第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-02
メンヘルサロン板から
宣伝物資ということで短い小説です。
あくまで、小説なので、事実と異なる事が多々ありますからご注意を。
では投下します。
ある日の夕暮れ、出刃包丁持った猫が、僕に包丁をつきつけてきた。
「おかねちょうだい」
ちょうど、僕は行きつけのメンタルクリニックの帰りで、財布にはほとんどお金がほとんど残っていなかった。
ろくに働けないから収入が少ない上に、2週間に1回メンタルクリニックに通院しているので
病院代や薬代がかかって仕方がないのだ。
「お金?いくら?」
僕は財布とにらめっこし、出刃包丁を持った猫に言った。
「さんぜんえん」
ううーん。困った。しかし、
「いいよ。はいどうぞ」
と答えてしまった。
「かたいのもほしい」
「小銭のこと?全部持てるかな」
お札と小銭を約3000円ほど渡してやる。
「何買うの?」
「カリカリ。いっぱいかう」
「そっか。でもお店遠いよ?一緒に行く?」
「…いく」
「包丁は重いからいったん僕の家においていけばいいよ。後で取りに来ればいいから」
「うん」
「カリカリいっぱい買えてよかったね」
「…うん」
「重いでしょ?それずっと持って歩くの?」
「…重いの」
「家においておく?好きなときとりくればいいじゃん」
なんだかこの猫が他人事じゃなく思えてきたのでつい言ってしまう。
「…うん」
なんだか淋しそうな姿が印象に残った。
一緒に夕飯を食べて少しくつろいでると猫が玄関へふらふらと移動していくのが見えた。
「外寒いよ?帰るの?」
「・・・」
やっぱり淋しそうな姿・・・。
「泊まる?」
「・・・そうする」
数日たったある夕飯時のこと
「おまえがいつもたべてるカリカリはなんだ? おいしいのか」
すっかり定着した猫が聞いてきた。自分のカリカリはもうきれいに食べて満足気だ。
「カリカリ? 食べてないよ」
「きれいなかみからぷちぷちとりだしてるやつ」
「? あぁ、これは薬だよ」
「くすり? どこかからだわるいのかおまえ?」
「あはは、体は悪くないんだけどね……」
「じゃあ、なんでおまえはくすりをたべるんだ」
「実は心が調子悪いんだよ。お薬は心の調子を治すのに使ってるんだ」
「こころ? こころがわるくてくすりのむのか?」
なんだか惨めな気分だ。
鬱になる前はこんなんじゃなかった。もっとはつらつとして仕事もバリバリして。
会社帰りには同僚と一緒にお酒呑んだり、馬鹿な話をしたり、かわいい娘を追っかけたり。
仕事が忙しくなって徹夜が続いた時、体の異変に気付いてたらこんなことにならなっかたのかもしれない。
突然に線が切れたかのように体が動かなくなって、仕事はクビになった。
まったく予期しないことだった。あれから3年。まだ鬱は治らない。
モフモフ
泣きそうになっている僕に何かが体をすりよせてきた。
僕は目をこすってそれ、猫を見る。
「おまえのぐあいがわるいとおれがこまるからとくべつにもふももふさせてやる」
なんだか偉そうだったがなんだか気分が少し落ち着く。
この日、僕は猫と一緒の布団でゆっくり寝れた。
睡眠導入剤無しでこんなに気持ちよく寝れたのは久々だった。
猫と出会って2週間がたった。メンタルクリニックへ行かなければ。
通院とたまにする日雇いの仕事以外、引篭もっているため大変おっくうだ。
数日、お風呂にも入ってなかったことを思い出し、とりあえず身支度をする。
鬱になると身の回りのこともなかなかできなくなってしまうのだ。
お風呂に入ったり、洗濯機をまわしたり、ぱたぱたとなんとか準備をする。
「おまえ、なにしてるんだ」
僕の行動が不審なのか、猫はそんなことを不機嫌な声で言う。
「メンタルクリニックへ行く準備だよ」
「めんたるくりにっく?」
「病院だよ」
僕がそう答えると猫はずっかり黙ってしまった。
メンタルクリニックへ行く準備だけでクタクタになった。
よろよろしながら玄関を開けようとすると
「おれもついていく」
猫がズボンを引っ張っていた。
連投規制に引っかかったようなので代理で貼ります。
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猫と出会って2週間がたった。メンタルクリニックへ行かなければ。
通院とたまにする日雇いの仕事以外、引篭もっているため大変おっくうだ。
数日、お風呂にも入ってなかったことを思い出し、とりあえず身支度をする。
鬱になると身の回りのこともなかなかできなくなってしまうのだ。
お風呂に入ったり、洗濯機をまわしたり、ぱたぱたとなんとか準備をする。
「おまえ、なにしてるんだ」
僕の行動が不審なのか、猫はそんなことを不機嫌な声で言う。
「メンタルクリニックへ行く準備だよ」
「めんたるくりにっく?」
「病院だよ」
僕がそう答えると猫はずっかり黙ってしまった。
メンタルクリニックへ行く準備だけでクタクタになった。
よろよろしながら玄関を開けようとすると
「おれもついていく」
猫がズボンを引っ張っていた。
結局、メンタルクリニックへ一緒に行くことになり、診察室の中にまで入ってきた。
猫と一緒に診察室に入ると先生は一瞬驚いたような顔をしたがすぐに表情を戻した。
僕は近況と症状について話をする。
先生はカルテになにやら書きながら、猫ともなにやら話していた。
「はい、これが今回の処方箋となっています。お薬が変わってますから注意下さい」
会計をすませ薬局に行く。
「これ、お願いします」
行きつけの薬局に処方箋を出し、お薬を用意してもらう。
「はい、今回のお薬です。注意書きをよく読んでくださいね」
どうせいつもと同じようなことが書いてあるのだろう。
副作用で眠気や吐き気が出るだの、車の運転や飲酒は控えろやの、そんなことに違いない。
そのまま家に帰った。
家に着いて薬の確認をする。
えっと、・・・、???
品名『カリカリ』
使用方法、一日適度に猫にやること。
一日数回、猫をモフモフ、プニプニする。
しすぎると猫が怒るので注意
「えっ? 」
いつものお薬が減ってなぜかカリカリが入っている。
その上、猫をモフモフしろと書いてある。
猫を見るとどこか偉そうにしていた。
「せんせいがおまえのためにというからふももふさせてやる」
二週間前に見せた淋しそうな姿はすっかりなくなっていた。