第3回2ちゃんねる全板人気ﾄｰﾅﾒﾝﾄ宣伝ｽﾚ-09

罪に対しては罰か、それとも被害者救済か。

近年、被害者家族の感情に配慮して加害者に厳罰を科す風潮がある。
これは、これまでの加害者の人権に配慮して被害者の人権を蔑ろにしてきた反動と捉えることができるだろう。
さて、罪に対しては罰。これが多くの場合刑法の原則のようになっている。
当然、古代オリエントでも罪に対しては罰で臨むのケースが多い。

　聖書　出エジプト記２１．２２
　「生命には生命を、目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足を、傷には傷を、打撲には打撲を」

　ハンムラビ法典第１９６章
　「目を傷つけたのなら、目を傷つけるべし。」

　アッシリア法典Ａ表５４章
　「乙女を凌辱されたら、乙女の父は加害者の妻を凌辱目的で引き取るべし。」

しかし、古代オリエントの王国には罰を与えるよりも被害者への保障を第一に法を構築した王国がある。
それがヒッタイトである。

　　　　　　〜-　　　　　黒海　　　　〜-
　　 ＼　 　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
ア　 ＿＞.／　　　　　　　　　　　　カスカ
カ　 | . 　 |トロイ
イ　 |`　　|　　　　　　　　　ヒッタイト王国
ア／　 　 |　アルザワ 　　~~~~~~~~~~~~~
　　　　　 .＼　　　　　　　　　キズワナ
　〜-　　　　￣￣￣￣￣￣＼　ｶﾙｹﾐｯｼｭ　　ミタンニ
　　　　　　　　　アラシア○ 　 |ウガリト　　　　　　　　　　　アッシリア
　　　　　 　 　 　 〜-　 　 　 　|
　　　　.東地中海 　 　 　 　 　|アムル
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　|
　〜-　　　　 　 　 　 　 　 　 　|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　バビロニア
　　　　　 　 　 　 　〜- 　 　 　|カナン
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　リビア　　　　エジプト

★ヒッタイト法では加害者とその一族の者を被害者、あるいは被害者の一族に引き渡すことが基本になる。
　ヒッタイト法第一章第一節
　「男か女が誰かを殺したのなら、被害者を遺族へ送り届け、加害者の一族は一族の者四人を遺族へ引き渡すべし。」

★引き渡された加害者は被害者の自由意思にゆだねられる。殺そうが奴隷として使おうが自由である。
　引き渡された加害者や一族の者についてのテルピヌス王の言葉。
　「殺したいのなら、殺されるだろう。贖罪を望むのなら、贖罪をするだろう。」

★但し、加害者引き渡しは殺人などの重大犯罪に限られ、他のケースでは賠償が原則となっている。
　傷害なども傷害のタイプにより賠償額が定められている。
　こちらは酷い言い方をすれば、金さえ払えば殺さない程度に相手をいくら傷つけてもお咎めはないということだ。
　ヒッタイト法第一章第七節
　「自由人が誰かを盲目にする、或いは歯を砕いたのなら、
　 銀１マヌーを支払うべし。或いは銀２０シルクを払い、加害者の一族に賠償をさせるべし。」