アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound132

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30極楽刀 ◆htSERIO.Go
>>23>>26つづき。ウソと言う物の最も効果的な落しどころは、現実と虚構の境界線をほんのちょっとだけ越えたところだと思います。
多作品を例に挙げますが、『ベルセルク』の主人公・ガッツの持つ大剣も、
巨大なビルくらいの「こりゃスーパーヒーローじゃないと持てないな」という大きさよりも、
人間の身の丈ほどという「めっちゃ修行したら持てる…かも?」と思わせてくれる大きさの方が(それでも無理なんでしょうけど)、
色々と想像を掻き立て、楽しませてくれると思います。(もっとも、ドラゴンボール的な荒唐無稽な大ウソというのも楽しいものではありますが)

人間、大人になると様々な経験を積んで、「現実に起こり得る事象かどうか」という判断をする力も成長していきます。
学生の時に本気で波動拳の練習をしていた人にも、卒業するころには「さすがにいくら練習しても波動拳は出ねえ!」という事を悟る日が訪れます。
ですが、ラムネ世界のウソの果実を一度口にすると、
「あの山を越えて作品のモデルとなった和歌山へ行けば、今年の夏もまた七海達に会えそうな気がする」
「今年の夏は雨が少なかったから、畑の水やりも大変だったろうな」つい、そんな事を考えてしまいます。

もっとも、製作側に「上手く虚構を演出してやろう」という意図があったかどうかはわかりません。
これは推測ですが、恐らく健次と七海の物語を真摯に紡ぎ上げただけだと思います。

それでも、ラムネには歳を忘れて登場人物に、そして彼らが愛した土地へ、思いを馳せざるを得ない魅力が詰まっていると思います。
ここから先は、説明の言を幾度繰り返しても同じ事になりますので控える事にしますが、未見の方は、是非「騙された」と思ってラムネを見てやって下さい。
そして、「ちょっくらななみすぺしゃるが売ってないか、近所の果物屋みてくるわ」と口走っちゃうくらいに、気持ちよーく騙されちゃって下さい。
そしてそして、出来得るならば、その素敵なウソで優しく包んでくれた七海はじめ、登場するキャラ全てを愛してやって下さい。
以上、ラムネかわいいよラムネ。な連投でありました。