第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-017

「ミステリー板の童心」

毎度おなじみ名作紹介です。今回は3作品と少ないですが、
一つ一つに力がこもってます。

【ミステリー板の○冊　22．戻り川心中（連城三紀彦）】

何を言ってもこの作品の魅力は伝えきれまい。
大正年間、天才歌人として知られた苑田岳葉が起こした二度の心中事件の謎。
匂い立つ美しい文章、妖しく濡れた情景、そして目眩すらおぼえる衝撃の結末。
ハルキ文庫では、本作を含む「花葬シリーズ」が完全収録されており、どれも甲乙つけがたい傑作揃い。
特に「桔梗の宿」はミス板でもファンの多い、情感と哀切に溢れた作品である。

【哲学者の密室（笠井潔）】

本質直観で推理する矢吹駆が探偵役を務めるシリーズの第４作。
同シリーズは全10作が予定されており、前期として既に３作が上梓されているが、
前期最終作後10年を経て世に出た本作は、質量ともに「中期」として３作ぶんに匹敵するのではｗとも
言われる。完璧に閉ざされた館内で滞在客が殺された事件は、30年前にナチス収容所で起こった
三重密室殺人事件へとつながってゆく。厚さもさることながら、中身の濃さに読後の充実感はまた格別。
出版時、作中の見取り図にトイレがないことを指摘された著者が激怒したという逸話もある。
シリーズ作品のネタバレが激しいので、興味がある方は１作目の「バイバイ、エンジェル」からどうぞ。
今のところハズレはないシリーズです。

【ミステリー板の○冊　64．ウッドストック行き最終バス（コリン・デクスター）】
夕暮れ時のオックスフォードのバス停でウッドストック行のバスを待つ二人の少女。
しびれを切らした彼女たちはヒッチハイクをすることに。
次の朝。一人はウッドストツクの酒場の中庭で、死体となって発見された。
もう一人は行方不明。殺人事件の真相と行方不明の少女を探すためモース主任警部は捜査に乗り出す。
ありがちな設定にも関わらず、この作品が名作に挙げられるのは、モース警部の推理方法ゆえです。
例えば・行方不明の娘は　１死んでいる　何故　１−１殺された　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１−２事故に巻き込まれた
という具合に、考えられる可能性から幾つもの仮説を立て一つ一つ検証していくという独創的なものです。
仮説の奔流に頭がクラクラしながら読み進めていくうちに、いつしか病み付きになるという独特の魅力を持っています。
チャンピオンタイトルを３年連続で獲得したこともある作家のデビュー作

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