三島由紀夫と楯の会

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346名無しさん@お腹いっぱい。
日本の国民感情は今だに「核アレルギー」から脱しきれず、さまざまな意味での進歩を妨げている。現代世界に於て
「核」は、われわれの知識をはるかに越えて発達しすでに政治面では「核」をぬきにして世界の外交政治は
考えられない。(中略)
日本が「核武装」すると主張すれば一般国民にとって非常なショックとセンセーションで迎えられるであろう。
しかし世界情勢に目を転じ、百年先の日本の進路を考えてみれば、むしろ核武装の主張は好戦的でも奇矯でもなく
当然のナショナリズムの発露なのである。
(中略)社会党が戦術上、今だに「非武装・中立」を唱えているため、保守対革新の国防論議は、「日米安保体制か
非武装中立か」という二者択一の幼稚な形で示される傾向にある。しかし「非武装」と「中立」は本来、
別個の概念であり、いうまでもなく「中立政策」には「武装中立」が含まれている。

森田必勝「『核』は将来のエネルギー源 単独核武装はタブーか」より(昭和42年)
347名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/26(金) 15:54:30 ID:yWlBOplP
永世中立国のスイスは、(中略)強力な民兵制度を保持、非常時には人口600万人中、一日で70万人の
大規模な動員が可能とされている。スウェーデンも同様に、(中略)最新兵器による攻撃に対しても防衛力を
持つことを目標とし、兵器の90%までを国産でまかなう体制をとっている。人口760万人の小国でありながら、
140万人分の原爆退避壕が建設されている。この地下大退避壕は現在、駐車場として利用されているが、
日本以外のどの国をみても「国防」に対する態度が真剣なのである。史上初の敗戦で日本人の感傷は少女趣味に
堕していはしまいか。
ますます強大化する列国の軍事力から自らを守るために、現在の戦争の最終段階の「核」戦争にも対処出来得る
防衛を、何時までも「米の核のカサ」に頼っている時期ではないのである。
中立・非同盟政策をとる国々のほとんどが「武装中立」というのが世界の現状である。「非武装中立」という
考え方は、戦争放棄の平和憲法をもつ日本の生んだ「特殊で珍妙な構想」といえよう。

森田必勝「『核』は将来のエネルギー源 単独核武装はタブーか」より(昭和42年)
348名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/26(金) 15:55:47 ID:yWlBOplP
人間に闘争本能があり、どのような体制においても人間が変らぬ限り競争は続く。列国の政治に対する野心は
日本人が想像する以上に深く、ナショナリズムは時として狂信的な形で表現される。ひとりだけ、そんな中で
観念的な平和論をぶっても、周囲は一笑し、かえって利用され侵略されてしまうのが世界の現状であろう。
そうした意味でも「非武装中立」は絶対に不可能である。
(中略)今、日本が単独で防衛することになれば、自衛隊は限定戦争にさえ対処することが出来ず、核攻撃を
うけた場合、日本は歴史から消失してしまう結果となるだろう。熱い対立は祈ることによって避けられるものではなく、
平和は願うことによってのみ訪れるものではないのだ。
(中略)安全性をさらに高めてゆくには、日本が単独に核武装する以外にない。かりに今「核武装」を決意し、
国家政策として推し進めてゆくにしても五年の月日はかかるであろう。その頃、中共はICBMを相当数
実戦配備化してしまっている。

森田必勝「『核』は将来のエネルギー源 単独核武装はタブーか」より(昭和42年)