<<鑢七実@刀語>>ストーリー支援「悪刀・鐚」(1)
★第七話「悪刀・鐚」より。七実と主人公の姉弟対決、そして七実の最期が描かれます。
ttp://imgup.me/e/iup4773.jpg 第四話から二ヶ月後。七実はひとり、陸奥にある『死霊山』の山頂で佇んでいました。周囲には、死体、死体、死体の山。
そんなものには目もくれず、彼女が嘆息して見つめるのは祠――その中に祀られた、一本の『刀』。
「可哀想ね、こんなところで神様のように特別扱いされちゃって。――まるでわたしみたい」
彼女の指が祠に触れた刹那、祠が砕け散り、刀の姿が露わになりました。
七実は、例の『見稽古』(見るだけで相手の技や特性を見切れる、七実の特殊技能) で刀の性質を理解します。
「じゃあ手土産もできたことだし、善は急げ――いえ、」
ttp://imgup.me/e/iup4774.jpg 「悪は急げ、かしら」
立ち去ろうとする七実に、唯一 死んでいなかった人間が『その刀を持っていかれると困る』と すがるのですが、
ttp://imgup.me/e/iup4775.jpg 「何を勝手に、わたしの肌に触っているのですか? ――この、草が。草が。草、草、草、草、」
ずっと他人から遠ざかっていた七実にとって、家族以外の人間は雑草のような存在でしかありません。
それを踏みつけ、七実は足取りも軽やかに去って行きました。
「それにしてもいい気分だわ――いえ、悪い気分かしら。 うふふ……」