かろうじて体調を回復させたクロは何とか山も超え、ふもとの一軒家で雨露を凌がせていただけることに。
「まあまあまあ…… こんな時期に山越えしてきたの?」
「こんな小さい体で…… 雪が降る前でよかったなあ。」
家の人に暖かく迎え入れられ、身体にまとわりつく雨のしずくを落とそうと靴を脱ぎかけたその時
クロは自身に起こっている異変に気づく。
「…? なんだろう、これ。」
身体から染み出す黒いシミを、不思議に思うクロ……
そう! 黒き魔女の呪いは容姿のみならず、ゆっくりと確実にクロの身体を蝕んでいたのだった……
服を着替え、暖炉のそばへ呼ばれるクロ
「久々の女らしい格好だな。少しくすんでるが、おまえの好きな白い服だ。」
センの言葉に、はにかみながらも少し困ったような表情を見せ
「……今の わたしには似合わないよ。」と答えるクロだった。
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