128 :
RYUBIの呪縛:
孔明「徐庶・・・こんなことがあった。4か月ほど前・・・
わたしは自分の・・・庵で ――劉備に出会ったのだ
―わたしは晴耕雨読の生活― 隆中という土地に庵を持っている
その日は― 快晴だった。ヤツは―
―私の家の庭への通路に 静かに立っていた―
心の中心にしのびこんでくるような凍りつくまなざし
大きな耳 膝までとどくような長い腕
男とは思えないような妖しい色気
すでに水鏡先生と知り合いだったので話を聞いていた私はすぐにわかった
こいつが新野から来た劉備だと!
劉備『君は・・・普通の人間にはない特別な戦略を持っているそうだね?』
『ひとつ・・・それをわたしに聞かせてくれるとうれしいのだが』
孔明「ヤツを本当に恐ろしいと思ったのはその時だった
ヤツが話しかけてくる言葉はなんと心が・・・やすらぐんだ
危険な甘さがあるんだ だからこそ恐ろしい!!
わたしは必死に喋った 寝たふりをしようなどと考えはしなかった
まったく幸運だった 話を聞いていて劉備だと気づいたから
一瞬早く昼寝から起き出せたし 私は天下の情勢に詳しかったから
劉備の問いに答えられた・・・
でなければ私も この士元のように
「県の知事職」を与えられていただろう
酒ばかり飲むはめになっていたろう」