第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-10
鉄道系4板がお送りする、
「線路にまつわるエトセトラ」の巻
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┿┿ 鉄道はともすればその上を走っている車両や、車窓風景に目が行きがち。
┿┿ しかし足元に目を向けてみれば、その「線路」自体にも、
┿┿ 様々な特色があるのです。
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┿┿ 今回は、そんな「線路」にまつわる話をいくつか。
┿┿ せっかく左に線路があるのですから、それを使ってご説明しますw
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┿┿ ● 単線
┿┿ 線路が1本(つまりレールは2本ってことですよ)しか敷かれていない区間のこと。
┿┿ つまり上り列車も下り列車も、同じレールの上を行ったり来たりしています。
┿┿ 列車本数の少ないローカル線などでは、この方式がほとんどです。
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┿┿ 上下の列車が同じ線路を走るので、運行を管理しないと正面衝突のおそれがあります。
┿┿ (1991年の「信楽高原鉄道衝突事故」など、覚えている方もいるかもしれません…。)
┿┿ そのため、路線をいくつかの「閉塞区間」に区切って、各区間に1本しか列車が入れないように
┿┿ 信号を制御しています。
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┿┿ ┿┿ ● 複線
┿┿ ┿┿ 上り・下りの列車が、別々の線路の上を走る区間のこと。
┿┿ ┿┿ 高速道路で言えば、「対面通行」のようなものです。
┿┿ ┿┿ 正面衝突の危険性がなくなった分、単線よりも多くの列車を走らせることができます。
┿┿ ┿┿ 都市間を連絡する、幹線クラスの路線の多くがこれです。
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┿┿ ┿┿ 正面衝突の危険性はなくなりましたが、急行列車などを走らせる場合には、
┿┿ ┿┿ 途中で普通列車を追い抜く必要があります。
┿┿ ┿┿ そのため、いくつかの駅に「追い越し設備」を設置する必要があります。
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┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ ● 複々線
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 複線を2倍にしたのが「複々線」。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 上下線がそれぞれ2本ずつの線路を使います。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ これにより、普通列車などの「遅い列車」と、急行列車などの「速い列車」を
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 並行して同時に走らせることが可能に。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 大都市圏などの、多くの列車を走らせたい区間に使われています。
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┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 複々線は、線路の並べ方によって以下の2種類に分類されます。
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┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ ───(上り急行)──→ ───(上り急行)──→
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ ───(上り普通)──→ ←──(下り急行)───
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ ←──(下り普通)─── ───(上り普通)──→
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ ←──(下り急行)─── ←──(下り普通)───
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 左は「方向別複々線」と呼ばれます。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 途中駅での急行-普通間の乗り換えが便利になるという利点があります。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 具体的には、小田急線や東武伊勢崎線、大阪周辺のJR京都線・神戸線など。
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┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 右は「系統別複々線」と呼ばれます。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 元々複線だった区間の隣にもう一つ複線を作るだけで、安価に建設可能です。
┿┿ ┿┿ ┿┿ ┿┿ 具体的には首都圏の中央線、総武線、常磐線などがあります。
┿┿ | ● 第三軌条
┿┿ | 電車は普通、電流の流れているケーブル(架線)からパンタグラフで電気をとります。
┿┿ | しかし地下鉄など狭い場所では、架線を引くスペースがない場合があります。
┿┿ | そこで架線の代わりに線路のそばにレールをもう1本敷き、そこに電流を流します。
┿┿ | この「第三軌条」は、東京の地下鉄銀座線や丸ノ内線、大阪市営地下鉄や近鉄けいはんな線
┿┿ | などで用いられています。
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┿┿ | なお第三軌条には架線と同等の電流が流れているので、触ると危険です。
┿┿ | 危険なので、線路の上には絶対に降りないように!
┿┿ | (いや、まぁ普通の線路の上に降りるのも危険ですが…。)
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┿┿┿ ● 三線軌条
┿┿┿ 「第三軌条」と言葉は似ていますが、意味は全く異なります。
┿┿┿ 日本の鉄道には、主に線路幅1067mmで在来線などに使われている「狭軌」と、
┿┿┿ 1435mmで新幹線などに使われている「標準軌」の2つの規格があります。
┿┿┿ それらの車両が両方とも走れるように、レールを3本敷いたのが「三線軌条」です。
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┿┿┿ 日本では、箱根登山鉄道や秋田新幹線で使われています。
┿┿┿ また、北海道直通の新幹線が開通した際は、青函トンネルは新幹線と
┿┿┿ (在来線規格の)貨物列車を共存させるため、三線軌条になる予定です。
┿┿ ● スイッチバック
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┿┿ 主に急勾配の区間に設置される、列車の折り返し設備です。
┿┿ 進行方向が変わるため、車掌と運転士の位置も入れ替わります。
┿┿ スイッチバックの設置目的は主に2つあります。
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┿┿ @ 急勾配の途中に駅を設けたい場合
┿┿ 列車は急勾配区間では安全に停車できないので、列車をいったん
┿┿ 平坦な区間に逃がすためにスイッチバックを設置します。
┿┿ 長野県の「姨捨駅」や徳島県の「坪尻駅」などが有名です。
┿┿ 現在は列車のブレーキ性能が良くなり、急勾配でも停車できるようになったため、
┿┿ この系統のスイッチバック駅は減少しつつあります。
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┿┿ A 急勾配を緩和させたい場合
┿┿ 急勾配を直線的に上ることはできないため、逆に距離をとることで
┿┿ 勾配を緩和させる、という方法です。
┿┿ 箱根登山鉄道の三段スイッチバックなどが有名でしょうか。
┿┿ ● ループ線
┿┿ 読んで字のごとく、「ループしている」線路。
┿┿ といっても山手線みたいな環状線のことではなく、一本の線路がこのAAのように
┿┿ ぐるっと1回転している区間のことです。
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┿┿ ┿┌╂╂╂╂╂┐┿ このループ線も、勾配を緩和するために設けられます。
┿┿ ┿┿ ┿┿ 直線的に進むと急勾配になる区間を、わざわざ山を1周することで
┿┿ ┿┿ ┿┿ 緩やかな勾配にして進んでいく、というアイデアなのです。
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┿┿ ===== ┿┿ こちらも列車の性能向上や工事技術の進歩により、必要性が薄れて
┿└╂╂╂╂╂╂╂╂┘┿ きましたが、日本のいくつかの路線ではまだまだ現役です。
└╂╂╂╂╂╂╂╂╂╂┘ たとえば群馬県〜新潟県境を越える「上越線」や、熊本県の山間部を
===== 走る「肥薩線」など。
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┿┿ 特に「肥薩線」は、ループ線の途中にスイッチバックがあるという、日本でも唯一の
┌╂╂┘┿ 構造を持つことで特徴的です。
┿┌╂╂┘ 周辺は「矢岳越え」と言われ、日本三大車窓の一つに数えられています。
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┿┿ 参考→大畑(おこば)駅
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ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%95%91%E9%A7%85
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┿┿ 線路一つに注目しても、鉄道は様々なパターンに分類されます。
┿┿ それぞれの地形、環境、需要に応じて、様々な線路の敷き方があるのです。
┿┿ もしお時間があれば、皆さんも身近な鉄道の「線路」に着目してみるのはいかがでしょうか?
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