渡るばかりで、一向に車が進む気配は無いのでした。
「ええい、あそこに官憲の不当な暴力を受ける妹が居ると言うのに!
この人ごみは何とかならんのか!?」
「兄者。車を降りて歩いて行こうぜ。」
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん! 怖い人達と黄巾の戦いが始まっても頑張って! ファイト!
タイムアップまであと14時間25分!
ええと、コンナ感じで。次の方頑張ってください。
>30
GJ!!
南斗北斗ワロタ(・∀・)
再び過疎化?一応保守っとく
「何やら、外が騒がしくないか」
「そうでござるか。拙者が茶をすする音ではござらぬのか」
花より団子、とはよくいったもの。
彼ら若人には、枯れて侘び寂びをかもし出す街並みを散策するよりも、山海の珍味に舌鼓を打つこと
こそが、古都の風情を存分に堪能したといえるのかも知れません。
凶事の渦中にあるとはいっても、分刻みの日程と教師の先導という煩瑣な制約から解かれている今、
鍋料理とその締めの雑炊の余韻に忌憚なくあぐらを掻きながら浸れたのは、皮肉なことです。
孟達さんと夏侯淵さんが片づけに勤しんだ中、気を遣ったのか、甘寧さんと顔を合わせたくなかった
のか、窓辺に独り離れて紫煙をくゆらす張遼さんを残して、皆は熱い玉露で舌を休めました。
無論、彼らはいたずらに安楽にうつつを抜かしていたのではありません。
老子曰く、曲なれば即ち全し。まぐれば即ち直なり。また、つまだつ者は立たず、跨ぐ者は行かず。
困難な戦いを貫き通そうとする者たちに、それは必然として用意された時間なのでした。
「ボ、ボクハ…」
皆が輪になって畳の上に座していた中、おもむろに兀突骨さんが沈黙を破りました。
「…ボクハ、エ、エカキニナリタカッタンダ。デモ、コノセタケダト、ア、アトリエニイレテモラエ
ナクテ…。サッカニ、ナ、ナリタカッタンダ。デモ、コノアクリョクデ、ペ、ペンヲツブシチャウシ…」
「そうでござったか…。色々と苦労を重ねたのでござるな」
「将来に何の望みも持たぬ人間が多い中、あなたのような方が体格だけを理由に挫折を余儀なくされ
るとは…。哀しいことですよ」
「全くだ。世の中、代々の名家に生まれたってだけで、何の苦労も知らずに育つ阿呆が多いってのに」
「ちょっと待て。それは、一人の人間を特定して揶揄してはおらぬか」
さり気なく顔を背ける?統さんに、司馬懿さんが追及の視線を浴びせます。
それは、自身の恵まれた境遇や環境を、かえって負い目に感じているが故かも知れません。
「あたしはねー、モ○ニ○グ娘。のオーディションに落ちた後、どうしようかなーって」
「モー○ング娘。とは一体何でござるか」
「え、やだ、知らないの? 寒ー。あんたん家、テレビないんだ」
「今日びコスプレ気取ってる方が、よっぽど寒いんじゃない?」
刹那、瓊英さんと孟達さんの間に、目には見えない亀裂が、冷ややかな響きを立てて走りました。
「孟達殿、言葉に棘があるでござるよ」
「…鈍感男は引っ込んでな」
徐晃さんの呟きを夏侯惇さんが遮りました。
カシャッツ。
張遼さんが、御自慢の髭をさすりながらオイルライターを閉じました。
その硬い音に、一同が一斉に窓を振り返ります。
ガラス板の向こう、遥か上空には、双発のエンジンを搭載した特異な形状のヘリコプターが旋回して
いるのが見受けられました。
「まかり間違っても、警察の持ち物ではないな、あれは」
「なら、あれは。まさか…」
「……そんな莫迦な」
あり得ぬこととはいえません。
最高司令官の肩書きも併せ持つ首相であっても例外なく、人間は自分一個が持てる理性と感情、そして
見識を以てしか行動し果せぬもの。
あり得ぬ事態が生じた際、あり得ぬ決断を下さぬとは何人も保証し得ません。
なかんずく、現在日本を指揮するポストに身を置いているのは、かの袁紹。
「参りましたね。招かれざる第二の客、ですか」
傍らの双剣を握って立ち上がる陸遜さんに倣う周瑜さんがつけ加えました。
「そうだな。私たちの折角のメインイベントから観客が目を離すのは勘弁ならないな」
二人に口を差し挟むことなく、全員が銘々の腰物を掴んで立ち上がりました。
そして、兀突骨さんと瓊英さんは小宴会場の東へ、残る者たちは西へ歩き出します。
ある者は、刃に爪を当てて具合を確認しながら。
ある者は、両の拳を当てて音を鳴らしながら。
「…オナベ、オ、オイシカッタヨ」
「それはかたじけない」
「また囲む時があったら呼んでねー」
「今度は東京で、もんじゃ焼きパーティでもしましょうか」
もしくは二度と見ることのない、見ることのできないお互いの背中に語りかけます。
出会った場所が、時が違っていたら、彼らは如何なる関係を築けたのでしょうか。
しかし、運命の歯車の悪戯を呪う時間は、もう与えられません。
双方がきっかり十歩進んでから振り返って見合わせる眼は、猛禽のそれと同じ輝きを帯びていました。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん! 修羅の道に、振り返る時間はない! ファイト!
タイムアップまであと13時間15分!
ごはん食べたら続きを書く、かも。
GJ!
38 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/17 20:22:58
わろた。保守あげ
どんどんトンデモ系になっていくな。
40 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/17 23:47:42
GJ!GJ!
ageんなよ
その気になれば数レスで終わらせられるだろうが…。
このスレの黄金期は疾うの昔に終わっているのに…。
そう思うなら文章キボンヌ
前スレですっきりまとめて終わっとけば良スレだったのに
未練たらしく間延びしたネタで続けるから駄スレになんだよ。
あるスレの一生って知らないか?
----------------------再開-----------------------
でも気のせいかだんだんキモ萌えキャラが増えてるような希ガス
オナーニなネタばっかでmajikoiなキャラがいなくなったってこった
ここも【無双3の】諸葛亮と俺の関係 その2【設定で】スレみたいに議論になるのか・・・?
向こうのログ読めば議論する必要なんかないっしょ
キャラ乱立とかつまらんとか抱えてる問題点同じようなものばっかだし
とりあえず、冬が近いしageずにいこうや
欲を言えば無双に感化されすぎで、始めの頃の郭嘉さんとか中途半端なキャラを
出しにくくなったことだろうか?今のメンバーでも孟達さんがあきらかに浮いてるもんなあ
つか、前スレでも言われてたけどキャラ多すぎ、出し過ぎ。しかもキャラが立ってない。
関羽さんとのクリスマスネタとか、張遼さんとの喧嘩ネタとか
最初の頃のネタが秀逸すぎて、よけい最近のが・・・。
どうしてこのスレに惹かれたのか、初心に帰ってネタを見直すべきじゃないか?
だったらネタ書けよとかいうんだろーけどな、陸遜スレみたいに世界を壊さず、いっそ落として欲しかった。
まぁ俺みたいなのも現れるし、
盛り上り 色んな 厨と腐女子に ネタに文句付ける
最高潮 ネ申降臨 良スレ 普通 目を付けられる 馬鹿発生 糞スレ化 過疎化
┝━━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━┿━━━━━━┿━━━━━┿━━━━━┥
/)
( i )))
今ここ!
ってわけで馬鹿は消えます。他スレで既出だが、正直書く人ごとに力量の差が激しい。
ネタをあげれば職人ってわけじゃなく、良ネタをあげてこそ職人だと思う。
自己顕示欲を満たすため、自己満足のため、しかも面白くない、
そんな独りよがりの糞ネタならば、チラシの裏にでも書いてろ。
ってことになるわけだが、足掻くのも悪くないと思う、頑張れ。
ついでに職人になろうとしてる奴を応援したいなら、GJ!とかじゃなくて、
飴と鞭の具体的なコメントをすべきでは?叩くと荒らし扱いされるけどな。
でもって、叩かれたくらいでモチベーションの下がる奴は書かなくていいよ。
SS書きはすぐに代わりが出てくる。職人目指すなら叩かれてもへこたれずに立ち上がれよ!
何もかも終わった。
あの栄光の日々が懐かしい。
だって主人公のはずの徐晃さんがどんどん脇に追いやられてるんだもん
貧乏で地味だけど生真面目な徐晃さんカムバックプリーズ
つーか、徐晃さんの日常的であり非日常的な日常が楽しかった。
バイトしたり喧嘩したり、徐晃さん達武将が現代の日常生活を送るなんて
実際ありえないけど、そんなギャップがおもしろかったのに。
単なる戦闘もの見てもなー
かと言って、今更振り出しに戻るわけにも行くめぇよ。
とりあえず今のシナリオを完結させなきゃな。
前スレでも、餅つき編の迷走とか、修学旅行中に明らかに
徐晃さんの性格が変わっていたとか色々あった。
それでも、職人さんたちのおかげでその都度持ち直してきたと思う。
第2章が始まって100レスも行かないうちにだめぽ認定するのは
早すぎでは?
職人さんに対する55さんの意見、すごくいいことを言っているし
納得もするけれど、それでもSS書けない自分は、ネタ投下してくれる
だけで職人さんGJだと言いたい(こういう人もいる)。
黄巾編、始まったときはすごくどきどきしたし、徐晃さんたちが
立ち上がるシーンはまじに感動した。
これからでも遅くない。徐晃さんや、張遼さん、孟達さんたち
いつものメンバーの活躍(またはコケぶり)で黄巾編を無事に
終わらせてほしい。
61 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/20 18:46:27
良いとか駄目だとか論じても仕方無いような気がするけど…
伸びるスレは伸びるし、伸びないスレは伸びない
面白ければ見る、飽きたら見なくなる
2chてそんなもんでしょ
最近ネタが厨臭いって言うか腐女子臭いって言うか・・・
なんか臭うのは確かだと思われ
要はつまらんネタを投下するな、面白いネタを投下しろってことだろ?
駄ネタは、折角の数少ない良スレの質を下げるからな。
64 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/20 23:31:15
書き主の到来を待つか。
この分では最早しばらくの間書いていた面々は現れんだろ。
65 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/20 23:41:38
__
i<´ }\ , - 、
ヽ.._\./ .ンく r-兮、 __
∠`ヽ.! / ヾニEヲぐ ,ゝ-> さすがヨン様専用ゴッグだ
/_`シ'K-───‐-、l∠ イ 嫌韓厨に叩かれても
l´__,/l\、_ ̄0¨0)゙@Yヘ, -┤ 何ともないぜ
. l'___|⌒ヾ''ー==、ーr='イ i二|
/ .」 i /./7r‐く lー!
. f. ヽ‐i人.∠'< _i. l,.-ゝ.
トiヘヘ「ト〈 `X トレi7__|
〉ト:トハj`! i. / トー┤lルj,リ
/‐+----+‐l iー--i---ヾ'〃
. l_i____i__| |___i,__i_|
だからageるなと何度言えば、と小一時間!
67 :
無名武将@お腹せっぷく:04/12/21 03:34:37
まぁ、書き手のオナニーは許されないが、読み手のオナニーはし放題、やり逃げ放題、
おまけに、俺のザー汁栄養あっから残さず飲めよっつーこった。
日本の現在の消費社会そのものだな。この状況で書くバカは出てこないだろ。終了。
重要なのはオナニーかどうかではない。
そのオナニーを見て自分がオナニー出来るかどうか、だ。
おいおいおい!暫く見に来ない内にどうしたんだ、この騒ぎは!
書き手は神を目指して、頑張ろう!
自分にとって面白いからと言って、読み手にも面白いとは限らない。
ちょっとGJ!とついたからって、調子にのらない!
モニターの向こうには7人の敵だぞ!
スレの空気を嫁。変に馴れ合うな。
常に謙虚に精進すべし!徐晃さんのように!
・・・だからこそ、いい加減にではなく、
心の底からワロタと書かれた時の嬉しさがあるんだと思う。
どんなんだって、俺が最後はまるっと全部回収してやらぁ!
と、偉そうにかまして、この流れを断ち切らんと、
空気をカラケと読みながら、本編とは一切関係ないオナニーネタを投下するぞ(スルー可)
ちなみに、徐晃さんは劇中設定同様に、両親亡くして働いてます。
レス数数えてないけど、ごそっと頂きます。
「今回のロケが長期とはいえ、温泉付きと言うのはラッキーでござるな。」
「同感ですな。ま、温泉でもないとやってられんというのも本音ですが。」
脱衣所に響く徐晃さんの心底嬉しそうな声に相反して、
張遼さんは不満そうに、あちこちに出来た擦り傷に舌打ちをしました。
どれだけ武将として腕がたつとは言っても、人間です。
戦闘を繰り返せば、多少の傷は知らず知らずの内に負ってしまうもので、
脱衣所で服を脱ぐと、その下にはかなりの数の擦り傷青痣が。
「互いに風呂の湯が沁みそうでござるな。」
困ったように眉を下げて、お互い身体中に拵えた漢の勲章に肩を竦めました。
「しかし」
筍のように着込んでいた鎧やら衣服やらを、脱衣籠に次々と入れながら、
「このスレもついに第二弾とは・・・驚きでござる。」
徐晃さんは、少々感慨深げな表情を浮かべました。
「全く。ここまでの道程長いようで短いものでしたな。」
つられたように、張遼さんも穏やかな笑みをその頬に浮かべ、
乱暴に帽子を脱衣籠に放り込みます。
その拍子にパキっと無機質な音をたてた脱衣籠に、さらに苦い笑いを滲ませ、
「もっとも、振り返れば馬鹿騒ぎばかりでしたがね。」
「まぁ、そう言いなさるな。」
ははは、と苦笑しながら徐晃さんが浴場へのサッシを開けると
「記録更新!郭軍祭酒殿が一歩リードだ!」
相変わらずの馬鹿騒ぎが勃発していました。
白くたち込めた湯気が晴れると、その向こうでは、
「やるな郭嘉!」
「やっぱコツは背筋の反らし具合か!」
何故か、全員一列に湯船に背を向け、同一方向を向いて並び、
せっせと己の逸物を扱いていました。
徐晃さんは、自分は疲れすぎてついに幻覚を見るようになったのかと、
目を擦りました・・・が、目の前の光景が変わることはなく。
隣にいる張遼さんの苦笑いから、目の前の光景が現実であることを
否応も無く確認させられたのでした。
「い、一体何を・・・」
「見ての通り飛ばし合いだ!一番遠くまで飛ばした奴の優勝な。」
あらぬ方向に視線をやりながらの徐晃さんの問いに、
カラカラと笑って夏侯惇さんが即答しました。勿論、その手を休める事無く。
お、おかしいでござる。何かおかしいでござるよこの面々!!
徐晃さんは、自分の「常識」がピシリと音をたてたのを、どこか遠くで聞きました。
「ははは、張遼殿、一瞬で花畑に遊びに行けるとは実にラッキーでござるよ。」
この真面目な常識人である友人の口から飛び出そうとするエクトプラズムを押し戻しながら、
張遼さんは、毎度のことながら溜息を禁じえませんでした。
「む、二人は加わらんのか?」
列に加わる事無く、身体を流し始める二人に、計測係の司馬懿さんが声をかけました。
「いや、拙者は・・・遠慮しとくでござるよ・・・。」
明らかに動揺した作り笑いと冷や汗を流す徐晃さんと、
「右手を恋人にしたら女性が悲しみますのでな。」
いつも通りサラリとかわす張遼さんですが、
「ふっ・・・合肥の戦神も流石に自信がないと見える。」
見れば湯船に悠々と浸かる孫堅さんの姿。
張遼さんがピタリと動きを止めました。
かぽ――ん・・・
湯桶の響く音がいつもより長い余韻を残し、消え去った後、
しばし水音一つ許さない静けさが辺りを支配し―――・・・
「食い千切るぞゴルァ!」
気合と共に振り向いた張遼さんは、何故かバナナの着ぐるみを着ていました。
張文遠、期待を裏切らない漢である。
さて、皆の歓声を背後に、バッと景気よく着ぐるみを脱ぎ捨てた張遼さんは、
「さ、徐晃さん、貴殿も勿論参加しますな?」
「へ?」
突然振られたその言葉に、徐晃さんは思わず目が点。
「いやいやいや、拙者は・・・!!」
必死に首を横に振る血の気の引いたその慌てっぷりは、いっそ可哀相なほど。
そんな徐晃さんを、フッと張遼さんは肩の力を抜くように笑って、
子供に諭すように、しかしどこか武人の顔で、
「徐晃さん、確かに多少羞恥が付き纏うかもしれませんが、これは立派な戦ですぞ?」
ハッキリ言って、滅茶苦茶なことを言ってますが、
元来口下手な徐晃さんに、反論する隙などミジンコの爪先ほども与えません。
「武器を持ち領土を争う戦いのみが戦だと考えておられるのか?
仕事をするのも戦、勉学に励むのもまた戦、そしてこの戦いもまた戦なのですぞ!」
その力強い声に締めくくられた張遼さんの台詞に気圧されはすれど、
徐晃さんはそれでも首を縦には振れず、ただ口を真一文字に噤むのみ。
必死に抵抗を試みる徐晃さんに、張遼さんは一呼吸おき、
「無敗将軍と名高き徐晃さん」
見据えた目には強い光が燈っていました。
「真の武とは何ですかな?どんな闘いにも恐れずに身を投じることであろう?」
「し・・・真の武・・・。」
「そのような体たらくで、貴殿は武を極めると仰るつもりか?」
その抑揚を抑えた静かな声が、湯気に溶けて消え去る頃、
「せ、拙者は・・・拙者は・・・拙者もいざ参戦するでござる!」
浴場に歓声が上がりました。
後ろでニヤリとサムズアップする張遼さんと、
必死に笑いを堪えるギャラリーの姿があるとも知らず、
徐晃さんは「武を極めんがため」無駄に燃えていました。
しかし、意気込んで参戦したまではいいものの、
人前での慣れない行為に、なかなか思う通りにいきません。
第一、この状態で勃たすと言うことからして難しいものであり、
「お〜い、まだか〜」
「ぎゃはは、何だそのマジ面は。」
「うお!鼻血ならぬ目血が!」
飛び交う野次に集中力も削がれます。
参戦するのが遅かったとは言え、既にほとんどの者が吐き出した後で
「徐晃さん、貴殿と一騎討ちするのはこれで二度目ですな。」
「今度は負けぬでござるよ。」
内容はともかく、真剣そのもの。
何しろ男の股間・・・いや、沽券に関わる勝負といえなくもありませんから。
戦とあらば、全身全霊をもって全力で戦わねばなるまい。
それが、礼儀と言うものでござる。
顔を赤くして頑張る徐晃さんではありますが、手を加速させても、簡単にいけるものではなく
「もしや右手ばかりを相手にしてマンネリ気味ですかな?」
「張遼殿こそ煙草をメンソールに変え申したか?」
互いに野次ってみても、段々情けない気分になってくるのも事実で。
しかし、きっかけなんてものも簡単なもの。
「おい、女風呂想像しろよ、女風呂ー。」
鶴の一声とはまさに。
ああ、さらば、拙者の二億人の息子たちよ。
結局、優勝したのは
「伊達に委員長役をやっとらんぞ!」
エロ親父こと夏侯惇さんでした。
どうやら、噴き出すのが得意なのは目血だけではなかったようです。
自慢げに息子を隠しもせずに退場する夏侯惇さんをよそに、
徐晃さんは、息子たちを噴出すと共に鼻血も噴いて只今昏倒中。
一体どんな女風呂を想像したのやら。
「まぁ、真面目な人間ほどムッツリと言いますからなぁ。」
「せ、拙者は無実にござる!」
パタパタと団扇で扇ぐ張遼さんに、慌てて弁解しようと起き上がる徐晃さん。
しかし、
「ほほぅ、ではその鼻血は何故ですかな。」
言葉尻に疑問符をつけない張遼さんの問いに、徐晃さんは言葉を詰まらせ、
「そ、その、確かに、じょ、女性の風呂を、そそ想像したでござるが・・・別にそんな・・・」
徐々に小さくなる声に、張遼さんはプッと吹きだし、
起き上がった拍子に徐晃さんの額から落ちてしまった濡れタオルを拾い上げました。
徐晃さんのこの何とも形容しがたい微笑ましさに、口の端を上げずにはいられません。
タオルを濯がんと洗面台に向かった張遼さんの顔にも、きっと、
ニヤリとした笑みが浮かんでいることでしょう。
そして再び頭に血が上ったらしく、力尽きたように横になる徐晃さん。
張遼さんは洗面台の鏡越しに徐晃さんが横になったのを確認すると、タオルを濯ぎ始めました。
コックを捻り、勢いよく蛇口から流れ出す水。
その激しい水音に混ざりながら、
「・・・だが、馬鹿騒ぎも悪くないですな。」
張遼さんのいつもより小さめの声が、徐晃さんの耳に届きました。
「?」
散々馬鹿騒ぎを嫌そうにしていた張遼さんからの意外な台詞に、
徐晃さんは驚いて、濡れタオルを濯ぐ張遼さんの背を凝視します。
キッ
コックを捻る音と共に、一気に静かになる脱衣場。
「嫌なことを忘れていられる。」
静寂の中に落とされたその言葉に、徐晃さんは何とも言えない寂寥感を覚えました。
多少意地が悪そうに見える笑顔を絶やさず
誰かにちょっかいをかけては暇をつぶし、飄々とクールに、
繰り返される毎日を楽しんでいるように見える張遼さん。
劇中同様、親友であるはずなのに、感じるこの隔たりは何でしょう。
タオルは絞り終えたのに、背を向けたまま
こちらを見ようとしない張遼さんに、徐晃さんは不安を覚え、
「ちょ・・・」
声を掛けた途端、視界が暗く塞がれました。
ひんやりとした心地よさに、徐晃さんはすぐにタオルを押し付けられたと察しました。
タオルを上から手で押さえられているのか、視界を覆うタオルを退かすこともできず、
徐晃さんは大人しく目を瞑ったまま、落ちてくる張遼さんの声に耳を傾けました。
「少なくとも私にとってはそうですな。」
張遼さんの自嘲染みたその言葉に、
「・・・徐晃殿は、嗤いますか?」
タオルのせいで互いの顔は見えませんが、
その声色に溶け込んでいる感情に、徐晃さんは唇を噛み締め、
「いいや。」
振り絞るようにして、発された返事。
「決して笑いなど・・・致さぬでござる。」
そう返すだけで、精一杯でした。
瞼の裏に浮かぶその姿に。
決して口にするまいと決めていた想いが、口から零れそうで。
どうして、この親友はここぞと言うときに、いつもいつも。
染み渡る言葉に、遮られた視界に、
徐晃さんは、ふと、自分は両親が他界してから、
存分に泣いた記憶が無いことに気付きました。
幼い弟妹を抱え、毎日が忙しくて、自分には泣いてる暇なんてなくて、
勿論それが苦痛とは思っていません。
弟妹がいたお陰でどれだけ慰められて、
忙しさゆえに哀しみに浸ることなく、
ですが、
「うん、徐晃君も気をつけて行っといで。」
どうして、こんな時に限って、荀ケさんが劇中かけてくれた言葉を、
我が子にかけるような温かな言葉を思い出してしまうのでしょう。
何時の間にか、タオルに乗せられていた手は無くなっていましたが、
徐晃さんはタオルを退かすことなく。
ひっそりと静かに息を吐くと
「女々しいと笑うでござるか。」
「まさか。」
扇風機のモーター音だけがただ静かに。
すっかりぬるくなってしまったタオルを退かし、
長時間目を瞑っていたため、チカチカする目を擦りながら起き上がれば、
そこにあるのは、共に戦う親友の拳。
徐晃さんは、
「新スレでも共に真の武を極めましょうぞ。」
そう、差し出された拳に
「勿論でござる。」
カツンと拳をぶつけました。
>>69-80 スゴク(・∀・)イイ!!
オナニしてても徐晃さんらしさが失われてないってスゴイw
燃えた。
スマソ、笑いすぎて数日間リアクション取り損ねますたorz
全くあり得ない学生設定とかでなく、「おそらくは実際のあの人らなら
やりかねない」と思わせられる状況設定にどうしようもなくワロタww
正直、こんな三国武将らの日常の憶測が読みたいとオモタ・・・
正直、面白い。
自分もなんかいいもの思いついたらがんばるから、
職人さんたちがんばってくれ。応援してる。
本当に面白い。
後日・・・
“真の武”を追求するが為の壁をまた一つ乗り越え、一回り成長した徐晃さん
の元へ夏侯惇さんと郭嘉さんが訪れました。
清廉な隻眼の奥に潜むいつにも増して淫猥な光と、押しつけがましいほど説得
力に満ち溢れたいけ高ぶり。
徐晃さんの隣で談笑していた張遼さんは、2人のその不穏な姿を目にした瞬間
ふいに徐晃さんの身を案じて見やるのですが、
「これは夏侯惇殿に郭嘉殿、今日もいい天気でござるな!」
・・・人を疑う事を知らぬ徐晃さんの実に爽快な挨拶に、今は何も案じまいと
自嘲気味にそっと首を振りました。
「して、今日は何用でござるかな?」
友人を前に無垢な笑みを浮かべる徐晃さんの姿に、まるで大魚を釣り上げた
ような顔をしながら勢い良く1歩躙り寄る夏侯惇さんを片手で制しながら、
郭嘉さんは
「いや、、、“あの後”どうしているかと思いまして、な? いかんせん
(鼻)出血が酷かったものですから。」
と、淡々とさも心配じみた言葉を並べます。
−−−不覚の上に不覚を重ねた温泉ロケ。
その苦い思い出が徐晃さんの朗らかな精神を濁らせるのですが、郭嘉さんの
“一見己を案じてくれているようなその口調”に、
「えっ・・・?あっ、あぁ!おかげで何事もなく、いつも通りでござるよ?」
と、不覚を照れに変えながら恥ずかしそうにはにかむのです。
「そうか。なれば心配は無用ですな。」
「おう。しかしあれしきの事で鼻血卒倒とはなぁ・・・」
待ちわびたように口を開いた夏侯惇さんに、郭嘉さんがなにやら企みの
垣間見える目配せをしました。
瞬間、張遼さんは激しい危機感に襲われました。
『どうかその先だけは言ってくれるな!あの一言だけは言ってくれるな!』
と、強く念じたのも束の間、
「まだまだ“修行”が足りんと見える。」
夏侯惇さんは“修行”の2文字をやたらと強調し、隠しきれない挑発的な笑い
を零しました。
『しまった!』
張遼さんが向き直った時には既に時遅し。
そこには目の色を変えて己の未熟さにただひたすら憤怒し、全身を震わせる
徐晃さんが立ち竦んで居ました。
「しゅ、しゅ、しゅ、修行が足りんでござるかっ!?それ故の未熟さでござるかっ!?」
ぎりぎりと握りしめる両の拳から汗の滴を落としながら、独り悟りの旅へ出立
してしまった徐晃さんの姿を目にし、張遼さんは制しようもなくただ危機感を
抱えたまま押し黙ってしまうしかありません。
常日頃、修行に精進する事を身上とする徐晃さんにとって、“修行”の2文字
ほど煽動される言葉はなく、それが例え自分を陥れる策であろうと気付く筈もなく。
嗚呼、悲しきかな条件反射・・・。
「漢たるもの、あれしきの煩悩にまみれて卒倒しているようではまだまだ未熟としか言えんな?」
「・・・ですな。いかなる誘惑にも負けぬ精神を鍛える事こそ、真の修行と言えましょうな。」
会心の手応えに思わず零れる笑いを必死に堪え、いかにもそれらしい説得力を
持って力説する夏侯惇さんと郭嘉さんの言葉に、救いを求めるかの如く食い
入るように耳を傾ける徐晃さん。
「どどどどのように修行すれば己の不足を満たす事が出来るのでござろうかっ!?」
「・・・ま、俺らが直に修行させてやる事は無理だが、手伝ってやる事は出来なくもないが、な?」
「ですな。修行するのは徐晃さん次第ですから、私共はあくまで手を貸す適度しか出来ませんが。」
その親切心の奥に潜む企てを察する事が出来るほど、徐晃さんの心は荒んでいません。
「しっ、しからば徐公明!夏侯惇殿・郭嘉殿ご両名に生涯一度のお願いを申し上げる!」
修行に対する熱い想いを全身全霊で表す如く、もの凄い剣幕で深く頭を下げる徐晃さん。
「承った!」
と“大漁旗”を背景に浮かべ、得意満面に仁王立ちする夏侯惇さんと郭嘉さん。
『・・・徐晃さんにだけは、きっと見えていないのであろうな。』
あまりに対照的な双方の姿を見比べながら、張遼さんは絶望にも似たため息を漏らしました。
阻止。
「ならば善は急げ!だ。今から修行行くぞ!修行!」
二次会・三次会に誘う酔っぱらいの如く、夏侯惇さんは意気揚々と徐晃さんの腕を“修行”へと
半ば強引に引きずって行きます。
「えっ???いっ、今すぐでござるか???」
最早引きずられる状態だけが抵抗となっている徐晃さんに
「一日たりとて時を無駄にする者、真の悟りは開けず。そう思われませんかな?」
と、郭嘉さんは退路を封じ、もとい、諭します。
「無論!徐公明、時を無駄にする者にあらず!」
瞬間、夏侯惇さんに引きずられる腕を振り払い、胸を張り己の足で力強く歩み始めるのでした。
『この場に身を置きながら、最早流れは己が手の届かぬ所へ到達してしまったか。さらば、徐晃さん・・・。』
独り旅立ってしまった徐晃さんを諦め、せめて自分だけは“陥れる側”に加わることのないよう、
そんな己の非力さに自嘲ながら張遼さんはその場を後にしようと踵を返しました。
「おい張遼!おまえも当然付き合うよな!?」
「その戦振りを見届ける事こそ、真の心腹の友と思われますが、な?」
背を向けた途端、背後からさも怪しげな説得力を持った声を浴びせられ、一つ大きくため息を零して
「いや、徐晃さんには徐晃さんの戦があろう。私は健闘を祈りながら待たせて頂く事にする。」
と振り返りました。
「張遼殿っ!貴殿にこそ我が闘い振りをしかと見届けて頂きたい!!」
「・・・・・・。」
嗚呼徐晃さん、この状況下で何故に貴殿はそのような眼差しで私を見る?
貴殿は今いかなる状況に置かれているのか承知・・・いや、野暮だ、、、。
−−−ここは許昌。
夕暮れ時に意気込む足取りの男が三人・・・と、足取り重く同行する男が一人。
「こっこっこっ、このような場所に連れて来られるとは、きっ、聞いてないでござるよっ!?」
「えぇ、いかなる時・未知なる場所にも平静を保ち臨機応変に立ち回る事も修行の一つかと存じまして、
敢えて伏せさせて頂きました。より多くの修行の機会を得るためにも配慮したつもりですが?」
門の前で立ち渋り問答する徐晃さんと郭嘉さんを余所に、夏侯惇さんは一人意気揚々と“悪趣味な程に
彩り鮮やかな門”を潜り中へと入って行きました。
周知の事実だったとしても、今更呆れ返ったように大きくため息を付きながら2人の問答を門の内側
から見守る張遼さん、何故か妙に場慣れしています・・・。
「だだだだって、かっ、看板に“倫敦”と書いてござるよっ???」
「えぇ、倫敦ですね。“読み”の勉学の修行は順調なようで何よりです。」
「そっ!そんな事を申しているのではござらんっ!ろっ、倫敦って・・・」
「・・・倫敦って?」
「・・・その、、、よもや“愉快で楽しい倫敦”の事ではござらぬか?」
顔を耳まで真っ赤に染め上げ、道行く人目を憚りながら小声で伺う徐晃さんを余所に、
「その“愉快で楽しい倫敦”ですがなにか?」
と平然と何憚らぬ声音で返す郭嘉さん。
そこへトドメを刺すようなタイミングで、門の内から
「おいおまえら何やってんだ!早く入れ!4人受け付けたぞ!」
と、エロ笑い満面に叫ぶ夏侯惇さん。
「せっ、拙者はこのような所へ来れるお金は持ちあわせてござらんよ!」
必死に拒み、声を裏返しながらも苦し紛れで会心の言い訳を引き出せた筈だったのですが、
「気にすんな!温泉で敗者から巻き上げた、じゃねーや。“賞金”があるから金の事なら俺に任せとけ!」
と、夏侯惇さんは堂に入ったスポンサーっぷりで門の奥から誘います。
そうだ!こういう時こそ心腹の友に、と張遼さんに救いを目で求めるのですが、
見止めた時には既にその背中は門のさらに奥へ・・・。
「ちょっ、張遼殿っ!? 何故故憚ることなく入って行かれるっ!?」
「心腹の友に“我が闘い振りをしかと見届けて頂きたい!”と言われてしまえばこうするより他あるまい。」
振り返るその表情は微塵の動揺もなく、普段と何一つ変わりない面持ちである。
むしろ異様に場慣れしたその佇まいからは、通い慣れた感まで彷彿させる。
『張遼殿、おかしいでござるよ・・・。自分の知らない張遼殿になっているでござるよ・・・。』
万事休す。
郭嘉さんに腕を引かれながら門を潜る徐晃さんの口から「煩悩退散!!」の声がこだまする。
−−−ここは楼閣。
煌びやかな篝火に彩られた酒池肉林の街。
この手のカキコは初なんで、反応次第ではちゃんと引っ込みますから。_| ̄|○
あんまり閑散としてるからつい・・・
まず、真に申し訳ありませんでした。
誤解を招くネタを上げてしまいまして。
>>93 えぇ〜と、折角書いてくれたところにすまんが、
あの閑話はとにかく場を流すために投下したものであって、リレー用のネタじゃないんだわ。
本来なら、本編書くべきのところ、実は本当に暫くこのスレを離れてて、
夏過ぎからこっち本編未読になっちまって、そのため本編書けなかったんだ。
でも、荒れる前に(?)とりあえず何か投下!と思って没ネタを・・・。ごめんなさい。
閑話は小ネタで、読みきりってことで。
飽くまで本編をリレーしようぜ。
・・・と仕切ってごめん。そして偉そうにごめん。
さぁ皆!皆で徐晃さんを幸せにしようぜ!と電波飛ばして去ります。
>>94 自分は
>>69-80も
>>86-92も楽しめたし、そんなに堅苦しくせんでもいいんじゃないかな?
どのみち
>>92の先を続けたら下ネタ過ぎることになりそうだしw
閑話はここでオシマイということにしちゃえば無問題じゃん。
閑話の方が本筋っぽくて好きなのだがな。
ちょっと修学旅行が脱線しすぎてドタバタしてたのが
自分としてはちょっとなぁ、という感じだったので。
せっかく閑話でリセットできて良い流れだと思ってただけに
ちと残念だ。
閑話休題のほうがそもそもの徐晃さんの流れに近いね。
いっそテロは夢オチ(ry
>>94 ごめんよ、メール欄にはメール欄で返すのが筋かと思ったんだけど、
気付いて貰えんかったですか・・・
ワシも
>>96・
>>97氏と同じく、本筋よりも閑話の方に興味を示した人間だった
ので思わず食いついてしまったワケでw
もちろん本筋が続く分には、あれは書けないけど読ませて貰いますしー。
いやいや、メル欄もばっちりチェック済みですがな。
先に言っとく。言葉足らずで気ぃ悪くさせたらごめんなさい。
閑話休題楽しんで頂けたらしいのはありがたいが、
何つーか、閑話ってのは、つまみみたいなものであって欲しいんじゃよ。
本編では、ある程度徐晃さん達の性格とか決まってるじゃろ?
だから、閑話と言う名の下、誰でも自由に自分の徐晃さんを動かせたらいいなと思って。
つまり、書き手の息抜き。このスレ妙に気ぃ遣いやさんが多いしな。
閑話をリレー化すると、閑話はこんな感じで書かなきゃいけないんだー
って思う人も出てくるだろうし、無意識のうちに、自由に身動きとりにくくなるべ。
それを避けたいんだ。
>>97殿が「閑話休題のほうがそもそもの徐晃さんの流れに近い」
と思ったのは、恐らく、俺が以前最初の方で書いてたからそう思うんだと思う。
でも、昔も今も本編の徐晃さんが本家本元の徐晃さんだ、愛してやってくれ。
それに、黄巾編を楽しみにしている人もおるじゃろて。
何より、本編尻切れトンボは性に合わん・・・って前科持ちの俺が言えた義理じゃないが。
というわけで、明日か明後日にでも前スレ読んでくら。
とにかくこのスレに対しては懺悔したいこといっぱいだ。とりあえず長文レスすまん。
それは身を切るように肌寒いある日のこと。
手をすり合わせ、白い息を吐きながら、
徐晃さんと、張遼さんが公園に屯していました。
その時、突然張遼さんが、空の彼方を指差し、
「あ!未確認飛行物体!」
「え!どれでござる!?」
徐晃さんが慌てて、その指差した方向に目を走らせます。
「ど、どこでござるか?張遼殿?」
はめられたと露知らず、UFOをなおも探し続ける徐晃さん。
そんな徐晃さんを尻目に、
「100ゲット」
張遼さんは、ニヤリと100を手にしていました。
>>99 ちょっと訂正。
誰でも自由にそれぞれ独自の徐晃さんのイメージでもって
動かせたらいいなと思って
隊長さんでしたか。
お疲れ様です
>>99 イチヨー閑話から繋げる必要は皆無なネタだと思ったんですが、個人的には
ようやく面白くなってきたと思ったんでね。
便乗しるように勝手に閑話繋げちゃってスンマソン。
せっかくレスってくれたんですが、なんかいろいろ事情がマンドクセーっぽいし、
本編ならワシには手の施しようが無い=スレ違いなんでスルーしていいっすか?w
GJとかつまらんとかすら書いてもそれはそれでマンドクセー事になりそげなんで、
ROMの人まで戻ります( ゚∀゚)ノシ
まあだったら黄巾編は黄巾で面白かったからうまく丸め込んでもらいたいのだが。
今さらこの流れで黄巾編書けるとでも思ってんのか糞野郎
昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の敵。
午後の明るい陽射しと相容れぬ、その冷たい殺気を含んだ空気の中、
徐晃さん達は、先程共に鍋を囲んだ相手と対峙していました。
「先鋒は?」
向こうは二人、こちらは多勢。
人質救出のため、自らの命のため、必ず勝たねばならない勝負とは言え、
全員でかかるのはスポーツマン精神に欠けるというものです。
夏侯惇さんの声に、グッと下っ腹に力を入れ、
「拙者が・・・、」
「へへっ俺しかいねぇだろー。」
一歩踏み出そうとした徐晃さんの肩を押さえたのは、見事な刺青の施された腕。
妙に気の抜けて気楽な風に聞こえる声とは裏腹に
「俺ぁ若いから我慢がきかねーんだよ。」
地顔なのか自信の現れなのか、
甘寧さんの好戦的な態度は相手を挑発するには充分でした。
後ろで陸遜さんが、また甘寧さんの悪い癖が・・・とでも言いたげに
眉根を寄せていましたが、こればかりはどうしようもありません。
季節は初夏、ホテルの中は強すぎるくらい冷房が効いています。
甘寧さんは、大雑把は足運びで前に進み出ると、
乾燥した唇を舌なめずりし、二人に向けて大振りの刀を突きつけました。
「ちっこいのでも、でかいのからでも、二人まとめてでもいーぜ。」
途端、スッと二人の顔から血の気が引きました。
わざと相手の痛みを抉るそのやり方。
一時の友情に似た感情を無理矢理捨てさせるその行為。
憎まなければ本気で殺し合いなんて出来ない、と。
徐晃さんは、振り返ることの無い甘寧さんの背中を見守りながら、
憤りを覚えずには入られませんでした。世の理不尽さに、不条理さに。
やり場の無い怒りはそのまま武器を持った右手へと流れ込み、
人の命を奪いもし、救いもする道具を、強く、強く握らせたのでした。
しかし、そんな緊張を食い破り、兀突骨さんがおもむろに武器を構えました。
陽射しに混じって、窓の外からキラリと何かに反射した光が
全員の目を射たのと同時でした。
甘寧さんも兀突骨さんも、どちらもかなり立派な体躯をしているのに、
それにも関わらず、音も無く床を蹴る動作。
影のような静けさでありながら、見る者に静とは程遠い印象を
植えつける激しいまでの熱。
周囲を圧倒する濃密な殺気を孕んだ、そんな闘いに相応しい場で、
まさに刃と刃が火花を散らせようとしたその瞬間、
凄まじい爆音が、場を呑み込んでいきました。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと13時間00分!
辺り一帯が白く煙る中、目を凝らせば、無残に破壊された回廊。
元の秀麗な壁はどこへやら、鉄筋があちらこちらで剥き出しになり、
屋根部分は吹き飛び、吹き曝しになっています。
大量の瓦礫の破片にまみれて、そこかしこに皆が倒れ伏す光景の中、
わずかに残った朱色の絨毯が、爆発の酷さを鮮やかに目に焼き付けさせました。
徐晃さんが、降りかかった破片をぎこちない動作で払い落としながら身を起こせば、
「何事でござる?」
バラバラバラバラ・・・
上空で爆音と埃を巻き上げるヘリの姿が待ち構えていました。
恐らく、誰の頭にも「救助」の二文字が思い浮かんだことでしょう。
しかし、どうしたことか、ヘリは一向に高度を下げもせず、人が降りて来ることも無く、
やがて、大きく旋回したかと思ったら、まるで役目は済んだとばかりに
引き返して行ってしまうではありませんか。
確かに、型からしても救助用のヘリとは到底思えませんでしたが、
「おい!どうなってんだ!」
同じく瓦礫の中から起き上がった夏侯惇さんの怒鳴り声が辺りに木霊しました。
「何たることか・・・!」
それが瓦礫の下から這いずり出てきた司馬懿さんの第一声でした。
全員不意打ちの爆風に吹き飛ばされたにも関わらず、
幸いにも大きな怪我人が一人も出なかったのは、悪運が強いと言うか何と言うか・・・。
頬についた小さな掠り傷を擦りながら、徐晃さんは安堵しました。
しかし、よくよく見れば、隅に隠れて大きな背を丸めて蹲る甘寧さんの姿が。
「甘寧殿!いかがされた!」
徐晃さんが血相を変え走り寄れば、
陸遜さんが、心配には及ばないとばかりに肩を竦めて見せました。
ですが、苦しんでいるその様子を放っておける徐晃さんではありません。
思えば、甘寧さんは爆発の瞬間、我々の最前に位置しており、
一番被害を受けた可能性が高いのです。
青褪めた顔の甘寧さんに声をかければ、
「・・・。」
微かに動いた唇からは声にならない呻きが漏れ出ているようでした。
これは尋常では無いと、徐晃さんは、うつ伏せで丸くなる甘寧さんに
傷を見せるように促しますが、
「き・・う・・・・だよ!」
何か怒ったように甘寧さんは抵抗します。
「何でござるか!?」
「だ・・・き・・・い・・・って!!」
「何と?もう少し大きい声でお頼み申す!」
爆音で耳をやられたせいか、互いに声を拾いにくく、
噛みあわない押し問答が、徐々に大きくなっていきます。
繰り返される何度目かの問いに、ついにプチッと何かが切れた音と共に
「だから!瓦礫で金玉打っちまって痛ぇんだよ!!」
その言葉に辺りは水を打ったように静まり返りました。
しかし、
「ああ、なるほど、然様でござるか。」
その静けさを破ったのは、意外や意外、徐晃さんでした。
徐晃さんのあっさりとした意外な返答に、肩透かしを喰らい、
甘寧さんをはじめ皆ポカンとしました。
正直、気まずそうに顔を蒼くするかとばかり思ったのです。
されどふたを開けてみれば、
「ははは、拙者も弟とプロレスしたりすると、よく同じ手で悶絶するでござるよ。」
幼い弟を持つと大変でござる、と笑っているではありませんか。
意外な展開に、もはやどう切り返せばいいか分からない状況で、
そっと甘寧さんに近づいた張遼さんが
「しっかりなされよ、矢で射抜かれるのに比べれば、まだ傷は浅いですぞ。」
ポンポンと甘寧さんの腰を叩き、
「・・・張遼。」
―――嗚呼、麗しきかな。
反目する二人の間に妙な友情が芽生えたのでした。
しかし、そんな感動のシーンもつかの間、
バラバラバラ・・・と、再びヘリの音が近づいてくるのが聞こえました。
「今度こそ、救助か?」
遠目にも、その姿を確認でき、一同、ホッと息をついたところで、
「馬鹿めが!全員さっさと館内に引き返せ!」
司馬懿さんの眉毛に火が着かんばかりの声が飛びました。
「どうした司馬懿、頭でも打ったか?」
「この馬鹿めが!黙って従え!」
「お、落ち着いてくだされ!」
表面は冷静を装っていても、爆発と言う異常事態に直面した直後、
すぐさま動揺が揺り返します。ましてや集団なら尚更です。
その剣幕のただならなさに、軍師として直感が働いたのか
「あっしはよくわからんがね、今はそうした方がよござんしょ。」
龐統さんの賛同に、戻るか否か、集団の動揺は更に広がります。
徐晃さんは、怒鳴る司馬懿さんをなだめながら、
自分自身の心を不安と動揺が浸していくのを感じ、
「とりあえず、一旦ここは退きましょう。」
張遼さんの冷静な声音をありがたく思いました。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと12時間30分!
さて、ところ変わって、こちらホテル前。
関羽さんは、友人の危機に駆けつけたはいいものの、
警察やら機動隊が、がっちり固めているせいで、中に入りたくても入れません。
確かに勝手に一般人に動かれては、問題を複雑にしかねませんし、
より最悪の事態を招く危険性も充分に有り得るのです。
それに、自分一人が飛び込んだところで何が出来ると言うのでしょう。
頭では分かっているのです。
ですが、どうしても感情がついて来ず、関羽さんは歯噛みしました。
その時です。
ドンと言う音が耳を打ったかと思ったら、青く晴れ渡った空に黒々と線を引く煙。
その限りなく黒に近い灰色の煙に、関羽さんは息を呑みました。
遠巻きにホテルを囲むマスコミも俄かに色めき立ちます。
テロリストの仕業なのか、機動隊の突入が行われたのか、
それとも思い掛けない不測の事態が起こったのか。
届く情報は余りにも少なく、泣きそうになりました。
嫌な想像ばかりが頭にめぐり、関羽さんはホテルから視線を逸らしました。
その逸らした視線の先にも、勿論警察官の姿が映りこみます。
これだけ大きな事件です。
十重二十重に警察はホテルを取り囲み、
至る所にその姿を見受けられるのは当たり前ですが、
関羽さんは、ふと一人の警官に違和感を覚えました。
とりたてて何処がおかしいと言う訳ではありません。
強いて言えば背が低いことぐらいで、気のせいかとも思いました。
しかし警察隊の包囲の前に、中に入ることを許されない関羽さんは、
藁にもすがる思いで、その自分の勘を信じることにしました。
こっそりと様子を伺っていると、やおら、その警官は
するりと極々自然な動きで警察の群れから離れていくではありませんか。
関羽さんが適度に距離を保ちつつ、その跡をつければ、
人目もまばらになった辺りで、突如カツンと靴音も高らかに
その警察官は立ち止まりました。
「・・・何?」
警官から発された声の幼さに、
関羽さんは自分の勘が外れていなかったことを確信しました。
「貴女こそ何者?警察じゃないでしょ?」
単刀直入な発言に、その小柄な警察官は、ニッと笑って
「やばぁ、わかっちゃった?」
と、目深に被っていた帽子を押し上げました。
現れたのは声に違えることない、少女の顔。
「大勢の警官相手では突破するのは難しいけど、
一人をのして、その服を奪って化ければ潜り込むのも簡単よ。」
「・・・見てたの?」
決まりの悪さに、関羽さんはしかめっ面をしましたが、
そのような心の機微に疎いのか、似非警官は言葉を濁す片鱗さえ見せず、
「うん、ハーレーで飛び込んで来た時から一部始終ばっちり。」
中に潜り込む足掛かりにはなりそうですが、
心底この娘と仲良くなるのは難しいそうだと、関羽さんは小さく溜息をつきました。
やがて数分後、似非警官に成りすました関羽さんと少女が、
警官隊の網を掻い潜って、ホテルの裏口をこじ開ける姿がありました。
建てつけの悪いドアを軋ませ、関羽さんは思い出したように少女に問い掛けました。
「そう言えば貴女名前は?」
「呂布よ。」
そう言って、少女は歳相応の笑みを見せました。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、侵入組!ファイト! タイムアップまであと12時間30分!
あれから、暫し時を経て、徐晃さん達の姿は再び、
鍋を食べた厨房近くの一室にありました。
「さて、納得する説明してもらおうか、司馬懿。」
「まだ分からんのか、馬鹿めが。」
「仲間割れは美しくありませんよ、お二方。」
青筋をたてた夏侯惇さんと司馬懿さんの睨み合いに張郃さんが割って入り、
徐晃さんは黙ってその様子を眺めていました。
司馬懿さんが、救助かも知れない、少なくとも味方と思われるヘリを目の前にして、
何故、撤退を叫んだのか、徐晃さんには分かりません。
ですが、それは、恐らく間違いではないと直感がそう伝えていました。
徐晃さんは、軍略は余り得意ではありません。
戦い方は身体で覚えるタイプなのです。
その身体が、経験が、何か言葉に出来ない不安を訴えており、
徐晃さんは、もどかしさに黙らざるを得ませんでした。
しかし、その合間にも、ますます二人の雰囲気は険悪になり、
「貴様のような単細胞相手なら戦もさぞ楽であろうな。」
これでもかとばかりに相手をこき下ろした言葉に、
とうとう夏侯惇さんのさして丈夫でもない堪忍袋の緒が切れました。
「夏侯惇殿!」
徐晃さんをはじめ、皆が制止する間も与えず、繰り出された拳は
司馬懿さんの頬に捻じ込まれ――…
次の瞬間、その身体が後ろに吹き飛びました。
司馬懿さんの身体が吹き飛ぶ瞬間、目の錯覚でしょうか、
徐晃さんには司馬懿さんの顔に、してやったりと言いたげな笑みが
浮かんでいるのが見えました。
夏侯惇さんの怒りのこもった拳です。
ガンっと派手な音と共に壁に背を打ちつけ、かなり痛いはずなのに、
「口で敵わねばすぐに手が出るか。」
司馬懿さんは、口調だけは憎々しげに、やはり笑っていました。
「夏侯惇殿、お抑え下され!」
即座に周囲に押さえられ、二度目の拳が
司馬懿さんに降り注がれることはありませんでしたが、
司馬懿さんは、鼻で笑うと両脇から腕を押さえられている夏侯惇さんに近づき、
「司馬懿殿?」
手をあげた相手に不用意に近づく、その司馬懿さんらしくなさに
瞠目する徐晃さんを無視し、そして仕返しとばかりに拳を振り上げました。
バキッ
耳に届いたのは、無機質な破壊音でした。
見れば、振り上げられた司馬懿さんの拳は、夏侯惇さんではなく、
壁のコンセントに打ち付けられており、
「し、司馬懿?」
皆がその行動に訳がわからず、夏侯惇さんですら呆然としました。
司馬懿さんは、そんな様子を楽しげに見回した後、
破壊音と共に手にした何かを、ゆっくりと皆の前に披露したのです。
「盗聴器ですな?」
張遼さんの間髪いれずに弾き出した答えに、満足げに頷くと、
「これでやっと自由に話せるな。」
司馬懿さんは、口の端の血を拭ったのでした。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと12時間15分!
新レス乙です。
伏線が色々張られているようなので、概要が分かるまでレスは難しいですが。
自分も、出来れば自分のネタには自分できちんとケリをつけるという事で、
レス入れるタイミングと自身のネタの向上を上手く図らせて頂きたいと思います。
「まず、先程撤退した理由から話そう。」
司馬懿さんを中心にそれぞれ腰を落ち着けると、淡々と話し始めました。
「龐統殿や一部の者は既に感づいていると思うが――
あのヘリは、正確にはあのヘリの所有権を有する者達は、
我々をテロリスト諸共始末するつもりだ。」
その言葉に、ざわめきが小波の如く広がります。
徐晃さんも確かに驚きましたが、同時に何処かで「やはり」と納得していました。
腹に渦巻いていた不安はこれだったのかと。
隣を見れば、同じように苦虫を噛み潰した張遼さんの顔があり、
この違和感を感じていたのは徐晃さんだけではなかったようです。
「意義あり。」
スッと上がった孫策さんの手に、司馬懿さんが顎をしゃくって発言を促します。
「俺はイマイチ納得できねーぜ。
確かにあの爆弾だか何だかわかんねーけどよ、あの攻撃は、俺らじゃなくて、
兀突骨だっけ?あいつ等を狙ったもんかもしれねーぜ?」
「それは違うな、伯符。」
司馬懿さんが答える前に、周瑜さんが答えを引き取っていきます。
理由は大きく四つある、と指を四本立てて
「一つは、あのヘリは警察所有のものとは思えないこと。
二つ目は、真実あれは我々の味方で、テロリストを狙ったのならば、
渡り廊下を落とすほどの攻撃をするまい。
三つ目は、攻撃を仕掛けた後、こちらに何の反応も示さずに立ち去ったことだ。
もし、味方ならば、着陸できずとも我々の安否くらいマイクか何かで訊ねてくるだろう。」
ここまで一気に捲くし立てながら、三本の指を順に折っていきます。
「で、四番目は?」
三本まで折られた指に残りの一本の指を指して、続きを促せば、
周瑜さんは、実に美しい笑みを、それこそ名工の手による芸術品の如く美しい笑顔で
四本目の指を折り、グッと握り拳を作ると、
「・・・私の美しい髪を焦がしたことだ。」
目から鼻へ抜ける怜悧さを持つ美貌の軍師、周瑜さん。
しかし、その傍にただずむ陸遜さんのヤケクソ染みた笑いの陰で、
その場にいた全員が大きく周瑜さんへの認識を改めたのでした。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと12時間7分!
真偽の程はともかく、司馬懿さんから衝撃の事実を付きつけられ、場が揺れる中、
「しかし、拙者達を始末するメリットがさっぱり分からんでござる。」
徐晃さんから控えめな問いが持ち上がりました。
「…徐晃さんには、解らんでしょうな。」
徐晃さんの純粋さゆえに疑問を持つだろうことに、
張遼さんは苦々しい自嘲の笑いを刻んでいました。
その人の好さに、伝えるのは少々酷かと思いつつ、司馬懿さんは口を開きました。
「客観的に、この状況で何が見えるかというと…、」
悪党のテロリスト、被害者である人質、それに敵対する政府。
この三者と、この事件を見守る一般民衆です。
あくまでも仮定ですが、もし、我々を含む人質がことごとく死んだとします。
すると、観客である一般民衆の目には、
テロリストは、多くの殺人を犯した忌むべき犯罪集団に、
人質は、悲劇の犠牲者に、
そして、テロリストに敵対する政府は、悪者に立ち向かい復讐をしようとするヒーロー、
と映るようになるのです。
それこそ、民衆の支持を得て。
「我々が死ねば、政府はテロリストを徹底的に叩きのめす大義名分を得る。」
そう締めくくられた答えに、
袁紹と言う男の、いいえ、人間の持つ冷酷非情な一面を見せ付けられ、
徐晃さんは、鳥肌がたちました。
しかも、とさらに司馬懿さんは追い討ちをかけます。
「ここは、豪華とは言え、一般的なホテルだ。
今回、宿泊客は我々修学旅行の集団がほとんどを占めていることと、
ホテル内の細々した物に英語が表記されていないことから、
外国人客は少ないと考えられる。
言うまでも無いが、京都ならいくらでも海外の客向けの宿があるから、
恐らくは、そっちに海外旅行者は流れているんだろう。」
司馬懿さんが何を言いたいのか分からず、怪訝に眉を寄せれば、
「つまり、ここは日本人の客ばかりだと考えられる。」
外国人がいないと言うことは、
海外諸国からの、人質解放に向けての助力、または圧力はあまり期待できず、
また、政府は、徐晃さん達を見殺しにしても、被害者が自国人のみならば、
国際関係上は、大きな問題になりにくいと言うことなのです。
それどころか、もしかしたらこれを機に、他国の同情を呼び、
テロリスト対策に対して、外交上有利になれる可能性すらあるのです。
他人事のように淡々と語られるその内容に、徐晃さんは色を失いました。
正直、胸に堪えたのです。
自分が温室育ちとは思いません。
それなりに社会の荒波に揉まれ、苦労してきたつもりです。
しかし、こんなにも、人の悪意の真ん中に突き落とされたのは初めてでした。
何のかの言いつつ、自分は何と周りの人間の廻り合わせに恵まれてきたことでしょう。
やり切れなさを含んだその衝撃は、
徐晃さんを不信と不審の狭間に追いやり、暗い影を落としたのでした。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと12時間!
当たり前ですが、普通の生活を送っている限り、
盗聴器なんて滅多にお目にかかるものではありません。
まじまじと物珍しげに夏侯惇さんは、壊れた盗聴器を眺めていましたが、
不意に顔をあげると、
「何故だ?」
と、質問の内容さえわからなくなるほどに省略した疑問を口にしました。
しかし、「どうして盗聴されていると分かったのか」との意味を正確に読み取り、
司馬懿さんはこれまた簡潔に
「我々の行動が読まれ過ぎているからだ。」
事実ならば、非常に重大であることを認識していないかのように
あっさりと言い放ちました。
「難なく別館を制圧できただろうが。」
腑に落ちん、と、手にしていた盗聴器を司馬懿さんに放りました。
放られた盗聴器を、司馬懿さんは羽扇で弾き飛ばし、
「我々は別館を制圧した。
しかし、それは我々の武力が相手に勝っていたからだ。」
実にタイミングよく次から次へと敵兵が現れて来ていたのは確かです。
まるで、徐晃さん達の進行ルートを把握しているかのように。
「確信したのは、あの兀突骨と瓊英とか言う二人組が現れた時だ。」
弾き飛ばされてきた盗聴器を、これまた生まれてはじめて見たらしく
子供のように弄くり回す徐晃さんに、チラリと視線をやった後、
「この緊迫した状況下で、腹を減らして鍋を食う集団が何処にいる。」
「…。」
徐晃さんの手から盗聴器がポトンと落ち、
無言でそっと肩に置いてくれた張遼さんの手は温かいものでした。
「つまり、我々の和やかに食事とる行動は、敵にとって想像の範疇外。
普通ならば、我々が厨房に集まっていることなぞ分かるはずないのだ。」
「でも、そこはそれ、妖術のせいじゃ…」
「頭を冷やせ、馬鹿めが。」
にべも無く切って捨てる司馬懿さんに、孟達さんは正直カチンとしました。
「妖術なんて一言にまとめて逃げてしまえば、容易かろうがな。」
そう言い切った目は、事実のみを重視する冷徹な軍略家のものでした。
そもそも妖術なんて、科学の発展したこの現代社会において
滅多に存在し得るものでは無い、との司馬懿さんの意見。
…では、司馬懿さん、
貴方の羽扇から出るその光線は何なんだ、と訊きたいところですが。
思い返してみれば、おかしいと思わなくもありません。
何故徐晃さん達は平気だったのか?
徐晃さん達は多少変わってはいますが、超能力者でも何でもないのに。
どうしても言葉がきつくなってしまう司馬懿さんに代わり龐統さんが、
「人間は何かってぇと騙されやすい動物ですからね。
そこを如何に巧く利用するかってことっしょ。」
言っていることは、かなりキツイのですが、
そのおどけた口ぶりのせいか、不思議と耳に障りません。
「…あの頭痛や耳鳴りは」
「あんなもの、夕食に何か薬でも混入しておけばちょちょいのちょいでさ。」
「現に、一番たくさん平らげていた徐晃が、
一番、目を覚ますのが遅かったではないか。」
「…。」
またしても槍玉にあがってしまった徐晃さん。
そして今度は反対側に座る張郃さんの、
無言で肩に置かれた手を温かく感じたのでした。
「でも、人が消えているのよ?」
いくら司馬懿さんの言うことに説得力があったとしても、
人が消えるというのは尋常じゃありません。
孟達さんが、妖術か何かと思うのは致し方ないのです。
そして、孟達さんの意見に同意するように夏侯淵さんが後押しします。
「ここに引き返して来る時確認したけど、
私たちが別館制圧に向けて倒した敵兵の姿も、綺麗さっぱり消えているのよ?」
本館に行くには、先程破壊された渡り廊下を通るしか道はありません。
しかし、その道を進んでいた徐晃さん一行と、
かち合わずにどうやって本館に戻るというのでしょう。
仮に食事をしている間に移動したとしても、
怪我を負っている状態で、並みいる猛将の目を盗んで、
厨房前、ひいては渡り廊下を通過するのは困難です。
それに、あの凸凹コンビこと兀突骨さんと瓊英さんも消えているのです。
爆発の直前まで徐晃さん達と数メートルも離れてない所にいたのに。
爆発に巻き込まれて死んで吹き飛ばされてしまったかとも思いましたが、
「それはないぜ。」
一番近くで対峙していた甘寧さんが断言し、それに司馬懿さんも頷きました。
「死んだなら微かなりとも血の臭いか、たんぱく質の焼ける臭いがしてもいい筈だ。」
「…やっぱり妖術なんじゃない?」
事実とは言え、あまり具体的には考えたくない発言に、
孟達さんの声も苦みを含んだものなります。
「それともう一つ考慮して欲しい点がある。
さっきも言ったが、ここは一般的なホテルだ、宿泊客のほとんどが日本人のな。」
日本屈指の観光地である京都は、たくさんのホテルがあります。
勿論、ここより立派なホテルも山ほどあります。
その中から、何故、このホテルが標的になったのでしょうか。
確実に目的を遂行するためなら、海外からの客が多い方が
他国から政府に圧力もかかり、ことは容易に運ぶ可能性が高いのです。
それとも、絶対、このホテルでなければならなかったのでしょうか。
そこに張遼さんが、徐晃さんが落とした盗聴器を繁々と見遣りながら、
「この盗聴器、少々旧式ですな。」
人を食った薄ら笑いを浮かべました。
それが一体何だというのか、問い詰めたくなる発言でしたが、
「待ってください。」
陸遜さんの悲鳴にも似た声が、部屋を支配しました。
このホテルでなければならなかったのは。
「ホテル内に私たちの知らないルートがあると?」
陸遜さんの驚いた声に、
「もしくは造ったか、だ。」
司馬懿さんは強く頷きます。
「でも、別館全部見回したけど、そんなところ見当たらないわよ?」
夏侯淵さんの言うことは最もです。
別館制圧のため、少なくとも別館内はスタッフオンリーとの部屋ですら、
余すところ無く駆け巡ったのですから。
ここに、我々の知らない道を既に造ってある。
そう言われても、実物を見ていない以上実感が湧きません。
「何も、廊下のようにきちんとした通路とは限らん。」
大型通風孔やダストシュート、人が通れそうな空間は、探せばたくさんあります。
あの凸凹コンビも、爆発の瞬間、危険を察知して、
近くの何かのルートを使用して避難したと考えられます。
「待て、それだと矛盾が生じないか?」
それでは、俺たちが、他の人質同様連行されなかった理由にならん、と
夏侯惇さんが意義を唱えます。
見落としたとも考えにくく、司馬懿さんはちょっと逡巡し、
「これは、恐らくだが…、各自の部屋の近くに、このメンバーが通れる大きさの
通路が無かったのだと思う。」
周泰さんをはじめ、軒並み平均身長を突き抜けた高身長の集団。
しかも筋肉質で重いときます。さぞかし重労働となるでしょう。
それぞれの部屋の近くに、それぞれの通れそうなルートが無いならば、
多少無理をしても、少し離れた別ルートを使用すればいいことです。
では何故それをしなかったのでしょう。
「時間だな。」
ことを起こし成功させるには、人質を手に入れ己の守りを固めるまでを、
如何に迅速に行動するかにかかってきます。
部屋に近くに、通れそうなルートが無い、かと言って、
別ルートのところまで運んでいては時間がかかり過ぎる。
ならば、仕方ないが、放置しておくしかないとの判断なのでしょう。
部屋に一人でも、通れなさそうな者がいたら、他に通れそうな者がいても、
部屋のメンバー全員が起き出して騒がれでもしたら面倒ゆえ、
その部屋のメンバー全員放っておこう。
そう思ってのことなのでしょう。
「では、私などは周泰殿の背の高さに助けられたと。」
「・・・・・・。」
背の高さ以外には助けられてないのか、と
ちょっと周泰さんは陸遜さんに突っ込みたくなりましたが、やはり黙っておきました。
目が覚めた時の身体の不調と、周りの部屋から人が消えていること、
これらを、妖術と恐れおののき、
また、武装した兵士があちこちに配置されていること、
普通なら、外部の情報を人質に知らせないため、
テレビなど見れなくすることが多いのですが、
わざとテレビの線などを切らずに残しておき、
テレビの情報からテロが行われていることを知らせば、
大人しくしていることと思ったのでしょう。
ま、全て誤算だったわけですが。
「盗聴器も恐らくほとんどの部屋や廊下に仕掛けられていることでしょうな。
我々を監視するために。」
張遼さんは、忌々しげに握り潰したそれをパラパラと手から落とし、
「しかし、そのようなルートの存在や、盗聴器が仕掛けられていたことを考え申すと…」
徐晃さんが、そのパラパラと散らばされた盗聴器だったゴミを
生真面目に掻き集めて片付けつつ、眉間に皺をよせました。
テロリストたちは自分たちが思っている以上に、
かなりの根深さを持った大きな組織と考えねばいけません。
建設業者や工事関係者や従業員など、それらの中にも
テロリストの一味が入っていたのでしょうか。
徐晃さんにとって、自分たちに営業用とは言えど、
笑顔を向けてくれた従業員さん達に
刃を向けることになるかもしれないのは、少々気の重いことでした。
そんな徐晃さんの優しさゆえに生じる甘さに不安を覚えつつ。
司馬懿さんが、発破をかけます。
「今回の事件が、いつから計画されたものなのかはわからん。
だが、盗聴器が旧式であることから、結構前から計画は練られ、
準備は進められていたのだろう。」
そこで一息つき、
「これがどういうことか分かるか?」
低い、力のこもった声でした。
ポッとでの思いつきとは違うということ。
覚悟が違うということなのです。
旅は道連れ、世は情け。波乱万丈修学旅行。
頑張れ、徐晃さん!ファイト! タイムアップまであと11時間45分!
騙された記念カキコ
134 :
モルジュ ◆OPPAI.s4YE :05/01/09 00:27:49
_ ∩
( ゚∀゚)彡 張遼!張遼!
⊂彡
張遼と徐晃の絡みだけでハァハァ
_ ∩
( ゚∀゚)彡 徐晃!徐晃!
⊂彡
保守
_ ∩
( ゚∀゚)彡 期待age!期待age!
⊂彡
もっとネタを!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 張遼!張遼!
⊂彡
保守
徐晃って関羽撃退したから演義で孟達に射殺されたのかな?
逆恨みもいいとこだ、フォッフォッフォッフォ。
141 :
無名武将@お腹せっぷく:05/02/07 01:47:58
アゲ
142 :
無名武将@お腹せっぷく:05/02/14 22:46:08
職人さん待ちage
頼む
ageなさんな
肥の三国志IIをやった時、徐晃さんに偽書疑心をかけたらコロコロとかかるのだが、敵中作敵には全然ひっかからんかった
騙されやすい割に愚直なところがこのスレの徐晃さんっぽくてニヤリとした
マダー?
ホシュっとく
職人さん待ち
保守っとな
149 :
無名武将@お腹せっぷく:2005/03/27(日) 20:34:30
150 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/04/07(木) 23:01:29
_ ∩
( ゚∀゚)彡 徐行!徐行!
⊂彡
151 :
コンビニにて 1:2005/04/09(土) 20:09:18
「どうして俺にゃ出演交渉がこなかったんだろうな。日本映画のプロデューサーとやらも、その実、目は節穴と見える」
午前二時。
事務所に隠れ、郭嘉さんはグラビア雑誌をめくりつつ、廃棄処分になった皮のぶよぶよにふやけたピザまんを
頬張っています。
無念をにじませたその愚痴は、夏に公開予定の映画『サンゴク・ボーイズ』も無事クランクアップし、
傍らで再びコンビニのアルバイトに精を出し始めている徐晃さんへの当てつけでしょう。
「黙ってても怜悧な叡智をかもし出すこの端整な美貌、極限まで絞り込まれた容姿、
すれ違う女を片っ端から落とす双眸が目に留まらず、掃いて捨てるほどいる脳筋野郎を持てはやすなんざ、
世も末ってもんだね。なぁ」
「郭嘉殿ほどの器は、ハリウッド級でないと収まり切らぬと踏んだのでござろう」
「おぅおぅ、余裕ができた人間ってなぁ違うもんだ。舌もすっかりなめらかになってやがるぜ」
相も変わらずの毒舌に苦笑を浮かべる徐晃さんですが、その指摘に反駁することはありません。
出演料は幼い兄妹、太郎と花子の将来の奨学資金に、定期預金へ手を一切つけず封印したことは
あくまでも私的な話であり、口の端に乗せる必要もないことです。
自分の苦労を二人に背負わせることだけはするまい。
義侠をたっとぶ徐晃さんらしい選択でした。
「へっ。関羽も孟達も、今やアイドルの仲間入りってか。見ろよ」
夜も濃く深く、棚の前で雑誌を立ち読みする客以外には誰もおらぬ売り場を監視するモニターを気にかけつつ、
郭嘉さんが広げたページに目を流します。
「おっ、おおっ」
澄み切ったプールの水面から濡れそぼる上半身をもたげる、ビキニ姿の関羽さん。
清楚なワンピースに身を包み、咲き誇る桜の枝の下にたたずむ孟達さん。
普段の男勝りな気丈ぶりはいずこへやら、はにかみを含んだ微笑みを穏やかにたたえる二人は、
多くの不特定男性の目に触れる被写体になることにもまんざらではない様子でした。
「フォトジェニックっていうのかねぇ、こういうのは。いざ、テレビやら雑誌やらに出てみれば
なかなかに映るってのは」
「拙者、難しいことは判りかね申すが…」
「複雑だろ、貴様」
あでやかな肢体に頬と耳朶を赤らめる純情な徐晃さんに、郭嘉さんが舌鋒鋭くたたみかけました。
片や、レースクィーンの職をつかみ、片や、現役女子高生アイドルの肩書きを手にし、一躍、
それぞれのシーンで新星となった二人とは会う機縁もなく、一抹の寂しさを感じていたのは事実でした。
「そ、そんなことはござらぬよ。二人を応援することはござっても、嫉妬するなどは夢にも思わぬでござる」
「そうでなくってだな…」
ペットボトルに残った緑茶をぐっと飲み干すと、郭嘉さんは溜め息をこぼしつつ、頭を掻きました。
「俺も野暮なことはいいたかないんだが。まぁ、直截にいや、関羽とも孟達ともこのままの距離で
いいのかってことだよ」
「そ、それは…」
周囲に微妙な関係を目ざとく察せられていたことなど忘れ、徐晃さんは考え込んでしまいました。
「やれやれ。狭いロケ現場に男と女。何かあってもおかしくはないんだがなぁ」
「な、何かとは何でござるか」
「ま、そこが貴様らしいっていやぁ、貴様らしいところだな」
郭嘉さんは読んでいたグラビア雑誌を丸めて徐晃さんの頭を軽く叩くと、不器用な奴め、と一言ののしり、
レジに立った客の応対へ立ち去っていきました。
「いらっしゃいませ。こちら、サラダはドレッシングが別売りになっておりますが、いかがなさいますか」
瞬時に猫をかぶって丁寧に説明する郭嘉さんを背に、徐晃さんは椅子に腰かけたまま、手を握り、目をつぶり、
今までの二人との間にあったことをじっと頭の中で反芻します。
元気づけの感謝に、ぬくもりの残る手袋を渡していった関羽さん。
仲違いの相談に乗り、デコピンを炸裂させていった孟達さん。
どちらも徐晃さんにとってかけ替えのない存在でした。
「友人、でござるか…? 拙者にとって…、二人にとって…」
o( ^(,,ェ)^)o
この過疎スレ、乗っ取ったりクマー!
勝手に書いてくクマ。ご免候クマ。
156 :
名無し:2005/04/27(水) 18:31:17
キターw
保守
職人さんコナイ・・・
保守
張遼さんは、我が耳を疑い、もう一度徐晃さんの顔を覗き込みました。
「それ、一本失敬してよろしいか、張遼殿」
確かに、いつもの明朗快活とは縁のない溝を眉間に刻みながら、徐晃さんは煙草を所望したのです。
徐晃さんらしくもない、と苦笑しながら応え掛け、しかし、喉に詰まらせました。
太陽が西に傾いた、晩春の午後。
校舎の屋上の、魏高のラリホー使いと渾名される孔融先生の退屈な儒学の授業をサボった二人の姿は、
肌に優しい風の中に溶け込んでいくかのようでした。
「徐晃さん」
溜め息を一つこぼした後に、張遼さんは新発売の、鈍く銀色に光るセブンスター・ライトの箱を開け、
徐晃さんに差し出します。
邪気や好奇心に基づいた言葉でないことは明らかでした。
己にあらぬ己へ変貌したい願望を、人間ならば誰しも一度ならず持つものです。
それは、冷徹な視線を傾ければ、単なる現実逃避といえるかも知れません。
しかし、全能の神ならぬ身を自覚すれば尚のこと、そこまで追い詰められた心境に陥っているに相違ない徐晃さんに
安易な同情の念を注ぐこともできず、ただ、張遼さんは見守ることを選んだのでした。
「かたじけない」
慣れぬ手つきで一本を摘みとった徐晃さんの目前に、火を点けたジッポ・ライターを向けます。
「ゆっくりと、胸を使って吸い込むように、そう…」
生臭い苦さに顔をしかめつつ、しかし、その苦さをこそ望んでいたように、徐晃さんは続け様に吹かします。
二人の間から二筋の煙がたなびいて宙に散っていく光景を、張遼さんは、懐かしい物に触れるかのような
眼差しで眺めていました。
「花の季節ですな」
「花…」
「惜し気もなく豪奢に咲く花もあれば、人知れず可憐に咲く花もありますな」
ふと下を見やれば、校舎の窓際に設えられた花壇には、園芸部の活動の甲斐もあり、点描のようにヴィヴィッドに、
様々な種の花が桜のそれと入れ替わるように咲き誇っています。
「貴殿は、花は好きですか」
「…嫌いではござらぬが…」
「私も、嘗ては好きでもなかったものです」
徐晃さんは目を丸くしました。
張遼さんが過去を吐露するなぞ、未だないことだったからです。
「昔、高順という女がいました」
「…高順、殿」
「いつでも私と共立って、しかし、危地に斬り込めば私の先を歩き、死地に踏み込めば私の身をかばう、
そんな女でした」
張遼さんは目をつぶって、自嘲するように口元をほころばせました。
「死ぬことなど気にも懸けなかった私が、死を怖れるようになりました。死んではいけないと思うようになりました。
しかし、死なぬように努めることもなかった。どうすればそうできるのかを知らなかったのです」
「…」
「若かったのですよ。私だけが」
徐晃さんは声も出ませんでした。
その暗い顔に、しかし、不思議と濁りや淀みが感じられなかったからです。
「すずらんの好きな女でした」
感傷的に勘が働いたのか、或いは、花の咲く季節が巡る毎に思い出すのか、らしからぬ饒舌を働かせた張遼さんは、
そう言葉を締めくくり、新しい煙草をくわえて火を点けました。
硬派に身をやつし、女性を近寄せもしない張遼さんが覗かせてくれた心の扉の向こうにあったのは、
過去を省みて耽らずに今日を生きる漢の矜持でした。
「張遼殿…、張遼殿! 拙者のやるべきことが見つかり申した。ご免!」
深々とこうべを垂れて一礼を示し、徐晃さんは階段口へまっしぐらに駆け出して行きました。
「やれやれ、孫堅先生に見つかったら大目玉ですぞ」
コンクリートの上に残された焦げたフィルターを拾い、親友が己と同じ轍を踏むことのないように祈りつつ、
張遼さんは携帯灰皿にそれを収めました。
163 :
クマクマ:2005/05/14(土) 02:11:01
o( ^(,,ェ)^)o
久しぶりに時間ができたので書いたクマ。
微妙に登場キャラの性格設定が違ってるけど、気にするなクマ。
他の職人さんも書くクマー!
職人さんたちガンバレ♪
G&J。
援軍はまだかー!?
まちぼうけ
いい加減諦めよ。
このスレの黄金期はもう終わったんだ。
ここには厨しか残ってない。