第二回漫画最萌トーナメント 投票スレ40

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{{山口如月@GA 芸術科アートデザインクラス}} の、ほのぼのエピソードをもうひとつご紹介します。


鉛筆デッサン(素描)の時間、如月ちゃんの使う鉛筆を気にとめるノダミキ。
「その鉛筆、授業用鉛筆のとは違うヤツだよね?」

質問に、笑顔で答える如月ちゃん。
「これは、ここの高校の受験前に買った鉛筆なんですよ。」「へぇ────」
「神様の鉛筆なんです。」   「……へぇ?」

……なんか、電波な事を言い出しましたよ? 如月ちゃん?
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 ───── 時はさかのぼること高校受験前
大慌てで文房具屋に飛び込み、鉛筆を捜し求める如月ちゃん。
         ……いや、カウンターの、目の前においてありますから、鉛筆。
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そんな、あわてんぼうさんの女子中学生、如月ちゃんを見て店番のおばあちゃんは
「ほんならちょいと待っときいの。ちょうどな、あんたにええのがあるんやわ。」
店の奥から取り出してきたその鉛筆は、見るからにボロ……年季の入ったものでした。

それは学問の神様、菅原道真公ゆかりの霊験あらたかな鉛筆だというおばあちゃんの話。
そんな鉛筆の由来を聞き、驚きの声を上げる如月ちゃん。
「ええ!? そんなにすごい鉛筆なんですか!?」
(……ていうか、美術に使う鉛筆なんですけど。 学問の神様、関係あるのかなぁ……?)

「……という訳で、おばあさんが譲って(売って)下さった鉛筆なんですよー。」

しかしその鉛筆には(如月ちゃんにとっては)すごい効果があったそうです。
なんと! 試験前日にその鉛筆で特訓して、一日で20本使い切った頃にはデッサン力が驚くほど向上!!

……神様って、「自分にない力を与えてくれるもの」ではなくて
    「その人の持っている力を、最大限に引き出してくれるもの」なんですね……

しかしそれを「鉛筆のチカラ」だと信じきっている如月ちゃんに
GAメンバーたちは如月ちゃんの頭を「なでなでぐりぐりなでなでぐりぐり」してくれるのでした。
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すっかりちびて使いにくくなった鉛筆……如月ちゃんは、おばあちゃんにお礼がてら
新しい鉛筆を買いに文房具店を訪れます。
「御免ください……」

……しかし、おばあちゃんの姿はそこにはなく……
「祖母なら、2ヶ月程前に他界してね。」
言葉を失う如月ちゃん。
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「え………あ、用というか。去年ここで鉛筆を売ってもらっただけなんですけど……。」
しかしその言葉に、思わず笑い出すお孫さん。

「コレやろ? 祖母は時々ワザと大げさな作り話したりして、お客をからかってたんよ。
 多分君もそうやって、祖母にからかわれた一人やったんやね。」


おばあちゃんの言葉を信じるがゆえに、その言葉に戸惑う如月ちゃん。
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「まあ確かに、祖母のやった事は悪戯みたいなものだけど……
 本当は鉛筆を大事に使ってくれると思った人にしか、言わんかったんやないかなー……。」

お孫さんの言葉に、一年前のおばあちゃんの言葉がよみがえる……
 ( 「あんたは、何やそそっかしい所があるみたいやからなぁ
         この鉛筆がきっと、あんたの受験も護ってくれるでな?」 )
「……あ。」

お孫さんは、さらに言葉を続けます。
「君はどうかな?
 ぼくは君が鉛筆の効果を信じてくれたから、この店に来てくれたと思ったんやけど?」

鉛筆が、自分を……護ってくれた。鉛筆に霊力はなかったとしても、それは確かに、間違いのない真実。
如月ちゃんは満面に笑みをたたえながら「……はい!」
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次の日、鉛筆を削る如月ちゃんを見て、ノダミキは問いかけます。
「お、鉛筆削ってる──── 例のお店で買ってきたやつ?」
「いえ……ちょっと特別ですから、あの鉛筆はとっておこうと思って……。2年半…先、くらいまで?」
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