雷    薄    

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578無名武将@お腹せっぷく
ライハク・ロボの続き

ここは西暦 197 年頃の中国。

袁術「最近ライハク・ロボは連敗続きじゃ。 雷薄よ。 武者修行にでも行って来い。

こうして雷薄は身ひとつで武者修行に出ることになった。
出張費は出ず、それどころか有給扱いである。

雷薄「まずいな。 早くパワーアップして帰らないと有給が全部なくなってしまうぞ。

帝都を出発して数時間。 そろそろ夜も更けてきた。 その時、雷薄は前方に、あるものを発見した。

雷薄「ん? あれは何だ? 村か? 廃村のようだが。

村の規模は約数十世帯。 どの家もボロボロで崩壊寸前だった。
とても人が住んでいるようには思えなかった。
しかし雷薄は、ある家から明かりが漏れているのを見つけた。

雷薄「一見、廃村のようだが人は住んでいるようだな。 よし。 村人達に武者修行スポットでも聞いてみるか。

まだインターネットが無かった時代である。
雷薄は事前の情報収集も満足に出来ていなかった。
雷薄は武者修行スポットを訪ねに、明かりが漏れている家に足を踏み入れるが…
579無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 09:29:14
予想通り家の中もボロボロだった。

雷薄「すいません。 誰かいますか? 少々お尋ねしたいことがあるのですが…
??「誰じゃい?

奥から、しわがれた声が聞こえてきた。
老婆だ 。
顔は、しわだらけで、どちらかと言うと今にも死にそうな感じだ。

雷薄「実は、この辺りで良い武者修行スポットを探しているのですが…
老婆「何? お前さんはパワーアップしたいのかね?
雷薄「そうなんですよ、実は…
老婆「ならば、この茶を飲むがいい!

老婆は雷薄の話を遮り、どこからともなく茶の入った湯飲みを取り出した。
茶は、ぐつぐつと煮えきっており、よどんだ色をしていた。

雷薄「何というか… 沼みたいな茶ですね…
老婆「四の五の言わずに飲みなされ!

雷薄は飲みたくなかったが老婆の迫力に押されて茶に口を付けてしまった。

雷薄「ぐわー!
580無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 09:31:04
痺れ薬だった。

雷薄「ご、ごふっ!

雷薄は湯飲みを落とし、その場に崩れ落ちてしまった。
それを見届けた老婆は、いきなり服を脱ぎ始めた。

雷薄「な、何を!?
老婆「お前さんはパワーアップしたいのじゃろ? 私がお前さんの童貞を奪って男としてパワーアップさせてやろうとしてるのじゃよ。
雷薄「や、やめてくれー!

雷薄は、もがこうとしたが痺れ薬のせいで体が動かなかった。
老婆の両手で雷薄に迫り、そして…

- 雷薄の武者修行 完 -
581無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 09:31:50
どがーっ!
何者かが扉を蹴破って、さっそうと現れた。

老婆「何奴!?
??「袁術配下の陳蘭だ! くらえ! 粛清の刃!

陳蘭の振り下ろした剣が老婆の肩口から心臓までを一気に切り裂いた。

老婆「ぎゃー!

老婆は悲鳴と共に絶命した。

陳蘭「危ない所だったな雷薄。 ここは地獄村と呼ばれている呪われた村だ。 そしてこいつは地獄村 No.5 の地獄婆。
雷薄「じ、地獄村だって? そんな村が存在していたなんて…
陳蘭「重税に耐えかねて村人全員が発狂したという恐ろしい村だ。 お前が何も知らずに地獄村に向かっているという情報があったから急遽、派遣されてきたのだ。
雷薄「そうだったのか。 ありがたい。
陳蘭「ちなみに俺の派遣費用はお前の売上から差し引くとの事だ。
雷薄「な、何!?
陳蘭「静かに! どうやら今の騒ぎを聞きつけて、この家が地獄村の奴等に包囲されてしまったようだぞ…!
582無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 09:32:40
雷薄は痺れた体に鞭打って扉の隙間から外の様子を見渡した。
外では数十人の村人達が手に手に松明を持って、こちらの様子を伺っていた。
見るからに殺気立っていて、いつこの家に雪崩れ込んできても、おかしくはなかった。
しかし、それについて何か対処法を考える必要は無くなった。
何故なら地獄村に脅威を感じた袁術軍が核ミサイル攻撃を行うことによって事態の沈静化を計ったからだ。

- 完 -
583無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 09:47:06
まず地獄村の村人達について解説しよう。
彼らは袁術の圧政によって精神を崩壊させてしまった犠牲者である。
当初は 1 人の村人が発狂しただけであったが集団心理のせいか発狂が次々と伝染し、ついには村人全員が発狂するに至った。
彼らは精神に重大な疾患を患っている為、思考が常軌を逸しており常人とのコミュニケーションは不可能に近い。
ただし村人同士においては、この限りではなく村人同士は一種のテレパシーで感覚を共有できる。
なぜ、そのような能力を会得できたのかは科学的には、まだ解明されていないが一説によれば人間は失った能力を補完するために新たな能力に目覚めるためとされている。

その感覚共有能力の為、陳蘭によって地獄婆が殺された事実は村人全員に周知されているのである。
そして村人達は雷薄と陳蘭を殺したがっている。
それは仲間を殺された怒りによるものなのか、それともまた別の感情によるものなのかは彼らの思考が常軌を逸しているため不明である。

雷薄「まずいぞ! どうする!?
陳蘭「時間を稼げば方法はある! 何か家具で入り口を塞げ!
584無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 10:08:46
雷薄達は急ぎ家具で入り口や窓を塞ぎ更には床材を剥がしてバリケードを補強した ( 釘は床材に使われているものや家具に使われているものを流用した ) 。
村人達の行動が遅かったこともあり何とか村人達の侵入を阻止することができた。
なぜ村人達の行動が遅かったについては前述の通り村人達の思考が常軌を逸しているため不明だが雷薄達の統一見解では村人達は雷薄達を、なぶり殺しにするために色々、痛そうな武器を用意していた為だとされている。
侵入を阻止できたとはいえ村人達は執拗で斧や木槌で入り口を破壊しようと躍起になっている。
バリケードを破られるのも時間の問題だろう。

雷薄「それで一体どうするんだ!?
陳蘭「無線で本国に援軍を要請している! だが… しかし! さっきから無線が通じん!
雷薄「何だって!?

地獄村は地質的にも特異な環境で原因は不明だが一年中、磁気嵐が吹き荒れているのである。
そのため地獄村付近では機械の障害が多発するケースが多数報告されている。
一説によれば、この磁気嵐が村人達の発狂の原因とする説もある。

雷薄「ま、まずいぞ! 無線連絡の時間稼ぎの為に侵入口を塞いだのに…!
陳蘭「逆に俺たちは自ら逃げ道を塞いでしまったということに…!

雷薄達の絶望に拍車を掛けるように、ついに入り口のバリケードが粉砕された。
585無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 10:20:26
雷薄「こうなったら戦うしかない! うあーっ!

雷薄は剣を抜き立ち向かったが痺れ薬の後遺症で満足に戦うことができなかった。
やがて形勢は不利になり村人の放った痛そうな武器、名前はわからないが棍棒に釘をたくさん打ちつけたものを左肩に喰らい鮮血を、ほとばしらせた。

雷薄「ぎゃーっ!

続いて入り口のバリケードを破壊するために使われたであろう木槌を右ひざに喰らった。
ぐわしゃと鈍い音が響き右ひざが、ありえない方向に曲がった。

雷薄「ぐわっがぎゃっ!

雷薄は、もんどりうって倒れ痛みのあまり地面をごろごろと転がった。
助けを求め陳蘭の方を仰ぎ見たが陳蘭も地面に突き倒され、また別の痛そうな武器、無意味に刺が付いた槍っぽい武器で散々、刺されまくっていた。
村人達が武器を振り下ろすたびに鮮血が吹き荒れ雷薄と陳蘭の悲鳴が響いた。
586無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 13:57:02
気が付くと雷薄達は体を拘束されて汚い寝台の上に寝かされていた。
死んでもおかしくないほどの攻撃を受けたが、あの痛そうな武器は痛みを与えることが目的で殺傷能力自体は低いため何とか一命を取り留めたのだった。

雷薄「ち、陳蘭… 生きているか…
陳蘭「ああ、何とか…

どがーっ!
会話を、さえぎるように部屋の扉が乱暴に開けられた。
現れたのは今にも死にそうな爺だった。

陳蘭「じ、地獄村 No.2 の地獄博士…!
雷薄「地獄博士だと…!
地獄博士「ようやくお目覚めのようだな。
雷薄「俺達をどうするつもりだ!?
地獄博士「何… わしは心が広くてな。 わしらに協力してくれるなら地獄婆の件は大目に見てやろうと言うのだよ…

てっきり処刑されるものかと思っていた雷薄たちは意外な申し出に戸惑いを隠せなかった。

地獄博士「ここから南に半日ほど歩いた所に天国村という村がある。 そこの村長を殺して来い!
雷薄「て、天国村!?
地獄博士「その通り。 天国村は地獄村と対を成す存在。 我々は天国村では半分の力も発揮できん… もちろん天国村の奴等も地獄村では半分の力も発揮できんが… つまり戦線は膠着状態に陥っているのだ!
雷薄「そこら辺の情勢はよくわからんが… わかった! 俺たちを解放してくれ! さっそく天国村の村長の首を取ってこよう!
地獄博士「取引成立だな… ただし、この陳蘭とかいう男の身柄は我々が預かる!
雷薄「何!?
地獄博士「くくく… 逃げ出すつもりだったか? そうはいかんぞ。 更に貴様の見張りとして我が地獄村 No.3 と No.4 の地獄戦士と地獄司祭を同行させる!
雷薄「ぬぅ…!
地獄博士「期限は 3 日間! ここで死ぬか天国村の村長を殺してくるか 2 つに 1 つ! さあ選ぶが良い!
雷薄「わ、わかった。 その条件で天国村の村長の首を取ってこよう!

こうして雷薄は応急手当てを受け地獄戦士と地獄司祭の同行の下、天国村の村長を暗殺しに天国村へと旅立った。
587無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 13:59:21
さて、ここで天国村について解説しよう。
天国村は荊州という豊かな地方にある村で、規模は約、数百世帯。
人里離れた所にあるため地図にも載っておらず、そのため役人などにも認知されておらず税金も掛からない、まさに天国のような村である。
たまたま道に迷って天国村を見つけたものは、その素晴らしさに、こぞって入居を申し込むが村には理事会が設置されており入居者の審査を行っている。
理事会の審査に通らない者は口封じとして抹殺される。
また天国村は有事に備えて軍事力を有しており少数精鋭ながら、その豊富な資金力を活かして最新鋭の兵器を配備している。
天然の要害とも言える地形と相まって、あらゆる敵を寄せ付けない。
数年前から地獄村の一方的な宣戦布告を受け小規模の戦闘を繰り返しているが、天国村は、その襲撃のことごとくを打ち破っている。

雷薄「あれが天国村か…

雷薄は天国村を一望できる丘の上から偵察を行っていた。

雷薄「問題は、どうやって忍び込むかだが…

雷薄は天国村の警戒網を甘く見ていた。
雷薄は、とっくの昔に天国村自警団に察知され包囲されていたのだった。

ババババババババ!

雷薄「な、何だー!?

突然ローター音が響いたかと思うと雷薄の眼前に戦闘ヘリコプターが姿を現した。

雷薄「み、見つかっていたのかー!? やばい! 地獄戦士! 地獄司祭! 身を隠せー!

だが遅かった。
戦闘ヘリコプターが放った矢の雨は確実に雷薄の身体を貫いた。
数百本の矢を浴びて雷薄は絶命した。
588無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 14:24:45
むむむ…!
589無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 15:07:15
雷薄「はっ!?

気が付くと雷薄は見知らぬ所にいた。

雷薄「ここは一体!?

雷薄は傍らに人がいるのを見つけ声を掛けた。

雷薄「すいません。 ここはどこですか?
??「ここは地獄です。
雷薄「えっ!? 何ですって!? 地獄村!?
??「地獄村ではありません。 地獄です。 じ・ご・く。
雷薄「どういうことですか? それでは、ここは本当の地獄だと言うのですか!?
??「そうです。 最初から、そう言っているでしょう?
雷薄「随分、想像と違う地獄ですね。
??「それはそうです。 そもそも、死んだ人が来る所を生きてる人が、あれやこれやと想像しても正しいわけがないでしょう。
雷薄「確かにそうですね。 死んだらどうなるのかと随分深く考えたことがありましたが、これが現実なのですね。

ちなみに本当の地獄は西暦 1980 年における日本の奈良県天理市に非常に酷似している。

雷薄「ここで死んだらどうなるんですか?
??「さあ? 死んで戻ってきた人がいないのでわかりません。
雷薄「なるほど。 ところで私はこれからどうしたらいいのですか?
??「まず地獄役所に行って住民票を作成してください。 それから住む所と働く所を探してください。 詳細は地獄役所で聞けるはずです。
雷薄「あなたは地獄暦何年くらいですか?
??「 20 年くらいです。
雷薄「一見するとあなたは 40 歳くらいですが、もしかすると死んだのは 20 歳くらいの時ですか?
??「そうです。 地獄は死んだ時の状態で現れ生前と同じように年を重ねます。
雷薄「では老衰した人は地獄でも老衰した状態で生まれ、すぐ老衰するのですか?
??「申し訳ありませんが私には、わかりかねます。 詳細は地獄役所でお尋ねください。
雷薄「わかりました。
590無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 15:15:17
雷薄「すいません。 雷薄と申すものですが住民票を作成しに来ました。
役人「申し訳ありませんが整理券をお取りください。
雷薄「わかりました。 15615 番です。
役人「では、しばらくお待ちください。 次 598 番の人〜!
雷薄「ふむ。 今日は大勢の人が死んだようだな。 まだまだ先は長そうだ。
??「おお、雷薄よ。 お前も死んでしまったのか。
雷薄「お前は!? 地獄戦士!
地獄戦士「それにしても役所の対応が悪いのは、どこの世界でも同じだな。
雷薄「まったくだ。
地獄戦士「それより地獄も思っていたより悪いところではないようだな。
雷薄「ああ、時代の流れと言う奴だろう。
地獄戦士「閻魔大王政権も千数百年前に崩壊して地獄も今や民主社会になっているらしい。
雷薄「なるほど。 地獄も住みやすくなったものだ。
地獄戦士「ジュネーブ条約なるものも締結されて捕虜への虐待が禁止されているとか。
雷薄「血の池地獄も今や観光名所か… ん!? 何だ!?

ドガーッ!

役人「クーデターだー!
591無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 15:45:49
呂布「ふははははー! 今日から地獄は俺が支配するー!
雷薄「何!? 呂布も死んでいたのか!?
地獄戦士「まずいぞ! 呂布と言えば天下に名を轟かせた豪傑! この地獄において奴にかなう者は、そうはおるまい!
雷薄「地獄戦士! 俺の身に付けている服は生前の物だが生前に使っていたものは、どうなっているんだ!?
地獄戦士「地獄では地獄銀行というものが存在していて、そこで生前の物を引き出せるらしい!
雷薄「なるほど! では地獄銀行に向かうぞ!
地獄戦士「何をするつもりだ!

呂布「よし! 快進撃だ! 政権奪取も、もう少しだー!
陳宮「将軍! 巨大ロボットが急速接近中! あれはー!
呂布「ライハク・ロボ!?

ドーン!
ライハク・ロボ見参!

呂布「雷薄も死んでいたのか!?
陳宮「ライハク・ロボと言えば偶然にせよ将軍に唯一黒星を付けたロボット! 侮れませんぞ!
雷薄「呂布よ! 地獄を貴様の好きな通りにはさせんぞ!
592無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 15:46:59
さて、ここで初心者向けにライハク・ロボついて解説しよう。
ライハク・ロボはサンダニウム合金という当時としては最高レベルの性能を誇った装甲材で造られている。
装甲材としては、まさに理想的な性能を誇るサンダニウム合金だが唯一の欠点は衝撃を受けると強力な電撃を発してしまうと言う事にある。
つまり攻撃を受けた場合、機体は無傷だが操縦者は感電死してしまうという事態が大いに憂慮される。
そのため操縦者は電気に耐性のある者に限られ袁術軍では雷薄のみが操縦できる。
無線操縦ならば大丈夫ではないかと思われる人もいるだろうが現代の戦車や戦闘機が無線操縦されていないのと同じ理由で有人操作となっている。
サンダニウム合金製という事に加え袁術軍の戦力の一極集中というコンセプトの基、非常に高性能なロボットに仕上がっている。
またダメージを受ければ受けるほど発する電撃は強力となり同時にライハク・ロボ自身の出力も上がる ( 当然、操縦者の負担も増えるが ) 。
つまり敵が強ければ強いほどライハク・ロボもそれに合わせて強くなる可能性を秘めているのである。
必殺技はサンダー・アメリカン・ソード ( サンダー・ソードの威力をほとんど落とさずに操縦者の負担を大幅に軽減した技 ) 。
その他スーパー・モードを搭載。
過去に様々な改造が施されたが ( 飛行対応, パワー・セーブ対応, 合体対応など ) その、ほとんどは廃止されている。
なおライハク・ロボの製品仕様は予告なく変更されることがある。
593無名武将@お腹せっぷく:2006/01/04(水) 16:12:21
なお、ここで話のついでとして呂布の駆る巨大ロボット、レッド・セキトヴァについても解説しよう。
ただしレッド・セキトヴァについては製品仕様が一切公表されていないが一般的には以下のようであると推測されている。
世界的に普及している量産型雑魚ロボット、ザッコーをベースに呂布軍は独自にギ・ゾックという量産型ロボットを開発した。
これはザッコーの能力と同等かそれ以上でありながら生産性と整備性に優れており傑作機として評価された。
やがてギ・ゾックの老朽化に伴い後継機である次期量産機の開発が開始され呂布陸軍によってソー・ケンが開発された。
また時を同じくして呂布空軍においてもギ・ゾックの後継機の開発が行われており空中戦闘も可能なセキトヴァが開発された。
セキトヴァは空中戦闘も可能でありながら、その他の性能においてもソー・ケンを凌駕していたが生産性の悪さと整備性の悪さから次期量産機には採用されなかった。
これはソー・ケンがギ・ゾックの生産ラインをそのまま使え整備方法もギ・ゾックと似通っていたのに対しセキトヴァは新たに専用の生産ラインを作らねばならず整備方法も整備士に新たに習熟させなければならなかった為である。
セキトヴァは性能的には優れていても、それが普及には繋がらない例としてよく引き合いにだされる。
セキトヴァは少数生産に留まったが呂布が、その類まれなる性能に目を付け自分専用にフル改造され、それがレッド・セキトヴァになったとされる。
その性能は現用機でもトップ・クラスであるが稼働時間が短いのと前述の通りセキトヴァを整備できる整備士が少ないこともあり一度出撃すると、しばらくは出撃できないのが唯一の欠点であるとのことだ。
だがそんなことはどうでもよかった。
騒ぎを聞き付けた地獄陸軍第 82 空挺師団によって雷薄と呂布は現世のみならず地獄からも抹消されてしまったからだ。

- 今後こそ本当に完 -