第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-017
おなじみの作家紹介です。
昭和30年ごろ、日本では社会派ミステリーが大ブームになりました。
今回ご紹介するのは、その時代に活躍しながらも対照的な作風を持ち、
今尚ファンを惹きつける二人です。
松本清張
デビュー作:「西郷札」
代表作 :「ゼロの焦点」「砂の器」
40歳を過ぎてデビューした後、当初は純文学系の作品を発表していたが、
列車運行の間隙を突いた「点と線」で一躍流行作家となる。
それまでの探偵小説を「お化け屋敷」と一刀両断、大人の読み物として
汚職や社会の暗部を積極的に取り入れた「社会派」の旗手として活躍した。
(とはいうものの、謎解きミステリとしても楽しめる作品もけっこうある。)
「けものみち」や昨秋ドラマ化された「黒革の手帖」など、気分が悪くなるような通俗サスペンスものも逸品で、
体調によっては読み始めたことを後悔したくなることも。
長編のみならず短編でも力量を遺憾なく発揮する、わりと珍しいタイプの作家でもある。
芥川賞受賞作家の名に恥じぬ情感たっぷりの「張込み」「天城越え」、マジ怖の「鬼畜」「家紋」、
意外な真相の「遭難」「坂道の家」など、多岐に渡る傑作群にファンは感謝を禁じ得ない。
マスコミの語彙に与えた影響も大きく、「○○の点と線」「××の黒い霧」などの表現は
今でも週刊誌の見出しなどでちょいちょいお目にかかる。
社会派ミステリーといえば松本清張。その2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1083168387/
鮎川哲也
デビュー作:「月魄(つきしろ)」(那珂川透名義)
代表作 :「りら荘事件」「黒いトランク」
満州鉄道を舞台にした「ペトロフ事件」をはじめ、主にアリバイ崩しものに登場する
鬼貫警部(下の名前は不明)と、密室を中心とした不可能犯罪ものに登場する星影龍三、
さらにダルマのような風貌でたちどころに謎を解き明かすバー「三番館」のバーテン(名前は不明)の
3人の名探偵シリーズを持つ。
昭和30年代以降、松本清張の台頭により時代遅れとなった謎解き中心の小説を
綿々と書き続けたことで、1990年代以降の新本格ミステリにも多大な影響を与え、
作家の中にも熱烈なファンが多い本格ミステリの雄。
読者にも愛され、一昨年没したときは、ミス板でも追悼カキコがやまなかった。
「黒いトランク」で鮎川哲也の名前を使用し始めるまではペンネームが定まらず、
薔薇小路棘麻呂(ばらこうじとげまろ)や青井久利(あおいきゅうり)といった
妙なペンネームで作品を出していたことも知られている。
【本格の】鮎川哲也 四番館【鬼】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1092473463/