第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-015
【文學界新人賞】
年2回募集、そして原稿用紙100枚程度という適度な長さから、
最も人気の高い純文学系新人賞となっている。
芥川賞を主催する文藝春秋社の新人賞である点も見逃せない。
第1回の受賞は『太陽の季節』by東京都知事石原慎太郎。
石原氏はこの賞をきっかけに、華々しい人生のスタートを切った。
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対して昨年大ブレイクした片山恭一@セカチューもこの賞を受賞しているが、
受賞後10年以上も下積みを余儀なくされていた(生真面目な彼は、
受賞者でありながら他の新人賞へも応募を続けたそうだ)。
そう、受賞→芥川賞(候補)へと繋げられないと、ボロ雑巾のように
捨てられる(?)との噂があるのもこの賞の奥深いところ(真偽不明)。
文學界新人賞は100回目を数えるが、ご存命の(専業でもってる)
作家はその十分の一ほどだろうか(まあ、純文学なんてそんなものだが)。
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ジャンルは幅広く、第92回受賞作『クチュクチュバーン』(吉村万壱)は、
蜘蛛女やシマウマ男が登場するなど、筒井ばりの奇想天外ストーリー。
もちろん、ドラマ化された『東京湾景』の作者吉田修一氏などの、
正統派身辺雑記系(?)が王道だ。
その他、松浦理英子、鷺沢萠、篠原一、絲山秋子、モブ・ノリオほかが受賞。
【富士見ファンタジア長編小説大賞】
現在第十八回を数える、ライトノベル系で二番目に古い(最古の賞はコバルト)新人賞。
メディアミックスで一世を風靡した「スレイヤーズ」の神坂一(同名作品で第一回準入選)や、
「卵王子カイルロッドの苦難」の冴木忍(「風の輪舞」で第一回佳作)「魔術師オーフェンはぐ
れ旅」の秋田偵信(「ひとつ火の粉の雪の中」で第三回準入選)「スクラップド・プリンセス」の
榊一郎(「ドラゴンズ・ウィル」で第九回準入選)などが、この賞の出身者。
ただ、これらの作家は、誰一人として大賞受賞者ではなく、角川系のライトノベル新人賞に共通
する「大賞受賞者は受賞後あまり活躍せず、大賞を逃した者の方からヒット作が出る」という傾
向が、著しく顕著。
過去、大賞を受賞したのは「はじまりの骨の物語」の五代ゆう(第四回)「風の白猿神」の滝川
羊(第六回)「12月のベロニカ」の貴子潤一郎(第十四回)の三名だが、いずれも大賞受賞作
を含め、ヒット作といえるだけ売れた作品を出しておらず、滝川羊に至っては受賞作も未完、続編
を期待されながらいまだに出すことができず、まさしく「後が続かない一発屋」の代名詞となって
いる感すらある。
しかも前出の「受賞者出身人気作家」は、ほとんど一桁代の回に受賞した者で、最近は受賞者がなか
なか作家としてモノにならず、ヒット作を出せないまま消えてゆく傾向が強いとみられている。
受賞作
「スレイヤーズ」神坂一(第一回準入選)
受賞作がそのまま大人気長編に繋がった、今のところ唯一の例。ある意味、ライトノベルの金字塔
といってもいい作品。
「ひとつ火の粉の雪の中」秋田偵信(第三回準入選)
こちらは、人気を博した「魔術師オーフェンはぐれ旅」とはかなり毛色の違う、秋田偵信という
作家の懐の深さを示す作品。個人的には「オーフェン」より高評価。
「はじまりの骨の物語」五代ゆう(第四回大賞)
北欧神話をベースにした、独特の詩情あふれる作品。初の大賞受賞もうなずける良作だが、富士
見の読者層に広く読まれる作品ではないというのも、残念ながら事実。
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Writen by 名無し物書き@推敲中(【文學界新人賞】)
and イラストに騙された名無しさん(【富士見ファンタジア長編小説大賞】)
※「文学賞メッタ斬り!」
ttp://www.ne.jp/asahi/kaeru/bungei/metta/mettagiri.html ※とは関係ありません。
次は7:30ごろに投下します。
【新潮新人賞】
創刊100年という世界にも稀な脅威の文芸誌新潮、かつて新潮は、芥川賞を
とっても原稿依頼が来ない(?)、とまで言われていたプライドの文芸誌だ。
そしてその新人賞、相当に硬派である。近年活躍している受賞者
N村F則氏には、何と童貞(神)との噂まであった(真偽不明)。
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受賞者には、受賞後も硬派な作家生活が約束される。
その新人賞史において、認知度の高いメジャーな作家は、何とほぼゼロ(?)。
飽食の現代にプロレタリア文学を志したい若者にはぴったりかもしれない。
ああ、純文学に明日はあるのか!?
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受賞者の年齢層は比較的高め、文章も固めである。枚数は250枚以内。
ホームページに飛ぶと、選考委員であるメガネのダンディズム浅田彰氏が、
(前もって言うべきことはない)と優しく迎えてくれる。
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食肉処理場で牛と向き合う作品『生活の設計』で受賞した佐川光晴氏は、
『縮んだ愛』で野間文芸新人賞を受賞している。また、前述の神@中M文N氏も、
カミュを髣髴とさせる精緻な文体で注目の作家であり、同賞を受賞している。
【角川スニーカー大賞】
現在第十一回を数える。大賞受賞者は、第二回「ジェノサイド・エンジェル 叛逆の神々」
の吉田直、第三回「ラグナロク 黒き獣」の安井健太郎、第八回「涼宮ハルヒの憂鬱」の
谷川流の三人で、角川系ライトノベル新人賞にしては珍しく、三人ともスニーカー文庫で
ヒットを飛ばしている。また、大賞以外の受賞者には、冲方丁(「黒い季節」で第一回金賞)
七尾あきら(「ゴッドクライシス」で第一回金賞)浜崎達也(「トリスメギトス 光の神遺物」
で第三回優秀賞)三雲岳斗(「アース・リバース」で第五回特別賞)浅井ラボ(「されど罪人は
竜と踊る」で第七回奨励賞)などがいる。こうしてみると、地味ながら、受賞者が作家として
残る歩留りは悪くない、とも言える。
しかし、第二回の大賞受賞者吉田直は、ヒット作「トリニティ・ブラッド」のアニメ化を目前に
して、2004年7月15日に逝去。第三回の大賞受賞者安井健太郎は、多くの読者に続編を
待ち望まれながら、2003年から急速にペースダウン。2004年には新刊を出すことができ
なかった。その中で谷川流は、スニーカー文庫と電撃文庫で快調に新刊を出している。
(つづく)
(角川スニーカー大賞つづき)
受賞作
「黒い季節」冲方丁(第一回金賞)
記念すべき第一回の金賞作品でありながら、スニーカー文庫には収録されず、ハードカバーとして
発刊された。確かに秀作ではあるが、ライトノベルと言っていいのかどうか迷う作品。
「ラグナロク 黒き獣」安井健太郎(第三回大賞)
こちらは、いかにもライトノベル的な、ある意味王道を行くアクション快作。そのまま長編に移行
し、人気を博したが、現在は進行が止まってファンを嘆かせている。
「涼宮ハルヒの憂鬱」谷川流(第八回大賞)
ラグナロクとは別の意味でライトノベルの王道を行く、不思議少女ハルヒの物語。読み手によって
毀誉褒貶が激しいが、とにかく印象が強いのは間違いない。現在、続編が四冊発刊されている。
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Writen by 名無し物書き@推敲中(【新潮新人賞】)
and イラストに騙された名無しさん(【角川スニーカー大賞】)
※「文学賞メッタ斬り!」
ttp://www.ne.jp/asahi/kaeru/bungei/metta/mettagiri.html ※とは関係ありません。
【訂正】
ハルヒの続編は現在・溜息・退屈・消失・暴走・動揺の5冊です
乞う御一読
【群像新人文学賞】
村上春樹&村上龍である。群像といえばW村上、彼らを輩出した賞なのだ。
そのほかにも、前回の芥川受賞者である阿部和重や、多和田葉子、笙野頼子、
そして批評家の柄谷行人氏まで、多彩な才能を見出している。
彼ら彼女らに憧れ散っていった、無数の「地上の星」を思うと胸が痛い。
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他の賞に比べると、多少前衛的な作品が目立つかもしれない(個人的見解)。
もちろん、前衛といっても、テキトーに書き連ねればよいわけではない。
阿部和重氏の「アメリカの夜」や、横田創氏の「(世界記録)」を読めば、
群像新人文学賞の前衛作が分かり、作家志望者は心地良く絶望できることだろう。
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しかし村上春樹氏はその受賞作「風の歌を聴け」の冒頭で、主人公にこう語らせている。
「完璧な文章なんてものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」
そう、たとえ絶望しても、作家志望者はこの言葉を信じて、群像新人文学賞に挑戦すべき
なのだ(本当か?)。原稿用紙250枚以内、その労作がわけの分からないうちに落選して
いたとしても、君は諦めてはいけない(もちろん、諦めたほうがいい場合もあるかもしれない)。
【電撃ゲーム小説大賞/電撃小説大賞】
メディアワークス『電撃文庫』の新人賞。大賞・金賞・銀賞・選考委員奨励賞がある。現在第11回まで。
第10回までは『電撃ゲーム小説大賞』と題し、「ゲームのような小説」を募集していた(実質的には有名無実)が、
第11回から『電撃小説大賞』と改題して、より幅広く作品を求めることになった。
他のライトノベル新人賞と比べて応募総数が段違いに多く、非常に狭き門となっている。
だが、大賞受賞者はわりと多く、なかでも第4回大賞「ブギーポップは笑わない」の上遠野浩平は有名。
また、秋山瑞人(代表作「イリヤの空、UFOの夏」)や時雨沢恵一(「キノの旅」)、おかゆまさき(「撲殺天使ドクロちゃん」)などのように、
受賞を逃した作品が出版されてヒットすることもあり、電撃の層の厚さを実感させる。
というか、むしろそっちの方が売れている気がしないでもない。
やはり「大賞受賞者は受賞後あまり活躍せず、大賞を逃した者の方からヒット作が出る」のだろうか。
(つづく)
(電撃ゲーム小説大賞/電撃小説大賞つづき)
《受賞作》
・「クリス・クロス 混沌の魔王」高畑京一郎(第1回金賞)
「第一回電撃『ゲーム』小説大賞」ということで、バーチャル・リアリティなゲームを舞台とした小説になっている。
以降、作者は「タイム・リープ」などの本格的なSFの名作をいくつか書き残すが、いかんせん非常に遅筆。
・「ブギーポップは笑わない」上遠野浩平(第4回大賞)
電撃文庫躍進の立役者。大賞を受賞したにもかかわらず活躍した稀有な例。
その冷めた文体、謎めいた世界観に多くの人間が魅せられ、アニメ化や漫画化、実写映画化(黒歴史)もされた。
・「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」成田良悟(第9回金賞)
大量のキレたキャラクターが活躍するB級映画のようなストーリー。
年間六冊+αの速筆と、破綻のない構成、そして他を圧倒する「誤字」を武器に、(一部)熱狂的なファンを獲得している。
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Writen by 名無し物書き@推敲中(【群像新人文学賞】)
and イラストに騙された名無しさん(【電撃ゲーム小説大賞/電撃小説大賞】)
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次は13時半ごろです。