★【π凸骨UMA説】を主張するヤシの数→

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校長は約三週間ぶりに校門をくぐった。
毎年春になると躁鬱症状に悩まされる。
今年は躁の後にきた欝状態が酷かったために、自宅療養をしていたのだ。
久々の学び舎の匂いに感慨深くなっていると、女生徒に声をかけられた。
一通りの挨拶を終えると女生徒、佐々木がおずおずと用件をきりだす。

佐々木「校長先生・・・あの、えっと・・・む、無双委員のことなんですけど・・・」
校長「ん、何かな?(そういや躁状態のときにそんなの作っちまったよな。俺は馬鹿か・・・?)」
佐々木「・・・こんな委員が学校の運営に役立っているとは思えないんです。
   みんながちゃんとした委員の仕事をしてるのに、私だけゲームなんかのことを・・・」
委員を潰すために必死で考えた台詞に、本気で心配していそうな演技を付け加えた。
無双が嫌いだから委員を辞めたい、という本心を覚られない方がいいと判断したためである。
校長「ふむ、そんなことを考えていたのかね。(そうだよな、俺だって無双委員なんて無かったことにしたいんだよ)」
佐々木「委員って学校の経費がかかるんですよね?私、みんなにも先生達にも何だか申し訳なくて・・・」
校長「・・・(けど、全校生徒の前で言ったことなんだよな・・・)」
前言を翻す者は教育者としての資質を疑われるだろう。
委員を潰すにせよ残すにせよ、彼の保身は難しい。