第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-06

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463山野野衾 ◆jBrGNc9rBQ
世界史板よりオカルト板(5月26日出場)支援(全4レス)

12世紀前半に成立した『今昔物語集』より怖い話

今は昔、東国より京へ上ろうとする一向があった。
彼らは勢田橋を渡り、都まで後もう少しという所まで来ていたのだが、そこ
で日が暮れてしまい、已む無く近隣で宿を探すことになった。
それらしい人家を探す内、たどりついたのは無人の豪邸。
何故人が住まなくなったのか。
それは分からなかったが、一向はその屋敷に宿ることにし、馬を繋ぐと、従
者が下座に大勢で眠り、主が上座に一人で眠ることになった。

しかし、人気のない屋敷で一人眠れるものではない。夜中になっても眠れず
にいた主が、ほのかな明かりを見ていると、部屋の隅に大きな鞍櫃(馬の鞍
を入れておく箱)のようなものがあるのが見えた。
すると、人が触れた訳ではないのに鞍櫃が音を立て、蓋が動くではないか。
主がこれを見て「もしや、無人になったのは鬼が棲みついたからではないの
か」と思っていると、やはり気のせいではなく、蓋が動いており、それは段
々と大きく開いていた。
464山野野衾 ◆jBrGNc9rBQ :2008/05/24(土) 23:17:11 ID:55UBHdzs
「馬の様子を見てこよう。」
そう言って、主はその場を抜け出し、馬に乗って逃げた。
すると、鞍櫃の箱を開けて出て来た何者かが「どこへ行く。我がここにいる
と知らなかったか」と大きな声で言い、追って来るではないか。
必死で馬を走らせながら振り返ってみたが、暗闇の中で相手の姿は見えない。
ただ大きな体をした、恐ろしげなものが近づいてくるのは分かった。

とうとう主は勢田橋まで逃げて来た。ここで馬を下り、乗り捨てて、橋の下
まで逃げて「観音様、お助け下さい」と念じ続けた。
やがて、鬼が来た。橋の上で「どこへ行った」と声を挙げている。
するとその時である。主の側で「こちらですよ」という声がした。
それも、暗闇の中で何者とも知れなかった。

ここまでです。実はこの話、平安時代に記録した人がどういう訳かここまで
書いて筆を擱いてしまったせいで、続きが分からなくなってしまったもので
す。・・・・どうなったのでしょうね?以上、世界史板からでした。
(すみません、4レスかかりませんでした。)