第2回2ちゃんねる全板人気トーナメント宣伝スレ-012
まずはグラマーについて。
世の中、意外な言葉が同語源ということがあります。
例えば、英語で文法のことグラマーって言いますが、
これとグラマー女優なんていう時に使う、魅力という意味のグラマーって同じ語源なんです。
なんだ、まんまじゃない、なんて言わないで。
文法は「Grammar」、魅力は「Glamour」RとLが違います。
これ、結構複雑な関係なんです。Grammarを知っていると魔法のように本が読めるので、
中世にGrammarからGramaryeという
「魔法、魔術書、魔法習得」といった意味を持つ語が生まれ、
さらにこのGramaryeの意味を持たされたGrammarから、LとRが取り違えられて
「魔術、呪文」の意味のGlamourないしGlamerという語が生まれ、
これが19世紀初めごろから「魔法のように人を引きつける魅力のある美しさ」
というような意味に転じていったんです。
でもLとRを取り違えるのは別に日本人だけじゃないんですね。
英語が苦手な私もちょっと安心するお話です。
おつぎはクレーター。
月を顔に見立てると、痘痕のように、隕石の衝突跡があります。
これがクレーターについての、一般的な理解ではないでしょうか。
英語では、他の意味がありまして、
火山の噴火口もcraterですし、爆発による窪みも、弾痕もcraterです。
この語源は、ラテン語のクラーテル(スペルは同じcrater)です。
ローマ人は、一般的に、葡萄酒を水で割って飲んでいました。
(時には、蜂蜜、海水、松脂、色々な物を混ぜたりしました。今のカクテルのように。)
これに用いられた混酒器が、クラーテルです。
何故、同じように呼ばれるかと言えば、凹状にくぼんだ形が同じだから。
現在のナポリ近辺は、ローマ時代から葡萄酒の産地として有名でしたが、
ナポリ湾のことをラテン語で、同じくクラーテルというのも興味深い一致です。
ですから、クラーテルをコップ座と訳すのは、ホントは間違いですね。
世界史板支援のお時間でした。
次回の投下をお待ち下さいませ。
世界史板支援付けたしです。
何か忘れてると思ったら…。
パラサイトについて。
パラサイト「寄食者」、っていう言葉、
今では自分で稼がず親にたかるパラサイト・シングルとか、そのものずばり「寄生虫」とか、
ひどい意味ばかりですが、実は西洋の古代世界においてはそうではなかったんです。
もともとこの語は市民からクジなどで選ばれて、その都市の守護神と共に食事をする人という、
都市国家にとって極めて重要な神事を行う
(難しい言葉で言うと)「陪食神官」の意味だったんですね。
ギリシャ人達は、もしこの食事を一日でも怠れば
国家は神々の恩寵を失う危険があると信じていたので、
この役職にある者が会食の義務を果たすことを拒むと
法律によって厳しく罰せられました。
だからこの役職にある人は毎日花の冠をかぶり神聖な白衣をつけて、
ずっと昔から定められたままのメニューの食事を取ることが義務づけられてました。
このメニューは、パンの形一つ取ってみても
変更はゆるされなかったらしく料理も簡素なものでした。
でもこの聖なる食事が終わった後は、各自好きな物を食べてもよかったそうです。
仕事の上とはいえ、そうでなきゃつらいですものね。
何がどうなって今の言葉に変わってしまったのやら…。
言葉の移り変わりって不思議ですよね。