第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-03
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創作文芸板(5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その1です。
気のいい火山弾 著 宮沢賢治
彼は、「ベゴ」と呼ばれた、ただの石でした。
何の特徴もないただの野原で、
ゴロンと横になって日々を過ごしていました。
あんまり気が良すぎて、周りに馬鹿にされても、
何と囃されても、逆に相手を気遣うことすらします。
そんな彼を、ある客が訪れ、
彼の人生は変わってしまったのでした。
ベゴの裏表ない純粋な性格は、愚鈍な印象をも時に
与えますが、宮沢賢治の理想の一つとも言えるでしょう。
それが、巧くまとめられた一作です。
この作品は青空文庫で読むことが出来ます。
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/4440_7303.html
創作文芸板(5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その2です。
エルマーのぼうけん 著 ルース・スタイルス・ガネット
そこに描かれる世界は、まさに子供の胸躍るもの。
エルマーがぼうけんに持っていくものは、
輪ゴム、ヘアブラシ、チューインガム……
子供の身近にあるものばかり。
そしてエルマーは、その道具を上手に使って
捕まえられていたりゅうを救い出します。
自分もそんなぼうけんが出来るんじゃないか、
子供にそう思わせ、わくわくした気持ちに
引き込むこの本は、まさに児童書の王道と
言える一作でしょう。
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その3です。
トロッコ 著 芥川龍之介
前半のトロッコへの憧れ、
中盤の高揚感、
後半の絶望感、
それぞれの心境が丁寧に描かれています。
同じ文章の中にありながら、
大人の世界と子供の世界の、隔絶の具合も絶妙です。
これを読んで、子供心にトロッコに乗ってみたいと思ったものです。
最近の子供達だと、ドラえもんを見て、
土管の中に入ってみたいと思うのかも知れませんね。
この作品は青空文庫で読むことが出来ます。
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/43016_16836.html
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その4です。
天才えりちゃん 金魚を食べた 著 竹下龍之介
龍之介と、妹のえりちゃんを巡る連作集。
作者の竹下龍之介は、当時6歳ということで
話題になりました。
子供の感性で描かれたものが子供の共感を
得るのは、当然のことのようにも思えますが、
驚嘆すべきなのはその構成力。
子供の言葉は支離滅裂で取り留めの無いものですが、
それをきちんとお話としてまとめられたからこそ、
作品として成立しているのです。
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その5です。
一房の葡萄 著 有島武郎
嫉妬に駆られて、ある意地悪をしてしまった「僕」。
でもすぐに露見してしまい、級友達に責め立てられ、
先生のところへ連れて行かれます。
そこで先生が取った行動は……。
装飾された透明感のある文章で、
ゆったりと文字が流れていきます。
読みやすさと併せて、子供に読ませる価値のある、
読後感の良いストーリーです。
この作品は青空文庫で読むことが出来ます。
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/211_20472.html
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その6です。
兎の眼 著 灰谷健次郎
小谷先生と鉄三ら「処理所の子」を中心に、
小谷先生の苦悩、葛藤、そしてその成果としての
交流と成長が描かれていく物語。
子供達が主役で、割とすんなり読める作品ですが、
子供には分からない単語が沢山出てきます。
処理場、ハンストetc
バクじいさんたちエピソードは子供心にも衝撃的です。
ビラ配りの辺りなど、子供の頃は「こんな活動を
手伝わない他の先生達って、何て酷いんだ!」
なんて思ったりもしましたが、大人になると別の見方に
なってしまいます。これは成熟したと見るべきなのか、
汚れてしまったと言うべきなのか。
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その6です。
手袋を買いに 著 新美南吉
作者は「ごんぎつね」の新美南吉。
子狐が一人で手袋を買いに街まで行くお話。
前半の雪の描写は、実に綺麗です。
「母ちゃん、人間ってちっとも恐かないや」
という子狐の無邪気さと、母さん狐の
「ほんとうに人間はいいものかしら」
という懐疑がよく対比しています。
一人で行かせるなよ、と突っ込んだら負け。
この作品は青空文庫で読むことが出来ます。
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/637_13341.html
星の王子さま 著 サン・テクジュペリ
サハラ砂漠に不時着した「ぼく」は、
小さな星からやってきた王子と出会う。
王子が聞かせる話は、色々な星の話。
そしてこの地球にやってきてからの話。
話を聞きながら飛行機を修理する、
そんな日々を過ごしていた「ぼく」は
飛行機が直り、この砂漠を離れることになったのだが……
幻想的ではありながら、その世界には
常に現実的な毒が含まれています。
子供の頃には分からなかったこと、
でも知らない方が良いのかも知れません。
それを知ってしまうと、もうこれは児童書ではなく、
寓意的な小話に変換されてしまうかも知れないから。
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その8です。
マチルダは小さな大天才 著 ロアルド・ダール
マチルダは、小学校に上がる前からディケンズやスタインベックの
世界に親しみ、図書館の本は全て読破してしまうような天才少女。
でも、そんな彼女の才能を周りの大人たちは理解しません。
両親ですらマチルダを「かさぶたかなにか」としか思わず、
その才能に気付こうともしないのです。
彼女の理解者は担任のミスハ二ーだけ。
しかし、マチルダの才能を伸ばそうとするミスハニーの努力も、
暴君たる校長、ミス・トランチブルに捻り潰されます。
大好きなミスハニーと、自分自身を守るため、あることを決意するマチルダ。
彼女の溢れる才能はその時、ある「特別な力」を与えていたのでした……。
ちなみに、著者は映画化された
「チャーリーとチョコレート工場」でも知られています。
創作文芸板(第17組、5/19月曜日出場)さん作成、名作児童書の紹介その10です。
あしながおじさん 著 ジーン・ウェブスター
孤児だったジュディは、「月1回の手紙」という条件で、
進学費用の援助を受けることになった。
顔も知らないその謎の援助者のことを、
ジュディは「あしながおじさん」と呼びます。
時を経てとうとう、ジュディは「あしながおじさん」と
対面することになるのですが……。
「あしながおじさん」に宛てた手紙を中心に物語は進みますが、
ウィットに富んだその手紙は、
ジュディの学生生活を実によく想像させてくれます。
あしながおじさんの行動をよくよく考えてしまい、
こいつきめぇw と思ったら、光源氏よりはマシ、と思えば良い。