日本は北朝鮮とおなじ?

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11モルデカイ・モーゼ
世界に類例のない君民共治

 天皇が開口一番、自分の事はどうなってもいいから国民を救ってほしいと切り出した時、
マッカーサーは驚天せんばかりであった。この席にルソーが同席していなかったのが真
に残念であるが、西洋の君主というものはそれこそマルクスのいう支配者、搾取者である。
一般大衆は被支配者、被搾取者に甘んじなければならない。
 西洋の君主は、大衆から収奪した莫大な財産をもっている。戦後GHQが天皇の資産16
億円と発表した時、日本人はキョトンとしていた。つまり、GHQは西洋の君主並みに日本の
天皇も収奪した財産をもっているはずであると考えたから、それを直ちに国民の前にみせつ
けたわけであろう。ところがこれを聞かされた日本人は一様に、そういう感覚の持主もいるの
かと内心驚いたということである。しかし西洋の常識としてはこれは奇異でもなんでもなく、至
極当然なことだったのである。
 かような西洋の君主は、いざ革命、戦争、政変などのあった場合は、直ちに自己の生命の
保証と財産の保全を求めて亡命などを計るのを常とする。したがって、マッカーサーも最初
天星が訪問の希望を述べた時、非常にきびしい顔をしていたという。いってみればそれは当然
のことであろう。日本の天皇もいよいよ生命の保証と財産の保全のためどこか適当な亡命先の
斡旋を懇願に来るのであろうとマッカーサーが考えたのも、無理からぬ話であろう。
 しかるに前述の如く、天皇は開口一番、自己の生命や財産の保証ではなく、国民の財産や生
命の保証を求めたのであった。国民を質入れして自己の保身を計る西洋の君主とは逆に、自己
を質入れして国民の救済を求めたということである。
 マッカーサーたるもの、すべからくルソーに対して自分が味わった感激を報告すべきであろう。
戦後の占領改革にも拘らず天皇制が存続できたことは、私の最も喜びとするところである。これは
ひとえに当時GHQを牛耳っていたニューディール派、つまりユダヤ勢力が天皇制に自己の民族
の理想を見出したからに他ならないのである。
 日本国憲法は後で詳しく述べる如くユダヤ人がユダヤ思想に基づいて作った作品であるが、その
憲法の冒頭に天皇の項を設けたのはこのためである。

なぜ欧州では君主を輸入したのか──万世一系の天皇との違い

 万世一系の天皇を頂く日本人は幸せである。この万世一系の天皇は、如何なる意味をもつとお考
えであろうか。この点では、ユダヤ人が借越ながら日本人に少々参考になる意見をお聴かせできる
かも知れない。日本人からすると、万世一系の天皇といってもピンとこないかも知れない。他にどん
な天皇があるのか、と反問されるであろう。だから日本人は幸せだと思うのである。何故か。ヨーロッ
パの王朝というものはみな混血王朝である。歴史上、しょっちゅう外国から国王や王女を輸入した。
しかも王朝の権力が強くなればなるほど、外国からますます輸入するようになる。何故か。王朝の権
力を弱める必要からである。国内から昇格させようとすると当然争いが起こり、国内が乱れるのでまず
い。その点、外国からの輸入君主は当りさわりが少なくしかも飾りものなので、最も有効な方法という
ことになる。
 こんな話をすると、日本人は全くお話にならんと思われるかもしれない。まさにそうなのである。私が
万世一系の天皇をもつ日本人は最高に幸せですといった意味が、これでお分かり頂けたことと思う。
 しかし、では何故に王朝の権力が国民がいぶかるほど強くなるのか。また、王朝の権力が強くなるこ
とはどうして悪いことなのか、と疑問をお持ちのことと思う。