アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound100

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「あ、そういえば…」
千代は思い出したようにごそごそとポケットを漁り小さい何かを取り出そうとする。
「倒れていた籠女さんがこれを握ってたんです」
そうして取り出したのは綺麗な小瓶であった。千華留はそれを千代から受け取り目を細めて見つめる。
「これを籠女ちゃんが…。ハッ、まさか、世に言うダイイングメッセージなんじゃ…」
思わず息を呑む。別に死んだわけではないのでダイイングでも何でもないのだが、
それでもこれが籠女の残したメッセージである可能性は十分あるだろう。
千華留は注意深くその小瓶を見つめ直す。すると瓶の底に小さく名が書いているのに気が付いた。
――その名前とは。

「南都…夜々……?」
なんとその小瓶は夜々の物だった事が判明。
そう言えば千代もその瓶を茶会に呼ばれた時に見たことがあった事を思い出す。
では、この瓶の持ち主、南都夜々こそがこの謎の事件の犯人なのだろうか。
もしそうだとすれば夜々は一体何の目的で…一体何の為にこんな事を。
尚、この物語は後にいちご舎七不思議のひとつに数えられる事になるのだが、
――それはもうしばらく後のことである。

アストラエアの丘の怪事件 (前編) 終