雷　　　　薄　　　　

陳蘭「陛下、どうやら許晶で中国ロボット大会が実施されるようです。
袁術「何！？ それに優勝すれば我が帝国のロボット技術を広く世に知らしめることができるではないか！
陳蘭「しかし問題が一点だけ… 今回の大会は 3 対 3 の勝ち抜き戦なのです。
袁術「ぬう… 我が軍の戦力は百戦錬磨とはいえライハク・ロボ一機のみ…
陳蘭「敵は、この大会のために開発されたスーパー・ロボット。 量産機で頭数を揃えた所で勝ち目は薄いかと。
袁術「こうなったら、あの大天才に力を借りるしかないか…
陳蘭「ま、まさか、あの大天才というのは…！？

こうして袁術たちは馬謖の庵へとやってきた。

馬謖「フフフ… 俺の力を借りたいだと…？ いいだろう、しかし安くは無いぞ。
陳蘭「あなたが自称中国一の大天才の…？
馬謖「そう、馬謖だ。 私が天才であることの証明のために私が戯れで作ったスーパー・ロボットを見ていくかね。
陳蘭「こ、これは！？
馬謖「これがバショク・ロボだ。

バショク・ロボ

HP 65535
EN 255

兵装名, 射程, 攻撃力, 命中補正
バショク・ブレード, 1, 10000, -255%
バショク・ガン, 2-4, 12000, -255%
バショク・スナイパー, 5, 14000, -255%

特徴 : 見た目の数値だけはすごい。

陳蘭「す、すごい。
馬謖「まだ改良の余地はあるが今大会には、これで十分だろう。
陳蘭「これじゃ、わざわざ 3 人目を探す必要もないな。 このバショク・ロボとライハク・ロボで優勝は間違いなしだ。

こうして雷薄たちは許晶へとやってきた。

雷薄「すごい数のロボットが集まっているな。 まるでロボットの見本市だ。
陳蘭「雷薄、予選にエントリーしてきたぞ。 一回戦の相手は孟獲大王率いる南蛮国だ。
馬謖「南蛮国のロボットか… ただデカいだけの技術の欠片も感じられないロボットだ。

こうして予選一回戦が始まった！
予選は許晶外れの荒野で行われる。
先に 2 勝したほうが勝ちだ！

敵ロボ、ゴツ・トツ・コツ参上。

馬謖「ここは俺に行かせてもらう。
雷薄「気をつけろ馬謖！ 相手はデカいぞ！
陳蘭「 28 メートル級のモンスター・マシンだ！
馬謖「安心しろ！ 俺が計算したところバショク・ロボは敵の 1,000,000 倍は強い！ ぐわー!

バショク・ロボは叩き潰された。

雷薄「馬謖！ 大丈夫か！？
馬謖「ば、馬鹿な… おかしい…
陳蘭「まさかこいつは口先だけじゃ…
馬謖「ち、違う！ トランスミッションに不具合が発生しただけだ！ 初の実戦だったからな、調整不足が祟っただけだ。
雷薄「次の相手は…

ドーン！ 敵ロボ、キング・ボクロク参上！
特徴 : 動物型の自律攻撃兵器を搭載。

雷薄「ライハク・ロボいっきまーす！
陳蘭「雷薄！ 動物型の自律攻撃兵器に気をつけろ！
雷薄「今風に言うとビットか… だが！ サンダニウム合金製のライハク・ロボの敵じゃない！

ドガーン！ 敵ロボ撃破！

陳蘭「よし！ 後、一勝で一回戦突破だ！

ドーン！ 敵ロボ、ゴツ・トツ・コツ再び参上！

雷薄「こういう重量級にはサンダー・アメリカン・ソードだぁっ！

ドガーッ！ 敵ロボ撃破！

劉備「む！？
曹操「あれが今世紀最強の必殺技と言われるサンダー・アメリカン・ソードか…
呂布「しばらく見ないうちに切れ味が増したようだな…
陳宮「しかしサンダー・アメリカン・ソードのメカニズムは解明済み…
袁紹「優勝を目指すものにとってサンダー・アメリカン・ソードは、それほど脅威ではないということだ。

そして 2 回戦がやってきた。
2 回戦の相手は益州の劉璋軍だ。

馬謖「ぐわー！
雷薄「何！？
陳蘭「どうした雷薄？ 馬謖が敗れるのは珍しいことじゃないだろ？
雷薄「ち、違う。 問題は、やられ方だ。 今の敵の攻撃はサンダー・ソード！
陳蘭「何！？ しかしサンダー・ソードはサンダニウム合金製のロボットで初めて出来る技！
？？「ククククク… サンダニウム合金は貴様らの専売特許じゃないということだ。
雷薄「貴様は… 誰だ！？
？？「俺の名は雷同！

陳蘭「雷同だと！？
雷同「その通り！ とうっ！

ドーン！ 敵ロボ : ライドーン参上。
特徴 : まさかのサンダニウム合金製のロボ。

雷薄「貴様も電気に耐性があるのか！？
雷同「耐性… 違うな。 貴様とは根本的に違うのだ。
　俺は電気に抗うのではなく同調し受け流す。
　それによって、どんなに強力な電圧でも耐えることができるのだ。
雷薄「何だと？
雷同「さあ、こい。 どちらが真のサンダニウマーか教えてやる。
雷薄「面白い！ ライハク・ロボ！ いっきまーす！

雷薄「くらえ！ サンダー・アメリカン・ソード！
雷同「ふん！ サンダー・ソード！

バッシーン！

雷薄「ぐわーっ！

ズドドーッ！

雷同「俺は貴様と違って、どんなに強力な電撃を喰らっても問題ではない。
　貴様は身体への負担を考慮してサンダー・ソードの威力を抑えたサンダー・アメリカン・ソードを使っているようだが…
　俺には、その必要がない…
雷薄「くっ… サンダー・アメリカン・ソードはサンダー・ソードの威力を、ほとんど落とさずに身体への負担を抑えた技。
　オリジナルのサンダー・ソードとは、わずかながら威力に差が生じてしまう…
雷同「更に俺は、その一歩先まで辿り着いた…
雷薄「何…だと！？
雷同「身体への負担を一切無視して威力だけを追及した究極の技！
　サンダー・エスプレッソ・ソード！

ドッガーン！

雷薄「ぐあーっ！
雷同「フハハハハ！
　エスプレッソとアメリカンじゃ勝負は見えているな！
雷薄「強い！
　サンダー・アメリカン・ソードじゃ勝てない…
　しかも相手はサンダニウム合金製…
　通常兵器じゃダメージを与えられないのは俺が一番よく知っている…
　しかし…
　しかし俺だって身体への負担の大小が問題なだけで…
　理論上はサンダー・エスプレッソ・ソードを使える！
陳蘭「やめろ！ 雷薄！
　お前がサンダー・エスプレッソ・ソードを使えば間違いなく死ぬぞ！
雷薄「しかし…！
馬謖「雷薄！
　アメリカンの持ち味を生かせ！
雷薄「馬謖！？

馬謖「エスプレッソが全てにおいて勝っているというのなら！
　喫茶店からアメリカン・コーヒーは消滅しているはず！
　なのにアメリカン・コーヒーが、いまだに残っているのには理由があるはずだ！
雷薄「そ、そうか…
　まさか馬謖ごときに助けられるとは思ってもいなかった…
　よし、うおおおおーっ！ スーパー・モード！
雷同「無駄なことを！
　とどめのサンダー・エスプレッソ・ソードだ！
雷薄「エスプレッソ・コーヒーは味が濃すぎて 2 杯目以降は飲み辛い！
　しかしアメリカン・コーヒーはスッキリしてい何杯でも飲める！
　短時間に連続してサンダー・エスプレッソ・ソードを出したのは失敗だったな！
雷同「何だと！？ う…！？ うああああーっ！

ドガーン！ 敵ロボ撃破！

雷薄「強敵だった…
袁術「雷薄！ 頑張るんじゃ！ あと 1 勝せねば 2 回戦は突破できんぞ！
陳蘭「馬謖は敗退、雷薄は勝利したものの満身創意の状態。
　このままでは…
？？「ここは私に任せてもらいましょうか。
陳蘭「何！？
？？「袁術軍のエントリー・メンバーは 2 人。
　…ということは、あと 1 人は出場できるということ。
陳蘭「お、お前はー！？

突然、巨大隕石が地球に激突し雷薄たちの物語は終わりを告げた。