日本は北朝鮮とおなじ?

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17モルデカイ・モーゼ
日本の勝利を予想した者がだれ一人いなかった日露戦争で、日本へ戦費の調達を考慮する者があろうはずもなかった。
英国など日英同盟の関係から知らん顔はしにくいと思われるが、例によって全く打算的な態度であった。

ヤコブ・シフは、高橋是清と会っているうちに、いうにいわれぬ感動に陥ったのである。勿論シフには、ユダヤ人を迫害して
いるツァーを倒したいという考えも強く作用していたことは事実である。しかしそれにしても、必敗と予想されていた日本へ計
算高いといわれるユダヤ人が何故に金を貸すのか。常識ではあり得ないことである。そこには、日本の義理人情に匹敵す
るユダヤ人の「涙」があったことを是非ご理解頂きたいと思うのである。

現在でも日本人とユダヤ人との商取引においてこのような「感動」の商法が行なわれている実例は、しばしば見受ける。ユダ
ヤ人はこの「感動」をさらに高めて、日本の戦前の義理人情にまで高めたいと思っている。よろしくご指導願えれば幸甚の極
みである。

次にユダヤ人がすばらしいと思うものに、戦前の武士道精神がある。

ラビのトケイヤー君も『日本人は死んだ』の中で「軍国主義のすべてが悪いとは思わない」という意味のことを書いているが、戦
前の軍人精神というものは人間性の発露として至高のものであったと思う。個人の利害を忘却して全体のために奉仕するという
ことに対するあれほどの完全さは、他民族には決して見られないものである。特攻隊員がその最たるものであることは、いうまで
もない。

また、日露戦争以来、日本の陸海軍はいたるところで武士道精神を発揮してきたことは世界中から尊敬されている。

「男は度胸、女は愛嬌」は男女の天分を表わすもの

その他では、戦前の日本人には「男は度胸」「女は愛嬌」という言葉があった。これは皆様も欧文に翻訳する時困った経験をお持ち
であろうと思う。この「度胸」「愛嬌」に相当する欧米語が見当たらないからである。しかしこれは当然のことである。何故なら、この両
者は欧米人の男女とももち合わせていないのであるから。

これは全くすばらしいものであると思う。男女の天分の顕著な発露であり、人間を最も個性的に飾るものとして、例のないパーソナリ
ティである。男の「度胸」という点で、戦争中、「アメリカ兵は白兵戦になると赤ん坊のように声を上げて泣きだすのだ」と聞かされた銃
後の日本人は、キョトンとして信じられないといった表情だったのだ。まさかいくらなんでも、兵隊たるもの、戦地で泣き出すなんて大
げさな話だろうと考えたのである。これは、当時の日本人なら無理からぬ話である。然るにである、これは全くの事実なのである。つま
り、アメリカ兵には「男の度胸」というものが備わっていない。「女の愛嬌」の問題にしても、戦前外遊した人々は欧米の女性に愛嬌がな
いという点を指摘していたものである。これは無論、今日でも変わらない。戦後の若い世代の日本人には、もはやこんなことを感ずる余
地はないようである。この両者を戦後完全に失ってしまったからである。

これら多くの戦前の日本人がもっていた世界に類い稀な美点、長所は、我々ユダヤ人の理想を具現化したものであったのだ。しかるに
第二次大戦の終結を機として、これらが完全に失われてしまったのである。真に残念というほかない。

今回私がどうしても本稿の筆をとろうと決意したのは、これら類い稀な人類の財産ともいうべき長所を喪失せしめた責任が実は我々ユダ
ヤ人にあるということを率直に認め、深くお詫びすると同時に、我々の犯した過ちがいかなる思考、動機から惹起されたものかという点を
詳しくご説明させて頂いて、一日も早くこれら美点を復活させて頂きたいと思ったからである。何度も繰り返す如く、これらは我々ユダヤ人
の理想でもある。これらを積極的に自己の理想といえるのは日本人の他にはユダヤ人しかありえない、とはっきりいえると思う。

どうか、尊敬する日本のみなさま、これから私が解き明かすことをじっくりと検討され、戦後の病巣、社会的混乱、経済と精神衛生面の跛
行性の原因をよくお考えいただきたいのである。