第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-01

このエントリーをはてなブックマークに追加
120清き一票@名無しさん
<<創作文芸板>>
5/19(月)、VIPと自作PCに挟まれての17組出場です。

テストを兼ねて、通称三語スレの作品から。
創作文芸板には、以下のような文章練習用のスレッドがあります。

お約束
1:前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2:小説・評論・雑文・通告・dj系、ジャンルは自由。官能系はしらけるので自粛。
3:文章は5行以上15行以下を目安に。
4:最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。
5:お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
6:感想のいらない人は、本文もしくはメール欄にその旨を記入のこと。

短い文章は、書きやすそうで書きにくいもの。
更に、三語を使うという縛りが加えられています。
名前欄に入っているのが、お題の三語です。
宣伝スレ用に、幾つかの作品は改行位置を変更しています。

第二回時の支援物資の残り物というのは、内緒。
121「カーディガン」「競泳」「ニセモノ」 :2008/04/30(水) 22:41:03 ID:gkpfozxK
年のせいか、プールサイドで冷え込む。
カーディガンの下に水着という服装で、彼女はスタートを待っていた。
30を越えてなお、現役トップ。常勝一位の名選手である。

プールサイドでは、若手選手がカメラマンに愛嬌を振りまく。
水着姿でポーズ……寒くないのだろうか、冬の大会なのに。
新聞記者に自己紹介する娘。
スタート台で歌を披露する娘……

しかし、彼女は負けない。
彼女達には悪いが、ああいうのはニセモノだと思う。
ここは競泳だ。スポーツなのだ。

スタートの合図!無心のクロールで最初にゴールイン!
「一着、タイム、5分9秒63……」
平然と場内アナウンスを聞き流す彼女。いつもの事なのだ、一着は。
 
「……好感度0.05 ルックス0.18、可愛指数0.02・・・総合15位」
気にしない、これもいつもの事なのだ。
外形標準課税の導入を巡って、国会では、熱い戦いが繰り広げられていた。
強行採決の斬り込み隊長は、長曽我部泰親の子孫と呼ばれる保守派であった。
しかし、数百人もいる議員相手では、名刀も刃こぼれする様だ。

対する野党も負けてはいられない。
雑賀孫市の末裔が、狙撃手として雇われる。
柳生一族の残党による暗殺も注意しなければならない。
封筒からこぼれ出るメリケン粉状の白い粉に、一時討議は中断された。

「やれやれ」と休憩にゆく議員達を迎え撃つ、織田直伝の鉄砲隊!
答申に立つ大臣の額に、平将門の後裔の矢が放たれる。

混乱の中、関東ローム層の様に動かない、武田家の血を引く議長がいた。
雑学豊富で知られる彼は、全ての事情を察していた。
……が、彼はおもむろにこう宣言した。
「江戸時代以前は退場!二世議員までにして下さい」
123「煙」「観音」「面」:2008/04/30(水) 22:43:50 ID:gkpfozxK
=== 挿絵入り ===  

Λ_Λ   いかつい面相から「鬼」と呼ばれた警部であった。
<・・>  「ここにお前の名がはっきりとあるじゃないか。ごらぁ!」     
 =    偽造手形事件!水も与えぬ拷問同様の厳しい尋問が続いた。

  △;  手形には、はっきりこうあった「以下余白」
  川  強制連行された純白のヤリイカは、黙秘を守ったままだった。
     その無実が明かになった時、彼はほとんどスルメ同然となっていた。

△▲△ 何の関係もない無実の市民(?)を、死においやった男。
川川川 警視庁内ですらも、彼は煙たがられる存在になっていた。

 ○   「俺は・・・俺はイカ以下の男だ。イカイカだー!」
三+三  部下の刑事は、そんな彼を観音様の様に優しく見守る。
 l   「いいじゃあないですか」
 川   足が20本あって……と言いかけて自粛する。              無実を 
     人生経験が足りない、若刑事なのであった。 いみなし。
ジョージ・ブッシュでレバノン杉革命が起こったのは、星暦2002年4月1日のことだった。
「レバノン杉マンセー!」「杉の木を守るニダ!」を合言葉に、
環境保護団体は大統領官邸、ブラックハウスを取り囲んだ。
「どうにかならんのか!」
ブッシュ星大統領は花粉症で目をしょぼしょぼさせながら叫んだ。
「無理です。国軍革命に参加している模様です、っはーくしょい!」
国務長官はムズムズする鼻をかみながら答えた。
「くそ、首尾よく行けば今年の春には杉の木なんぞ絶滅しているはずだったのに!」
大統領は鼻にテッシュを詰めて鼻水が出るのを抑えた。
「そもそもなんだってうちはレバノン杉なんだ? 地球の尻拭いをなんでうちが」
「独立の条件だったんですから。しかたないでしょう!」
国務長官は鼻に詰めたテッシュを引き抜いた。
ボタっと言う音と共に鼻水を吸いとったテッシュが地面にへばりついた。
「そもそもお前が環境条約でレバノン杉なんぞ選ばなければなあ!」
「クジだったんですよ!」
大統領と国務長官との醜い言い争いの中、
花粉防護用ゴーグルと不織布マスクで完全防備したデモ隊が部屋の中まで踊りこんできた。
タコ殴りにされている間、
大統領は薄れゆく意識の中、おまえら本気で杉の木を守りたいのかと、
小一時間問い詰めたい気分でいっぱいだった。
125「犬」「猿」「機動隊」:2008/04/30(水) 22:48:34 ID:gkpfozxK
犬を連れ去るのは保健所の仕事だ。
猿は時折警察官との追いかけっこをTVで見かける。
では、もしも相手が巨大なサルだったら?

……ありったけのヒトと犬を投入して山を捜索していた。
早く奴を見つければならない。連なる山々の中では昼を過ぎるとすぐ暗くなるからだ。
と、その時、山を囲んでいる機動隊の一斑から無線が入った。
「奴です。現れました!」
山の南西斜面に配置した部隊だ。あそこは最も防衛に不向きな地形で街にも近い。
奴め、頭も切れるらしい。
「よし、そこで取り押さえろ。絶対に逃がすんじゃないぞ!」
我々は他班にも緊急招集をかけ、現場へ急行した。
なんとしても奴を街に入れてはならない。あんな奴が暴れたらまさに3分で街は壊滅状態である。
が、駆けつけてみると時すでに遅し。そこには見るも無残になぎ倒された隊員達がいた。
私は怒りに肩を震わせ、ガタイの良い彼等を荒々しく叩き起こしてまわる。
どれもゆうに2mはあろうかという巨漢を一列に並べ、私は怒鳴った。
「貴様ら、揃いも揃ってウルトラマン一匹取り押さえられんのか!この、サル!」
126「簪」「グレープフルーツ」「ディスク」:2008/04/30(水) 22:50:08 ID:gkpfozxK
女はグレープフルーツミントを握って死んでいた。ある殺人事件の現場でだ。
容疑者はすぐに浮かび上がった。彼女の交際相手だ。
しかし男は殺害日にはアリバイがあると主張していた。
ある日、私はヤツに呼ばれて家を訪ねた。アリバイの証拠が見つかったらしい。

「やっとデジカメでとった写真を保存してあるディスクが見つかったんですよ。
この前お話したとおり、その日京都に旅行してたんですよ。
ホラ、舞妓さんとの記念撮影です。後ろの日めくりは8月15日となってるでしょ?」
ヤツは勝ち誇った顔をしてパソコンのディスプレイを見るよう俺を促した。
俺はそれを見て、ゆっくりヤツにこう言った。
「お前は舞妓さんの簪が季節によって変わることを知らないんだろう、
この写真の簪は”ききょう”、9月の簪だ。少なくとも夏にする簪では無いな」

アリバイが崩れたヤツはペラペラと犯罪を自供した。

護送する途中。俺はヤツに訪ねてみた。
「なんで彼女はグレープフルーツミントを握っていたんだと思う?」
「さあ、まったく見当がつきませんね」
「お前は本当に考えないヤツだな。グレープフルーツミントの花言葉には
”あなたを信じます”という意味もあるらしいぜ」
127「幻滅」「水死体」「乾電池」 :2008/04/30(水) 22:51:24 ID:gkpfozxK
「みんなで乾電池ゴッコしよう。」
 タカシ君の一声で、みんなは一斉に自転車を漕ぎ続けた。
 自転車の後輪から黒いケーブルが延びており、その先はバッテリーに繋がれていた。
「ねぇねぇタカシ君。」
 クラスで一番頭が良いヤスオ君が云った。
「乾電池は科学反応によって放電するものであって、運動によって得るものじゃないよ。」
 その言葉を聞くと、みんなはペダルを止めた。幻滅の目でヤスオ君を凝視する。
「ヤスオ、みんながこーやって楽しんでるときに、萎えるこというなよ。」
 ヤスオ君は多勢からブーイングを浴びせられ、四面楚歌の危機に陥った。
 そのとき、批判とは違う声でヤスオ君を庇ったのはタカシ君だった。
「みんなやめなよ、ヤスオは悪気があっていったんじゃないぞ。不満なら、もっと
他の遊びをしよう。」
 タカシ君は眉間のしわを寄せて、低い唸りを上げて黙考してるふりをした。
「じゃあ、みんなでドザエモンゴッコをしよう。」

 翌日、岸辺に数人の男児の水死体が上がった。
128「通販」「フレーム」「テスト中」:2008/04/30(水) 22:52:11 ID:gkpfozxK
 テスト中に通販するのもなんだが、俺はいま男としての道を一歩あゆもうといている。
 ……そう、エロ本だ。肉欲願望を見る男は一度は通ると云う、幾らかの法典すら優れぬ悦楽の聖書だ。
 段ボールのパッケージを破ると、滑るようにモデルのスタイル写真が露出した。
 水着姿のそれは、陳腐な例えだが、俺を未知の世界へと誘ってくれる、天使のように思えた。
 さあ、森羅万象で確かに存在する色魔よ、その可憐とは紙一重なる淫靡な肢体で、俺を大の男にしてくれ!

「テメエ試験中になにハァハァ臭い鼻息漏らしながらセンズリここうとしてんだよ。キモ
イんだよ、この畜生にすら劣る社会のゴミクズ野郎が。テメェのイカ臭え恥垢の塊が
紙越しからプンプン漂ってくるぜ(笑) とりあえずお前は一生勉強も女も出来っこね
ぇぇんだし、家庭の為にもさっさと自殺しちゃってくれよ? 勉強する気ないみたい
だし、誰もお前の価値観なんか見出そうともしないから、さっさと富士の樹海の土に
でも魚の餌にでもなってくれや? 動物園のゴリラにFackされるのも面白いかもな、
女経験がありえないお前にはピッタシかんかんだぜ。少なくとも電車とかに飛び込む
なよ、掃除とか大変だし、テメエ如きに他人様の労力をつかうなんざ……」

 俺は顔面を横から殴られたような、恐怖を感じた。白地に滅茶苦茶に書き綴られた
醜悪なる文章は、僕を倒錯的世界に引きずり込もうとしていた。
 挙動不審気味に振り向くと、メガネのフレームの淵から、ドアの隙間から母の嘲笑が覗いていた。
129「混乱」「手の平」「連想」 :2008/04/30(水) 22:55:19 ID:gkpfozxK
月曜の昼過ぎ、山手線。目黒をすぎたときそれは始まった。
右隣に座ったサラリーマン風の男がわたしにこっそり耳打ちする。
「だんご」
だ、だんご!?確かに男はそう言った。
突然そんなことを言われても……混乱するしかない。
甘い囁き声に緊張で手の平がじっとり汗ばむ。
わたしはどうすればいいの?と男に目で訴える。
男はにっこりと微笑み、あごでわたしの左側の男子高生を指し示す。
もしや、と思いわたしは男子高生に耳打ちする。
「月見」
男子高生は、こくりと頷き、隣の主婦らしき女性に何かを囁いた。
どこまで続いただろう、こっそり始まった連想ゲーム。
結末がわからぬまま、わたしは池袋で降りた。


第二回で投下してたものも貼ってしまった。
ちょっと反省してるので、テスト終了する。
本番でもよろしくお願いします。