【心頭滅却すれば、火もまた涼し】
武田勝頼が織田勢に攻められた時、武田領内にあった禅寺、恵林寺に火が放たれた。
恵林寺の住職が炎の中に端座し、この言葉を唱えながら焼死したという。
どんな苦しい状況であっても、心の持ち方一つで苦痛ではなくなるという意味。
この言葉を聞き伝えた人間はよく脱出できたものだ。
【もとの木阿弥】
大和城主、筒井順昭は死に際し、跡継ぎの順慶がまだ幼少であるため、己の死を伏しておくようにと
遺言した。それに従って人々は目の見えぬ木阿弥という男を偽の城主に仕立て上げ、薄暗い寝所に
寝かせておいた。順慶が成長すると木阿弥はお役御免、只の男に逆戻りとなる。
これによりもとのつまらない状態にもどること、振り出しに戻ってしまうことを指す。
この他、出家した木阿弥という上人が妻が恋しくなって普通の生活に戻ってしまったことから等、
いろいろ説はあるようだ。
【すっぱ抜く】
「素っ波抜く」と書く。
「素っ波」とはいわゆる忍者のこと。
もともとは急に刀を抜いて襲う、忍者を使って不意を突く等の意味だったようだが、
今では秘密を暴く、出し抜くなどの意味に転じている。
「スッパ抜く」書かれることも多いから、スパッとスクープされる、と解釈している
人も多いのでは?
【小田原評定】
やはりこの言葉は紹介せねばなるまい。
豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻めた時、包囲された小田原城内では和議を結ぶか、抗戦するかで
意見が別れ、結論が出ぬままにいたずらに日を費やし、結局そのまま北条氏は滅亡してしまう。
いつまでも結論の出ない相談をえんえんとくり返すこと、無意味な議論のことを指す。
このトーナメントでこの言葉を耳にした人も多いのでは…?