漫画さいもえトーナメント 投票スレ31

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>>434-439 基本紹介、ボスへの裏切りなど  ■>>448 自作絵  ■>>485 カラーイラスト
>>515-517 地下納骨堂の戦い

■過去
ここで寄り道をして、過去話を少し。ブチャラティが麻薬を憎むようになったきっかけは、彼の過去にありました。

ブチャラティが7歳の時、両親が離婚しました。
母親は自分と都会に来るよう促しますが、ブチャラティは何もない村に父親と残る方を選択しました。
 ttp://ranobe.com/up/src/up236148.jpg(再掲)
優しい息子を誇りに思うと同時に、その優しさが彼自身の人生を不幸なものにしてしまわないか案じつつ、
母親は村を去りました。 ttp://ranobe.com/up/src/up236150.jpg(再掲)

しかしブチャラティが12歳の時、彼と父親の運命を狂わせる事件が起こります。
漁師だった父親が、麻薬取引の現場を目撃したために全身を撃たれ、入院してしまったのです。
 ttp://ranobe.com/up/src/up236151.jpg(再掲)
 ttp://ranobe.com/up/src/up236152.jpg(再掲) 父さああああーーーん!

父親を撃った密売人たちは目撃者の回復を恐れて、とどめを刺そうと夜の病院に忍んできました。
その時、彼らの凶手から父親を守るように、ベッドの下からナイフを握った手が現れます。ブチャラティでした。
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ためらう事なく、密売人の胸にナイフを突き立てるブチャラティ。
 ttp://ranobe.com/up/src/up236154.jpg(再掲)

静けさを取り戻した病室で、彼は意識が戻らない父親の手を取り、語りかけました。

 「ぼくが守るよ…父さん。 心配しないで…心配しなくていい… 安心してゆっくりと……」
  ttp://ranobe.com/up/src/up236155.jpg(再掲)


父親のため12歳にして殺人を犯したブチャラティ。
放っておけば、殺した相手の仲間からの「報復」と「口封じ」が続くのは確実でした。

父親と自分の身を守るため、彼は街を裏で支配すると言われるギャング団「パッショーネ」に入団し、
「組織への忠誠と奉仕を引きかえに」安全を保証されます。
しかし皮肉な事に、組織はこの頃から麻薬の売買に手を染めるようになっていました。
 ttp://ranobe.com/up/src/up236156.jpg(再掲)

父親は、後遺症を残したまま5年後に死亡。
ブチャラティが麻薬を憎むようになったのは、こんな背景があったのです。
麻薬への憎しみの他にも、ブチャラティの過去話には、
終生変わる事のなかった彼の「やさしさ」や父親との「家族愛」といった要素が既に現れていて
暗示的だと思います。

トリッシュの為ボスを裏切ったのは、幼い日に彼の母親が心配した
「人の悲しみを知りすぎるやさしさ」が大きく関わっているでしょうし、
「父親の事好きになれるのかしら?」と呟くトリッシュに「そんな事を心配する親子はいない」と即答したのも、
ブチャラティ自身が(悲劇的な結末に終わったとはいえ)父親との間に、
確かな家族愛を感じられる環境で育ってきた事をうかがわせます。

仲間の一人ナランチャが入団する時のエピソードに、
ブチャラティが「ガキは親のところへ帰るもんだ」とナランチャを諭すシーンがあるのですが、
 ttp://ranobe.com/up/src/up236157.jpg(ナランチャ支援再掲)
このセリフもブチャラティの過去を思い返しながら読むとなんとなく深いセリフに思えてきたりこなかったり。

ブチャラティの「やさしさ」については、単行本最終巻のキャラ紹介でも言及されています。
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運命においては、「やさしさ」が彼の弱点となった…という言葉が彼の人生を象徴しているかのようです。

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