しかし貧しくとも帝王の子として恥ずかしくないだけの教育を母はしてきたつもりでした
それがお前は心まで百姓になりきってしまっている…
玄徳、お前は剣を捨て一生むしろを織って暮らすつもりでしたか
剣よりも茶の方が大切とお思いでしたか
そんな子が求めてきた茶を喜んで飲む母とお思いでしたか
私はそれが腹が立つ
私はそれが悲しい
愚か者愚か者 パシ パシッ
(略)
玄徳…母は…母は心を鬼にしてお前を叱りました
でもお前が私を喜ばせようと一生懸命働いて茶を買い求めてきてくれた気持ち…
ただの母としてこれほど嬉しいことはありませぬ
この出来事は誰も知らぬ母子だけの密かごとであった