≪涼宮ハルヒの憂鬱 ストーリー支援≫ (21)
>>809の続き
俺はとっさにハルヒの手を取ると走り出した。巨人が向かい側の校舎を破壊した振動が
伝わってくる。硬く重いものが地面に激突する衝撃と音が俺に届いた。
「あれさ、襲ってくると思う? あたしには邪悪なもんだとは思えないんだけど」
「元の世界に戻りたいと思わないか?」
「え? なんとかなるような気がするのよ。どうしてだろ、今ちょっと楽しいな」
「俺は戻りたい。俺はなんだかんだ言って、今までの暮らしが結構好きだったんだな」
「この世界だって、いつまでも闇に包まれているわけじゃない。明日になったら、太陽
だって昇ってくるわよ。あたしにはわかるの」
「そうじゃない、この世界のことじゃないんだ。元の世界のあいつらに会いたいんだ」
ttp://mig380.chez-alice.fr/up1/file/a1_055520.jpg 『神人』はさらに数を増していた。もう校舎の跡形は半分も残っていない。
「意味わかんない。あんただって、つまんない世界にうんざりしてたんじゃないの?
もっと面白いことが起きて欲しいと思ってたんじゃないの?」
「ハルヒ、俺はここ数日でかなり面白い目にあってたんだ。おまえは知らないだろう
けど、世界はおまえを中心に動いていたと言ってもいい。おまえが知らないだけで、
世界は確実に面白い方向に進んでいたんだよ」
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