2ch全板人気トーナメント〜三戦板の野望〜五拾弐

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「三国志」

基本は、中国は三国時代<221-265>のものを記した史書(陳寿著)ですが、
一般的に日本で三国志と言うと「三国志演義」のことを差すことが多い。

宋代11世紀に物語を歌い上げる講談師達が、
好んで三国時代の話を寄席で行ったのが流行り、多く戯曲として作られたようで、
それが「全相三国志平話」としてまとまり、
更に14世紀末に羅漢中なる人物がきちんとまとめ上げたのが、所謂「三国志演義」であります。

日本でも古くから愛読され、
湖南文山訳「通俗三国志」全50巻は、1689年(元禄2年)には刊行されていたりします。

中国人に負けずとも劣らぬ程、三国志を愛する日本人でありますが、
その魅力はどこにあるのでしょうか。
スケールの大きさでしょうか、登場人物の素晴らしさでしょうか。
今日様々なメディアから出されている三国志の一端を以下紹介したいと思います。
「三国志」 吉川栄治著 講談社文庫 全8巻 (小説)

日本で「三国志演義」をベースとした小説で最も基本と言われるのが
この吉川三国志じゃないでしょうか。

涼やかでキレのある文章は、読み手を三国志の世界に引き入れます。
魏・呉・蜀の三国うち、蜀寄りな内容にはなっていますが、
そこに悪役がいる訳ではなく、純粋に国取り物語を熱く描いているところがまたよしです。
各国の軍師が策略を練り、武将達が華やかに戦場を駆け巡る。
小気味のいい文章の中に、群雄割拠の様がありありと目に浮かび、
過去、実際にいた人々に思いを馳せることが出来ます。

「正史」と「演義」では大分違いもありますが、
歴史小説のいいところは、「現実にあったこと」を二次元的に体感できることでしょう。
さすが吉川御大だと、納得の小説です。
まずはここから、三国志をどうぞ。
「三国志」 北方謙三著 角川ハルキ文庫 全13巻 (小説)

北方三国志の何がよいと言えば、人の死に際の格好よさ、でしょうか。

特に序盤では呂布の格好よさに、一目置いてしまいます。
そして何よりも、読みやすくエンタテイメント性が重視されていると言えるでしょう。
また何処の国に偏るという書き方ではなく、公平を持って書かれているので、
どの人物に対しても活き活きとした、奥行きが感じられます。

戦の描写も映像的で、まるで映画のワンシーンのような迫力の連続。
ハードボイルド作家として有名な北方氏でありますが、
歴史小説家としての手腕も見事だと言えます。

吉川三国志に比べると、更に読みやすい三国志…とは言えるのですが、
有名なエピソードが割愛されていたり、北方オリジナルの人物が出てきたり、
どちらを先に読むかは好き好き…と言った感じだと思われます。
「三国志」 横山光輝著 潮出版社 全60巻 (漫画)

内容的には、小説吉川三国志とほぼ同じでありますが、
さすがに「絵」という視覚的効果は大きいです。

200人をも越す武将達が、画面狭しと中国を暴れ回り、共に生き、共に死んでゆく。
小説と違って、イメージが限定されるという部分もありますが、
太ってるはずの董卓が痩せていたり、虎痴のあだ名を持つ許チョも格好よかったり。
全体的にスマートな印象を受ける部分も多いです。
しかし何といっても横光絵は「可愛い」という印象を受け、
一部に絶対的な支持者を持つ「関平タン」もそれは可愛く描写されています。

ストーリーは淡々と歴史を追いかけていきますが、三国志という世界は熱く描かれています。
活字は少し苦手…と言う人でも、素直に世界観に同調できるのではないでしょうか?
60巻(文庫サイズでは30巻)という長さですが、
漫画喫茶なんかで一度手に取って見ては如何でしょう。
「STOP 劉備くん!」 白井恵理子著 角川書店 以下続、続々という形で全3巻(漫画)
「GOGO 玄徳くん!!」 同著者    潮出版社 1巻以後続刊?

三国志の4コマ漫画。
時事ネタも多く含まれ、更にパロディネタなんかもあったりしますが、
ディフォルメ化された三国志のメンバーが可愛くほのぼのとギャグをかまします。

キャラの性格付けに味が出てるので、三国志を知らない人にも
まず4コマ漫画として楽しんでもらえるのでは?
とにかく出てくるキャラはみんな愛すべき馬鹿であり、
三国志を知る前に一読、知った後に一読をオススメしたい漫画です。

サクっと読めるので、まずは手にとって読んで下さいね。
「真・三国無双2」 光栄 PS2版発売中、X-box版は今秋発売 (ゲーム)

とにかく爽快感を求めて、斬る斬る斬る!というアクションゲーム。
自分が三国志の武将になって、戦場で敵を斬って行きます。
二人同時プレイも楽しめるので、2Pのピンチに颯爽と駆けつけることも可。

そして自分の見えないところで、味方のコンピュータキャラが
敵軍を粉砕してることもあったり(敗走してることも多いですが)
条件によっては、有名イベントや裏切り行為なども発生したりと、とにかく楽しい。
三国志を知らなくても、単純に楽しめるゲームです。

ただ史実を重視する人には、ちょっと向かないかも知れませんが、
パッケージ裏の文句「大軍を蹴散らす爽快感!己の活躍が戦局を変える興奮!」を裏切らない出来です。
「三国志戦記」 光栄 PS2版発売中 (ゲーム)

これは自分が軍師になった気分を味わえるシュミレーションゲーム。
将棋のコマのように味方を操り、更に味方の持つ特性をつなげていくことによって、
連環コンボを発生させ、敵に大ダメージを与え、戦局を変えていくというものです。
この連環コンボを発生させるのが、かなり難しく、
2手先、3手先の行動を考えて、味方を配置していかなければなりません。
しかし最後の1手にて、このコンボが5連鎖6連鎖とつながった時には爽快です。
多勢なる敵を一気に混乱へと陥れ、敗走させる気分は最高です。
システムが少々難しいので、百聞は一見にしかずなのですが、
緻密な戦略を立てていける楽しさがここにあります。

劉備編、曹操編、孫策編と違ったストーリーがあるので、
それぞれの視点からの三国志が楽しめます。