伊澄「………」
伊澄「……」
伊澄「……あ。皆様、こんばんわ……ございます?」
マリア「ございます、は必要ないと思いますけど……
えーと、あ、私たちはこれから始まる二回戦最終戦出場者、三千院ナギお嬢様を支援するために来た、マリアと」
伊澄「伊澄です……」
マリア「と、言う訳なんですけど……何故か肝心のお嬢様がいらっしゃらなくて。
お嬢様の執事であるハヤテ君と、ハリきって先に出たかと思えばいつの間にか私達の方が先に会場へ。
全く……もう間もなく始まると言うのに、あの子はなにをやっているんでしょうかね……と、あら?電話が……」
ナギ『あ、マリアか?どうやら会場が変更になったらしい!雑談スレという所に来てしまった。急いでそちらに向かっているんだが……それまでなんとかしてくれ!頼む!』
マリア「……会場が変更になったんじゃ無くて、あなたたちが間違えただけだと思うんですけど。」
ナギ『ぐ……そんな事はどうでもいい!相対性理論によれば、運動とはあくまでも観測者の視点から見た……』
マリア「……はあ。まあ、いいですけどね……」
ナギ『何か癇に触る言い方だが、まあいい。くそ、これもレジデントオブサンの陰謀か……?』
伊澄「ナギは……?」
マリア「あー。ちょっと手違いで別の場所へ行ってしまったようで。心配なさる事はありませんよ。」
伊澄「そう……ですか。じゃあ、ナギが来るまでの間に、私達でナギの紹介をしませんか……?」
マリア「……そうですね。それくらいしか出来る事無いですし……」
伊澄「ナギは、漫画家さんです……。あと……頭が良くて、お金のことにも強いです。」
マリア「あー、ちょっとそういう具体的なようでそうでない特徴は分かりづらいですねー……。私に任せてもらえませんか?あはは……」
伊澄「え……あ……(オロオロ)」
マリア「えーと……前回はナギの周りの事を話したので、今回はナギその人に焦点を当ててみましょうか。
ナギは……一言でいうなら、負けず嫌い、ですね。わがままというより。
運動が苦手なのにマラソンで一位を取るといったり、向こう見ずで気が強くて、臆面もしない所がありますね。
以前誘拐されかけたときも、犯人相手に啖呵をきったそうです。
その反面、結構弱い所も大きいです。
夜ひとりでは眠れなかったり、夢見がちな所があったり。
世間知らずでもあるのですが、それが故に非常に繊細で優しいですね。
あんまり普段からそんな面は見せませんが、結構無理して作っている所も大きいと思います。強がり、と言えるでしょう。
そういう性格もあってか、人付き合いをあまり好んではいなかったのですが……最近はハヤテ君とのこともあり、滅多に見せなかった笑い顔もよく出てくる様になりました。」
伊澄「ハヤテ様が来てから、ナギは幸せそうに見えます……。」
マリア「あとは、二人がお互いを……」
ハヤテ「うわああ!どいて下さい!……ふ、ふう〜」
マリア「あ、ハヤテ君。……ということは」
ナギ「……〜ッ。(プル…プル…)」
マリア「あ〜、完全に怖がっちゃってますね……あんなスピード自転車で出してたなら無理も無いですが。」
ナギ「こっ……怖がってなんか無い…ぞ…!……あ…(クラッ)」
ハヤテ「ゼッ…おっ…ゼッ…お嬢…様……(パタリ)」
マリア「……あ〜。二人とも倒れ込んじゃいましたね。
ちょっとこれ以上引き延ばすのは無理そうなので、お開きにさせてもらいますね。では……」
伊澄「ナギのことを…」
ヒナギク「よろしく頼んだわよー!!」
マリア「ま、またですか……。しかもヒナギクさんまで……。」
ヒナギク「ふふん、真の勝者とは、最も美味しいタイミングだけ見計らって出てくるものよ?」
伍澄「ヒナギクさんは、一回戦で負けてましたけど……」
ヒナギク(グサ)
マリア「天然……恐るべし、ですね……」